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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

二〇〇四年度東京都予算原案について

二〇〇四年一月一六日
 日本共産党東京都議会議員団
 政策調査委員長  曽根 はじめ

、不況にくわえ、小泉政権が年金・医療の改悪、所得税増税などで七兆円をこす国民負担を押しつけようとしている今日、都民のくらしと営業をまもることこそが、都政の最優先の緊急課題です。
 ところが、二期目をむかえた石原知事の予算原案は、福祉や教育などの都民施策の千二百億円もの削減と、都立施設からの撤退などを打ちだした「第二次財政再建推進プラン」「第二次都庁改革アクションプラン」の具体化にふみだした結果、福祉局予算が三年連続で累計五百八十八億円も減らされ、中小企業対策予算も九年連続で後退するなど、福祉、くらしにさらなる大なたをふるうものとなっています。
 とりわけ、保育水準の確保におおきな役割をはたしている私立保育園などに対する「民間社会福祉施設サービス推進費補助」の削減は重大であり、これらの補助は、拡充こそがもとめられているものです。区市町村補助についても、四十歳未満の胃ガン検診補助の切りさげ、見直しなどが実施されました。
 村山大和保健所など五カ所の都保健所の廃止、大久保病院の公社移管、吉祥寺・大森老人ホームの直営廃止、青少年センター、水元青年の家、新宿労政事務所や労働スクエア東京(元中央勤労福祉会館)の廃止も都政が自治体として必要な仕事を投げすてようとするものであり、都民の批判はまぬがれません。
 都立高等専門学校の授業料の値上げや公社賃貸住宅家賃の値上げも、不況に苦しむ都民生活においうちをかけるものです。
 全国の自治体がいっせいにふみだそうとしている三十人学級について、東京都がいまだにかたくなに拒んでいることも許されません。
 同時に、こうしたもとでも、小児科医師の確保、不妊治療費助成、痴呆性高齢者グループホームの緊急整備、介護予防事業、交番機能の強化、ナノテクノロジーセンター、ヒートアイランド対策、救急隊の拡充、固定資産税・都市計画税の軽減措置の継続など、日本共産党の提案が予算化されたことは、貴重な成果といえます。

、住宅局を廃止するなど、都民生活に役立つ公共事業からおおきく撤退する一方、丸の内の再整備、大手町再生プロジェクト、豊洲・晴海などの臨海副都心の再開発、都有地を民間の開発に提供する「先行まちづくりプロジェクト」など、超高層ビルと大型幹線道路中心の「都市再生」を本格的にすすめようとしていることも、地方自治体としての役割に逆行するものです。
 幹線道路予算は、今年度比で八十四億円増の九百四十二億円に達しているほか、事業費が四千億円もかかるといわれる首都高速道路中央環状品川線に着手するための「大橋地区」の再開発予算も新規に計上されるなど、投資経費は一兆円規模で高止まりしています。
 この方向は、大企業優先の東京一極集中を促進し、都心への自動車の集中やヒートアイランド現象などの環境破壊をいっそうはげしくするとともに、今後の膨大な財政負担を余儀なくすることで、都財政にもおおきな困難をもたらすものです。

、新銀行に対して一千億円の投資をおこなうとしていますが、これは、先の第四回定例会で明らかにされたように、貸し渋り、貸しはがしに苦しむ中小業者の救済に役立つものにならないことは明白であり、予算化すべきではありません。
 都は、二つのプランにもとづく都民施策の「見直し」をすすめる理由として「巨額の財源不足」をあげていますが、「都市再生」などへの投資を見直すことや、新銀行への投資をあらためることで、都財政の立て直しと都民施策の拡充をすすめることは可能です。
 日本共産党は、石原知事が「住民の福祉の増進」という地方自治の立場に立ちかえることをつよくもとめるとともに、予算の組み替え提案など、都民のみなさんと力をあわせて、都民本位の予算の実現に全力をつくす決意です。

以上