過去のページ

■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

第一回定例会を終えて

二〇〇三年三月七日
日本共産党東京都議団 団長 秋田 かくお

一、本定例会で、石原知事は、自らの憲法全面否定発言について、憲法「九十九条違反で結構」、「私はあの憲法を認めません」と答弁しました。憲法九十九条は、知事を含め公務員の憲法尊重擁護義務をきびしく定めています。憲法を否定し、尊重擁護する意思がない石原氏の立場は、知事の立場と両立しないものであり、知事としての資格はありません。
 石原知事は、イラク問題でも、アメリカの武力攻撃を容認する態度を表明し、イラクを「淘汰」するのは間違っていないと発言しました。これは、都民の戦争反対の願いをふみにじり、平和的解決をもとめる世界のながれに敵対するものにほかなりません。

一、未曾有の不況と小泉内閣の社会保障負担増、中小企業切りすての不良債権処理の加速策などから、都民のくらしと営業をまもることは、都政に課せられた最重要の課題となっています。
 しかし、石原知事が本定例会に提案した来年度予算は、緊急の失業対策や中小企業支援は見られず、また、老人福祉手当の廃止をはじめとする福祉の切りすての一方で、「都市再生」のための大型公共事業には重点的に予算が配分されるものとなっており、日本共産党は反対しました。
 成立にいたりませんでしたが、日本共産党が提出した予算の組みかえ提案は、「都市再生」にかたよった税金の使い方をあらため、失業者の生活支援や雇用、中小企業対策の充実、老人医療費助成などの切りすてられた福祉の復活、介護保険の負担軽減、さらには、公立学校の三十人学級、ヒートアイランド対策など切実な都民要求の実現をはかるものです。提案は、これらの都民要望とあわせて、借金づけ都政からの転換をめざすもので、この方向こそ、都民の願いにこたえるものであると確信するものです。
 日本共産党は、この四月から廃止される老人福祉手当を存続させるための条例改正の提案をおこないましたが、自民、公明、民主、ネットなどの反対で成立にいたりませんでした。

一、本定例会の論戦をつうじて、この四年間に、石原都政がすすめた逆立ち政治のひどさが、あらためて鮮明になりました。
 石原知事が「何がぜいたくかといえば、まず福祉」だといい、「財政再建推進プラン」にもとづいて、シルバーパスや老人医療費助成などの東京の福祉のきりすてをすすめた結果、全国の政令市を持つ七つの府県が福祉予算をふやしているのに、東京の福祉予算はおおきく後退し、減額となっていることが、わが党の調査で明らかになりました。
 また、石原都政が、認可保育所の保護者負担が低すぎるという立場から、保育料の大幅値上げにつながる補助金の削減を検討していることや、保育料が著しく高額な営利企業による認証保育所を東京の保育の中心にすえようとしていることが、いかに間違っているかもうきぼりになりました。
 超高層ビルと大型幹線道路中心の「都市再生」が、東京のヒートアイランド現象と都心部の自動車交通をいっそう激化させるものとなることも、日本共産党の追及で明らかになりました。また、「都市再生」で東京のビル不況がさらにひどくなることをただしたのにたいして、石原知事が「ビルを建設している当事者に聞いてほしい」と開きなおったことは、無責任のそしりを免れません。
 この間、長野県や高知県などで「住民が主人公」のあたらしい自治体の模索がはじめられています。しかし、石原都政はこれとは正反対の、自民党型政治を継続・拡大していることを指摘しておくものです。

一、「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババア」という女性蔑視発言は、ほかならぬ、石原知事自身によるものであったことが、日本共産党の追及で明白になりました。また、石原知事は、障害者の人格を否定する発言など、憲法が保障する人権や生存権を否定する言動をくりかえしており、この点でも自治体の長としての適性が疑われるものです。

一、きたる都知事選挙では、憲法を否定し、平和と民主主義を敵視、福祉・教育などの都民施策をを切りすてる一方で、環境と地域経済を破壊する「都市再生」をすすめる逆立ち都政をつづけるのか、それとも、憲法を都政にいかし、平和、民主主義、都民のくらしと福祉最優先の都政に転換するのかが、問われます。
 日本共産党は、若林義春東京都委員長を先頭に、まともな都政への転換を願う都民のみなさんとの共同をひろげ、「住民が主人公」の都政を実現するために全力をつくすものです。

以上