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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

第四回都議会定例会を終えて

二〇〇一年一二月一九日
日本共産党都議会議員団
団長 秋田かくお

一、今定例会では、戦後最悪の不況の嵐から、都民のくらしと福祉をどうまもるのかが、おおきく問われました。わが党は、東京都の首都機能移転反対や地球温暖化対策について、そのとりくみをいっそう前進させる立場から提案をおこなうとともに、不況対策を緊急の課題として位置づけ、石原知事に、雇用のルールの確立、失業者や自殺で親をなくした子弟のための生活支援をはじめ、雇用、中小企業支援のための緊急対策本部の設置、さらには補正予算の編成などをつよくもとめました。
 京都議定書にもとづく二酸化炭素の排出抑制の目標設定の表明、小児科医師の養成・確保、子どもたちの心ケア対策としての学校における相談体制の充実、都市計画税の減税の継続を求める決議の採択などは、わが党の提案が実ったものです。
 論戦を通じて、石原知事が「重要施策」の選定などで、おしすすめようとしている「都市再生」などの大型開発のツケが、福祉や教育など都民のための施策にしわよせされるという、逆立ちぶりがあらためてうきぼりにとなりました。焦点のひとつとなった、十六の病院を八つに統廃合する「都立病院改革」問題について、わが党は、この計画が地域医療からの撤退であり、だれもが、良質な医療を公平にうけることを保障する都立病院本来の役割を後退させるものであることをあきらかにし、撤回をもとめました。
 小児病院の廃止がうちだされた清瀬市や八王子市などをはじめ、各地で統廃合に反対する都民世論がおおきなひろがりをみせており、専門医師や関係者、都民の参加であらためて、議論をつくすことをつよくもとめるものです。
 石原知事が来年度予算で、これまでの老人医療費助成(マル福)など福祉の十事業のきりすてにとどまらず、あらゆる分野で「痛み」をおしつけようとしていることも、うきぼりになりました。なかでも、慢性肝炎、肝硬変などへの難病医療費助成のうちきりについては、その七割がいまも治癒困難とされ、患者の生命にかかわる問題であることからも、まったく道理のないものであることはあきらかです。
 ひきつづき、都民のくらし、福祉優先の予算と、切実な都民要求の実現のために全力をつくすものです。

一、管理職の給与カットを、来年度も継続する条例改定案は、自民党、公明党の賛成で継続審査となりましたが、そのねらいは、今年度末でうちきりとなる一般職員の給与カットを継続させることにあります。本来、地方公務員の給与は、争議権など労働基本権が制約されているもとで、民間の給与水準を反映させるしくみとして、第三者機関としての人事委員会の勧告にもとづき、労使間の合意にもとづいて決められてきました。このルールは、最大限尊重されるべきものです。
 観光やビジネスで来訪・宿泊した人に課税するホテル税が成立しましたが、わが党は、東京都の「千客万来」の観光振興の趣旨とあい反するとともに、「応益負担」の原則に反し、目的もあいまいな法定外目的税を導入することに反対しました。

一、女性べっ視発言や留置場建設問題など、自治体の長として、見識がうたがわれる石原知事の言動がくりかえされたことも重大です。わが党は、知事が女性週刊誌でおこなった、長生きする女性は「無駄で罪」などの発言は、知事としてゆるされるものでなく、都政への信頼を根底から失わせるものとして、きびしく批判し、発言の撤回をもとめました。これにたいし、知事は、テレビでの対談者の話を、「私なりにうけとめた」とのべ、一連の発言が知事自身の考えにもとづいていることを認めましたが、発言の撤回については拒んでおり、都民の批判はまぬがれません。
 留置場建設問題は、予定地の取得時に、東京都と地元渋谷区とのあいだでむすんだ、利用計画策定にあたっては事前協議に誠意をもって対応する旨の約束を、一方的にふみにじるものであり、東京都が、地元区、住民との合意を無視して、建設計画を立案することがあってはなりません。

以上