本会議 清水とし子都議(日野市)の中途議決討論
2026年3月5日の都議会本会議で、清水とし子都議(日野市)が中途議決討論を行いました。

*討論全文(原稿)です
日本共産党都議団を代表して討論を行います。
トランプ政権とイスラエルによるイランに対する大規模な攻撃に、満身の怒りを込めて抗議します。両国の行為は国連憲章と国際法を乱暴に蹂躙する先制攻撃であり、断じて許されません。
世界の国々と市民社会が、「戦争反対」「国連憲章を守れ」の声をあげています。日本政府はアメリカとイスラエルに対し、直ちに攻撃を中止し、交渉による解決に立ち戻るよう強く求めるべきです。
最終補正予算案に、各分野の暑さ緊急対策が盛り込まれたことは重要です。
また、国の補正予算で措置された医療・介護・障害・児童福祉分野における賃上げなどに対する支援は、不十分ながらも都民の願いにこたえるものです。
東京アプリ生活応援事業は支給対象が限られ、多くの都民が取り残される問題点を日本共産党都議団は厳しく指摘してきました。今回、子育て応援プラス事業として、東京アプリの対象外となる子どもへ11,000円を給付することは、当然です。
暑さ対策では、65歳以上の高齢者と障害者へのエアコン購入補助の期間が延長され、新たに生活保護世帯と低所得世帯への支援が盛り込まれています。ゼロエミポイントを併用すると最大18万円の支援になります。
日本共産党都議団は2010年以来、繰り返しエアコン購入・設置費用への支援を求めてきました。低所得世帯への支援は都が全額負担し、今年、全ての自治体で実施できるようにすることを求めます。
都税収入の総額は、最終補正予算案で7兆円を超えました。この財源を活かせば、30年間1円も上がっていない障害者福祉手当の拡充、中小企業の賃上げ支援、家賃助成など、やれること、やるべきことはたくさんあります。都の財政力にふさわしく物価高騰対策、暮らしの支援を抜本的に拡充することを求めます。
市場会計補正予算案などに、築地市場跡地の再開発関連予算が含まれていることには大きな問題があります。
築地市場の豊洲移転が都政の大問題になっていた2017年6月、知事は「築地は守る」「市場機能は確保する」と公約しました。
ところが知事は市場移転を強行し、築地市場跡地では、三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社を中心とした事業者による、巨大スタジアムや、9棟の超高層ビルなどの再開発が進められています。小池知事の公約は影も形もありません。
それどころか、再開発の規模が巨大になったために、土壌汚染対策などの予算が当初見込みの200億円から1450億円に跳ね上がりました。
貴重な都有地である築地市場跡地を、三井不動産などに70年間もの定期借地契約で、破格の安値で提供して、財界や富裕層のための再開発を進めることは認められません。
2隻の防災船製造の契約は、水素と軽油を燃料にするエンジンを搭載するため、少し前に契約した同型船2隻と比べ、金額が3倍近くに跳ね上がりました。
脱炭素に貢献するためとのことですが、おもに使われる水素は、作るのも運ぶのもCO2を出すグレー水素です。コストと効果の十分な検証もありません。
そもそも水素の活用は、気候変動対策に背を向けて化石燃料を温存させる財界の戦略です。今回の契約は、その要求にこたえて、需要がなくても需要をつくって水素の活用を進める小池都政の政策の具体化であり、反対です。
善福寺川上流地下調節池工事契約について、水害対策は必要ですが、都の拙速な進め方、水害対策への効果、住民への説明責任など、問題が多く残されています。
都は過去の豪雨災害について丁寧な調査もせず、杉並区内に地下調節池を建設する工事を進めようとしています。2つの公園がつぶされ、25軒の区民が立ち退きなどを余儀なくされるにもかかわらず、発表から半年で都市計画決定した乱暴な進め方は許されません。
住民から1万3千筆の署名、パブコメに600件を超える意見が出されたことを重く受け止めるべきです。
足立区辰沼1丁目及び葛飾区柴又3丁目の都営住宅の建替工事契約で、断熱等の性能等級5以上の新たな基準が適用されることは重要です。
世界の水準からみると不十分ですが、新たな基準を満たす断熱性能は、既存住棟に対しても適用するよう要望します。
次に、「新たな教育のスタイル」にかかわる議案です。
高等学校教育改革促進基金条例は、国の「高校教育改革グランドデザイン」の交付金等の受け皿を創設するものです。国のグランドデザインは、産業界・財界の要望を強く反映し、理数系・デジタル系の「人材育成」を中心に据えています。
また、今年2月に明らかにされた都の「新たな教育のスタイル」の実施校の構想も、グローバル人材や新たな価値を創造するイノベーター人材を育成することを目指しており、国と流れを同じくするものです。
本来、高校は子どもたちの人格形成や幅広い教養をはぐくむ場です。政府や経済界の意向に沿った特定の型に子どもをはめ込む場ではありません。政治や経済界の干渉によって教育をゆがめるようなことは許されません。
原発による高レベル放射性廃棄物「核のゴミ」の最終処分場候補地として、国は南鳥島での文献調査を小笠原村に申し入れました。これに対し小池知事は「最終処分場は将来世代への先送りができない喫緊の課題だ」と述べました。
原発推進の立場だから、そういう発想しかできないのです。柏崎刈羽をはじめ原発を再稼働させなければ、「核のゴミ」がこれ以上増えることはありません。将来世代のために、いま決断すべきは「原発ゼロ」であり、再エネ・省エネに全力を注ぐことです。
「核のゴミ」の最終処分場は、現在の科学・技術では安全性が確保できません。国からのトップダウンで押し付けて進めることは許されないことを厳しく指摘して、討論を終わります。
