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質問・条例提案

3月12日 予算特別委員会 とや英津子都議の一般総括質疑

3月12日の予算特別委員会で、とや英津子議員(練馬区選出)が一般総括質疑を行いました。

    

動画(都議会ホームページです。令和3年第1回定例会 >312日(金曜日)予算特別委員会・総括質疑をご覧ください)

★質問全文(都議会速記録速報版より)

1、少人数学級について
2、文化芸術の支援について
 3
平和行政について


○とや委員 質問に先立ち、七十六年前の三月十日、東京大空襲で犠牲になられた方々、そして、十年前の三月十一日、東日本大震災で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表します。
 本日は、少人数学級、文化芸術、そして、平和行政について質問をさせていただきます。
 初めに、教育環境の向上、特に少人数学級について質問いたします。
 知事も出席をして、おととい開かれた総合教育会議で議論された教育施策大綱は、第一章が、未来の東京とそこに生きる子供たちの姿と、東京都が描く子供の姿から始まります。
 しかし、よりよい教育のためには、現在の子供たちの置かれている状況から出発することが重要です。
 知事は、今の子供たちの現状についてどのような認識をお持ちですか。

○小池知事 未来を担う子供たちを守り育て、持続可能な社会を実現すること、それが我々の責務でございます。
 現在、コロナ禍により、子供を取り巻く環境は大きな影響を受けております。特別な支援や配慮を必要とする子供もふえております。
 一人一人の学ぶ意欲を引き出し、明るい未来を切り開くことができますよう、子供たちを育んでまいります。

○とや委員 コロナ禍の影響を大きく受けている、特別な支援を必要とする子供もふえていると。そうした子供たちに寄り添ったきめ細かい対応が必要です。
 国は、五年間かけて小学校を三十五人学級にすることを決めました。これを受け、東京都がどのように教育を充実していくかが問われております。
 私は、この間、先生方からお話を聞いてきたわけですが、なぜ五年間もかけなければならないのか、三十五人でも多過ぎる、中学校が対象外なのは信じられないなど、もっと早く少人数学級にしてほしいという声をたくさん聞いてまいりました。
 大綱案へのパブコメでも、少人数学級を実現することを明記すべきという都民意見があったと紹介されていますが、少人数学級を具体化することこそ求められております。
 そのためには、まず、少人数学級のよさ、必要性を認めることが重要です。
 そこで伺います。
 学級編制の上限が四十人から三十五人になることによるメリットは何ですか。伺います。

○藤田教育長 都教育委員会では、平成二十二年度からの三年間で、小一問題、いわゆる小一プロブレム等の予防、解決のために、教員加配により、学級規模の縮小とチームティーチングの活用を学校の実情に応じて選択できるよう取り組みを行って、検証を行ったことがございます。
 どちらの場合においても、学習指導や生活指導などに対して、よい影響をもたらしたということが報告をされているところでございます。
 学校における教育的効果には、さまざまな取り組みや工夫が関係するものと認識してございます。
 今後とも、教科の特性や活動の内容等に応じたきめ細かな指導体制の構築に取り組んでまいります。

○とや委員 都教委の取り組みでも、学級規模の縮小、つまり少人数学級にしたら、学習面でも生活面でもよい影響があったということであります。
 国が、学級編制基準を見直すきっかけの一つが新型コロナです。
 東京でも、実体験として、少人数学級を経験しています。
 新型コロナによる休校明けの昨年六月は、密を避けるためにクラスが半分ずつ登校するなどの分散登校になりました。
 一クラス十五人とか二十人の少人数学級の状態になったわけで、そこでは、子供たちをきめ細かく見ることができた、落ちついたいい雰囲気だった、不登校ぎみだった子が学校に来られたと、先生たちは異口同音におっしゃっていました。
 知事は、こうした学校現場の声をご存じですか。

○藤田教育長 昨年の三月から五月までの年度をまたぎました三カ月にわたる長期の臨時休業明けであったことを踏まえまして、都内公立小中学校では、感染症対策としてはもちろんのこと、子供たちの心のケアを行うため、分散登校や在校時間の調整、これは短縮という意味でございますけれども、そういったことを実施いたしまして、子供たちをきめ細かく観察し、適切な支援を行ったところでございます。
 この取り組みの中で、子供たちへ丁寧な指導ができたという声や、逆に、分散登校により、学級としての一体感をつくるのに時間を要したといった声がございました。

○とや委員 ぜひ、知事も、こういう声に耳を傾けていただきたいと思います。
 今、教育長のご答弁の中に、一体感をつくるのに時間を要したというお話がございましたが、これは、分散登校というより、分散登校が終了して二つに分けていたクラスを一つにまとめるときの声かと思います。
 分散登校で実質的に少人数学級になり、少人数の方が子供たちによい教育ができると多くの先生方が実感をしています。その声が都教委にも届いているということです。
 ある保健体育の先生は、学級が二十人ぐらいまでの人数だと、子供同士の雰囲気も温かくなり、自然と教え合いが生まれる、練習の順番もたくさん回ってくるし、丁寧に教えることができる、運動の能力も高くなるといっていました。
 少人数学級の重要な効果だと思いますが、知事はどう思われますか。

○藤田教育長 各学校におきましては、子供の実態に応じながら、習熟度別指導や少人数指導に加え、個別学習やグループ別学習、また、興味、関心に応じた課題別の学習などをさまざま行ってございます。
 ご紹介いただきました事例は、学習内容に応じた少人数指導における効果の一つであると考えております。

○とや委員 また、今、少人数指導というお答えがあったわけですけれども、少人数指導の効果といいますが、今の教員配置で少人数指導ができるのは、算数や数学、英語など限られた教科だけであります。
 少人数学級にすれば、この先生の保健体育の話のように、どの教科でも少人数の指導ができるようになって、順番もたくさん回ってくるし、能力も高くなるわけであります。
 別の先生は、小学校三年生くらいの子供たちは、一生懸命手を挙げて、当ててほしいと思っていると。少人数学級なら授業中に一回は当てることができるとおっしゃっていました。
 子供たちの意欲を高め、一人一人が主人公として授業に参加できるようになる大事な効果ではありませんか。
 こうしたよい効果、少人数学級を早く進めて、全ての子供たちがこうした環境で学べるようにしてあげることが必要です。
 子供たちのケアという点でも、少人数学級は早く進めることが必要です。
 子供たちは、三カ月も休校になったことに加えて、感染防止のために、生活も遊びも、人間同士のかかわりも大きく制限を受け、ストレスを抱えております。
 パネルをごらんください。国立成育医療研究センターが昨年十一月から十二月に行ったアンケートであります。
 小学校四年生以上の一五%から三〇%の子供たちに中等度以上の鬱症状があるという深刻な結果になっています。
 さらに、子供の自傷行為やその思いについて、一週間のうちに実際に自分の体を傷つけたというのは一七%、体を傷つけたい、死にたいと思ったというのは四人に一人となる二四%と、これも大変深刻であります。
 話すな、近づくな、手洗いやマスクを完璧にといわれれば、子供は大人以上に守ろうとします。
 消毒や手洗いで、手があかぎれを通り越してぼろぼろになっている子供が、クラスに五人ぐらいいるという話も伺っています。家庭状況が不安定になっている子供も少なくありません。
 スクールカウンセラーの予約もいっぱい、スクールソーシャルワーカーも飛び回っている状況です。
 知事、深刻だと思いませんか。

○藤田教育長 コロナ禍において活動の制約等が続く中、多くの子供がさまざまな不安や悩みを抱えております。
 そのため、都教育委員会は、学校に対しアンケートの例を示し、定期的に子供たちの不安や悩みを把握するよう徹底を図るとともに、学校の要請に応じてスクールカウンセラーの派遣回数をふやすなど、対応してまいりました。
 スクールカウンセラーの派遣は、一校当たり通常の三十八回に加え、七月二十二日から八月七日までの間、これは昨年ですが、一月から三月までの間、それぞれの期間におきまして、一校につき三回を上限として追加を希望できるようにいたしまして、学校の状況を踏まえて実際の派遣日数を決定しているところでございます。
 今後とも、子供の不安や悩みを解消に導くための取り組みの充実を図ってまいります。

○とや委員 今ご答弁にありましたように、スクールカウンセラーの派遣回数をふやしたというのは大事な一歩だというふうに思います。
 同時に、先ほど教育長は、子供たちのケアを行うために分散登校をしたとご答弁をされました。
 少人数にすれば、つまり少人数学級ですね、少人数学級にすれば、子供一人一人にかかわる時間がふえて、丁寧にケアもできるようになります。
 群馬県では、これまで小学校一、二年生は三十人、小学校三、四年生と中学一年生は三十五人学級でしたが、コロナを体験したことを契機に、来年度から小学校五、六年生と中学校二、三年生を三十五人学級に拡大し、小中学校全学年で開始をいたします。
 県単独の予算も出して教員をふやして対応してきましたが、その効果について、学校へのアンケートでは、学習面とともに、生活指導が丁寧にできるようになったという回答が多かったといいます。
 これに加えて、コロナ対策で身体的距離をとらなければいけないこと、感染対策についても丁寧にできることを理由の一つとしていると伺いました。
 少人数学級にして、丁寧できめ細かい教育を行うことが、ここでも求められていると思います。
 教育施策大綱には、誰ひとり取り残さないことを掲げられているわけですが、そのためには、子供たち一人一人に寄り添い、きめ細かい支援を行うことが重要だと考えますが、知事、いかがですか。

○小池知事 未来を担う子供たちを守り育て、持続可能な社会を実現することは我々の責務である、先ほども述べたとおりでございます。
 現在、コロナ禍で、子供を取り巻く環境は大きな影響を受けているということでございますが、子供たちが未来の社会の担い手として生き生きと活躍していくためには、社会全体で子供たちの学ぶ意欲や学ぶ権利を支え、子供たちが抱える悩みにも丁寧に寄り添うことは大切であります。
 こうした考え方に基づきまして、誰ひとり取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、みずから伸び、育つ教育を実現してまいります。

○とや委員 学ぶ権利を支え、悩みに寄り添い、誰ひとり取り残さない教育を実現しようと思えば、少人数学級は最良の選択であります。
 来年度、少なくとも十五の道県が、新たに少人数学級を独自に拡充する方向です。その結果、小中学校の全学年で、条件なしで少人数学級を実施するのは十一県になります。
 現在の小学校二年生は実質三十五人学級になっていることから、三年生になっても三十五人学級を継続できるようにしようと、独自に拡充する県もあります。
 こうした自治体独自の取り組みが広がっているときに、私ども、本会議でも議論をさせていただきましたが、国がすべきことなどといっているのは東京都だけであります。
 学校の努力任せにしないで、教育条件を整備するということが今こそ求められております。
 そのことは、教員の働き方改革にも直結します。
 改めて、知事と教育委員会が独自に少人数学級を拡大する決断を求めて、次の質問に移ります。
 文化芸術の支援について伺います。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、昨年二月からイベントの自粛が要請され、文化芸術に携わる方々は大きな打撃を受けてきました。
 四月からの緊急事態宣言時は、公演やイベントは全て中止、五月二十七日に宣言が解除された以降も、人数や収容率の制限などが継続しました。
 さらに、ことし一月からの緊急事態宣言の再発出では、イベントは収容率五〇%以下にすることや、二十時までに終演することも求められ、この扱いは現在も続いております。
 ステイホームといわれる中、都民の文化芸術を鑑賞しに行こうという気持ちも下がっております。
 文化芸術は、最も長期にわたり、最も深刻に新型コロナウイルスの影響を受けている分野の一つです。
 文化芸術は必要不可欠、この立場に立って、しっかりと支援をしていく必要があります。
 知事は施政方針演説で、文化芸術について、人の心に潤いをもたらし、生き生きと輝くための活力を与えてくれる芸術文化は、私たちの生活に欠くことができません、コロナ禍にありましても文化の灯を絶やすことなく、都市の活力へとつなげる取り組みを推進すると述べていらっしゃいます。
 改めて、東京での文化芸術の役割の重要性についてお聞きいたします。

○小池知事 芸術文化は、東京の都市としての魅力を形成する要素だけではありません。
 コロナ禍にあって、さまざまな状況に置かれる人々を支え、感動や喜びをもたらす重要なものであると、このように認識をいたしております。

○とや委員 芸術文化は極めて重要だとおっしゃいました。今、その認識にふさわしい支援が求められているわけであります。
 私はこの間、さまざまな文化芸術関係者のお話を伺ってまいりました。劇場は、二十時終演では、仕事帰りの人に来てもらえない。その上、収容率五〇%ではどうにもならない。先が見えないので、チケットを売ることも直前まで控えている。ライブを開催しても、観客がバッシングを恐れて、行ったことを隠すようになった。お客さんの口コミやSNSなどでの発信が宣伝になっていたが、それがなくなり厳しいなど、とにかく見に来てもらうこと自体が大変になっております。
 そうした中で、劇場やライブハウス、映画館などの経営者も、劇団やオーケストラも、アーティストやスタッフなどの個人も厳しい状況に置かれています。
 年末年始に行われた演劇緊急プロジェクトによる文化芸術に携わる全ての人の実態調査アンケートには、仕事がなくなり、不要不急が連呼され、まさに自分自身が不要不急そのもので、存在している価値がないように思え、死にたくなった、今は何とか貯金を切り崩して生きている、同じ状況が二〇二一年も続くのであれば、もう体力的に厳しいと切実な声が寄せられ、コロナ禍で三二・五%、三人に一人が死にたいと思ったことがあると答えております。
 このような文化芸術分野の苦境をどのように認識をしていらっしゃいますか。

○野間生活文化局長 緊急事態宣言に伴う活動の自粛の影響によりまして、芸術文化を支えていらっしゃるアーティストやスタッフなどは非常に厳しい状況に置かれていると認識してございます。

○とや委員 厳しいと認識していただいていることは大変重要だと思います。
 コロナで公演が中止などになった団体が再上演をする場合に二百万円の支援金を支給するアートにエールをは、支援金を先に払ってもらえてよかったとか、自由度が高く、やりたい公演ができたと好評でした。
 同時に、昨年の応募倍率は五倍にもなって、公演中止になった団体全てが使えたわけではありません。
 今議会にも、同時補正予算案で百件の募集が提案をされていますが、ぜひさらに拡充していただきたいと思います。
 そして、本来的には、コロナの影響を受けて生活や活動が苦しくなっている文化芸術に携わる方々全てが対象となる、減収を補償するような支援が必要だと、強く要望しておきます。
 団体の皆さんは、一年前、二年前から準備していた公演を幾つも中止するという苦渋の選択をしてきました。全員が定期的にPCR検査を受けて練習や公演をしている。その費用は莫大だという団体もありました。どの団体も悩みながら活動をしております。
 収入が激減する中で、事務所を手放したという団体もありました。事務所や稽古場、道具を保管する倉庫などの固定費への支援が求められています。
 コワーキングスペースのような、芸術関係者が共同で使える場所を安価に貸してもらえるだけでも助かるとの声もいただいております。
 こうした支援も重要だと思いますが、いかがですか。

○野間生活文化局長 都は、芸術文化団体の固定費への支援は行っておりませんが、舞台芸術の創造活動拠点として設置しております、六つのスタジオなどを備え、低廉な価格で利用できます東京舞台芸術活動支援センターにおいて、稽古場や交流スペースの提供を行っているところでございます。

○とや委員 固定費への支援は行っていないということですが、東京は土地が高いですから家賃も高いです。ですから、ぜひ固定費への支援を検討していただきたいと思っています。
 今、東京舞台芸術活動支援センターについてお答えをいただきました。日本橋高校の跡地を活用した水天宮ピットのことですよね。大変重要な施設ではありますが、稽古場の提供が中心で、既に予約はいっぱいであります。
 稽古場の提供も大事ですし、あわせて、事務所スペース、公演ができていないときでも必要な舞台の道具を保管できる倉庫などへの支援があると大変ありがたいとのお話であります。ぜひ検討していただきたいと思います。
 東京都は、文化芸術都市としての魅力を発信していくとしていますが、その魅力をつくっているのは民間の皆さんです。
 民間の力で回っていた文化芸術が、コロナで成立しなくなっているのです。
 知事、今こそ東京都として支援すべきときではありませんか。

○野間生活文化局長 東京の幅広い芸術文化の担い手でありますアーティストやスタッフ等を支援することは重要でございます。
 このため、都はコロナ禍において、アートにエールを!東京プロジェクトを実施しております。
 また、来年度、民間団体への助成事業の拡大を予定しており、こうした取り組みにより芸術文化活動を支援してまいります。

○とや委員 支援されているということですが、来年度の取り組みについてもお答えいただけますか。

○野間生活文化局長 来年度、民間団体への助成事業拡大を予定しておりますが、こちらは、劇場等のイベント主催者に活動を継続していただくために、公演が実施できるように、まず、アートにエールを!東京プロジェクトを実施いたします。
 また、複数の団体がコラボレーションするプロジェクト等への助成を行っていくつもりでございます。

○とや委員 知事は、最初、私が認識を聞いたときに、人々を支え、感動や生きる喜びをもたらす極めて重要なものだと認識をお示しになりました。その言葉どおり、全てのアーティストの皆さん、関係者の皆さんに届くような支援をしていただきたいと思っています。
 そして、今答弁で、幅広いアーティストやスタッフ等を支援することは重要だとおっしゃいました。これは本当に大事な答弁だと思っています。
 観客を半分にすると収支は赤字だけれど、それでも公演するのは、見に来てくれる方に希望を届けたいからだと、関係者の皆さんはおっしゃっておりました。
 そもそも日本の文化芸術に対する公的支援は、ヨーロッパなどと比べてもかなり薄い状況であります。
 こうしたことを背景に、国会議員の皆さんは、超党派で議連をつくって活動して、予算をふやすとか、あるいは基金を創設するとかということで頑張っていらっしゃる姿も、私ども拝見をさせていただいております。
 文化芸術は、途絶えてしまったら、再びつくり上げるのは容易ではありません。
 携わる方々の熱意に応え、支援を拡充していただくことを強く要望しておきます。
 最後に、平和行政について伺います。
 先ほども申し上げましたが、一昨日の三月十日は東京都平和の日でありました。東京大空襲から七十六年、いかにその記憶を伝え、恒久平和を実現していくかが、私たち都民に問われております。
 第二次世界大戦末期、東京の都内全域でアメリカ軍の激しい空爆があり、一九四四年十一月から終戦までの十カ月間で百回を超えています。
 アメリカは、木造住宅が密集する市街地に焼夷弾を投下し焼き尽くす、あるいは住宅と工場も一緒に焼き尽くすのが最適の爆撃方法であると、綿密な研究の上に作戦を展開したといわれております。
 パネルをごらんください。東京全域が空襲を受けた状況を示したものでありますけれども、どんなにすさまじい空爆であったかがよくわかる、想像がつきます。
 一九四五年三月十日の東京大空襲のとき、民間人、非戦闘員が無差別で攻撃をされてきた、約十万人が犠牲になったわけであります。
 日本政府は防空法制で、逃げるな、火を消せと民間人に命じ、戦争遂行のために、空襲は怖くない、逃げる必要はないと偽りの宣伝を繰り返しました。
 国が始めた戦争で、無数の国民の命が奪われ、生活が破壊され、多数の人々が心身に深い傷を負いました。
 東京都平和の日記念行事企画検討委員会の委員をされている海老名香葉子さんは、東京大空襲で戦災孤児になりました。八十七歳になられた今でも、ご両親や家族が、どの場所でどのように亡くなったかを知りたいと思い続けていることが、最近も報道されていました。どんなに長い時間が過ぎても、忘れることはできないのです。
 一九四五年三月から五月に、空爆により道端や川で亡くなって、仮埋葬されたのは九万八千人といわれております。
 仮埋葬された場所は、戦災殃死者改葬事業始末記によれば、錦糸公園や上野公園を初め七十一カ所に及びます。
 三年から五年後に掘り返されて火葬されましたが、名前がわかったのはほんのわずかであります。
 都立横網町公園内にある東京都慰霊堂には、今も八万人もの方の遺骨が残されています。
 亡くなった場所も、時間もいまだにわからないでいる方々が仮埋葬され、身元不明のままでいるのです。
 また、ご遺族の方が、せめて名前だけでもと、記憶と記録をたどりながら、自分たちの手で犠牲者名簿をつくり、慰霊の取り組みを続けています。
 一人一人が生きていたあかしを記したい、これが皆さんの思いです。
 このような遺族の皆さんの思いと努力をどのように受けとめますか。また、仮埋葬の事実をご存じでしょうか。あわせてお答えください。

○野間生活文化局長 東京大空襲で亡くなられた方々のご遺族が、お名前を残したいとの思いから、犠牲者名簿をつくるなどの活動をされていることは承知しております。
 都においては、犠牲になられた方々を追悼する目的で、平成十一年から東京空襲犠牲者名簿の作成に取り組んでおり、令和三年三月現在、八万一千二百九十五名の方を登載してございます。
 また、東京都戦災誌によりますと、空襲で亡くなられた方が、寺院等に一万四千二百五十五体のご遺体、公園等に三万二千体のご遺体が仮埋葬されたことが記録されております。

○とや委員 建設局の記録ではもっと多いんですよ。九万八千人といわれているんですよね。
 海老名さんは、平和の日の企画検討委員会で、だんだん東京大空襲は忘れ去られていきます、あんな大規模だったのだと、調べれば調べるほどすごい惨禍でした、それなのに、広島、長崎は原爆だったから、あれだけの人たち、世界中の人たちが知っているというのに、東京大空襲は知られていませんと述べています。東京に住む私たちに、もう少し手を携えてほしいとおっしゃっています。
 広島や長崎にはしっかりした平和資料館があり、資料や遺品、証言などを通じて核兵器の非人道性を伝え、二度と繰り返さないとメッセージを発信し続けています。
 被爆の実相や犠牲になった人々について、今でも掘り起こし、研究を続けています。
 東京大空襲のご遺族を初め戦争体験者の方々は、この悲劇を絶対に繰り返さないでほしいと願いを込め、犠牲者の遺品を含め、当時を伝える多くの資料を東京都に寄附しました。その数は約五千点に及びます。また、三百三十人の方が協力し、戦争体験の証言ビデオも作成されています。
 当時、平和祈念館を建設しようと、都民世論のもとで東京都も足を踏み出そうとしました。戦争の事実を風化させないよう歴史の事実を伝え続けている広島の平和記念資料館、長崎の原爆資料館、沖縄のひめゆり平和祈念館を初め、戦争の事実や平和の大切さを伝える資料館や記念館などの大切さをどのように認識をされているでしょうか。

○野間生活文化局長 広島の平和記念資料館、長崎の原爆資料館、沖縄のひめゆり平和祈念資料館は、いずれも、さきの戦争の恐ろしさを次世代に伝えるとともに、平和の大切さを訴えるなどの趣旨で建設されたものと認識してございます。

○とや委員 大事な施設でありますが、こうした施設が東京にないのが残念でなりません。
 一九九五年の平和の日記念式典で、都議会各会派を含む参加者の総意で決定された都民平和アピールは、いかなる哀悼の言葉も意味を失ってしまうほど、非情かつ残酷なものが戦争だと訴え、私たちは、次代を担う子供たちに、戦争の悲惨さと、それを防止することの大切さを、東京大空襲の体験などとともに語り伝えますとしています。
 この重要性について知事の見解を伺い、そして、東京にも平和祈念館の建設をしてもらいたい。そのために、知事も各会派の皆様も力を合わせることを心より訴えて、知事の答弁を伺いまして、質問を終わります。

○小池知事 さきの大戦で戦争の惨禍をこうむった歴史を持つ都民にとって、恒久平和の実現は最大の願いであります。
 また、戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要でございます。
 そのため、都は、東京都平和の日条例を制定いたしまして、毎年継続して、三月十日の記念式典を初め、東京空襲資料展の開催、東京空襲犠牲者名簿の収集など、平和関連事業を実施し、都民が受けた苦難の歴史を語り継ぐとともに、平和意識の高揚を図っているところであります。

○木村委員長 とや英津子委員の発言は終わりました。(拍手)