ご意見・ご要望
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質問・条例提案

予算特別委員会 大山とも子都議(新宿区選出)のしめくくり総括質疑

 

一、障害者福祉手当について

二、住宅政策について

三、賃上げ・中小企業支援について

四、平和について


一、障害者福祉手当について

○大山委員 日本共産党都議団を代表して、締めくくり総括質疑を行います。
 小池知事の新年度予算案は、編成方針の冒頭にあるとおり、所得環境が改善したという都民生活の実態とかけ離れた認識で編成されたものです。
 その結果、予算案は都民の暮らしの支援ではなく、国際競争力強化に軸足を置くものとなっています。基本姿勢が間違っています。
 私は、都民の暮らしの支援に軸足を置いて生活できる東京を目指す立場から質問します。

 初めに、障害者福祉手当です。

 パネルをご覧ください。

都が毎年行っている都民生活に関する世論調査の結果です。暮らし向きが苦しくなったと答えた都民は、このように四年前から急増しています。今年度は五割を超えました。五割を超えたのは、ずうっと遡って、一九七六年以来、実に五十年ぶりです。まさに歴史的に深刻な事態です。
 このような中、障害基礎年金や福祉手当、作業所などの僅かな工賃だけで暮らす方も多い障害者の皆さんの暮らしは、とりわけ厳しいものになっています。
 都が行った障害者の生活実態の調査でも、年収二百万円未満の方は身体障害者の約六割、知的障害者の約八割、精神障害者の約八割、難病患者の約五割に上ります。
 しかも、障害者の方々は、生活していく上でほかの人より多くの支出を必要とします。例えば、視覚障害者は、スーパーのチラシ、読めないんです。安く買物をすることは困難です。移動にヘルパーさんが必要な方は、コンサートや演劇などに行くのにチケットが二人分必要という場合も少なくありません。このような障害者の方々が暮らしの支援で取り残されるということはあってはなりません。
 そうした中、対象となる障害者に月一万五千五百円を支給している障害者福祉手当は重要な役割を果たしており、さらなる拡充が求められています。
 知事、知事はダイバーシティを掲げていますが、障害者の生活への支援の重要性をどう考えていますか。

○小池知事 どんなに障害が重くても、希望する地域で安心して暮らせる社会を実現するには、障害のある方の生活を支えるサービスの充実が必要でございます。
 都は、グループホームなどの地域生活基盤の整備を促進するほか、障害のある方の就労支援、障害福祉サービスを担う人材の確保など、様々な施策を展開しているところでございます。

○大山委員 生活を支えるサービスの充実が必要だという答弁ですね。
 しかし、先ほど紹介したように、障害者の収入は少なく、しかも物価高騰で暮らしが厳しくなっています。それにもかかわらず、障害者福祉手当は一円も上がらず、対象拡大もありません。
 障害者手当は、一九七四年度の制度発足以来、九六年度まではほぼ毎年五百円ずつ上がっていました。ところが、一九九七年度予算で据置きになり、その後三十年間据え置かれたままになっています。
 この三十年間に消費税は三%から一〇%に上がりました。国民健康保険料をはじめとした社会保険料も大きく上がりました。東京都区部の物価上昇率は、二〇二二年から四年連続二・五%前後の高い水準が続いています。
 その中で、障害者の暮らしはどうなっているでしょうか。
 ある視覚障害者の方は、床屋にはずっと前から行っていない。自分でバリカンで刈っちゃう、自分で髪を切っています。ピアノの教室にも通っていたんですけれども、月一万円かかるので何年か前にやめました。服も穴が空くまで新しいものは買いません。支出が、食べるものと着るもの、生きるために必要なものに近づいていく、生活が固定されてきて、潤いや楽しみというのがなかなかつくりにくいと話していました。
 知事、こうした障害者の生活の実態、どう受け止めていますか。予算編成に当たって、障害者福祉手当を増額するかどうか、検討は行ったんでしょうか、お答えください。

○高崎福祉局長 都はこれまでも、地域生活基盤の整備に取り組むなど、障害者が地域で安心して暮らせるための様々な施策を展開しております。
 来年度は、グループホームの整備費補助を拡充するほか、特別支援学校を卒業した障害者の居場所づくりや、障害福祉サービスを担う人材確保に取り組むなど、障害者施策の充実を図ることとしております。
 心身障害者福祉手当は、国の所得保障が不十分であった昭和四十年代に開始したものでございます。
 障害者の所得保障は国の役割でございまして、障害基礎年金や手当などは物価変動率などに応じて改定されております。都は、他の自治体とも連携し、障害基礎年金の増額など、所得補償制度の充実を国に要望しております。

○大山委員 知事は答えられないんでしょうか。障害者の生活の厳しさをきちんと受け止めるべきです。
 今いろいろ施策をやっているんだ、それから所得保障は国の役割なんだ、そうお答えがありました。間違いです。障害者基本法では、年金や手当などについて必要な施策を講じるのは国と自治体、両方の役割となっているではありませんか。
 そして、これは福祉局の事務事業概要、今年度のですね。障害者施策の一つとして、ここ、経済的基盤の整備、あるんです。この中に障害者福祉手当が入っています。障害者の経済的基盤の整備が都の仕事だと、皆さん自身がちゃんと書いているではありませんか。
 東京都は、以前は経済的給付の事業に否定的あるいは消極的でした。しかし、今では都民の世論や運動を背景に、子供支援の分野では数百億円から一千億円台の規模の新しい経済的支援の事業が幾つも実現しています。〇一八サポートもそうです。
 高齢者の分野でも、シルバーパスの値下げや多摩モノレールへの適用の準備など、貴重な前進が始まっています。数年前までは考えられないことです。
 その一方で、障害者の暮らしの命綱ともいえる障害者福祉手当については、時計が止まったかのように全く変わりません。
 ある障害者は、物価が上がろうが消費税が上がろうが、私たちのことは忘れられていると訴えています。このままでいいわけがありません。
 知事の決断で障害者福祉手当の金額を引き上げることを求めますが、いかがですか。知事、いかがですか。

○高崎福祉局長 都はこれまでも、地域生活基盤の整備に取り組むなど、障害者が地域で安心して暮らせるための様々な施策を展開しております。
 来年度は、グループホームの整備費補助を拡充するほか、特別支援学校を卒業した障害者の居場所づくりや、障害福祉サービスを担う人材確保に取り組むなど、障害者施策の充実を図ることとしております。
 心身障害者福祉手当は、国の所得保障が不十分であった昭和四十年代に開始したものでございます。
 障害者の所得保障は国の役割でございまして、障害基礎年金や手当などは物価変動率などに応じて改定されております。都は、他の自治体とも連携し、障害基礎年金の増額など、所得保障制度の充実を国に要望しております。

○大山委員 ちゃんと聞いたことに答えてください。
 いろいろおっしゃいましたけれども、結局、障害者福祉手当は三十年間一円も上げていないんです。パネルにあるように、以前はほぼ毎年五百円ずつ障害者福祉手当が引き上げられていました。自民党が与党だった鈴木知事の時代にも合計で八千円上がっています。
 かつて、都議会自民党さんも、この福祉手当の増額を鈴木都政の輝かしい成果として高く評価していました。引上げの重要性というのは、立場を超えた共通認識だったんです。手当の引上げの決断を強く求めます。
 また、精神障害者と難病患者は、そもそも制度の対象外となっています。早急に改善が必要であり、精神障害者、難病患者などへの対象拡大も併せて強く求めておきます。
 この問題の最後に、さらに意見をいっておきます。
 これは火葬料のパネルです。

とや委員の代表総括質疑で示しました瑞江葬儀所の火葬料の推移です。三十年間で三十七倍に跳ね上がっています。一方、障害者福祉手当は三十年間一円も上がっていません。
 所得保障は国の役割だとか、都の役割はサービス基盤整備だとか、理屈をつけて都民への給付は抑え込み、都民の負担は容赦なく値上げをする。この三十年間の都政の姿が、ここにはっきり表れています。
 一方、都財政の状況は三十年前とは全く違います。都税収入は、この二年間で一兆円も増えています。今こそ福祉手当などの給付を増やし、都民の負担は軽くする都政に変えることを強く求めて、次の質問に移ります。(拍手)

○小山委員長 傍聴人は拍手を控えてください。

二、住宅政策について

○大山委員 住宅費の高騰が深刻な社会問題になっています。
 知事は、子育て世帯の支援としてアフォーダブル住宅を推進していますが、先日の質疑で我が党の原田議員が明らかにしたとおり、市場の八割程度とされている家賃は十五万円から二十万円と高額です。しかも、子育てにより一層お金がかかり始める十年、十五年というタイミングで事業は終了し、その後は市場家賃に引き上げるとされています。これでは子育て世帯を助けられないことは明らかです。
 住宅費の高騰に苦しんでいるのは、子育て世代だけではありません。
 三月十四日、住まいに関わる様々な団体が共同で、家賃高過ぎ何とかしろデモを開催し、家賃補助や公営住宅の建設、家賃の値上げを規制する家賃ブレーキ制度の導入などを求めました。
 都は、家賃補助制度について様々な課題があるという答弁を繰り返していますが、現在、都内では十二区七市で何らかの家賃補助制度が実施されています。
 知事選で家賃負担軽減を公約した知事に伺います。
 区市町村が実施している家賃補助制度は、民間賃貸住宅への円滑な入居に向けた大事な取組だと思いますが、都はどのように考えていますか。

○山崎住宅政策本部長 都は、住宅の確保に配慮を要する都民の居住の安定を確保するため、都営住宅の供給に加え、東京ささエール住宅の供給促進など民間賃貸住宅を積極的に活用することにより、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図っております。
 都内の区市町村が実施しております家賃補助制度は、それぞれの区市町村が地域の実情を踏まえて対応しているものと考えております。

○大山委員 民間賃貸住宅を活用して、重層的な住宅セーフティーネット機能を強化するといいながら、家賃補助は区市町村がそれぞれの事業でやっているという素っ気ない答弁でした。
 パネルをご覧ください。

これは、二〇一五年に、都が住宅確保に配慮を要する都民の居住の安定について議論をする際に作成した資料です。
 当時も、重層的な住宅セーフティーネットの一つに民間賃貸住宅が位置づけられていて、住宅確保に配慮を要する都民の円滑な入居を進めるとしていました。そして、円滑な入居に向けた区市町村の取組として、この家賃補助を紹介していたんです。つまり、区市町村の家賃補助を、都としてもセーフティーネットの一部にちゃんと位置づけていたわけです。
 私たちは独自に調査しましたが、実際に、今でも区や市の家賃補助が都営住宅に入れなかった人のセーフティーネットになっていたり、高齢者の利用が増えている実態があります。
 都がいつから区市町村の家賃補助に対する位置づけを後退させたのか分かりませんが、知事が家賃負担軽減を公約に掲げた以上、都としてきちんと位置づけをして支援するべきです。
 都が学校給食無償化のように支援すれば、全区市町村で地域の実情に合った家賃補助を実施することができます。ぜひ一歩を踏み出すことを求めます。
 住宅に困窮する都民を守るためには、何といっても都営住宅を増やすことが必要です。
 しかし、都は、都営住宅をセーフティーネットの中核という一方で、供給は足りているといい張って、二十七年間新規建設を拒んできました、ぴたっと。

そこでお聞きしますけれども、実績が分かる直近の年度で、都営住宅を申し込んだ人は延べ何人ですか。それに対して、募集戸数は何戸ですか。

○山崎住宅政策本部長 都営住宅の募集及び申込みの状況につきまして、令和六年度の年四回の定期募集及び毎月募集における申込者数は、延べ十三万六千百八十七人でございます。
 募集戸数は、一万五千九百七十三戸となっております。

○大山委員 今のご答弁のとおり、応募者数十三万六千百八十七人に対して、募集戸数が一万五千九百七十三戸、全く足りていないというのが実態です。知事には、まずこの現実を直視していただきたいと思います。
 都営住宅政策は、都営住宅に何度応募しても入居できない都民を大量に生み出してしまっているという実態から出発して考えるべきであり、その立場から、私たちは都に対して、都営住宅に応募して当せんしなかった人たちの実態調査を求めてきました。
 しかし、都には全くその気がないので、日本共産党都議団は、独自に民間の政策研究所と協力してアンケート調査を行いました。これ、結果の報告です。自由回答欄には切実な声が寄せられました。
 六十代の女性は、年金収入だけですので部屋代が六万五千円は苦しいです、シルバーピア都営住宅はいつも落選です、家賃が一番大変です、都営住宅は十回以上申し込みましたが、いつも落選のはがきばかりです、本当に抽せんしてくれているんでしょうかと思いますとおっしゃっています。
 二十八回以上申し込んでいるという方は、七年前に夫が亡くなり、遺族年金と私の年金では、URの家賃及び生活費が足らず働かなければなりません、現在七十六歳ですが、いつまで働けるか分かりません、ぜひ都営住宅に入りたいと考えております、夫が亡くなってすぐ年四回申し込んでいますが、いまだに当たりませんと訴えています。
 何と五十六回以上申し込んだ方は、毎回申込みをしていますが、単身者は倍率が高く、落選で涙の繰り返しですと悔しい胸の内を明かしてくれました。
 知事、このような声をどう受け止めますか。都営住宅を増やす必要があるのではありませんか。(山崎住宅政策本部長発言を求む)知事です。

○山崎住宅政策本部長 都営住宅は、公営住宅法その他の関連する法令に基づき、自力では最低居住水準の住宅を確保できない、真に住宅に困窮する低額所得者である都民に低廉な家賃で賃貸する住宅でありまして、住宅セーフティーネットの中核としての機能を果たしております。
 住宅ストック全体が量的に充足している中、都営住宅については、現在のストックを最大限に活用し、真に住宅に困窮する低額所得者に供給することで、引き続き住宅セーフティーネットとしての機能を果たしてまいります。

○大山委員 知事ね、都民の皆さんの生の声を紹介したんですよ。知事としてね、都民の声をちゃんと受け止めてください。
 そして、真にっておっしゃいましたね。公営住宅法第三条では、住宅に困窮する低額所得者に対して住宅を提供する義務を課していますが、東京都は、真に住宅に困窮する低額所得者と、勝手に真にという言葉を付け足して、意図的に対象を狭めているんです。
 私たちの調査では、こうして都が意図的に都営住宅の供給を絞ることによって、本来、都営住宅に入る資格のある人が入居できない実態が浮き彫りになりました。
 また、調査では、氷河期世代や子育て世代が都営住宅に入居を希望している実態も明らかになりました。
 五十代シングル女性は、最初の就職難の世代です、低賃金のまま二十五年間働いている、住宅費に給与の三分の一が消える、年齢が若くても貧困は変わらない、都営住宅の申込みの年齢を五十歳からにしてほしい。
 四十代の子育て世帯の方は、収入が少ないのに家賃が高い、安い都営住宅に入居できれば、浮いたお金を教育費に回せる、貯蓄に回せる、ただ都営住宅の入居の資格のハードルが高く、私たちが入居するのは難しいだろうと思っている、そういう声が寄せられています。
 こうした声に応えることこそ、東京都の仕事です。家賃補助に踏み出すとともに、新規建設の再開、建て替え時の増設、借り上げ都営住宅の活用の三点セットで都営住宅を抜本的に増やすことを求めて、次の質問に移ります。

三、賃上げ・中小企業支援について 

賃上げ支援です。
 中小企業の賃上げ支援について質問します。
 大企業の利益は十三年間で約三倍になり、内部留保は五百八十一兆円と過去最大となりました。
 一方、労働者の実質賃金は増えていません。
 また、中小企業の経営は、円安などによる資材高騰や人手不足で厳しさを増しており、都内中小企業の倒産は過去最悪ペースです。
 今春闘では、景気を押し上げる鍵となる中小企業の賃上げは大企業に遠く及ばず、格差拡大を懸念する声が上がっています。今こそ政治の力で、中小企業の賃上げを後押しすることが必要です。
 知事は、世界一の都市東京を目指すと表明しています。それなら、実質賃金世界一の東京を実現する決意はありますか。(田中産業労働局長発言を求む)知事です。

○田中産業労働局長 働く方が安心して生活できる環境のためには、物価高を上回る賃上げの流れが確かなものとなることが必要でございます。
 都は、持続的な賃上げ環境を実現するため、DXなどの最新機械設備等の導入など、生産性向上等による経営力の強化や、就業規則等の改定などにより労働者の処遇改善に取り組む中小企業を様々な施策により後押しするなど、多面的な支援を引き続き適切に実施してまいります。

○大山委員 物価上昇を上回る賃上げが必要という認識は重要です。
 しかし、都が実施している支援は、その内容もスピードも事態の深刻さ、切実さには見合っていません。都は、賃上げ支援がメニューに含まれる中小企業支援を、現在の十六事業から新年度、十九事業に拡充するとしていますが、賃上げ支援が主役の事業は一つもありません。
 しかも、現在の十六事業の中で、申請から支給までの期間は、最も早いものでも十四か月かかっています。年度内に支給できる事業が一つもありません。
 中でも、最も代表的な事業の魅力ある職場づくり推進奨励金が、申請から支給まで平均一年七か月かかることを我が党は明らかにし、改善するよう繰り返し求めてきました。
 これに対し、都は、第四回定例会で、速やかな支援に向け検討すると答弁しました。検討の結果、具体的に何か月まで短縮される見通しですか。

○田中産業労働局長 都はこれまで、中小企業が持続的な賃上げを実現できるよう、生産性向上等による経営力の強化や労働者の処遇改善等に係る企業の取組を支援してございます。
 魅力ある職場づくりを推進する奨励金では、こうした観点から持続的な賃上げの確保と奨励金の速やかな支給の両立を図り、労働生産性の向上や労働者の処遇改善等に取り組む中小企業を支援することとしてございます。
 来年度、企業の課題を速やかに把握し、早期の取組の着手を促す。また、企業の取組に合わせて専門家による助言を行いまして、持続的な賃上げが円滑にできますよう、きめ細かくサポートしてまいります。
 これらによりまして、申込みから支給までの期間は九か月短縮することで、おおむね十か月と見込まれます。
 また、その他の事業につきましても、専門家の派遣等を行い、多様な勤務制度の導入や賃上げの継続、新たな設備機器の導入のほか、安定的な雇用など、持続的な取組であることを確認した上で奨励金等を支給する仕組みとしてございます。

○大山委員 具体的に何か月まで短縮される見通しですかって、それだけ聞いたんです。十か月への短縮は大事ですが、それでもあまりにも遅過ぎます。
 現行の十六事業全て、生産性向上、経営力強化などが主目的で、賃上げ支援は二の次、三の次という位置づけの東京都と違って、賃上げのみを要件とするシンプルな事業を実施している岩手県では、二か月で支給して歓迎されています。
 都内でも、豊島区は新年度、賃上げのみを要件とする事業を都内で初めて実施する予定です。支給までの期間は一、二か月と想定しています。
 こうした賃上げが主役の事業を都自ら創設すること、併せて豊島区のように独自の賃上げ支援に踏み出す区市町村を強力にバックアップすることを、改めて強く求めておきます。
 都民の暮らしを支える小売や飲食、サービス業をはじめとする第三次産業は、都内の事業所の九割、従業員の八割、都内総生産の九割近くを占めています。東京の地域経済を支える大きな役割を果たしていますが、経営基盤の弱い中小企業、小規模事業所の割合が高いことが特徴です。
 中小企業の賃上げを進める上でも、この分野への支援の強化が必要です。東京の地域経済を支える小売や飲食、サービス業の重要性を、知事はどう認識していますか。

○田中産業労働局長 小売や飲食、サービス業は、東京の地域経済を支える重要な役割を果たしております。
 引き続き、経営相談やデジタル化支援などにより、こうした事業者の下支えを適切に実施してまいります。

○大山委員 答弁あったように、小売やサービス業は、東京の地域経済を支える重要な役割を果たしています。
 一方で、パート、アルバイトなど不安定、低賃金の非正規雇用の割合が非常に高い実態があります。都は、このことをどのように認識していますか。

○田中産業労働局長 令和四年就業構造基本調査によりますと、雇用者に対する非正規雇用が占める割合は、宿泊業、飲食サービス業が最も高く、次いで、生活関連サービス業、娯楽業となっております。
 働く方が、ライフステージに応じ、雇用形態にかかわらず安心して仕事を続けられることができるようサポートするとともに、正規雇用を望む非正規雇用の方が、正規雇用化により安定した就労を実現することは重要なことから、都はその後押しを行っております。
 また、正規、非正規など雇用形態に関わらない待遇の確保を促すため、同一労働同一賃金に関する法令や考え方について普及啓発を行うとともに、短時間勤務など、多様な正社員制度を導入する企業を支援しております。

○大山委員 労働者の生活の安定のために、賃上げ支援とともに、非正規雇用の方の正規雇用化や同一労働同一賃金の推進は重要です。
 正規化が重要という答弁を一歩進めて、正規化に伴う、正社員化に伴う社会保険料の負担増を直接補助する事業を創設するなど、抜本的に踏み込んで、非正規から正社員への転換を都として強力に支援することを求めて、次のテーマに移ります。

四、平和について

次に、ますます緊迫している平和についてです。
 日米首脳会談、終わりました。十九日には、訪米中の高市早苗首相に対し、一万一千人もの人たちが国会前に集まり、米国とイスラエルに無法なイラン攻撃の即時中止を迫るよう声を上げました。
 ところが、高市首相は、世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだと思っており、諸外国に働きかけてしっかりと応援したいと述べました。これはイラン攻撃を事実上支持したということです。とんでもありません。知事はどう考えているんでしょうか。
 知事は、予算特別委員会で、とや委員の質問に、国がしっかりと対応されることを期待しておりますと答弁しました。しかし、もはや国にただ任せておけばいいという事態ではありません。
 知事、首都東京の知事として、トランプ米大統領に対し、イラン攻撃の即時停止を要求すること。そして、高市首相には、一切の軍事協力をしないことを強く求めるべきです。いかがですか。

○小池知事 これまで何度も申し上げているとおり、国民の命と財産を守る安全保障は国家の要諦でありまして、国の専管事項でございます。
 我が国が置かれた状況を踏まえ、国においてしっかりと対応がなされるように期待をいたしております。

○大山委員 この期に及んで、国の専管事項なんていっている、そういうときじゃないというのは、この高市首相のことを見ても明らかじゃないでしょうか。
 全ての東京都内の区市町村の首長が入っている平和首長会議、ここはちゃんとアピールを出しています。そうやって積極的に踏み出しているじゃありませんか。
 しかも、国の専管事項なんだということは、国がやることをそのまま容認するということなんです。事実上、イランへの先制攻撃を支持したといわれても仕方ありません。
 十四日から十五日のANNの世論調査では、米国によるイラン攻撃を支持しないと答えた人は、何と八六%です。いかに多くの人たちが、国連憲章、国際法に明らかに違反する米国の先制攻撃によって子供たち、民間人の命が奪われていることに心を痛め、直ちに攻撃をやめてほしいと切に思っているということなんです。
 この間、横須賀基地を母港とする米軍のイージス艦が長距離巡航ミサイル、トマホークを発射して、イラン攻撃を行ったことが明らかになっています。このイラン攻撃に、横田基地に所属する米軍機や部隊、都内の米軍施設に関係する者の参加、関与はないのか伺います。

○谷崎東京都技監 安全保障に関することは国の専管事項でございます。
 なお、国からは米軍の運用に関することであり、お答えすることが困難と聞いております。

○大山委員 米軍が何をやろうが、結局、都民には何も知らされないということではありませんか。それで黙って引き下がっていていいんでしょうか。それを唯々諾々とそのままにすることなど許されません。これでは、知らない間に戦争に巻き込まれることになってしまいます。
 米軍のイージス艦がトマホークを発射してイラン攻撃を行ったことは、もう明らかなんです。日本には何の相談もありませんでした。横田基地の米軍が参加していたら、都民が何も知らされないまま攻撃対象になります。
 知事には、知事にはね、都民の命と財産を守る責任があるんです。知事として、多くの都民の声を受け止め、アメリカにも、高市首相にも、政権にもちゃんと物をいうべきだということを厳しく求めておきます。
 空襲犠牲者の名簿についてです。
 東京都平和の日の三月十日は、八十一年前に東京大空襲があった日です。三月十日だけでなく、東京は戦争末期、一九四四年十一月から終戦までの十か月の間で百回を超える空襲に見舞われて、多くの尊い命が犠牲になりました。
 空襲で亡くなった方は、いまだにお骨もない、どこで亡くなったのかも分からない方も多くいます。そうした方にとっては、名前だけが生きたあかしです。空襲犠牲者の名前の収集は、東京都慰霊堂に納骨されている十万人を超える空襲犠牲者のうち、氏名が判明しているのは四千人足らずだったことから、後の東京空襲犠牲者遺族会の方々が有志で調査を開始したことから始まります。
 都の空襲犠牲者の名簿の収集は、こうした活動や世論を受け、一九九九年に始まりました。今年度は新たに百四十一名のお名前を追加し、合計八万千七百二十四名が登載されたとのことです。
 ところが、この空襲犠牲者名簿は、横網町公園の東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑の中にしまわれていて、見ることができません。
 遺族会の皆さんは、この二十年以上の間、繰り返し公開を求めてきました。なぜ公開しないんですか。

○古屋生活文化局長 東京空襲犠牲者名簿は、犠牲になられた方々を追悼するために作成しておりまして、公開を前提に収集しているものではないため、非公開としておりますが、ご親族などのお申出に対しては該当部分の閲覧ができるようにしております。

○大山委員 名簿の収集を開始した当時、自民党議員から、沖縄の平和の礎のような外部に開かれたものにするか、一まとめにとじる簿冊方式にするかなどの質疑があり、都は、現在のところ簿冊方式が適当ではないかと考えていると、まだ決まっていない旨の答弁をしています。つまり、平和の礎のような公開形式も含めて議論されていたということです。
 さらに、遺族、関係者の思いを十分踏まえて今後検討するとも答弁しています。
 都が公開しないので、遺族の皆さんは、名前を読み上げる追悼集会をするなど、独自に名前の公開を行ってきました。
 現在は、名前を布のタペストリーに記す活動に取り組んでいます。タペストリーを提案したご遺族の方は、東京大空襲で祖母と叔母を亡くし、遺骨も見つからず、どこに手を合わせていいのかも分からなかった、沖縄の平和の礎のように、触れるもの、何か残るものが欲しかったとインタビューに答えています。
 遺族の皆さんが、石に刻むほどの耐久性はないが紙よりも強く長期保管が可能なタペストリーは、遺族の思いの詰まったものなのです。知事は、このタペストリーのことをご存じでしょうか。そして、知事は、東京空襲犠牲者が生きたあかしとしての名前の重みをどのように認識していますか。

○古屋生活文化局長 タペストリーが公開されたことについては承知してございます。
 また、名簿につきまして、先ほどご答弁申し上げたところでございますが、戦争の惨禍を被った歴史を持つ都民にとって、恒久平和の実現は最大の願いでございまして、そのため名簿を作成してきているところでございます。

○大山委員 知事ね、遺族の方の気持ち、名前の重み、そのことを私は聞いたんです。名前の重みをどう認識していますか。空襲犠牲者の命に向き合い、正面から答えるべきです。
 沖縄県では、平和の礎を建立し、現在は二十四万人の方々の氏名が刻まれています。毎年六月二十三日の沖縄慰霊の日には、遺族の方たちが平和の礎の名前の前に行き、礎に刻まれた名前をいとおしくなでることもできるんです。遺族の皆さんの思いに応え、東京空襲犠牲者の名簿の公開を強く求めるものです。
 そして、名前を刻み、公開することは、戦争の悲惨さを後世に伝える力を持っています。単に何万人が犠牲になったという数ではなく、一人一人の名前を知ることで、その方が生きていた命の重み、平和の重みを感じることができるからです。知事、どうですか、名前の重み。

○小池知事 先ほどからご指摘の件でございますが、大空襲で多くの尊い命が失われております。
 さきの大戦で戦争の惨禍を被った歴史を持つ都民にとって恒久平和の実現は最大の願いでございます。
 そのため、都は、東京都平和の日条例を制定しまして、三月十日の記念式典、東京空襲資料展の開催、東京空襲犠牲者名簿の収集などの平和関連事業を実施しているのはご承知のとおりでございます。
 私からの答弁とさせていただきます。ありがとうございます。

○大山委員 現在の国連憲章に基づく平和の国際秩序は、東京空襲犠牲者をはじめ、二度の大戦による世界中の……

○小山委員長 大山とも子理事の発言は終わりました。(拍手)