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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

第三回都議会定例会を終えて

二〇〇三年十月六日
日本共産党東京都議団 幹事長  吉田 信夫

一、 石原知事のテロ容認発言は、いかなる理由であれ絶対に認められないものであり、発言の撤回と謝罪をつよくもとめました。
 しかし、石原知事は、外務省幹部の言動は「万死に値する」から「ああいう表現をした」などとひらき直り、テロ容認の態度をあらためようとしませんでした。日本共産党は、都議会として発言の撤回と謝罪を要求すべきことを提案しましたが、自民、公明、民主の各党が、その必要がないとの態度をとったことは、都民の議会にたいする期待をうらぎるものです。
 知事の発言は、テロ容認の風潮を助長する危険のつよいものであり、今後とも、きびしく追及していきます。

一、 石原知事が策定をすすめている第二次財政再建推進プランにたいして、各会派から疑問や異議の声があげられたことは、都民世論と運動を反映したものとして重要です。
 とりわけ、都民生活に密着している区市町村補助や私学助成の「見直し」について、それぞれ「サービス低下はあってはならない」、「いっそうの振興」をもとめるなどの質疑がおこなわれました。制度の廃止にむけて都が見直しをすすめている私立保育園への人件費補助についても、「施設運営に支障が生じないよう配慮すべき」との意見が各会派から出されました。
 都が強調している「巨額の財源不足」について、減税補てん債などの財源が計上されていないことや、都自身が今後の税収増を認めているなど、絶対的なものでないことがあきらかになりました。知事が、「財政危機」を理由に、都民施策をきりすてることは、容認できるものではありません。
 その一方、石原知事が、東京地裁が土地収用の停止決定をおこなった圏央道をはじめとする国の大型公共事業について、「都が応分の負担をするのは当然」といったことは、都民を犠牲にして、「都市再生」を聖域にするものにほかなりません。
 日本共産党は、財政難を口実とした都民施策の切りすてをゆるさず、大型開発優先の行財政運営をあらため、都民のくらしと福祉を第一にした財政の立て直しの実現のために全力をつくす決意です。

一、 宮城県北部地震、十勝沖地震など大地震が連続的に発生するもとで、学校のいっせい安全点検と耐震補強、木造住宅の耐震・耐火補強対策、超高層ビルや地下鉄、地下街などの都市型施設の地震対策など、東京を地震につよい都市として再生させるための提案をおこないました。
 これにたいして石原都政は、緊急の課題である学校や木造住宅の安全対策などは、もっぱら、区市町村の仕事として支援することをこばみ、木造住宅密集地域の改善、都市型施設の調査、被害想定についても、消極的な姿勢をとったことは、都民の安全を守る責務をないがしろにするものです。

一、 石原知事が提案した銀行税訴訟の和解案は、「金融機関の体力が低下」しているなどとして、税率を低くおさえ、不良債権処理による大銀行の課税のがれを追認するもので、都民の納得と合意をえられるものではありません。
 大銀行はこの九月期決算で、のきなみ高収益をあげ、課税の基準となる業務粗利益も銀行税導入前と同様の高い水準を維持しているなど、東京都が大幅に譲歩しなければならない理由は見あたりません。
 日本共産党は、和解案の撤回をつよくもとめるとともに、大銀行に適正な税負担をもとめるあらたな和解案を策定し、銀行側と交渉をおこなうことを提案しました。
 銀行税をめぐる知事の「密室」の都政運営について、都民各層、各会派から、都民不在、議会軽視というきびしい批判があげられており、知事は真摯にうけとめるべきです。

一、 迷惑防止条例に「つきまとい行為等の規制」の条項をくわえる改定案が、自民、公明、民主、ネットなどの賛成で成立しました。日本共産党は改定案に反対するとともに、質疑を通じて、政治活動、労働運動、市民活動、取材活動などはもちろん、憲法が保障する諸権利の行使などは、条例の対象外であることを認めさせ、警察が濫用しないよう約束させました。

一、 二十一世紀の日本の進路がおおきく問われる総選挙が目前に迫りました。日本共産党は、自民党政治の古い枠組みを打破し、野党らしい野党としてかならず躍進を果たすために全力をつくす決意です。

以上