本会議 尾崎あや子(北多摩第一選出)の討論

日本共産党都議団を代表して討論を行います。
まず、わが党が提出した義務教育の無償化条例です。
私たちの調査で、修学旅行の無償化は12区、教材費は11区、入学準備金等の支給は4区で実施していますが、多摩26市で無償化している自治体はありませんでした。
わが党の条例提案は、この調査結果も踏まえ、都内どの自治体でも教育費の負担軽減ができるよう、全額都負担で修学旅行や教材費を無償化し、入学準備金を支給するものです。ご賛同をお願いします。
次に、補正予算です。
イラン戦争の影響で、ナフサを原料とする資材を扱う事業者は、仕事に必要なものが手に入らず困り果てています。ところが知事提出の補正予算には、設備導入への補助金か、利子付きの制度融資しかありません。
わが党は、今回の事態を危機として位置付けるべきと都に求めましたが、「危機」と受け止める答弁はありませんでした。
一方、都は、スタートアップ企業には1社最大2億円もの直接支援を行います。対象企業は数億円以上の資金調達実績があり、しかもそのうち8割は、すでに10億円以上の資金を調達していることが、わが党の質疑で明らかになりました。
廃業の危機に直面している中小企業には直接支援がないのに、資金力があるスタートアップ企業には大盤振る舞い。都政の軸足が間違っています。
材料がなくて仕事ができない事業者に対し、固定費を補助するなどの直接支援を行うよう、改めて強く求めるものです。
医療機関や福祉施設等への物価高騰緊急対策事業は、9カ月間延長するものの、単価は拡充されません。物価高騰に加え、イラン戦争の影響による深刻な実態を踏まえるべきです。
東京歯科保険医協会のアンケートでは、94%の医療機関が医療材料の入手困難を経験しています。全国社会福祉協議会は、使い捨て手袋や紙おむつなどは「利用者の尊厳ある生活を支える必需品」と述べ、安定供給や財政支援を求める緊急要望を国に行っています。
こうした声に応え、都として実態に合った支援を行うことを強く求めます。
都政の軸足が都民の暮らしの支援に置かれていないことが、今定例会でも明らかになりました。
都は東京アプリを通じて都民に1万1千ポイントを付与する事業を行っていますが、対象者はマイナンバーカードとそれを読み取れるスマホを持っている人に限られています。
都は、「より多くの方に参加いただけるようにする必要がある」と答弁しましたが、そもそもすべての都民の生活を応援する事業となっていないことが問題です。
誰も置き去りにしないよう、スマホやマイナンバーカードを持たない障害者や高齢者等に対して、現金給付等の対応を行うことを求めます。
知事は所信表明で、住宅の価格上昇などの課題に対応する必要があると述べました。ところが、わが党の代表質問への答弁では、家賃・住宅費高騰の深刻さについての認識も具体的な対応策も、示しませんでした。
今こそ都営住宅の新規建設・増設や家賃補助に踏み出すことが必要です。
知事は「再エネをエネルギーの主役にする」と答弁し、脱炭素を強調しました。ところがその一方で都は、流通する水素の99%を占める「グレー水素」を幅広い分野で活用するという趣旨の答弁をしました。化石燃料から作られる「グレー水素」の活用は、脱炭素に逆行します。
そもそも、需要のない水素利用を無理やり拡大する方針が間違っています。水素偏重をやめ、再エネ省エネの拡大に本気で取り組むべきです。
38の住民団体が一堂に会したシンポジウムが開かれ、再開発や都市計画道路などにより都内各地で進むまち壊しへの厳しい批判が相次ぎました。わが党はそのことを示して、再開発や都市政策のあり方を転換するよう求めました。
これに知事は、「地域の特色や個性を生かす」「地元自治体と連携する」と答弁せざるを得ませんでした。住民や専門家の指摘を真剣に受け止め、都市政策を根本から見直すべきです。
また、築地市場跡地の再開発で今回出土した明治期の海軍の遺構について、住民が求めていた現場公開が行われることが決まったのは重要です。浴恩園の遺構についても現場公開を行うことを求めておきます。
男女平等参画の計画素案が、女性活躍を企業の持続的な成長の手段とし、婚活や少子化対策など女性に特定の生き方を押し付けるものになっていることは容認できません。
しかもその具体的内容は、審議会での議論もなく、委員の意見も反映されていないことが明らかになりました。
審議会への諮問と答申をやり直し、ジェンダー平等の視点を貫く計画案を作り直すことを厳しく求めるものです。
カジノ誘致の検討を、都が秘かに着々と進めていることが浮き彫りになりました。来年5月には政府が追加申請を開始します。都民の命と暮らしを守るべき自治体が、ギャンブル依存症を増やし、公共の福祉に反するカジノ誘致に踏み出すことは許されません。
わが党は、証券・金融大手のSBIホールディングスが、ラスベガスでカジノと一体に運営されているドーム型シアターを、臨海地域の都立潮風公園に建設しようと計画していることを明らかにしました。
わが党の質問に建設局は、事業者と面会したことを認めましたが、詳細は一切明らかにしませんでした。建設が計画されているのは都民の財産である都立公園です。都民には知る権利があります。わが党は開示請求を行いましたが、速やかに開示することを求めます。
次に学校の校外学習についてです。
磐越自動車道のバス事故や辺野古沖の転覆事故により生徒などの命が失われたことに、改めて哀悼の意を表するものです。安全管理上の責任は、厳しく問われなければなりません。
同時に、文部科学省が、辺野古の新基地建設に関する同志社国際高校の学習について、政治的中立性を定めた教育基本法に反すると決めつけたことは、教育への不当な介入であり、教育現場の萎縮につながりかねません。長崎の被団協や広島の市民団体をはじめ多くの団体が抗議の声を上げ、撤回を求めています。
教育基本法第14条1項に「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」とあるとおり、学校での政治教育は重要です。沖縄で戦争と平和のリアルな姿を学び、どうしたら戦争をなくせるかを考える国民を育てることは、まさに日本国憲法が公教育に求めることです。
文科省が国会で認めたとおり、同校の学習は党派的な偏向教育ではありません。国家が個別の学校の教育内容に口出しすることこそ、不当な支配にあたり、教育の中立性を損なうものです。
都においても、平和教育の実態調査など学校を萎縮させるような行為は行うべきではありません。不当な介入から学校を守る立場に立つことを強く求めるものです。
知事は来月、ニューヨーク市に出張すると発表しました。
市長のマムダニ氏が所属する民主的社会主義者の組織DSAは、外国にある米軍基地の撤去を公式方針としています。
都は、都内の米軍基地について「整理・縮小・返還が促進されるよう繰り返し国に要請している」と、わが党に答弁しました。
家賃の高騰対策も共通の課題です。
出張の機会を活かして市長と面会し、基地撤去や住宅政策について意見交換をするべきです。
小池知事は、2016年の就任以来「身を切る改革」として、知事給与半減の条例提案を行い続けてきました。
ところが今定例会には、何ら説明することなく、給与半減を延長する条例提案をしませんでした。なぜ今回、給与半減の措置を終了するのか、知事として説明責任を果たすべきことを、改めて指摘しておきます。
日本共産党都議団は、「国際競争力」最優先、都民の声を聞かない「財界ファースト」の都政から、都民の暮らしの支援に軸足を置く都政への転換、そして「生活できる東京」の実現をめざし、都民のみなさんとご一緒に全力を尽くすことを表明して討論を終わります。
