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質問・条例提案

2020.11.11

11月11日 各会計決算特別委員会総括質疑 原田あきら都議の質疑


★質問する原田あきら都議(2020.11.11)

○原田委員 日本共産党都議団の原田あきらです。
 まず、難聴と補聴器の支援、聞こえのバリアフリーについて質問します。
 人の話していることがわからないために誤解を生じる。電話は聞こえない。全てにつらい。聞き返しが多いです。とんちんかんの返事をすることもあります。テレビを見ても理解できないことがあります。この生活から脱却したい。これは共産党都議団が取り組んだ難聴と補聴器に関するアンケートへの回答です。
 私も地元杉並で生活と健康を守る会や年金者組合の皆さんと補聴器の購入費補助を求める署名行動に参加をしました。年代を問わず署名をしていくんですね。若い人が署名していくのは、おばあちゃん、おじいちゃんが家にいるからなんでしょうか。行列ができる場面もありました。本当に切実な都民がたくさんいるんだなと思いました。
 当該年度一月三十日付で都は、高齢者への補聴器支給等に対する補助の考え方についてという事務連絡を区市町村に出しました。なぜこの事務連絡を出したのか伺います。

○吉村福祉保健局長 都は、区市町村が行う高齢者への補聴器支給等の取り組みを包括補助事業における選択事業の対象として支援してまいりました。
 昨年度、多くの区市町村から問い合わせがあった補助対象事業の要件を明確に示すため、事務連絡を発出したところでございます。

○原田委員 多くの自治体から要望があり、要件の明確化のために事務連絡を出したということです。包括補助事業の中でこのような通知を出すことは通常なく、極めて異例だと思います。
 この事務連絡の発出前後で、補助対象となった自治体数はどう変化しましたか。

○吉村福祉保健局長 事務連絡発出前である令和元年度の補助実績は四自治体であり、発出後の令和二年度の補助内示は、現時点で七自治体となってございます。

○原田委員 事務連絡を前後して、補聴器購入費への包括補助は四自治体から七自治体にふえたということなんですね。このほかにも独自に実施している自治体を含め、都内で高齢者などを対象にした補聴器補助は十二自治体まで広がっています。それだけ切実な課題になっているということでしょう。
 高齢者の聞こえの支援の重要性について、知事はどう認識していますか。

○小池知事 国の研究機関の調査によりますと、六十五歳以上の高齢者のおよそ半数に難聴があると推計されるなど、多くの高齢者にとりまして難聴は身近な問題であります。また、こうした方々が必要な情報を容易に入手できる環境の整備を進めていくことは重要と考えております。
 こうしたことから、都は情報バリアフリーガイドラインを策定いたしまして、高齢者などから意見を聞きながら、聴力の弱い方々にとって聞こえやすい環境の整備を行う事業者などの取り組みを促進しております。また今後とも、高齢者の聞こえの支援を推進してまいります。

○原田委員 知事が聞こえのバリアフリーを推進するという認識を示したことは重要です。
 難聴は、本人にとっても、家族や周りの方々にとっても身近で、本当に切実な課題となっています。補聴器購入などの支援は、現在、高齢者包括補助のメニューの中で、選択事業の中のその他別に定める事業として行われています。つまり都としてメニュー化していないんですね。
 調べてみると、包括補助のメニューの中で、実施が七自治体よりも少ないメニューもあるわけです。メニューにすることで、区市町村も選択しやすくなることは、事務連絡を出したことで補助する自治体がふえたことからも明らかです。さらに、包括補助とは別の独立した補助にすることも検討すべきです。
 早期からの補聴器使用につながるよう、都として、さらに補助を拡大し、聞こえのバリアフリーを推進するよう求めて、次の質問に移ります。
 次に、外環計画についてお聞きします。
 当該年度、日本共産党都議団は、議会のあらゆる場面において、外環計画の問題点を追及してきました。地上への地下水の噴出、酸欠空気の発生、朝飛び起きるほどの振動、どれも大深度地下利用の想定からはかけ離れた異常な現象が続いてきました。
 にもかかわらず、国やNEXCOなど事業者は、ろくに情報公開もせず、適切に施工されているといい続けてきたわけです。
 十月十八日の調布市住宅地の陥没事故、十一月二日に発見された地下五メートルの地中に広がる三十メートルの空洞も、突然起きた現象などではありません。前兆だらけのずさんな工事だったということを指摘するものです。
 住民の不安は深刻です。地下空洞の近くに住む女性は新聞で、空洞があると聞いて、怖くて足が震えるようです、自宅の下にも及んでいるのではないかと不安を感じていて、寝るときにも少し音がするだけで眠れなくなってしまいますと、この地域の不安を通り越した恐怖を見る思いです。
 当該年度の都の姿勢の総括を求めつつお聞きします。
 都は、事業者任せにするのではなく、都民の生命と財産を守る立場を明確にすべきと考えますが、知事の姿勢をお示しください。

○小池知事 お尋ねの外環事業でありますが、国、そして高速道路会社によって事業が進められていることはご存じのとおりです。
 都は、事業の実施に当たって、これまで国など事業者に対しまして、安全・安心、これを最優先に工事を進めることを求めてまいりました。
 このたびの地表面陥没と外環工事との因果関係につきましては不明でございますが、東日本高速道路株式会社が原因究明に向けた調査を実施するとともに、巡回、監視など、安全確保の取り組みを行っているところでございます。
 都は十月二十一日、国、そして東日本高速道路株式会社に対しまして、早急に原因を究明すること、住民の不安の払拭に向けて、丁寧な説明や対応を行うことなどを要望いたしております。
 同じ日、私みずから、要望の内容につきましては、赤羽大臣に直接要請を行っております。引き続き、国など事業者に対しまして、住民の安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。

○原田委員 国土交通大臣に直接要請を行ったと、これは頼もしいですよね。その勢いでしっかりと都民の生命と財産を守る都知事としての姿勢を示していただきたいと思います。
 ただし、答弁を聞きますと、国等事業者に対して、原因究明や住民への丁寧な説明を要望するばかりだと。これまでも東京都は、何が起きても、第一義的には国等事業者といい続け、異常事象が起きても国のいい分を都議会で繰り返す、情報公開は要求して終わりなど、チェック機能を放棄してきました。しかし、このような重大な事故が起きた以上、その姿勢はもう許されません。
 都市整備局長にお聞きします。
 都市計画法では、知事は、当該都市計画事業に対して適切な報告や資料の提供を求め、問題があれば勧告することができるということで間違いないか、また、知事には認可取り消しの権限があるといえるか、さらに、都市計画法及び大深度法は、住民への情報提供について、国及び地方自治体の責務をどのように規定していますか、あわせてお答えください。

○上野東京都技監 まず、都市計画事業につきましては、都市計画法は、都道府県知事は、都市計画事業の施行者である市町村またはこの法律の規定による許可、認可もしくは承認を受けた者に対し、都市計画法の施行のため必要な限度において、報告もしくは資料の提出を求め、または必要な勧告もしくは助言をすることができるとしております。
 また、都道府県知事は、認可条件に違反しているなどの一定の条件に該当する者に対して、都市計画上必要な限度におきまして、許可、認可または承認を取り消すことなどができるとしております。
 次に、情報提供につきましては、都市計画法は、国及び地方公共団体は、都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならないとしております。
 また、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法は、国及び都道府県は、対象地域における地盤の状況、地下の利用状況等に関する情報の収集及び提供その他必要な措置を講ずるよう努めなければならないとしております。

○原田委員 東京都はこれまで、国等事業者が工事の施工や情報公開については、国等事業者が第一義的に判断するものとして、まるで東京都の権限はないかのように振る舞ってきました。
 しかし、実際は都市計画法上、事業者に対して、住民にとって必要な資料の提供を求め、問題があれば勧告し、事業認可を取り消すことさえできるんですね。
 知事、このことをご存じだったんですか。今回のような事故が起きてもなお、第一義的には国等事業者の判断などという答弁を繰り返せば、それはつまり都民が知事に与えた権限を放棄し、国に追従することを意味するんですよ。きょうの答弁は心して答えていただきたい。
 先ほどの知事の答弁で気になることがありました。住民への丁寧な説明を求めていくという答弁ですが、先日行われた事業者による住民説明会はひどいものでした。何と事故現場の住民以外は、他の沿線住民も、地方議員も、マスコミも、みんな立入禁止、会場の外でのビラ配りや運動まで規制しました。チラシにシリアルナンバーまでプリントして、参加者を制限、管理したんですよ。
 とある住民は新聞の取材に、私の家でも地面がどさっと落ちるのではないかと心配している、このまま工事を続けるのか、現実的な説明を聞きたかったが、逃げ口上ばかりで納得できる答えはなかったと書いてありました。一体どこが丁寧な説明ですか。本気で丁寧な説明を求めてください。
 私は、不誠実な事業者に対しては、いよいよ権限を持って勧告もして、それでも動かなければ、いよいよ安全を最優先にするとの立場から、認可の取り消しという決断も辞さないと、そういう構えが大事だと思うんですよね。
 その点で、外環工事にかかわる情報公開に話を進めます。
 他の道路計画では公表されている基礎的なデータが、外環計画ではことごとく非公開です。特に地表面高さなどは、これまで東京都としても公開が必要といってきたのに、陥没事故を起こしてもなお、国等事業者は公表していません。異常なことではありませんか。
 有識者委員会の小泉委員長が事故後こういっています。外環計画はもうちょっと詳しく説明してもいいんじゃないかなと。何かね、隠しているような、腰が引けているようなね、そんな印象があってね、もうちょっとわかりやすく皆さんに納得してもらえるようなご説明をされないと変に勘ぐられますよと。
 そこで、知事にお聞きします。
 東京都として、以前から公表が望ましいとしている地表面高さの測量データや、陥没事故の原因としても強く疑われる掘削土量のデータなどは、日ごろ情報公開を重視する知事としては求めるべきではないか。いかがでしょうか。(中島建設局長発言を求む)いや、知事でしょう、これは。

○中島建設局長 住民の安全・安心確保のための情報提供につきましては、国など事業者の判断において行われるべきものと考えております。
 なお、東日本高速道路株式会社が、現在、今回の陥没事象について、原因及び工事との因果関係を究明しているところでございまして、トンネル施工等検討委員会有識者委員会、有識者ですね、地質ですとか、トンネル構造の専門家でございますが、そこにおいて確認を行っていき、公表について適切に検討していくと聞いております。
 都は、適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、引き続き国など事業者に求めてまいります。

○原田委員 日ごろ情報公開は東京大改革の一丁目一番地といっているじゃありませんか。陥没地域やシールドマシンが通過した地域の地表面高さまで公表しないなんて許されないでしょう。
 この状況を放置するなんて、知事、あなたの情報公開は今何丁目にあるんですか。情報を求め、拒否すれば勧告する権限も都知事にはあるんです。出して当然のデータについては情報公開を求めるべきですが、いかがか、もう一度だけ聞いてあげます。

○中島建設局長 先ほどお答えいたしましたとおり、住民の安全・安心確保のための情報提供につきましては、国など事業者の判断において行われるべきものと考えております。都は、適切な情報提供など住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、引き続き国など事業者に求めてまいります。

○原田委員 適切な情報が得られていないから質問しているんでしょう。もはや都知事の情報公開は住所不明となりました。
 これまで工事にかかわるモニタリングデータは都民には見せず、事業者と行政、有識者による非公開のトンネル施工等検討委員会に提出されてきました。
 私が幾ら公開を求めろといっても、東京都は−−ここ大事ですよ、トンネル施工等検討委員会は、地表面高さなど複数の項目についてデータをとりながら、モニタリングをしつつ工事を進めているんだといってきたんです。私たちが得なくても、トンネル施工等検討委員会がモニタリングしてくれているから大丈夫だと。
 ところが、トンネル施工等検討委員会有識者委員会の小泉委員長は事故後にこういったんです。よほど何かが起こったか、難しい地盤だったか、適正に土を取っての陥没はあり得ない、土を取り込み過ぎたのが原因ではないかと。これ聞いて、あれおかしいなと。土を取り込み過ぎたかどうかチェックしながら工事していたんですよねと。
 この発言からは、当該年度の本格掘進中、トンネル施工等検討委員会は、モニタリングデータをしっかりと見ていなかったのではないかという疑いが出てくるわけですが、これは問題ではありませんか。都としての見解を求めます。

○中島建設局長 トンネル施工等検討委員会は、国及び高速道路株式会社により運営されております。委員会は非公開でございますが、議事概要、資料は公開されております。
 トンネル施工等検討委員会におきましては、施工状況等のモニタリング、この中で掘進中のトンネル坑内の圧力や掘削土量などの各計測値は、添加材、圧力、搬送設備等の調整を行っていることで、適切な状態で施工されていることが確認されております。

○原田委員 つまりは、ろくにモニタリングデータを見ることなく、国等事業者が適切な施工が行われていますといったら、それを信じるばかりだったということですよ。そして、事故が起きてから、土砂の取り込み過ぎじゃないかと指摘をし出したと。
 安全な施工等、異常事象の究明、緊急時の避難対策など、一手に背負うトンネル施工等検討委員会が、事実上の追認機関みたいなものだったとしたら大問題ですよ。
 そこで、気になることがあったので、お聞きします。
 当該年度もそのあり方が何度も問われていたトンネル施工等検討委員会が事故原因の究明を行う組織として、トンネル施工等検討委員会有識者委員会として新たに立ち上げられた理由、一体何なのか教えてください。

○中島建設局長 令和二年十月十九日、陥没の翌日でございますが、外環事業関越−東名間を対象にいたしまして、トンネルの構造、地質、水文、施工技術等について、より中立的な立場での確認、検討することを目的といたしまして、トンネル施工等検討委員会の学識委員等から構成するトンネル施工等検討委員会有識者委員会が設置されております。

○原田委員 事業において、より中立的な立場での確認、検討することを目的としているとの答弁でしたが、名前変えただけでしょう。だって、トンネル施工等検討委員会のときと参加者は全く変わっていないじゃありませんか。ただ国等事業者らが委員会の構成員から説明員に変わっただけですよ。これでどうして中立的な立場に組織改編したといえるんですか。
 私が、それじゃこの委員会は、外環計画に対する第三者組織なのですかと聞くと、それは第三者機関ではないって明確に担当者はいうんですね。謎の自称中立的組織ですよ。
 トンネル施工等検討委員会には、住民はもちろん入れませんが、自治体から唯一参加が許されていたのが、東京都の三環状道路整備推進部長です。自治体代表の頼みの綱です。
 ところが、この三環状部長がなかなか住民への情報の提供、異常事象の原因究明などで、住民の声をトンネル施工等検討委員会に届けることができません。それどころか、国のいい分を都議会に持ち込むばかり。
 情報公開でいえば、都が求めるデータでも、国が判断するものといい、酸欠空気の発生が問題になっても、国からは大気に薄まるから安心と聞いていると繰り返し、地盤面への振動の影響調査を求めても、大深度部からの振動による地表面に対する影響については、振動が伝わりにくいと考えていると答えるなど、まるで国の一機関かのように振る舞ってきました。
 本当にこの部長は話が通じないので、当該年度確認したところ、当時の部長が国交省から来た部長だったんですよね。それで、おかしいなと。考えてみれば、その前の部長も前職が国交省だったよなと。
 そこで、お聞きしますが、三環状道路整備推進部長ですが、部署の創設は何年で、その後、部長は何人いましたか。そのうち国交省からの出向は何人ですか。

○中島建設局長 ただいまの質問にお答えいたします前に、先ほどの有識者委員会の補足説明でございますが、第三回の委員会におきまして、二名、新たに学識経験者が追加されております。
 それから、ただいまの質問でございますが、建設局三環状道路整備推進部は二〇〇九年度に創設された部署でございまして、現在まで七名の部長が務め、全員国土交通省を退職し、東京都の職員として採用されております。

○原田委員 本当、調べてみて驚いたんですけど、創設以来ですよ、三環状部長はみんな国交省から来ていたんですね。いや、それで国とのパイプを使って、都民の利益になるような仕事をしてくれればいいんですよ。でも、どおりで、住民の声は全く通じないのに、国のいい分ばかりを都議会に持ち込んで繰り返していたわけですよ。
 知事、これでチェック機能が働く組織体制といえると思いますか。

○中島建設局長 三環状道路整備推進部長でございますが、現職を含めまして、東京都のために誠実かつ熱心に業務に取り組んでおります。

○原田委員 知事、外環計画というのは、本当に本腰入れて改革しないと、より大変な事態に陥りますよ。このようにチェック機能が働いてこなかったこととともに、そもそも外環計画が、大深度シールドマシン工法は、地下が深いし、地下水に影響を与えないシールドマシンだから、地上に影響を及ぼさないという安全神話に立脚していたことが、当該年度のさまざまな異常事象を見過ごし、今回の事故につながりました。
 外環計画のホームページに記載されている、よくある質問のQ11において、家屋事前調査を実施することは、工事に当たり、地上の建物に影響が出るということなのでしょうかという問いに対し、国等事業者は何と答えているか、答弁してもらおうと思いましたが、こちらで用意しましたので、ごらんください。
 本線トンネル工事はシールド工法を採用しており、地上への影響は生じないと考えております。−−まあ本当にはっきりとよく書きますよね。しかも、事故後も堂々とホームページに掲載されたままです。
 本線トンネル工事は、地下四十メートルの大深度だし、安全なシールド工法だから、地上への影響は生じないといってきたわけですね。
 そこで、お聞きします。
 外環計画の環境アセス手続では、陥没現場の地盤について、どのように記載されているかお示しください。
   〔上野東京都技監、中島建設局長発言を求む〕

○上野東京都技監 環境影響評価書では、外環事業の実施区域及びその周辺には住居等が存在し、道路工事などの実施により、地下水位低下による地盤沈下を生ずることが考えられるため、地盤の調査を行っております。
 評価書の地質縦断図におきましては、陥没現場の位置を特定することができず、当該箇所の地質を確認することはできません。
 なお、調査結果には、東名高速道路から京王線にかけての野川から入間川、中央ジャンクション周辺の仙川、大泉ジャンクション及び目白通りインターチェンジ周辺の白子川等の河川沿いの低地部には、やわらかい沖積層の粘性土、腐植土が堆積している、一般に、地盤沈下は軟弱な粘性土及び腐植土層で生じるとの記載がございます。

○原田委員 しっかりと書かれていましたね。入間川など河川沿いの低地部では、やわらかい沖積層の粘性土、腐敗土が堆積していて、そこは地盤変動が起きやすいと。そこまでは、アセスは記載しているんです。
 この地図を見ても、赤いところが事故現場ですけれども、地盤が弱いところの地図のすぐ横にやっぱり位置していたということがわかっています。問題のある地盤だとわかっていたのに、では本線シールド工事の軟弱地盤にどう対応するかは、アセス書には全く書いていないんです。ここが問題なんです。
 地盤沈下にしても、振動にしても、対応策が書いてあるのは、地中拡幅部、地上に影響を及ぼしやすいとされるジャンクション周辺ばかりで、そこに調査のポイントは集中しているわけなんですね。
 どんなに軟弱な地盤であっても、大深度地下シールド工事では地上に影響は生じないと考えているため、今回の事故が起きたような本線工事沿線の地上では調査ポイントを置いていないんです。
 この図を見ましても、全部地盤沈下の予測結果をしている、調査したところは、東名ジャンクションとか中央ジャンクションとか、ジャンクション、インターチェンジ周辺しかやっていないんですね。私も、改めて見て驚きました。
 大深度法において、事前の損失補償が定められていない理由も伺っておきます。

○上野東京都技監 国によれば、大深度地下は、土地所有者等による通常の利用が行われない空間であり、公共的事業のために使用しても、通常補償すべき損失が発生するとは想定されないという特性があるとされており、その特性を踏まえて、事前補償の原則をとらず、使用権の設定を認めることとされております。

○原田委員 まさに大深度法の核心部分ですね。通常の利用が行われない空間であると同時に、通常補償すべき損失が地上に発生するとは想定されない、これが大前提となって、この法律はできているわけです。
 知事、地上には影響を及ぼさないという前提で、アセスも工事も進んできてしまった外環計画について、やはり問題があったと思いませんか。率直な感想を述べていただけませんか。

○中島建設局長 先ほど資料にもございました国土交通省東京外かく環状国道事務所のホームページ内のよくあるご質問には、施工の際にも細心の注意を払って進めますが、万が一、工事の施工に起因する建物等の損害が発生した場合には、当該損害に対して補償させていただくため、工事実施前の建物等の状況を把握する調査を行いますと記載されております。

○原田委員 何の答弁だかよくわかりませんでしたけど、当該年度、振動が大きな問題となる中で、住民から何度も求められた事故対応にも、この大深度シールド工法の安全神話は重大な影響を与えてきました。
 住民から求められた避難計画の策定をなぜか拒否してきた事業者は、トンネル工事の安全・安心確保の取組みという文書を住民に押しつけてきました。
 緊急時の対応では、万が一何かあったときは、マイクをつけた緊急車両が避難を呼びかけて走ることになっていました。しかし、当日、実際には緊急車両は走りませんでした。
 そこで、お聞きします。
 これまでのトンネル工事の安全・安心確保の取り組みは事実上機能しませんでしたが、緊急連絡体制についての問題点が浮き彫りになったと考えますが、知事として問題意識はありますか。

○中島建設局長 安全・安心に事業を進めることは、国など事業者の責務でございます。
 国など事業者が定めているトンネル工事の安全・安心確保の取り組みでは、トンネル内に掘削土以外の土砂等が大量流入するときを緊急時としておりまして、今回の事象は該当しないと聞いております。
 今回の事象につきましては、工事関係者の施工計画の緊急連絡体制に基づいて事業者に連絡後、関係機関へ適宜連絡が行われたものと国など事業者から聞いております。

○原田委員 聞きました。今回の事故が緊急時に当たらないって答弁したんですよ。それならば、緊急車両が走らないのも無理ありません。つまり今回のような事故は想定すらしていなかったから、避難の対応は存在しなかったっていうことなんです。安全神話の最たるものじゃありませんか。
 大体、今回の事故に際し、皆さんに資料をお配りしましたが、警察や地元自治体への連絡は住民が行ったと聞いています。陥没が九時半には見つかっているのに、NEXCOの職員が来たのは十一時五十分ですよ。調布警察が規制線を張ったのは十二時二十分です。職員が地域住民に避難を呼びかけたのは何と十三時三十分で、陥没発見から四時間は要しているんです。
 工事関係者の緊急連絡体制で対応したなんていっていますけどね、後手後手もいいところじゃありませんか。つけ焼き刃の対応では、住民の命は守れないんじゃありませんか。
 強く住民が求めていたにもかかわらず、都が国に要請することもなかった当該年度を総括する上でお聞きしますが、改めて避難計画の策定、求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

○中島建設局長 安全・安心に事業を進めることは、国など事業者の責務でございます。都としましては、住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、これまで国など事業者に求めてきたところであり、今後とも引き続き求めてまいります。

○原田委員 知事、生命を脅かされ、財産は今どれだけ削られてしまったのかもわからない地域住民にとって、知事の姿勢こそが今、頼みの綱ですよ。
 当該年度六月、我が党の里吉ゆみ都議の代表質問で、振動等の異常事象は大深度法の根底が崩されていると指摘したことに対して、知事は、振動調査を実施した上で、トンネル工事との関係について確認を行っているところでございますが、安全や周辺の生活環境が損なわれるような事態は発生していないと伺っておりますと答弁なさいました。
 このときのみずからの答弁について、今は考え方の変化などありませんか。最後の質問ですから、どうぞ安心してお答えください。知事。

○中島建設局長 先ほど知事が申し上げましたとおり、外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められておりますが……
   〔原田委員発言を求む〕

○中山(ひ)委員長 ちょっと待って。

○中島建設局長 事業の実施に当たりまして、都はこれまで国など事業者に対しまして、安全・安心を最優先に工事を進めることを求めてまいりました。
 引き続き、国など事業者に対しまして、住民の安全・安心を確保するための取り組みを求めてまいります。

○原田委員 当該年度、小池都政を振り返ってみれば、どうでしょう。空は羽田、地上は特定整備路線、地下は外環、小池都政のまちづくり、まるでまち壊しじゃありませんか。
 本当にまちも暮らしも自然も破壊され、財政も破壊されるような外環道計画は、ここできっぱりとやめる勇気を……
○中山(ひ)委員長 終了しました。

○原田委員 持っていただくよう知事に最後に申し上げて、質問を終わります。

○中山(ひ)委員長 原田あきら委員の発言は終わりました。