ご意見・ご要望
ページトップヘ

質問・条例提案

2026.03.27

本会議 竹内愛(板橋区選出)の討論

 

 日本共産党都議団を代表し、一般会計予算ほか35議案に反対、その他の知事提出議案、およびわが党の議員提出議案6条例に賛成の立場から討論を行います。

 

 都が毎年実施している「都民生活に関する世論調査」では、暮らし向きが「苦しくなった」と答えた方が4年前から急増し、50年ぶりに5割を超えました。労働者の実質賃金は4年連続マイナスで、都内の中小企業は資材高騰や人手不足などの影響で、倒産が過去最悪ペースです。

新年度一般会計の予算規模は、9兆6千億円を超えました。都税収入は、大企業や富裕層への富の集中にともない、この2年間で1兆円も増えています。税収増も背景に、都民の運動と日本共産党都議団の論戦と提案により、予算案に、水道基本料金4カ月無償化、バス運転士の定着支援、多摩モノレールへのシルバーパスの適用準備などが盛り込まれたことは重要です。

 ところが知事が提出した新年度予算案は、「所得環境が改善」したという、都民生活の実態とかけ離れた認識で編成され、「都民の暮らしの支援」ではなく「国際競争力の強化」に軸足をおくものとなっていることが、わが党の論戦で明らかになりました。

 予算案では、低い収入のなか物価高騰で苦しむ障害者とひとり親家庭の福祉手当は、30年間据え置かれたままです。直ちに拡充・増額すべきです。高すぎる国保料や後期高齢者医療保険料を引き下げる財政支援もありません。都として、負担軽減を図るべきです。

 中小企業の賃上げ支援も見るべき前進がありません。岩手県や豊島区のような中小企業の賃上げ応援主役の事業を実施することを求めます。

 財界の要請に応えるスタートアップ企業を支援する予算は、毎年のように数百億円単位で増やされ、新年度は707億円におよびます。一方、商店街振興予算は10年連続51億円のままです。小売、飲食、町工場など、地域経済を支える中小企業への支援の強化こそ東京都の役割です。

 昨年12月に全面施行された第三次・担い手3法は、人手不足が深刻な建設業界の働き方を正し、賃上げなどの処遇改善を図るものです。都は、国の動向を見守るという答弁を繰り返しましたが、国待ちにせず、都として賃上げや労働環境の改善につながる取り組みを実施し、公契約条例の制定に踏み出すべきです。

 家賃・住宅費が高騰し「家賃高すぎ、なんとかしろデモ」が都内で取り組まれる深刻な問題になっているのに、都営住宅はまったく増やされません。わが党は、東京都が都営住宅の必要数を意図的に少なく見積もって、この27年間、新規建設を停止してきた問題点を明らかにしました。都は家賃助成にも背を向けています。

 一方、小池知事が進めるアフォーダブル住宅は、都が100億円もファンドに出資するのに、供給されるのはわずか350戸です。また、わが党の調査では高い利回りが想定されていますが、都は「秘密保持条項」をタテに想定利回りの公表を拒みました。手ごろな家賃と言いながら、15万から20万円と高額な家賃が想定されていることも公表しませんでした。100億円もの税金を使うのに投資家の利益確保が優先され、ファンドの契約内容はブラックボックスです。

 わが党の質疑で、アフォーダブル住宅は都民の思いに応えるものとならないことが明らかになりました。家賃・住宅費の高騰を招いている富裕層のための再開発や投機目的の住宅取引を規制するとともに、都営住宅を増設すること、都内で19区市が実施している家賃助成に都として踏み出すことを求めます。

 お台場には、整備費26億円、年間維持費2億円の巨大噴水が作られました。それに隣接する青海地区の客船ターミナルは、利用が週1・5回程度なのに、都は650億円も投じて拡張する計画です。予算案に初年度の事業費が計上されました。

 わが党の質疑で、客船ターミナルの担当課長はIR・カジノ担当を兼務していることがわかりました。また小池知事は国会議員時代、IR・カジノ推進議員連盟に入っていたことを自ら認めました。青海地区は、都がカジノを誘致する場合の「最適地」とされています。質疑のなかで、ギャンブル依存症の相談は、都の相談機関でも増えていることが明らかになりました。カジノをつくれば、ますます深刻になります。

 都はIR・カジノについて、ギャンブル等依存症などの懸念にふれながらも、経済成長や国際競争力を高めるために期待されるとして、調査予算を新年度も計上しています。時として命が奪われるギャンブル依存症患者を増やすことを、自治体がやってよいはずがありません。経済効果などと天秤にかけられるものではありません。

 巨大噴水、客船ターミナル拡張、そしてIR・カジノ調査は中止することを強く求めます。

 予算案には、大量のCO2を排出し、都内各地で住民との紛争が起きているデータセンターの整備を促進する事業が盛り込まれています。都が進めようとしている「ガイドライン」は、データセンターを規制するどころか、「整備を後押しするもの」であることが、わが党の質疑で明確になりました。これでは2030年カーボンハーフの目標達成など不可能です。データセンターを環境アセスの対象とし、立地規制などを進めること、省エネ・再エネをさらに強化することを求めるものです。

 知事は、「人口は国力」「人口増加にはまずは婚姻件数の増加だ」と言って、婚活支援を進めています。望む人を支援するだけだと言いますが、婚姻と出産を結びつけ推奨することは、一つの生き方を押し付けるものであり重大な人権侵害です。同性パートナーとともに生きることや、未婚や子どもを持たない選択を含め、すべての人の尊厳が守られるジェンダー平等社会の実現や包括的性教育こそ推進すべきです。

 教育では、財界の要請に応える「グローバル人材育成」の予算が129億円も計上され、約4割を占めているのが、英語スピーキングテストです。トラブルが相次ぎ、中止を求める都民の声が広がる英語スピーキングテストは廃止し、教員を増やし、日常の学習こそ充実させるべきです

 一方、夜間定時制は6校が新入生の募集停止となりました。年代も背景も様々な生徒たちの「かけがえのない居場所」であり、勉学とともに人と人とのふれあいによる成長を支える、夜間定時制でしか得られない学びを保障すべきです。また朝鮮学校への補助金の再開を求めます。

 わが党が予算特別委員会に提出した「組み替え動議」で示したように、「都民の暮らしの支援」に軸足をおき「都民が生活できる東京」をめざす立場に立つなら、予算の6・7%を見直すだけで150項目の都民要求が実現できます。

 また日本共産党都議団は、都営交通の子ども運賃の対象を18歳までに広げる条例改正案、および30年前から1円も引き上げられていない障害者福祉手当の支給額を引き上げて支給対象も広げる条例改正案を提案しています。ご賛同を呼びかけるものです。

 

 平和の深刻な危機が進むなか、知事は「安全保障は国の専管事項」と繰り返しました。

 しかし日本国憲法前文は、「日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する」と述べています。「政府の行為によって」とあるわけですから、政府に任せておいてよいわけがありません。また東京都民平和アピールでは、都民は、平和を脅かす問題に毅然として立ち向かうことを決意すると表明しています。

 知事はもとより、すべての国民、都民に、こうした決意にもとづく行動が求められています。都内すべての区市町村が参加する平和首長会議が、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃に対する共同アピールを発表したのも、その努力の具体化ではないでしょうか。

 国連憲章や国際法を踏みにじる戦争を止め、平和を守るために声をあげ、行動し、共同を広げることを、知事をはじめ議場のすべてのみなさん、そして都民のみなさんに呼びかけて、討論を終わります。