2026年第2回定例会を終えて(談話)

2026年第2回定例会を終えて(談話)
2026年6月24日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 里吉 ゆみ
1 憲法と平和を守りぬくため真正面から論戦
憲法9条に基づく平和国家の道をこれからも進むのか、戦争ができる国に変えるのか、日本が大きな岐路に立つもとで、日本共産党都議団は、憲法と平和を守りぬくための論戦を真正面から行いました。高市政権が進める9条改憲について知事は、「戦争はあってはならない」と言う一方で、「憲法は国益や時代の要請に応じてどうあるべきかを検討すべきもの」と、改憲を容認する答弁をしました。また、都が進める地下シェルターや横田基地強化の問題についてただしましたが、都は今回も「安全保障は国の専管事項」という答弁を繰り返しました。
しかも、憲法前文が「日本国民は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意する」としていることを示したわが党の質問にも知事は、「国においてしっかりと対応していただきたい」という国まかせの答弁を重ねました。憲法と平和に対する小池知事の姿勢が、厳しく問われます。
小池知事は7月、ニューヨーク市に出張すると発表しました。ニューヨーク市のマムダニ市長が所属する民主的社会主義者の組織DSAは、外国の米軍基地撤去を公式方針としています。都は、都内米軍基地について「整理・縮小・返還が促進されるよう繰り返し国に要請している」と答弁しました。出張の機会を活かしてマムダニ市長と面会し、米軍基地の撤去をはじめ両自治体共通の課題について話し合うことを求めました。
2 イラン戦争の影響で危機に直面する事業者への直接支援を厳しく要求
日本共産党都議団は4月15日と5月21日、イラン戦争の影響に対応する補正予算の編成を知事に申し入れ、都は補正予算案を提出しました。しかし、経営の危機に直面する事業者を直接支援するものとはなっておらず、予算額も中身も不十分です。わが党は、知事も出席して総合的な議論が行えるよう、補正予算特別委員会の設置と会期の延長を提案しましたが、都ファ、自民、公明、国民、参政などの反対で実現できませんでした。
イラン戦争の影響で、ナフサを原料とする資材を扱う事業者は、仕事に必要なものが手に入らず、困り果てています。ところが都から、今回の事態を「危機」と受け止める答弁はなく、補正予算には設備導入への補助金か、利子付きの制度融資しかありません。一方、スタートアップ企業には1社最大2億円もの直接支援を行います。対象企業は数億円以上の資金調達実績があり、しかもそのうち8割は、すでに10億円以上の資金を調達していることが、わが党の質疑で明らかになりました。廃業の危機に直面している建設業をはじめとする中小企業には、支援が届かないのに、資金力があるスタートアップ企業には大盤振る舞い。都政の軸足が間違っています。材料がなくて仕事ができない事業者に対し、固定費を補助するなどの直接支援を行うよう強く求めました。
医療機関・福祉施設等への物価高騰緊急対策事業は、9カ月間延長するものの単価は拡充されません。東京歯科保険医協会のアンケートでは、94%の医療機関が医療材料の入手困難を経験しています。全国社会福祉協議会は、使い捨て手袋や紙おむつなどは「利用者の尊厳ある生活を支える必需品」と述べ、安定供給や財政支援を求める緊急要望を国に行っています。こうした声に応え、都として実態に合った支援を行うことを求めました。また家計への支援強化、ナフサ危機などに対する全庁横断の対策本部の設置を提案しました。
3 すべての都民の暮らしと人権を守り、「生活できる東京へ」提案
<義務教育無償化条例の提案> 日本共産党都議団の調査で、23区では修学旅行の無償化は12区、教材費は11区、入学準備金等の支給は4区で実施していました。一方、多摩の26市で無償化している自治体はありませんでした。この結果も踏まえ、都内どの自治体でも実施できるように全額都負担で、修学旅行費等、教材費を無償化し、入学準備金を支給する条例案を提出しました。グリーンな東京が賛成、都ファ、自民、立憲会派、公明、国民、参政などが反対し否決されましたが、引き続き実現に力をつくします。
<東京アプリを利用できない人を置き去りにしない> 都は東京アプリを通じて都民に11,000ポイントを付与する事業を行っていますが、対象者はマイナンバーカードとそれを読み取れるスマホを持っている人に限られています。都は、「より多くの方に参加いただけるようにする必要がある」と答弁しましたが、そもそもすべての都民の生活を応援する事業となっていないことが問題です。誰も置き去りにしないよう、スマホやマイナンバーカードを持たない障害者や高齢者等に対して、現金給付等を行うことを求めました。
<家賃・住宅費の高騰対策> 知事は所信表明で、住宅の価格上昇などの課題に対応する必要があると述べました。ところが、わが党の代表質問への答弁では、家賃・住宅費高騰の深刻さについての認識も具体的な対応策も、示しませんでした。今こそ都営住宅の新規建設や家賃補助に踏み出すことが必要です。
<男女平等参画推進計画素案は容認できない> 男女平等参画計画の素案が、女性活躍を企業の持続的な成長の手段とし、婚活や少子化対策など女性に特定の生き方を押し付けるものになっていることは容認できません。しかもその具体的内容は、審議会での議論もなく、委員の意見も反映されていないことが、明らかになりました。審議会への諮問と答申をやり直し、ジェンダー平等の視点を貫く計画案に作り直すことを求めました。
<校外学習の安全対策・平和教育> 部活遠征のバス事故や辺野古沖の転覆事故で生徒などの命が失われたことを重く受け止め、再発防止が求められます。安全管理上の責任は厳しく問われなければなりません。
辺野古沖転覆事故を巡り、都ファ、自民、参政が「教育内容が教育基本法違反だと国が認定した」と文科省の不当な介入を持ち出したことは、平和教育を萎縮させるもので看過できません。参政党が「都立高校でも平和教育の実態調査をすべき」と行政に調査を求めたことは、教育への不当な政治介入にほかなりません。日本共産党都議団は、憲法や教育基本法が求める学校での政治教育を尊重し、保障する立場で全力をつくします。
4 都政の「軸足が間違っている」ことによる歪みを告発、転換を求める論戦
<カジノ誘致NO!> カジノ誘致の検討を、都が秘かに着々と進めていることが浮き彫りになりました。わが党は、証券・金融大手のSBIホールディングスが、ラスベガスでカジノと一体に運営されているドーム型シアターを臨海地域の都立潮風公園に建設しようと計画していることを明らかにしました。わが党の質問に都は、事業者と面会したことを認めましたが、詳細は一切明らかにしませんでした。建設が計画されているのは都民の財産である都立公園であり、都民には知る権利があります。わが党は情報公開請求を行いましたが、速やかに開示することを求めました。来年5月には政府が追加申請を開始します。都民の命と暮らしを守るべき自治体が、ギャンブル依存症を増やし、公共の福祉に反するカジノ誘致に踏み出すことは許されません。
<水素偏重をやめ、本気の再エネ拡大こそ> 知事は「再エネをエネルギーの主役にする」と答弁し、脱炭素を強調しました。ところがその一方で都は、流通する水素の99%を占める「グレー水素」を幅広い分野で活用するという趣旨の答弁をしました。化石燃料から作られる「グレー水素」の活用は、脱炭素に逆行します。そもそも、需要のない水素利用を無理やり拡大する方針が間違っています。水素の活用促進は、化石燃料に固執する財界の戦略です。「財界ファースト」の水素偏重をやめ、再エネ省エネの拡大に本気で取り組むべきです。
<「まち壊し」からの転換> 38の住民団体が一堂に会したシンポジウムが開かれ、再開発や都市計画道路などにより都内各地で進む「まち壊し」への厳しい批判が相次いだことを示して、再開発や都市政策のあり方を転換するよう求めました。これに知事は、「地域の特色や個性を生かす」「地元自治体と連携する」と答弁せざるを得ませんでした。住民や専門家の指摘を真剣に受け止め、都市政策を根本から見直すべきです。
5 都民の声、日本共産党都議団の論戦と提案で切り拓いた前進
<都立大学の入学金> 入学しない大学に入学金を払う「二重払い」問題について、わが党は国会とも連携して廃止を求めてきました。都立大学の入学金については都議会で2022年以降、「二重払い」の解消を求めてきました。今回、都が入学を辞退する受験者に入学料を全額返還するとしたことは大事な前進です。そもそも日本にしかない入学金制度そのものを廃止すべきです。
<築地市場跡地の遺構の公開> 築地市場跡地の再開発で今回出土した明治期の海軍の遺構について、住民が求めていた現場公開が行われることが決まったのは重要です。江戸時代の名園とうたわれる浴恩園の遺構についても、現場公開を行うことを求めました。
<火葬料の高騰問題> 知事が火葬について、「人の尊厳にかかわる極めて公共性の高いサービス」と初めて答弁したことは重要です。火葬能力の強化や火葬場の運営方法などを議論する検討会も設置されました。わが党は、公営火葬場の増設、民間火葬場の公営化、都立瑞江葬儀所の火葬料引き下げなどの検討を求めました。
<クマ対策> わが党は専門家の話も聞き、申し入れや議会論戦で繰り返しクマ被害の発生・拡大を防止し、人との棲み分けによる共存と腰を据えた対策として、ツキノワグマの第二種特定鳥獣管理計画策定を求めてきました。都が計画策定に踏みだすと表明したことは重要です。引き続き専門人材の育成などを求めていきます。
14議席の日本共産党都議団は、「国際競争力」最優先、都民の声を聞かない「財界ファースト」の都政から、都民の暮らしの支援に軸足を置く都政への転換、そして「生活できる東京」の実現をめざし、都民のみなさんとご一緒に引き続き全力をつくす決意です。
以 上
