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日本共産党東京都議会議員団
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議事録


本会議討論 2005年6月7日

曽根はじめ(北区選出)

首都高速道路中央環状品川 線の都道認定に反対。浪費と無駄にメスを入れ、都民要望の実現を。石原都政の異常 な都政運営について。豪華海外視察はきっぱり中止を。

 私は、日本共産党都議団を代表して、第百六十二号議案「都道の路線の認定について」ほか、五議案に反対する立場から討論をおこないます。
 第百六十二号議案は、首都高速道路中央環状品川線を都道として認定するものですが、この道路は、石原知事がすすめる超高層ビルを都心部に林立させる「都市再生」をささえるための道路計画であり、加えて、道路建設方式をこれまでの首都高速道路公団方式とあわせて都が直接、税金を投入して建設する方式を導入するもので、都が負担する資金は、これまでの方式の二・五倍の千二百五十億円にふくれあがることとなるものです。
 首都高速道路はそもそも、受益者負担の原則のもとに、有料道路として建設が認められてきたものであり、総務省も東京都の出資金などについては公団が自力で調達することを求めていたものです。今回の方式で、公団を引き継ぐ新会社の負担は大幅に軽減され、国と都の負担が増大することになります。しかも、国の場合は潤沢なガソリン税という特定目的税が原資にあてられるのに対して、都の場合は一般財源が投入され、都民のための施策にしわ寄せされるものであり、到底、認められません。
 今本議会は七日間という短期日ではありましたが、小泉政権の七兆円負担増から都民のくらしと営業をどう守るのか、福祉や教育、中小企業対策を拡充してほしいという都民のねがいにどう答えるかが問われました。
 日本共産党は、高齢者の介護手当の支給、老人医療費助成制度・マル福の維持・拡充、シルバーパスの所得に応じたパスの発行、子どもの医療費助成の年齢引き上げと所得制限の撤廃、さらには、三十人学級の実施など都民が切実にもとめている五つの緊急要望を提案し、その実現を求めました。これらの提案が、都民の願いに応えたものであり、道理にかなったものであることは、子どもの医療費助成の拡充の要望が主要会派のものとなっていること、三十人学級について文部科学省が検討にふみだし、中央教育審議会でも圧倒的多数の意見になっていること、東京都があいついで後退させている高齢者福祉施策が、全国の自治体では存続、場合によっては拡充されていることなどで明らかであります。
 あらためて、石原知事が大型開発優先の都政運営をあらため、浪費とムダ使いにメスをいれ、これらの都民要望に力をつくすことをつよく求めておくものです。
 さて、今議会において、おおくの都民が関心を寄せ、心を痛めた問題は、浜渦武生副知事の発言をきっかけとする東京都社会福祉学院の運営に関する百条委員会をめぐる問題と、この問題の追及をする過程でうきぼりにされた、石原知事の異常な都政運営についてです。
 まず、百条委員会についてですが、浜渦副知事をはじめとする証人喚問によって、同学院の運営に、「法的」に問題がなかったことが明らかにされました。しかし、同時に、同学院の建物の九割が民間の専門学校として使われていること、私学審議会において「特例中の特例」と指摘されるなど、その認可は無理に無理をかさねたものであることも明白であります。また、その背景に、石原知事がすすめる「福祉改革」路線があり、「民でできるもの民で」という民活路線の押しつけがあったことを指摘しなければなりません。
 さらに、石原知事が、浜渦副知事という特定の側近を重用することで、非民主的で強権的な都政運営の横行をゆるし、都政に混乱と停滞をもたらしたことも浮きぼりにされました。そもそも、このような事態が生じた背景には、石原知事が、週に二〜三日程度しか登庁せず、人事や政策全般を事実上、浜渦副知事の手にゆだねるという異常な都政運営をすすめてきたことがあることは明白であり、石原知事の責任はきわめて重大だといわなければなりません。
 わが党は、知事の責任を問う立場から、石原知事の問責決議案を議事運営委員会の理事会に提案しましたが、自民、公明、民主などの反対で成立にいたらなかったことはきわめて遺憾であります。
 最後に、海外視察の問題について申し述べます。
 わが党は、かねてから都民から豪華視察などの批判が寄せられていた海外視察について、改善をもとめるとともに、九三年度以降は海外視察には参加せず、二〇〇一年度から復活された会派ごとの海外視察についてもくりかえし中止を求め、反対の態度をつらぬいてきたのであります。また、本年の第一回定例会においても、議会改革の提案のなかで、海外視察についても抜本的に見直すことを提案しました。これに背を向けたのが、自民、公明、民主、生活者ネットのみなさんではありませんか。
 「海外視察は十年ほど前に自粛を決めたにもかかわらず復活したとのこと。その理由は何だろうか。まさか『そろそろほとぼりも冷めたから…』と言うのではないでしょうね」という声は、ある新聞の投書欄に紹介されたものです。このように、七日から十日間の日程で一人平均百四十八万円もの豪華海外視察の実態が都民のまえに明らかにされるなかで、都民のなかからきびしい批判の声と視察の見直しをもとめる声が日増しにたかまっているのであります。わが党はかさねて、都議会がこの都民の声に率直に耳をかたむけて、豪華海外視察はキッパリ中止することを呼びかけるものです。
 今定例会は、あらためて都議会がチェック機能をとりもどすこと、役割をしっかりはたすことの必要性を示しました。日本共産党は、都議会のチェック機能をとりもどし、小泉政権と石原都政の悪政から都民のくらしと福祉をまもるために、全力をつくすとともに、目前に迫った都議会議員選挙で必ず勝利する決意をのべて、討論を終わります。

以上