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調査・会見

2026.03.06

東京都内区市町村における平和事業の調査結果について

3月6日、日本共産党東京都議団は、区市町村における平和事業の調査結果について、記者会見を行いました。

 

記者会見を行う4都議

左から、斉藤都議(足立区選出)、とや都議(練馬区選出)、せいの都議(北区選出)、
原都議(北多摩第4(清瀬市・東久留米市)選出)

●当日の資料

報告全文 20260306区市町村・平和事業の調査結果について
資料 区市町村平和事業調査資料(1) 区市町村平和事業調査資料(2)
パネル 20260306区市町村平和事業の調査結果パネル

 


東京都内区市町村における平和事業の調査結果について

 

2026年3月6日
日本共産党東京都議会議員団

 

 戦後・被爆・東京大空襲から80年が過ぎ、戦争の悲惨さと平和への決意を次の世代に引き継ぎ、戦争のない平和な世界をつくっていくことが重要な課題となっています。
 そのようななか、日本共産党都議団は、都内区市町村における戦後80年にあたっての平和事業や、子どもや若者を対象にした取り組み、民間の平和活動への支援、平和資料館の設置や、平和に関する宣言の状況といった平和事業を把握するため、「区市町村における平和事業についての調査」を行いましたので、結果を公表いたします。各自治体が積極的で多様な事業にとりくんでいることがわかる重要な結果が得られました。

1、調査の概要

  • 都内自治体にアンケート用紙を送付し、全62区市町村(23区26市5町8村)から回答を得ました。
  • 回答期間:2026年1月19日~2月13日

 

2、全体の特徴

■戦後80年にあたり、およそ4分の3となる46自治体が特別な平和事業を実施
 戦後80年にあたり特別な平和事業を行ったと回答した自治体は46(20区25市1町)でした。例えば台東区は「平和のつどい ~東京大空襲から80年~」を開催し、林家三平さんの講演・国策落語、区立中学生とのトークセッションを実施しています。立川市では日本被団協代表理事を講師とした講演会を実施、調布市では歴史講座「山田朗氏が見る『戦後80年』そして『昭和100年』」などの講演が開催されています。
 46自治体のうち、例年行われている平和行事を拡充した自治体もありました。例えば文京区は、「終戦80周年記念事業 文の京 区民平和のつどい」と題して例年のつどいから内容を拡充し、資料展、被爆者講話、映画会、子ども向けワークショップなどを行っています。
 また体験談などの収集・記録化、記念誌などの作成を行った自治体もあります。「デジタル版戦争体験談集」(新宿区)、「戦後80周年記念誌」(北区)、「戦争体験した市民を語り部としたラジオ番組」(狛江市)などさまざまな形で行われていました。

■子どもや若者を被爆地等に派遣する取り組みは28自治体で実施
 子どもや若者を主な対象とした平和事業は45(72.6%)の自治体で実施されていました。戦争を体験された方々の痛苦の体験や思い、歴史の事実を学び、それを引き継いでいく取り組みとなっています。
 子どもや若者を被爆地等に派遣する取り組みを実施しているのは、28自治体(11区16市1村)でした。平和式典への参列、平和関連施設の見学をはじめ、事前学習や被爆者との交流を行っているとの回答がありました。「高校生平和大使との交流、青少年平和ピースフォーラムへの参加」(港区)、「広島平和文化センター主催『平和学習の集い』への参加」(目黒区)など、現地で同世代同士の学びあいの場も行われています。板橋区、多摩市などで派遣後に報告・発表の機会を設けている自治体もありました。調布市では派遣年度以降も子どもたちが継続的に活動できるための事業として「ちょうふピース部」も実施されています。

■公立小中学校の平和教育への支援は31(50.0%)の自治体が実施
 「老人クラブ連合会から語り部派遣」(墨田区)や、「原爆・東京大空襲体験伝承者講話」(国立市)などの出前授業や学校での平和展示、資料の貸出など、子どもたちに身近な場である学校で平和学習が行われています。

■民間の平和活動への支援は21区市が実施
 10区11市が資料の貸出、補助金交付、後援や共催といったイベント支援などの形で民間の平和活動への支援を行っていました。

■平和資料館の設置や自治体立施設での常設展示を25区市が実施
 「せたがや未来の平和館」をはじめ3区6市が平和資料館等の施設を設置していると回答しました。平和資料館等以外の施設での常設展示を行っているのは13区5市であり、郷土資料館などで展示が行われています。

■平和に関する宣言は、すべての区市を含む55自治体が行っている
 平和に関する宣言を行っているのは55自治体(23区26市3町3村)でした。うち26自治体が非核に関する平和都市宣言を行っていました。平和都市宣言は36自治体が行っています。

 

3、調査結果の概要

(1)児童・生徒向けの平和事業について

【問1】貴自治体は、子どもや若者を主な対象にした平和事業を行っていますか。

  • 子どもや若者を主な対象にした平和事業は7割を超える45自治体(区市では約9割)で取り組まれています。ポスターや標語、POP、川柳、作文などのコンクールの実施、平和展や映画会、ワークショップなど様々な事業が行われています。
  • 28区市村が被爆地などに子どもや若者を派遣する事業を実施しています。広島平和記念式典・長崎平和祈念式典への参列、平和関連施設の見学をしているという回答のほか、派遣前後の取り組みや、現地での同世代同士の学びあいの場、被爆者の講話や交流などの回答も寄せられました。また、沖縄をはじめとした地域に子どもを派遣している自治体もありました。

【問2】貴自治体は、公立小中学校における平和教育(出前授業、平和作品展等)を支援する取組を行っていますか。

 公立小中学校における平和教育への支援は50.0%の区市町村で実施されていました。語り部や学芸員の派遣や出前授業、学校展示などの平和学習が進められています。

(2)民間の平和活動への支援について 

【問3】貴自治体は、民間(団体や町会等)の平和活動に対する支援を行っていますか。

 市民の自主的な取り組みを様々な方法で支えており、支援を行う自治体は区市町村で33.9%、区市では42.9%です。資料の貸出、補助金交付、イベントの支援などが行われています。

(3)戦後80年の平和事業について

【問4】貴自治体は、戦後80年にあたり特別な平和事業を行っていますか。

  • 戦後80年にあたり特別の平和事業を行った自治体は46自治体です。
  • 46自治体のうち、戦後80年にあたって例年行っている平和行事の開催数や内容の拡充をした自治体もありました。
  • 22自治体が動画や記念誌などを作成していました。

(4)平和行事について

【問5】貴自治体は、平和行事(式典や期間限定の資料展等)を主催していますか。

 約8割にあたる49自治体で平和行事を実施していました。区市では95%以上が実施しています。平和を祈念するつどいやコンサート、東京大空襲や地元の空襲、原爆をテーマにした展示や講話など多彩な取り組みが行われていました。

(5)平和に関する展示について

【問6】貴自治体は、平和資料館等の施設を設置していますか。
【問7】貴自治体が所有する施設(問6の施設を除く)において、平和に関する展示を常時行っていますか。 

  • 平和資料館等の施設とそれ以外の施設での常設展示、いずれかの施設があると回答した自治体は25区市でした。
  • 3区6市が平和資料館等の施設を設置していると回答しました。世田谷区立平和資料館「せたがや未来の平和館」を設置している世田谷区からは、「定期的に平和に関する企画展が行われ、令和6年度の年間入館者数は18,036人だった」、「資料館の職員が都立高校で出前授業を実施している」、「近隣施設や商店街などと平和館との連携が行われている」といった回答がありました。
  • 平和資料館等以外の施設での常設展示を行っているのは13区5市であり、郷土資料館などで展示が行われています。

(6)平和に関する宣言について

【問8】貴自治体は、「非核平和都市宣言」などの平和に関する宣言等を行っていますか。

 9割近い55自治体が平和に関する宣言を行っています。区市では100%が「行っている」と回答しました。うち26自治体が非核に関する平和都市宣言をおこなっていました。平和都市宣言は33自治体が行っています。2つ以上の宣言をあげている自治体もあります。

(7)その他の平和事業について

【問9】問1~8以外に取り組まれている平和事業があればご教示ください。 

 「平和祈念花火の打ち上げ」(大田区)、「平和祈念公開読書会」(調布市)、「平和首長会議加盟」(日の出町、八丈町)、「毎年終戦記念日と東京都平和の日に黙とうを町防災行政無線にて実施」(奥多摩町)、「東京都平和の日黙とうの館内放送」(檜原村)など多彩な回答が寄せられました

(8)平和事業予算について

【問10】平和事業の予算総額を御教示ください。

  • 各自治体の平和事業予算は人口等を考慮に入れず単純に平均すると、1自治体あたり2023年度は450万円、2024年度は673万円、2025年度は814万円でし+た。戦後80年に向け、予算を増額し取り組んだことがわかります。
  • 区部では大田区が1億22百万円、市部では三鷹市が1370万円、町村では小笠原村が2千万円など高い予算金額となっている一方で、100万円に満たない自治体もあるなど、自治体ごとに大きな差があることも特徴的です。
  • 昭島市30倍、荒川区7倍など、2024年度予算から、2025年度予算で大きく増額した区市がありました。戦後80年にあたる2025年度予算が令和2023~2025年度の3カ年で最も高い金額となっているのは31自治体です。

31自治体: 中央、港、新宿、文京、墨田、目黒、大田、世田谷、杉並、北、荒川、板橋、練馬、足立、葛飾、江戸川、八王子、
立川、三鷹、青梅、昭島、調布、国立、福生、東大和、武蔵村山、羽村、あきる野、西東京、日の出町、小笠原村

4、まとめ

 今回調査を行ったことで、区市町村で多くの平和事業が取り組まれていることがわかりました。各自治体ごとの事業に加えて、多摩地域では26市の共同事業として、各市在住の高校生・大学生が広島市での研修や平和サミットでの政策提言を行うという「多摩地域平和ユース研修事業」も実施されています。また、例えば2025年夏に大島町で住民団体によって「平和のための戦争展」が開催されたなど、民間の平和の取り組みも各地で行われています。
 同時に自治体による平和事業には、自治体間格差があることが見えてきました。区市町村との連携を強めることや補助を手厚くすることなど、東京都が自治体の平和事業を支援するべきです。そして何より東京都自身が平和事業にもっと取り組む必要があります。戦争の悲惨さと平和への決意を次の世代に引き継ぎ、戦争のない平和な世界をつくっていくためにも、東京都として「平和祈念館」の建設を求めます。
 日本共産党都議団は東京都の平和事業の発展のために、引き続き力を尽くします。

 

(参考)質問項目  ※各問ごとに「いる」「いない」から選択し、「いる」場合は内容を記述してもらった
問1          貴自治体は、子どもや若者を主な対象にした平和事業を行っていますか。
問2          貴自治体は、公立小中学校における平和教育(出前授業、平和作品展等)を支援する取組を行っていますか。
問3          貴自治体は、民間(団体や町会等)の平和活動に対する支援を行っていますか。
問4          貴自治体は、戦後80年に当たり特別な平和事業を行っていますか。
問5          貴自治体は、平和行事(式典や期間限定の資料展等)を主催していますか。
問6          貴自治体は、平和資料展等の施設を設置していますか。
問7          貴自治体が所有する施設(問6の施設を除く)において、平和に関する展示を常時行っていますか。
問8          貴自治体は、「非核平和都市宣言」などの平和に関する宣言等を行っていますか。
問9          問1~8以外に取り組まれている平和事業があれば御教示ください。
問10         平和事業の予算総額を御教示ください。

以上