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■ 申し入れ/談話/声明  日本共産党東京都議団

 日本共産党東京都議会議員団は、12月7日、石原慎太郎東京都知事にたいし、来年2月にきまった三宅島帰島に関して、下記のとおり、申し入れをおこないました。
 申し入れは、吉田信夫(幹事長)、古館和憲、大山とも子、清水ひで子、かち佳代子議員がおこないました。
 対応した大塚孝一総務局総務部長、裏田勝巳三宅島災害復興対策担当副参事は、「関係局、関係部署、三宅村に伝える」と述べました。

以下、本文


東京都知事 石原慎太郎 殿

2004年12月7日
日本共産党都議会議員団

三宅島帰島にあたっての緊急要望

 おおくの島民が待ち望んでいた三宅島への帰島が目前に迫りました。帰島する島民にとって、甚大な被害を受けた住宅や島での生活の再建、農・漁業、観光産業の復興など、おおきな困難が待ち受けています。
 また、有毒ガスの高濃度地域に住まいをもつ方や病人をかかえる家庭など、今回は帰島を断念し将来にのぞみを託す方や、さまざまな理由で帰島を断念された方もすくなくありません。
 このようなもとで、帰島した島民が安心して生活を営むことができるよう万全の備えをおこなうこと、安心して東京にとどまることができるように、行政のゆきとどいた支援がもとめられています。
 そこで、日本共産党東京都議会議員団は、9月におこなった「三宅島災害復興と帰島支援のための緊急要望」をふまえ、あらためて今日の事態に対応した支援をつよく要請するものです。

1 安心して島での生活が再開できるように

 帰島が決まったとはいえ、甚大な被害をうけた住宅や産業の復興、当面の生活の支えなど課題は山積しています。

【当面の生活支援】
(1) 帰島にあたって、「帰島激励一時金」を支給すること。
(2) 特別養護老人ホームの再開をいそぐこと。帰島後も高齢者が介護サービスをきちんと受けられるよう、サービス体制の確立や保険料・利用料の減免など、都として対策を講じること。
(3) 島内経済が回復するまで、国と協力し公的就労を実施すること。

【住宅の再建】
(1) 住宅再建支援について被害や被害者の生活実態をふまえ限度額を引きあげること。また、住宅再建のための10年間据え置き、長期返済の無利子貸付をおこなうこと。
(2) 独居高齢者など、自力で生活再建が困難な島民が、住みなれた地域で生活できるよう、復興住宅を創設すること。また、高齢者のための住宅建設を都として支援すること。
(3) 有毒ガスの高濃度地区の住民に対して、一定期間の生活が可能な復興住宅を建設すること。
(4) 脱硫装置の設置を、高感受性者に限定せず、幼児、児童、高齢者、障害者のいる家庭などをはじめ、希望者全員に対象を拡大し、公的負担で設置すること。
(5) 住宅再建のための資材や引っ越し荷物などの運搬について、島民の負担軽減に努めること。生活、産業再建に向けて、ボランティアの呼びかけ、受け入れ体制など都としておこなうこと。

【安全の確保】
(1) 農作業中の火山ガス被害をふせぐために、避難施設を設けること。
(2) スクールバスに脱硫装置をつけること。通学路における避難場所の整備など、支援すること。

【産業の復興と雇用の確保】
(1) 中長期の展望をもった「三宅島産業復興計画」を策定し、次世代を担う島民が展望をもって、帰島できるように強力に支援すること。
(2) 小規模商工業者など自営業者の事業再開のための助成をおこなうこと。
(3) 火山ガスに強い農産物の研究、開発をすすめること。火山ガスによる著しい被害を受けた場合、救済措置を講じること。
(4) 畜産試験場三宅島分場を再開し、土壌改良のための堆肥利用、新鮮な畜産物供給について、積極的に支援すること。
(5) 200海里漁業や栽培漁業など、長期的展望をもったあらたな漁業の開拓のため、都の試験研究機関をはじめ支援体制を確立すること。
(6) 島民がかかえている債務の償還期限の延長、利子補給の継続など関係機関にはたらきかけること。帰島後の営業再開のための新規融資希望に応える無担保無保証人融資を都として実施すること。

2 来年2月の本格帰島に対応できない方への支援

 すくなくない方が帰島をのぞみながら、有毒ガスの高濃度地区に住居があったり、病人や学校に通う児童をかかえていたりして、来年2月の帰島をやめ、ちかい将来、条件がととのった時に、帰島することをのぞんでいます。

(1) 帰島を一時見送らざるを得ない人について、避難指示解除をもって、被災者支援をうち切らないこと。都営住宅、公社住宅、都民住宅などの継続入居と家賃減免、生活扶助などについても、帰島が実現するまでは継続すること。
(2) 住宅再建支援の適用期間については、柔軟に対応すること。すくなくとも3年程度は延長して適用すること。
(3) 世帯分離して東京にのこる島民に対して、必要な支援・配慮をおこなうこと。
(4) 都内校に通学する小・中学生など子どもたちに、これまで同様にケア体制や情報 提供をつづけること。
(5) 一時帰島の際の渡航費用について補助すること。

3 帰島を断念した島民への支援

 帰島を断念した島民は、高齢化や家族に病人をかかえているなどさまざまな困難に直面しており、おおくの島民が帰島したあとの東京に残されることになります。

(1) 避難指示解除をもって、被災者支援をうち切らないこと。都営住宅、公社住宅、都民住宅などの継続入居と家賃減免、生活扶助などについては、生活が安定するまでのあいだ継続すること。
(2) 居住する自治体と協力し、島民が孤立しないよう経済的、社会的支援をおこなうこと。
(3) 都営住宅に入居している島民が集まって生活できるよう希望する人については転居を認めること。

4 三宅村への支援

(1) きびしい状況のもとで帰島事業にあたる三宅村の要請に積極的にこたえるとともに、財政支援にふみだすこと。また、国に対していっそうの支援をもとめること。

以上