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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

 日本共産党都議会議員団は、11月16日、午前10時、日本共産党都議会議員団は福永正通副知事と面談し、石原慎太郎都知事に対する来年度予算編成に関する別紙内容の申し入れをおこないました。
 申し入れは、木村陽治幹事長、渡辺康信政調委員長、曽根はじめ、大山とも子両政調副委員長の4名でおこないました。
 申し入れに対して、福永副知事は「各局から出された188項目の重要施策は、まとまりがなくあらためて検討している。重要施策の査定は財務局がおこなうことにした」と答えました。
 日本共産党は、申し入れの立場で、都民のくらし、福祉優先の予算の実現に向けて全力をつくす決意です。

以下、申し入れの全文です。


都民のくらし・福祉優先の予算編成を

 東京都の来年度予算各局要求の概要が明らかにされるとともに、今月中には「重要施策」の選定が予定されるなど、来年度予算の編成作業がすすめられています。
 この間、わが党は百をこえる団体と来年度予算に向けての懇談をおこないました。懇談を通じて寄せられた要望や意見は、戦後最悪の不況とリストラ、国の社会保障の連続的改悪、さらには小泉改革の「痛み」のあらわれを反映して、かつてなく深刻、切実なものでした。また、東京都が「住民の福祉」をまもり、向上させるという自治体の本来の立場にたち返ることを求める声も多く寄せられました。
 しかし、各局要求で示された内容は、「来年度予算編成に関する副知事依命通達」や「平成14年度に実施すべき重要施策の立案に当たっての基本方針」などにそって作成されており、石原知事が目玉としている「東京構想2000」や都心再生などの大型開発に重点的に予算を配分する一方、「重要施策」以外の都民施策については一律一〇%マイナスシーリングが押しつけられ、施策の廃止や縮小が目白押しとなっています。
 シルバーパスや老人医療費助成などの福祉の切りすてにとどまらず、都立病院、保健所の統廃合など都民施策に大なたがふるわれようとしていることも重大です。
 くわえて、都は来年度税収が大幅に落ち込むとしていることから、知事査定に向けて、さらなる施策の切りこみがおこなわれることが予想されます。
 このような方向は、都民の願いと大きくかけ離れたものといわざるを得ません。日本共産党は、予算の編成にあたっては、今日の深刻な都民のくらしと営業の現実をふまえ、切実で緊急な都民要求に重点的に予算の配分をおこなうよう求めるものです。
 例えば、本格的な少子高齢化を迎えるもとで、他の大都市とくらべて立ち遅れている介護基盤の緊急整備や介護保険料・利用料の減免、高齢者や障害者などの生活と健康を支えるうえで不可欠なシルバーパスや老人・障害者医療費助成などの経済給付的福祉事業の復活、さらには公的保育所や学童保育などの拡充、三〇人学級への移行などを施策の柱の一つとしてすえること、小児医療など、安心して医療がうけられる体制の確立などは切なる都民の願いです。
 リストラを規制するルールづくりや公的就労の実施、職業訓練、教員や消防職員など拡充が急がれている分野の採用拡大などの緊急雇用対策、機械・金属、印刷製本、アパレルなどの東京の三大地場産業振興や商店街振興、中小企業予算の抜本的拡充は、不況に苦しむ都民や業者にとって頼みの綱ともいうべきものです。不況のもとで、公共料金の値上げはおこなうべきでないことはいうまでもありません。
 京都議定書にもとづく地球温暖化対策や自動車排気ガス対策、都市公園などの環境行政の拡充なども今日的課題となっています。高齢者や若年ファミリー世帯など、だれもが安心して住みつづけられる東京を実現するための、都営、公社住宅の新規建設やマンション建て替え支援、住宅・交通のバリアフリー推進なども重要です。
 同時に、都心再生のための首都高速道路をはじめとする幹線道路や大規模再開発、臨海副都心開発などの公共事業の見直しをおこない、一般会計で八兆円近くにのぼる借金依存財政から脱却することは、先延ばしできない課題であり、この方向にふみだすことで、財政立て直しと都民要求の拡充をあわせてすすめることが可能となります。
 以上、日本共産党都議団は、来年度予算編成にあたって、石原知事が、自治体の本来の姿勢にたちかえり、都民の切実で緊急な要求に応えるよう要望するものです。

日本共産党東京都議会議員団
二〇〇一年十一月十六日
東京都知事 石原慎太郎 殿