過去のページ

■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

一九九九年第三回都議会定例会を終わって(談話)

一九九九年九月三十日
日本共産党東京都議会議員団団長
秋 田 か く お

一、今定例会で、わが党は、「財政再建推進プラン」と「福祉施策の新たな展開」が、財政難を口実に、都民の福祉・くらしを切り捨て、いかに深刻な都民犠牲をもたらすかを示し、知事の認識をただした。
 とりわけ重大な問題は、障害者や高齢者・乳幼児、ひとり親家庭を対象とする各種の医療費助成や福祉手当、シルバーパスなど、都民の生活支援のためになくてはならない都独自の福祉事業を根こそぎにしようとしていることである。
 ところが、知事は、都民の生活実態に照らしてどう考えているのか、などのわが党の問いに、なんらまともに答えることなく、あくまで福祉切り下げ計画を推進することをくりかえし表明した。
 どんなに財政が苦しくとも、くらし・福祉をまもる立場をつらぬくのが、自治体本来のあり方であり、石原知事の姿勢は、この立場とあいいれないものであり、都民からきびしい批判が高まっているのは、当然である。

一、今定例会では、財政難の最大の原因であり、今日、失敗が明らかな臨海副都心開発にメスを入れるどころか、いっそう開発を拡大しようとする石原都政の危険な方向が明らかになった。
 知事は、所信表明で、今後二兆円もの都財政をつぎこんで、臨海副都心開発を継続する方針にしがみつくばかりか、「臨海地域を首都東京を蘇らせる起爆剤にする」などとして、開発地域を臨海部全体に拡大する方針を明らかにした。これは、破たんのはてしない拡大と都民負担のいっそうの増大に道をひらく危険きわまりないものである。
 財政難を理由に、都民には痛みを押しつける一方、破たんした臨海開発の浪費は拡大という石原知事の方向は、都政の逆立ちを新たな段階にすすめるものにほかならない。
 財政難というなら、いま求められているのは、大型開発の浪費に抜本的にメスを入れることであり、減債基金の過大なためこみなども見直せば、都民に痛みを押しつけずに、都財政を立て直すことは十分できる。この方向こそ、都民の願いにこたえる道であり、わが党は、ひきつづきこの方向に全力をあげるものである。

以 上