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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

 10月20日、下記の申し入れを吉田信夫幹事長、曽根はじめ政調委員長、大山とも子政調副委員長、かち佳代子都議、小松恭子都議、河野百合恵都議が都庁内でおこないました。
 わが党がおこなった「特別養護老人ホームに関する調査」のまとめ(概要)について説明し、特別養護老人ホーム経営支援事業の存続・拡充をはじめ支援の拡充と増設を要請しました。
 幸田昭一福祉保健局長は、「介護の苦労はわかっている」「今回の申し入れは頂戴して、うけとめていく」と述べました。

以下、本文です。

特別養護老人ホームへの支援の拡充と増設を求める申し入れ

 東京都は介護保険実施と同時に、特別養護老人ホームの運営を充実するための都加算補助(一九九九年度予算二百三十五億円)を廃止しました。経過措置として特別養護老人ホーム経営支援事業が創設されましたが、二〇〇四年度予算でわずか三十一億五千四百万円にすぎません。わが党は、特別養護老人ホームのアンケート調査をおこなったところ、介護保険以前に設置された三百施設のうち、二割をこえる七十施設から回答がありました。その結果、都加算補助の廃止にくわえて介護報酬が削減され、たいへんな現状がうきぼりとなりました。
 多くの施設で重度化や高齢化がすすんでおり、手厚い介護が必要となっているにもかかわらず、常勤職員をへらさざるをえない事態となっています。その結果、基本的なサービスだけで手一杯、週に三回できていた入浴が二回しかできなくなった、などの切実な声が現場からあがっています。介護の対応や、生きがいや気持ちのはりをもつなど利用者の生活を豊かにするための対応が弱くなった・難しくなった、と回答した施設も少なくありません。都が現在おこなっている経営支援事業を、「大幅に増額・拡充してほしい」「増額・拡充してほしい」との回答は、七割近くにおよびます。
 かつての都加算補助は、重い痴呆の人のケアや、寝たきり予防、介護だけではない生きがいなどの生活全体を支援するため、なくてはならないものでした。それが根こそぎにされ、「これでいいのか」との思いが、関係者のあいだにひろがっています。
 都は、特別養護老人ホームの運営は、介護報酬でまかなわれるべきものだといいますが、介護だけでなく利用者の生活全体を支援し、利用者が最後まで人間として尊厳をもって生きることができるようにするには、介護報酬はきわめて不十分なものです。しかも、人件費や物価の高い東京では、全国一律の介護報酬だけで望ましいサービス水準を維持することはできません。いまのようなきびしい運営状況がつづくなら、今後、特別養護老人ホームの増設にも重大な支障をまねくことはあきらかです。
 よって、日本共産党都議団は、以下の事項について、つよく要請するものです。

一、 国に介護報酬の充実を求めるとともに、経営支援事業の存続・拡充をはじめ、特別養護老人ホームへの都の支援を強化すること。
二、 とりわけ運営がきびしい小規模施設にたいし、都として支援をおこなうこと。
三、 全国各地の先進的とりくみのなかで効果があきらかになっている、個別対応のユニットケアや、「逆デイサービス」を推進するため、都として支援をおこなうこと。
四、 特別養護老人ホームの利用対象者を要介護2以上にかぎるなど、重度者への重点化はしないよう国に要請すること。
五、 来年三月で経過期間がきれ特養対象外となる、旧措置による要支援の利用者にたいし、都として支援をおこなうこと。
六、 二万五千人におよぶ入所希望者が待機しているもとで、特別養護老人ホーム整備の用地費助成を堅持し、整備目標を引き上げて増設および増改築を推進すること。
七、 特別養護老人ホームの経営者、職員、利用者・家族の意見をきき、十分に尊重して施策の拡充をはかること。

  二〇〇四年十月二十日

日本共産党東京都議会議員団

  東京都知事 石原慎太郎 殿