本会議 田中とも子都議(北多摩第三選出)の討論

日本共産党東京都議団を代表して討論を行います。
あらゆるものが値上がりし、23区内の消費者物価指数は前年比2・7%も上がりました。賃金は物価上昇に追いつかず、最低賃金は生活に必要な額に届いていません。その中で知事が、都民の暮らしと営業を守る補正予算を今定例会に出さなかったことは、都民の暮らしに無関心な都政の姿を浮き彫りにしました。
都に財源はあります。東京アプリ生活応援事業で1万1千ポイントをもらえない方への現金給付、水道料金の基本料無償化の継続、電気代・ガス代への補助、国民健康保険料の負担軽減、中小企業の賃上げ支援、ゼロゼロ融資、納税猶予の対象拡大などを速やかに実施すべきです。
日本共産党都議団は、国民健康保険の均等割保険料を18歳まで無料にする条例案を提出しています。ご賛同をお願いします。
高齢者のシルバーパスの負担を、一律1000円などに引き下げる区が、23区の4割まで広がっています。自治体間格差が生じないよう、都として一律1000円または無料にすることを求めます。
都知事選挙の公開質問状に知事は、「私立大学の生活支援は重要、都としても何か対応ができないか考えていきたい」と答えました。ところが、回答の具体化を求めたわが党の代表質問に対し、答弁に立ちませんでした。公開質問状への自らの回答に責任を持ち、具体化に踏み出すべきです。
財界ファーストの都政から転換する必要性も、浮き彫りになりました。
住宅費の高騰を抑える対策として、わが党が求めてきた住宅投機の規制について、都がようやく「投機的取引は好ましくない」「抑制に必要な対策を検討していく」と答弁したことは重要です。
都施行の再開発だけでなく、都が関与する再開発について対応すると答弁したことも、問題の深刻さを認めたものです。
ところがその一方で、再開発や超高層マンション建設を引き続き推進していくとしたことは矛盾しています。財界ファーストの再開発推進はやめるべきです。
気候危機対策について知事は、今定例会でも水素が「脱炭素」の切り札だと発言しました。とんでもありません。
水素は「使う時にCO2を出さない」と都は答弁しましたが、世界で生産される水素の99%は化石燃料から作られており、作る時にCO2を排出します。都民をあざむく答弁は止めるべきです。
「脱炭素」と言うなら、都内最大のCO2排出源である品川火力発電所の廃止が必要です。わが党は国や運営会社と協議することを求めましたが、都は動く気がなく国任せの答弁でした。
そればかりか都の「水素ビジョン」には、火力発電で水素と化石燃料を混ぜて燃やすことが描かれています。火力発電からの撤退を進める世界の流れに逆行するものです。
水素活用も、火力発電の延命も財界の要求です。財界ファーストからの転換なしに、本気の気候危機対策は進みません。
相次ぐ地震や豪雨を踏まえ、「避難所の環境設備や再エネ、蓄電池の導入を進める」、「都道のアンダーパスの侵入抑制を図るなどスピード感を持って実施し来年度予算にも反映する」と答弁したことは重要です。
総合治水対策、避難所の改善、トイレカーやランドリーカーなどの活用、耐震化の推進をはじめ、都の災害対策の抜本的強化を求めます。
水害や猛暑を抑えるうえで、樹木が「緑陰の形成等による気温上昇の抑制や防災力の向上など、多面的な機能がある」と、都が初めて答弁したことは重要です。樹冠被覆率を位置づけ、目標をもって取り組むべきです。
全ての人の人権を大切にする都政への転換が急務であることも、浮き彫りになりました。
関東大震災の中で、民族的差別意識があるもと流言が広まり、自警団や軍隊、警察が朝鮮人などを迫害し命を奪いました。虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典に、小池知事が追悼文を送るのをやめて10年になります。
SNSで根拠のない情報が急速に拡散され、外国人排除の風潮が広がる今こそ歴史の教訓を再確認すべきと知事に質しましたが、知事は答弁に立ちませんでした。
史実に目を向け、悲劇を二度と繰り返さないとの意思を示さないのは、政治指導者としてありえないことです。改めて追悼文の送付を求めるものです。
こども性暴力防止法が12月に施行されます。しかし、研修は事業者任せ、対策を義務化されない事業所も多く、課題があります。
こういう状況を踏まえ、都が事業者への支援を検討すると答弁したことは前進です。着実に実施することを求めます。
同時に、子ども自身が性暴力だと認識できること、安心して相談してもいいと思えることなど、人権をすえた包括的性教育が不可欠です。わが党は一般質問で、すべての都民を対象に包括的性教育を進めることを提案しました。都として取り組むことを求めます。
知事は育休をとる人が増えたと誇っていますが、男性教員が安心して育休をとれる環境整備を求めたわが党の質問への答弁に立ちませんでした。自らの発言に責任を持つべきです。
平和を守りぬく都政への転換も、切実な課題となっています。
非核三原則の見直しを進める高市総理への不安と批判が広がっています。ところが小池知事は、相変わらず核廃絶を国の問題としただけでなく、残り5都県となった非核平和都市宣言も「行う考えはない」と答弁しました。
国が、大島、新島、神津島、三宅島、八丈島の都営空港を、自衛隊が訓練等に利用する「特定利用空港」の候補としていると伝えてきたことについても、管理者の権限で拒否できるという事実さえ、答えませんでした。
軍民両用ドローンを開発する企業を、都のスタートアップ支援の対象としたことは、「防災などの技術を評価」したためだと逃げましたが、その企業の社長は「国の防衛に貢献する」と、新聞紙上で明け透けに語っています。
結局、知事は、高市首相とともに、軍事ビジネスに加担し、戦争準備を着々と進めているのです。断じて許されません。憲法と国連憲章にもとづく平和の道に転換することを求めます。
また、わが党は公共を取り戻す都政への転換を求めました。
知事が提案した来年度以降の都立病院の中期目標案は、地域医療構想などを踏まえ、「医療提供体制の適正化を図る」としています。病院の規模や提供する医療の縮小につながるものであり、中期目標案には反対です。
都立病院の独法化を強行して4年。すでに、大塚病院では病床が約100床減らされ、神経病院でも約30床減らされようとしています。現場からは、職員不足を訴える切実な声も出されています。
都立病院の本来の役割を果たすために、都直営に戻すことを求めます。
都内の小中学校の鉄筋校舎の8割以上は築40年以上となっており、対策は急務です。
わが党は、区市町村が行う雨漏り、トイレなどの学校改修に対して、都独自補助や国制度への上乗せをする条例案を提出しています。内容を知った保護者から歓迎の声が寄せられています。みなさんのご賛同をお願いします。
小池都政がカジノ誘致を、ひそかに着々と進めていることは許されません。
命をも奪うギャンブル依存症を増やし、深刻な生活破壊を広げることから、カジノの巨額の儲けは生まれます。にもかかわらず都がカジノについて、成長の力として期待していると答弁したことは重大です。
国が誘致の申請を再開するまで7カ月。人の不幸の上に成り立つカジノ誘致はしないと表明すべきです。
証券金融大手企業による、お台場の巨大シアター建設計画の闇も深まりました。
事業者との面会に、政策企画局、建設局、港湾局、都市整備局4局の部長4人がそろって出席したのに、本来残すべき記録は、情報公開請求ですべて「不存在」とされています。
「具体的な内容がないから公文書を作成しなかった」と答弁しましたが、初めから表に出さない「秘密案件」だったとしか考えられません。わが党は今後も引き続き全容解明に取り組むことを表明して討論を終わります。
