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質問・条例提案

2018.10.05

2018年第3回定例会に提出した文書質問

2018年第3回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 池川友一

質問事項
一 学校体育館等のエアコン設置について
二 「ブラック校則」について
三 「学力テスト」について
四 「カジノ型デイサービス」について
五 避難所について

一 学校体育館等のエアコン設置について

 第3回定例会での共産党都議団の代表質問に知事は「学校体育館についてでございますが、体育の授業や学校行事、部活動など、子供たちが安全に活動を行う場であるとともに、避難所としての役割も担っております。猛暑による熱中症への対策として、体育館に空調設備を整備する必要があると認識をいたしておりまして、今後、都立高等学校の体育館への整備を速やかに進めてまいります」と表明しました。これは、これまでの立場から大きく飛躍した重要な答弁です。
 そこでまず、都立高校の問題について伺います。

Q1 都立高校の体育館へのエアコン設置は、どのように取り組むのですか。既存の体育館、改築や改修中の体育館についてはどう対応するのですか。

Q2 期限を区切った取り組みが必要であり、そのための計画を速やかに策定すべきと考えますがいかがですか。
 都立高校は、公立小中学校と比較しても特別教室へのエアコン設置が遅れています。

Q3 都立高校の特別教室はいつまでに設置するのですか。少なくとも計画を策定し、期間を区切って設置する必要があると思いますがいかがですか。

 区市町村の特別教室のエアコン設置補助の根拠となっている「東京都公立学校施設冷房化支援特別事業実施要綱」は、今年度末までとなっています。

Q4 期間についてはいつまで延長するのですか。

二 「ブラック校則」について

 「ブラック校則」とは、一般社会から見れば明らかにおかしい校則や生徒心得、学校独自ルールなどの総称です。
 「朝日新聞」の調査では都立高校の6割で「地毛証明書」について、教育評論家の尾木直樹氏は「頭髪は身体の一部。黒髪直毛を強制するなんて人権侵害」と指摘しています。地毛証明書というのは、一般社会から見れば明らかにおかしいルールです。
 さらに、ある都立高校では、地毛にも関わらず「黒く染めてこい」という生徒指導が行われたという事実を私たちは伺いました。こうした指導は大問題ですが、学校一律に基準を決め、そこからはみ出すことを悪とする生徒指導は、生徒の自尊感情を傷つけます。

Q1 知事は、一般社会から見れば明らかにおかしい「ブラック校則」など子どもの人権が侵害されている現状についてどう考えますか。子どもの人権に配慮して常に校則を見直していく必要性についてどう認識していますか。

 校則など、自分たちに関わるルールを自分たちで決めていくことが主権者教育としても重要です。
 ある都立高校では、髪染めの禁止と制服の導入に対し、在校生の圧倒的多数が反対の意思を表明し、生徒総会では「生徒の学校生活に関わる重要な決定をする場合、在校生及び保護者に明確な説明なしに決定、公表、実施をしないことを求める」ことを決議しました。しかし、校長の決定だからと一方的に導入されました。
 子どもの権利条約第12条には「自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する」とあります。

Q2 校則の見直しについて、「学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じまして絶えず積極的に見直す必要がある」と文部科学大臣が答弁しています。東京都教育委員会も「絶えず積極的に見直す必要がある」という認識ですか。

Q3 校則などの見直しについて、「児童生徒や保護者が何らかの形で参加した上で決定するということが望ましい」と文部科学大臣が国会で答弁しています。子どもの意見表明権を保障する上でも、主権者教育を推進する上でも、児童生徒が参加して決定することが望ましいと考えますが、いかがですか。また、児童や生徒が決定に関わるためには何が必要だと考えますか。

三 「学力テスト」について

 「学力テスト」について、文部科学省は「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」(28文科初第197号)を出しています。
 この「通知」の中で「4月前後になると、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分に実施できないなどといった声が一部から寄せられるといった状況が生じています。仮に数値データの上昇のみを目的にしているととられかねないような行き過ぎた取扱いがあれば、それは本調査の趣旨・目的を損なうものであると考えております」と述べています。
 私のところにも、「事前対策として過去問題を30回やった」など、都内でも過度に過去問題をやっている実態が寄せられています。

Q1 東京都教育委員会は、こうした「調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ」など、国の「学力テスト」のための事前対策の実態を把握されていますか。

Q2 こうした事前対策は問題だとは思いませんか。

Q3 国の「学力テスト」のための行き過ぎた事前対策の実態が明らかになった場合、どう対応するのか伺います。

 学力の定着といいながら、悉皆調査で行われ点数の公表が行われるなど、国連子どもの権利委員会から「高度に競争的」と言われる「学力テスト」のあり方に大きな問題があります。
 しかも東京都の場合、国の調査に加え、東京都の調査、さらには、39区市町村(2017年度)が独自に「学力テスト」を実施しており、子どもと学校は「学力テスト」体制に汲々としています。
 福井県議会は、「学力テスト」による競争によって「『学力日本一』を維持することが本県全域において教育現場に無言のプレッシャーを与え、教員、生徒双方のストレスの要因となっていると考える」ことなどに言及し「義務教育課程においては、発達の段階に応じて、子どもたちが自ら学ぶ楽しさを知り、人生を生き抜いていくために必要な力を身につけることが目的であることを再確認し、過度の学力偏重は避けること」などを求める、「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」を可決しました。

Q4 都独自の「学力テスト」のあり方が問われています。悉皆調査や結果の公表など、「学力偏重」の都の「学力テスト」の見直しが必要だと思いますが、いかがですか。

四 「カジノ型デイサービス」について

 昨今、介護事業者が様々なサービスを提供するようになっていますが、その一つに「カジノ型デイサービス」と呼ばれるものがあります。
 「カジノ型デイサービス」とは、麻雀、パチンコなど、風俗営業法に規定されている遊技を、デイサービス等介護保険サービスにおいて実施するものをさします。
 「カジノ型デイサービス」について厚生労働省老健局振興課課長は「プログラムをどのような計画で行っているのか、時間や頻度も含めその中身については、保険給付で提供されているサービスである以上、必ず問われる」と述べています。
 一方で、兵庫県や神戸市は、「カジノ型デイサービス」を実質的に規制しています。神戸市長は、適度な娯楽の活用は高齢者の心身の活性化に役立つとする一方、最近は遊技場かと思われるような事業所があり、適当とは考えられないサービスは「(介護)保険料の上昇や利用者の自己負担の増加につながる」と述べています。

Q1 都は「カジノ型デイサービス」についてどのように認識していますか。

Q2 東京都内ではどのくらいの数が存在しているのですか。

Q3 「規制」も含めて、そのあり方を検討する必要があると考えますがいかがですか。

五 避難所について

Q1 国際赤十字やNGO団体などが「人道憲章と人道対応に関する最低基準」、通称「スフィア基準」をまとめ、国際社会における人道対応の事実上の基準となっています。
 スフィア基準の考え方の根底には、被災者、避難者の命と健康を守るとともに、その尊厳を守ることの重要性があります。
 被災者、避難者の命と健康と同時に尊厳を守ることの重要性について、都の認識を伺います。

 スフィア基準では、具体的には、生命維持に必要な水の供給量、20人に1つのトイレ設置や女性用のトイレは男性用の3倍必要などの基準、避難所での一人当たりの必要最小面積3.5平方メートルなどが定められ、政府も避難所の運営ガイドラインに参考すべき基準として紹介しています。
 熊本地震では、災害関連死が200人を超え、地震での直接の被害者50人を大きく超える事態となりました。災害関連死の約半数は車中泊や避難所での生活を経られた方で、避難先での環境が要因として挙げられています。
 西日本豪雨災害でも、避難所の冷房設置や段ボールベッド、間仕切りの活用など、被災者の命と健康、尊厳を守る避難所の環境整備の重要性が示されました。

Q2 避難所で、床等にじかに寝るより、段ボールベッドを活用することにより、埃等の吸引による呼吸器疾患の防止、足腰の弱い高齢者も容易に立ち上がれ、トイレなどにも一人で行きやすくなり、エコノミークラス症候群の防止にもなります。また、収納スペースの確保にも役立ちます。
 避難所において、段ボールベッドの役割、重要性について都の認識を伺います。

Q3 避難所において、間仕切り等を活用し、プライベートスペースを生み出すことによって、ストレスの軽減や、プライバシーの確保などの効果があります。
 避難所においてのプライベート空間の創設の重要性について都の認識を伺います。

Q4 わが党の代表質問に対し都は「都は、近年の大規模災害における避難所の運営状況等を踏まえ、良好な生活環境が確保されるよう、東京都地域防災計画に基づき、災害想定を考慮した避難所の指定、女性や子供への配慮やトイレの確保等について記載いたしました避難所管理運営の指針を区市町村向けに作成しております。今後とも、区市町村が地域の特性や実情に応じて避難所を運営できるよう、さまざまな知見も踏まえ、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を行うよう働きかけてまいります。」と答弁しました。
 区市町村が地域の特性や実情に応じて避難所を運営できるよう、さまざまな知見も踏まえ、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を行うよう働きかける際、スフィア基準実現の立場で支援や援助を行うことが重要と考えますが、見解を伺います。

Q5 区市町村が避難所の快適性向上、被災者、避難者の命と健康、尊厳を守る立場で避難所の改善を行う際に、必要な財政的支援も検討すべきですがいかがですか。

池川友一議員の文書質問に対する答弁書

一 学校体育館等のエアコン設置について

A1 都立高等学校の体育館への空調設備の整備に向け、現在、各校の電気容量等を調査しています。今後、調査の結果を踏まえ、空調設備の設置を速やかに進めていきます。
 なお、改築や大規模改修工事に既に着手している学校については、設計の変更や追加工事の実施により、可能な限り早期に空調設備が整備されるよう、対応していきます。

A2 都立高等学校の体育館への空調設備の整備に向け、現在、各校の電気容量等を調査しています。今後、調査の結果を踏まえ、空調設備の設置を速やかに進めていきます。

質問事項
A3 都立高等学校の特別教室の冷房化に当たっては、学校と相談しながら、老朽化した既存空調設備の改修も併せて実施が可能か検討しています。
 その際、学校全体の空調設備の老朽化の度合いや、校舎全体の改修計画の有無などを総合的に判断し、改修工事を計画しています。
 現在、平成31年度の工事予定校まで決定していますが、平成32年度以降の工事予定校についても、順次計画していきます。

A4 都は、平成26年度から、普通教室で代替できない特別教室に空調設備を整備する区市町村に対して補助を行う、「東京都公立学校施設冷房化支援特別事業」を実施しています。
 本事業は、緊急対策として特別教室への空調設備整備を進めることから、5年間の事業期間として実施しています。
 今後も、都内公立小中学校特別教室の空調設備整備が進むよう、期間を含め区市町村への支援策について検討していきます。

二 「ブラック校則」について

A1 教育の場においては、未来を担う子供たち一人一人の人権を尊重し、健全育成を図っていくことが大切です。
 こうした視点に立ち、都立高等学校においては、生徒が社会的に自立できるよう生活習慣の確立に向け、生徒の実態に応じた校則を各校の判断で定め、基本的な生活習慣の確立を図っています。校則の見直しについては、生徒の実態や保護者の意向等を踏まえ、必要に応じて行うことが大切であると考えています。

A2 校則は、教育目標を達成するために、必要かつ合理的な範囲内で定めた、遵守すべき学習上・生活指導上の規律であり、生徒が学校生活を送る上で重要な役割を果たしています。校則の見直しについては、生徒の実態や保護者の意向等を踏まえ、必要に応じて行うことが大切であると考えています。

A3 生徒が校則を主体的に守ることができるようにするためには、内面的な自覚を促し、校則を自分のものとして捉える態度を養うことが重要です。
 そうした態度を育成するためには、生徒会やホームルーム活動等を通じて校則について話し合う活動等を設けるなどして、社会規範を遵守する意識を醸成することが大切であると考えています。

三 「学力テスト」について

A1 都教育委員会は、文部科学省の平成28年4月28日付「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」を受け、同年5月10日、区市町村教育委員会に向け、同調査の趣旨・目的に沿って実施がなされるよう周知しています。
 なお、国の「学力調査」のための事前対策を行っているという事実は、把握していません。

A2 文部科学省の平成28年4月28日付「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について(通知)」には、数値データの上昇のみを目的としているととられかねないような行き過ぎた事前の取組があれば、それは同調査の趣旨・目的を損なうものであるとの考えが記載されており、都教育委員会も同様に認識しています。

A3 「全国学力・学習状況調査」の実施に際して、数値データの上昇のみを目的としているととられかねないような行き過ぎた事前対策の実態が明らかになった場合、都教育委員会は、区市町村教育委員会に対し、所管の各学校において、同調査の趣旨・目的に沿って適切な実施がなされるよう、指導を行います。

A4 都教育委員会は、学識経験者や、区市町村教育委員会、小中学校長会、小中学校のPTAなどの代表者からなる「学力向上施策検討委員会」を平成22年度に設置し、「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の在り方について、毎年、検討を行っています。

四 「カジノ型デイサービス」について

A1 介護保険制度における「デイサービス」とは、「通所介護(地域密着型を含む。以下同じ。)」として取り扱われています。
 通所介護は、介護保険法に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談及び助言、健康状態の確認その他の居宅要介護者に必要な日常生活上の世話並びに機能訓練を行うサービスであり、各事業所は、様々なサービスを介護保険サービスとして提供していると認識しています。
 なお、御質問のいわゆる「カジノ型デイサービス」については、介護保険法等に規定がなく、特定することができません。

A2 介護保険制度における「デイサービス」とは、「通所介護(地域密着型を含む。)」として取り扱われています。
 御質問のいわゆる「カジノ型デイサービス」については、介護保険法等に規定がなく、特定することができません。

A3 通所介護等の介護保険サービスの利用に当たっては、ケアマネジャーが、利用者の置かれている状況や生活上の支障・希望などの情報を収集し、心身機能の低下の背景・要因の分析を行い、解決すべき生活課題等を把握した上で、目標とその達成時期等を盛り込んだケアプランを作成します。
 通所介護事業所は、ケアマネジャーが作成したケアプランに沿って、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえながら、機能訓練等の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作成し、計画的にサービスを提供しなければならないとされています。
 また、保険者である区市町村は、ケアプランの内容が利用者の自立支援に役立つものとなっているか点検を行うなど、介護給付の適正化に努めています。
 このように、介護保険制度においては、利用者が適切にサービスを受けられるよう、様々な措置が講じられています。

五 避難所について

A1 避難所において、避難者一人一人の尊厳、健康を守り、安全・安心を確保することは重要であると認識しており、都は、良好な生活環境が確保されるよう、避難所管理運営の指針を区市町村向けに作成しています。

A2 避難所における良好な生活環境を整備するとともに、避難者の健康を維持するため、寝床について、エアマットや段ボールベッド等を導入することは重要であると認識しており、平成30年3月に改定した避難所管理運営の指針で、区市町村が検討する事項として、段ボールベッド等の設置について記載しています。

A3 避難所における良好な生活環境を整備するため、間仕切り用パーティションを活用するなど、プライベート空間を可能な限り確保することは重要であると認識しており、平成30年3月に改定した避難所管理運営の指針で、間仕切りの設置について記載しています。

A4 御質問の国際基準は、紛争や災害の際の避難所の環境に関する最低基準として、国際赤十字等がまとめたものです。
 都は、近年の大規模災害における避難所の運営状況等を踏まえ、良好な生活環境が確保されるよう、東京都地域防災計画に基づき、災害想定を考慮した避難所の指定、女性や子供への配慮やトイレの確保等について記載した避難所管理運営の指針を、区市町村向けに作成しています。
 今後とも、区市町村が地域の特性や実情に応じて、避難所を運営できるよう、様々な知見も踏まえ、避難所管理運営マニュアルの作成や改定を行うよう働き掛けていきます。

A5 都は、平成30年7月豪雨等の災害を踏まえ、防災事業の緊急総点検を行いました。
 この点検を踏まえ、冷房設備が未整備の指定避難所にスポットクーラーや大型扇風機を導入する区市町村に対して、平成30年10月から包括補助で支援を行っています。

以 上

 

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