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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

一九九九年第二回都議会定例会を終えて(談話)

一九九九年七月十四日
日本共産党東京都議会議員団団長
秋 田 か く お

一、今定例会は、石原都政となって初めての定例会であり、知事の都政に対する基本姿勢が問われた。わが党は、都政運営の根本問題とともに、知事が施政方針ではっきりとした見解表明を避けた重要問題について、知事の見解をただした。
 知事は、財政難を口実に、医療費助成や私学助成などの都民施策を切り下げることを打ち出した青島前都政の「財政健全化計画」の路線を引き継ぐのかどうかというわが党の質問に対し、さらに厳しく「聖域を設けず施策の見直しを行う」との見解を表明した。
 一方、石原知事は、臨海副都心開発について、今後二兆円もの都財政をつぎ込み開発をつづける青島前都政の「見直し基本方針」を基本的に踏襲する立場を明らかにした。
 石原知事は七月末に「財政再建推進プラン」「福祉施策の再構築プラン」を発表するとしているが、知事がこれまでの大型開発優先、都民いじめの都政の路線を継承する方向にふみだすなら、都民の批判はまぬがれないであろう。
 都民施策切り下げに通ずる一律予算カットなどに対しては、他の会派からも反対の態度が表明された。わが党は、広範な都民とともに、都民施策の切り下げを許さず、くらし・福祉を守るため、ひきづつき全力をつくすものである。

一、今定例会では、介護保険への対応が焦点の一つとなった。わが党は、介護保険への準備状況に関する都内全区市町村の実態調査を行い、それをふまえ、保険料・利用料負担の減免制度の創設、要介護認定で保険対象外となる人への対策、遅れている介護基盤整備の促進、区市町村の準備状況の実態調査と情報公開などを要求した。これに対し、低所得者に対する保険料などの減免について「配慮が必要」との答弁を得た。介護サービス基盤の整備、地方自治体に対する十分な財政措置などを求める意見書が採択されるとともに、厚生委員会で介護保険問題の集中審議が行われることになったことは重要である。

一、わが党は、都民の切実な要求実現の立場から、積極的に建設的提案を行った。
 深刻化する失業・雇用対策では、リストラへの法的規制を求めること、都が「雇用危機宣言」を行い大企業に雇用確保を申し入れること、中小企業のための臨時の雇用維持助成制度の創設、求職時の年齢制限の禁止など抜本的対策を求めた。
 また、都民の食の安全を守る立場から、遺伝子組み換え食品問題をとりあげ、実態の把握や独自の研究体制の拡充、正確な表示の指導に努力するとの答弁を得た。成人のアトピー患者の実態調査をおこない支援策を強めるよう求め、実態把握と対策の検討を約束させた。

一、地下鉄十二号線環状部の建設に関して、知事が談合の存在を認める発言を行った。わが党は一般質問で関係資料の提出を求めたが、知事はまともに答えることを避けた。同工事に関しては、事前の談合情報やほぼ情報通りに大手ゼネコンを中心に工区割りが行われたことなど、わが党がたびたび追及してきたものである。知事の態度は、真相究明に背を向ける点でも、議会における自らの公式な発言に責任を持たないという点でも、許されるものではなく、わが党は、ひきつづき真相究明に全力をつくすものである。

一、今定例会で、米軍横田基地、多摩サービス補助施設の返還を求める意見書が、都議会史上初めて採択されたことは画期的である。わが党は、住民の願いにこたえ、一日も早い横田基地返還と多摩サービス補助施設の都民開放などが実現するよう奮闘するものである。

以 上