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質問・条例提案

2020.06.10

6月10日 本会議 原田あきら都議の討論

6月10日の本会議で、原田あきら都議(杉並区選出)が討論を行いました。

動画(都議会ホームページです。令和2年第2回定例会  >6月10日(水曜日)本会議(議案の議決など)をご覧ください)

★2020年都議会第2回定例会 討論全文(原稿)です。


 日本共産党都議団を代表して、知事提出の第128号議案ほか4議案に反対し、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。 

 はじめに、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、今も療養されている方々の早期の回復を願うものです。
 また、医療従事者をはじめ、保育や介護、障害者施設、建設現場など感染リスクを負いながらも都民の命と暮らしを守るため奮闘されているエッセンシャルワーカーのみなさまに、心からの敬意を申し上げます。

 経済・社会活動の段階的再開と感染予防を両立させるために、いま緊急に求められていることは、感染者を早期に発見する検査と、症状に応じた医療提供体制の整備です。
 ところが小池知事は、4月の臨時会につづき今定例会でも、都内のPCR検査について「必要な検査が実施されている」という答弁をくり返し、諸外国にくらべて日本と東京のPCR検査が桁違いに少ないという事実を認めようとしませんでした。
 しかも小池知事は、出口戦略のロードマップで掲げた、PCR検査数を1日1万件に増やすという目標を、いつまでに実現するのか、答弁することができませんでした。
 それどころか、今定例会で、1日1万件というのは実はPCR検査だけでなく、抗原検査もふくめた目標であることが明らかになりました。都民を欺くものであり、これではまったく不十分です。
 検査に対する消極的な姿勢を抜本的に改めて、18道県の知事が提言している感染者の早期発見、調査、入院等による「積極的感染拡大防止戦略」に転換することが必要です。 

 医療提供体制についても、経営難による医療崩壊の危機が迫っていることを示し、知事の認識と対応をただしました。ところが知事は答弁しませんでした。
 私の地元・杉並区は、一医療機関当たり、ひと月2億円の助成を行います。医療機関をつぶさないために必要だからです。
 この深刻な問題を、知事はどう考えているのでしょうか。国に対し都内医療機関への緊急の財政支援をつよく求めると同時に、都としても思い切った対策を緊急に実施することを改めて求めておきます。 

 いま多くの事業者の方々が、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされています。閉店、廃業も相次いでいます。
 ところが都の感染拡大防止協力金は、さまざまな線引きがされ、支給対象は都内全事業者の3分の1にすぎません。しかも、6月5日時点で協力金が支給されたのは、11万件の申請に対し約5万件、45%にとどまります。
 そもそも小池知事は3月25日、「感染爆発重大局面」だと宣言した時に、記者から補償などは考えるのかと質問され、「税金を投入するということについて本当に正しいのかどうか、議論のあるところ」だと後ろ向きでした。
 その後も知事は、「自粛と補償はセット」だという姿勢を示していません。そして、補償は国の仕事、都の協力金は補償ではないとしています。
 経済・社会活動の再開と感染予防を両立させるためには、休業要請するかぎり協力金は継続すべきです。また、事業者の線引きをやめ、全事業者を対象とする補償制度に拡充することを求めるものです。

 「アートにエールを!東京プロジェクト」も同様で、対象やメニューの拡大は重要ですが、全てのアーティストを支援すべきです。
 わが党が求めた事業者への家賃補助について、知事が「中小企業の家賃の負担を軽減するため、大都市の家賃水準も踏まえながら、国の施策と連携した効果的な支援策について検討していく」と答弁したことは重要です。
 国制度への上乗せだけでなく、すべての事業者を対象にするなど、早急に実現するよう強く要望するものです。 

 所信表明で小池知事は、「このウイルスを防ぐ手立ては」「強い意志と行動のみ」と言いました。この発言から浮かび上がるのは、もっぱら都民の自己責任を強調する姿勢です。感染したのは意志が弱く行動に問題があった、というメッセージになりかねません。岩手県知事が感染者の「第一号を責めません」「陽性は悪ではない」と表明したことと対照的です。
 いま発令中の「東京アラート」も、赤い光で都民に注意喚起するだけで、都が何をするのか肝心のことを示していません。
 自己責任の強調ではなく、都の責任を明確にして、検査・医療体制の整備、都民・事業者への支援に取り組むべきです。

  新型コロナによる危機は、東京の医療体制と公衆衛生の弱さを浮き彫りにし、都政のあり方を根本から転換することを求めています。しかし小池知事に、こうした認識はないことが、明らかになりました。
 都立病院は、コロナ禍のもと都民の命を守る役割を果たしていますが、石原都政の時に、都内16カ所から8カ所に、半分に減らされ大きく後退しました。ところが小池知事は、それを反省するどころか、競争と効率重視の新自由主義政策である独立行政法人化を、都立病院に持ち込もうとしています。
 知事は、「すべての都立病院が、感染症医療をはじめとした行政的医療を将来にわたって担い続けることで、都民の期待に応えていかなければならない」と答弁しました。
 しかし、不採算医療であるため民間医療機関では担えない行政的医療を将来にわたり充実するためには、行政の責任をしっかり果たすことこそ必要です。都立病院を民間的経営に近づける独立行政法人化は、それに逆行する政策です。都立病院・公社病院の独法化はきっぱり中止することを、重ねて求めるものです。

 かつて多摩地域に31カ所あった保健所・保健相談所は、統廃合により7カ所に減らされ、職員数も削減されました。その結果、今回のコロナ禍で、深刻な人手不足と検査体制の遅れをもたらしました。
 ところが小池知事は、歴代知事が進めた保健所統廃合への反省を何一つ示さず、統廃合に際して「機能強化を図った」と、事実をまったく逆に描く答弁をしました。また福祉保健局長は、統廃合は「正しかった」と答弁しました。
 コロナ危機の教訓を真摯しに受け止め、保健所、公衆衛生を拡充する政策に転換すべきです。

 コロナ後の新しい都政にむけて、また当面するコロナ対策のためにも、税金の使い方の大転換が必要です。
 わが党が毎年提案している予算組み替えを実施すれば、直ちに組み替え可能な不要不急の事業の削減で、4年間に7千4百億円規模の財源をつくることができます。さらに今後、外環道整備は東名以南までふくめると総事業費3・2兆円、日本橋の首都高地下化は3200億円など、巨額の経費を要する開発が目白押しです。
 このような不要不急の大型開発、大型道路建設などを抜本的に見直して、国家財政に匹敵する規模の都財政を、都民の福祉、暮らしの充実、命と健康を守るために思い切って振り向けることが求められています。
 わが党は、特別養護老人ホームをはじめ介護施設、保育園、学童保育、放課後等デイサービスなどの量と質の拡充、社会的距離を保って安心して学べる20人以下学級、学校給食の無償化などの実現をめざします。

 代表質問に対する知事の答弁に対し、PCR検査が少なすぎたという反省はないのか、コロナ危機から保健所のあり方についてどんな教訓を学んだかなど、小池知事に対し、4問の再質問を行いました。
 ところが知事は、1問も答弁に立ちませんでした。知事としての資質、見識がきびしく問われることを指摘しておきます。 

 いよいよ小池知事の任期が終わります。
 知事選で小池知事が自民党に支援を求めるなら、4年前に「反自民」の改革者として振る舞う知事に期待を寄せた都民を裏切ることになります。また、安倍政権に物言えぬ都知事では、都民の利益を守ることはできません。
 知事は、この4年間、「都民が決める。都民と進める」という公約も、「都政の透明化」「五輪経費の縮減」「多摩格差ゼロ」「築地は守る」などの公約も、次々投げすてました。今後どういう公約を掲げるにせよ、これまでの公約違反の実績を消すことはできません。
 小池都政で、都政の流れは変わりませんでした。今回の都知事選挙は、この40年来の都政の流れを変える選挙です。日本共産党都議団は、市民と野党の共同の力で、都民の命、くらし・福祉第一の新しい都政をつくるために全力をあげる決意を表明し、討論を終わります。