本会議 福手ゆう子都議(文京区選出)の一般質問
2026年6月17日の本会議で、福手ゆう子都議(文京区選出)が一般質問を行いました。

【質問】
1、困窮する若者の支援について
2、だれも置き去りにしない生活応援事業について
3、環状3号線道路計画について
★質問全文(質問原稿・PDF)
★動画(都議会ホームページ)
私は、貧困や困窮に向き合い、だれも孤立しなくてすむ社会を作りたいと思い質問します。
困難を抱え困窮する若者が増えています。
ある20代の男性は、家庭環境の影響で、子どもの頃から人とのコミュニケーションに課題を抱えていました。大学卒業後、すぐに就職することができず、寮付きの仕事に就きましたが、パワハラを受けて仕事をやめ、住まいも失ってから、ようやく、若者支援を行っている団体とつながり、住まいを得ることができました。
ある30代の女性は、もともと精神の持病を抱え、就職ができずアルバイトと親の仕送りで生活をしていました。しかし、20代後半の時に「親を頼ってばかりいないで自立して」と言われ、就労相談にいきました。やる気が足りないと自分を責め、自立しなければいけないという思いに、とても苦しんだ、ということでした。
Q1 「困難や悩みを抱え、居場所を求める若者たちも増えています」と2024年第2回定例会の所信表明で知事は述べました。
生きていく上で様々な困難を抱える若者は少なくありません。一方、若者は行政の相談支援につながることが少なく、自分で何とかしなければと無理をしている人が多くいます。ますます深刻になっている若者の状況を知事はどう受け止めていますか。
Q2 18歳までは児童福祉により一定の支援があっても、18歳を超えると支援が手薄になります。困窮する若者に対応するために、福祉施策の抜本的拡充が必要と考えますが、どう認識していますか。
Q3 厚労省は今年度、若者が公的支援につながりにくいという問題意識から、困窮する若者の実態調査を行います。東京都はこの調査の意義をどう考えますか。
都としても、調査を行い、施策に反映していくことを求めます。
先ほど紹介した30代の女性は、その後、働くことだけを目標とせず、自分の生きづらさのもとや、自分の良さ、個性について知り、社会の中でどう生きていくかを考えることを支援してくれる、生活訓練事業所につながりました。生活保護を利用し、親のプレッシャーからも解放され、必要な支援を受けながら自分の生き方を選択する生き方へと変わっていきました。しかし、生活保護を利用することへのためらいや、申請が拒絶されないかという不安等、苦悩がありました。それでも生活保護を利用するまでに至り、支援者はその都度、女性を支えました。
生活に困窮して相談に来る若者は、家庭や学校、職場で居場所がなく、すでに心身ともに傷ついています。だから、就労と違うゴールがあってもいい、生活保護は安心であって甘えではないと、支援者は強調して話してくれました。私は、こういう支援者と居場所の存在は、若者が回復していくカギだと実感しました。
Q4 若者は、困難を抱えていても、働かなければならないと追いつめられています。働くことだけをゴールとしない支援は重要と考えますが、知事の認識を伺います。
そして、生活に困った時に、生活保護を利用することは権利ですが、若者を含め多くの人が生活保護に対し強い拒否感があります。その背景には、自己責任論と分断を持ち込み、社会保障を後退させてきた政治の問題があります。
Q5 江戸川区は昨年、生活保護利用者等を対象に、生活状況や、日ごろから感じていること等のアンケート調査を行いました。利用者からは「偏見や差別で肩身の狭い思いをしている」という意見など率直な声が寄せられました。都としても調査を行い、その結果を生活保護行政の改善に活かすことは重要と思いますが、都の見解を伺います。
困窮する若者の相談で多いのが、住まいの相談であり、家賃は重い負担となっています。家賃の補助を都として実施することを求めます。
住まいを失い野宿する若者等からのSOSが、次々と寄せられることに対応するため、
Q6 民間の支援団体は、アパートや空き家を自己資金で改修し、シェルターやシェアハウスなどを提供しており、少なくない住宅困窮者を支えています。
東京都は、空き家ポテンシャル発掘支援事業のシェアハウス型で、改修費と運営費の補助をしています。対象となるシェアハウスは、ひとり親世帯に加え、若い一人暮らしの人も利用できる提案も可能であることを、区市町村や支援団体へ周知するべきです。見解を伺います。
同時に、実際には空き家を見つけることは、容易ではありません。都としてシェルター等を確保していくことが不可欠です。このことを強く要望し、次は東京アプリ生活応援事業について伺います。
東京都は、物価高騰の中、生活応援事業として東京アプリをダウンロードした都民に11000pを付与する事業を始めました。しかし、対象者をマイナンバーカードとそれを読み取れるスマホを持っている人に限定しています。
共産党都議団は5月15日に申し入れを行い、対象から外れた方に現金給付など直接支援を行うよう知事に求めましたが、今回の補正予算案には入りませんでした。
Q7 障害者や高齢者などで、スマホとマイナンバーカードを持っていない人はポイント付与の対象から排除されています。
都民からは、「これは差別ではないか」「合理的配慮がない」「マイナンバーカードを持つのは任意なのに持っていないと対象にしないのはおかしい」などの声が上がっています。これらについて都はどう受け止めていますか。
都は、高齢者へスマホ教室やスマホ購入支援などを行いアプリが利用できるように取り組んでいますが、必要なのは、スマホを使えなくても生活応援の対象にすることです。
Q8 支援対象外の14歳までの子どもに11000円を支給したのと同様に、福祉的な視点で、だれも置き去りにしないよう、現金給付などの対応策を実施するべきです、都の見解を伺い、次の質問に移ります。
文京区を縦断する環状3号線道路計画についてです。
東京都は都市計画道路の第五次事業化計画で、環状3号線を再び計画内容再検討路線に選定しました。すでに第四次計画で再検討路線とされ、この10年間、再検討を行ったにもかかわらず、再び再検討路線としたということは、環状3号線の事業化は極めて難しいと、自ら証明したということではないでしょうか。
区民は何十年も前から、この計画の問題点も反対の意思も示してきました。
Q9 環状3号線の予定地は、坂が多く複雑な地形で、高架構造やトンネルがたくさん必要となります。道路がない所に道路をつくるため、長期にわたり住宅街に理不尽な建築制限がかかり、また多くの住民が立ち退きになります。小石川植物園、根津神社、播磨坂の桜並木など、世界的な植物研究の拠点や重要文化財、区の名所も壊されます。
第五次計画の中間まとめのパブリックコメントも、3分の1が環状3号線計画についての意見で、「急な勾配の坂、歴史的文化財もある地域に、道路を通す計画は現実的ではない」「住宅の建て直しを制限され、こんなに長い間、宙ぶらりんにしておくことが本当に必要か。蛇の生殺しだ」「植物園の一部を道路にしてしまえば、多様な植生を大きく損なう」「莫大な費用が掛かる」「なかなか廃止にならないのはなぜか」等の声がよせられ、計画の廃止・見直しを求めています。
地域住民の聞き取りでは猛反対の声をあちこちで聞いてきました。計画が敷地にかかる学校のPTAや、小石川植物園を愛する多くの方々が立ち上げた「守る会」も廃止・見直しを求めています。
こうした声を知事はどう受け止めていますか。
環状3号線は1946年に都市計画決定して以降、文京区内の延伸部分については、事業化できず凍結されたままです。
Q10 文京区では1981年に、区長が再考を求める要望書を都知事に提出しています。その理由として、道路が作られれば住宅、公共施設、重要文化財などに大きな犠牲が強いられるとともに、区民アンケートで63%が反対し、区議会も全会一致で廃止の意見書をあげたことが記録されています。
そして現在も、区長は、一貫して計画廃止を求めてきた共産党の質問に「買収やそれに伴う移転、生活再建、工期の長期化による居住環境への影響、地域内の行き来がしづらくなることにより、生活動線や地域コミュニティへ影響が出る」「環状3号線については、本区への影響が極めて大きい」と、当時の要望書を踏襲して明確に答えています。区議会でも、党派を超えて、この要望書をふまえることや、計画廃止を求める質疑が行われています。こうした状況を東京都は知っていますか。
私は先月、道路計画のルートを地元の方々と歩きました。多くの人々が暮らし、豊かな緑、歴史や文化が残る地域です。どんな形状の道路であっても、環状3号線計画は、この大事な価値や財産を奪うものです。住民の意思を尊重し、環状3号線道路の延伸計画は廃止することを求め、質問を終わります。
