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質問・条例提案

新型コロナ補正予算特別委員会 あぜ上三和子都議(江東区選出)の質問

4月21日の新型コロナウイルス感染症対策補正予算等審査特別委員会で、あぜ上三和子都議(江東区選出)が質疑しました。

★質問全文(都議会速記録より)

動画(都議会ホームページです。令和2年第1回臨時会>4月21日をご覧ください。)


○あぜ上委員 緊急事態宣言が発せられ、それを受けて、休業、自粛はさまざまな分野と都民生活に多大な影響をもたらしております。感染拡大の恐怖とともに暮らし続けることへの不安、これが広がる重大局面であり、都政の役割が問われていると思っております。
 医療現場の皆さんは、今まさに命がけで新型コロナウイルスの対策に当たっておられます。わかってほしいのは、医療者の負担が重いこと、東京都医師会長の訴えが胸に刺さります。この場をおかりして、医療関係者の皆さんに心からの敬意を表します。
 私たちのところにも、医療現場、それから都民の皆さん、業者の皆さん、多くの皆さんから切実な声が寄せられております。私は、この直面する新型コロナ危機から都民の命と暮らしを守るために、都が本気で支えてくれていると実感できるような取り組みを本当に前に進めていく、そのためには都が何をすべきなのか、そのことを提案する立場で、きょうは質問させていただきたいと思います。
 初めに、検査や医療供給について質問いたします。
 WHOの事務局長上級顧問の渋谷健司氏は、感染拡大をとめるには、検査と隔離を徹底するしかない、日本では検査体制の充実が急務だと訴えています。四月十八日時点で、人口千人当たりのPCR検査件数は、イタリアは二十二・一件、韓国十・八件、イギリス五・三件に対し、日本では〇・九件と桁違いに少ない状況です。東京は、最近の数字だと全国より多いのですが、一桁台ということで、大きくは変わりません。
 諸外国に比べて、PCR検査数は、日本全体も、そして東京も少ないことを知事はどう認識されているか、まず伺います。

○小池知事 PCR検査についてのお尋ねでございます。
 PCR検査は、発熱などの症状があって、医師の総合的な判断で感染が疑われる方、そして保健所の積極的疫学調査によって把握された濃厚接触者などを対象に実施をされております。
 都内におきましては、きのうまで既に約二万件の検査が行われ、医師の総合的な判断に基づいて必要な検査が実施されておると認識をしておりまして、今後とも、着実に実施をしてまいる所存でございます。

○あぜ上委員 医師の総合的な判断に基づき必要な検査を行っているというご答弁だったわけですが、多くの医師の皆さんが、検査の数は少な過ぎるんだという声を上げていらっしゃいます。認識が不十分であるといわざるを得ないわけです。
 先週には、与野党を含めた超党派の国会議員が、PCR検査体制の拡充を要請いたしました。検査の充実は、立場を超えて一致した課題であり、都としてもそうした立場で取り組んでいく必要があることを指摘しておきたいと思います。
 では、検査をふやしていくためにどうするのかという問題ですが、医師会が、各地にPCR検査を行うセンターを設置するという取り組みを進めております。
 そこで、私たち日本共産党都議団は、東京都医師会の尾崎会長にお会いして、直接お話を伺ってまいりました。陽性率が非常に高い状況で、検査をふやさないとどんどん感染が広がるんだと、こういうふうにお話をされていました。
 また、検査は保健所の新型コロナ受診相談窓口に相談して受診する仕組みになっていますが、保健所は、積極的疫学調査など多くの仕事を抱えています。対応し切れていません。保健所は必死に仕事をされているわけですが、これでも、公衆衛生が軽視され、減らされてきたので、対応し切れないということです。
 また、新型コロナ外来のある病院も負担が重くなっていて、こちらも課題となっています。
 そこで、PCR検査のセンターをつくり、住民はまずかかりつけ医などに相談し、検査が必要と判断したら、直接センターに紹介して、検査を受ける仕組みをつくっていくということです。
 新宿では既に、そうした取り組みが始まっております。新宿区にある国立国際医療研究センターの発熱外来では、新宿区民へのPCR検査を実施してきましたが、四月以降、件数が急増し、多いときで一日百件を超えることもありました。当然、医師の体制もふやす必要があり、ほかの医療供給にも支障を来しました。国立国際医療センターは、陽性者の入院も受け付けていますが、先週新宿区で行った記者会見で、理事長の話では、四十名強のコロナ患者を受け入れ、そのうち重症者が六名、体外式膜型人工肺、ECMOを使って治療している患者が二名、もうぎりぎりと発言をされていました。
 そこで、新宿では、医師会や区内の病院の協力で、検査スポットを設置しました。検査はそこで行うようにすることで、国立国際医療センターは、入院医療に力を割けるようになりました。
 東京都医師会では、都内の四十七地区の医師会を中心に、複数の医師会の共同設置も含め、設置する方向とのことであります。保健所と新型コロナ外来の負担軽減という意味でも、とても重要な取り組みだと思います。
 PCR検査センターの実施、検討状況等をどう把握していらっしゃるんでしょうか。こうした取り組みの意義を都はどう考えていますか。都はどう取り組むのですか。

○内藤福祉保健局長 感染者数の増加に伴いまして、都は、新型コロナ外来の拡充が急務と考えております。現在、PCR検査センターの設置につきまして、東京都医師会や保健所等と連携しながら協議を進めているところでございます。

○あぜ上委員 答弁されたとおり、PCR検査の拡充が急務なんです。東京都には、医師会の取り組みを強力に推進していくことが求められていると思います。マスクや個人防護服の供給を含め、積極的に対応することを求めます。
 また、検体を採取する上で課題となっているのが、感染リスクと人員体制です。
 感染した疑いのある患者から検体をとる際、くしゃみなどを浴びて、医療者自身が感染するリスクが非常に高い。そのために、医療者は、マスク、ゴーグル、ガウン、手袋など、厳重な装備で実施をしています。脱ぐときも危険なので、一つ剥がすたびに消毒したり、二人がかりで脱いだりしているそうです。そのため、医療機関の負担は重く、検査は時間がかかります。また、院内感染を防ぐために動線を分け、それができない場合は、診療時間を分けるなどの対応も必要ですし、消毒も確実に行う必要があります。
 こうした課題に有効な方法として、屋外で車に乗ったまま検体を採取して院内感染のリスクが減らせるドライブスルー方式や、電話ボックスのような箱を使って手袋だけを出して採取するウオークイン方式などを広げる必要があります。
 都として、検体採取のためのドライブスルーやウオークインの方式などに取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○内藤福祉保健局長 国は、去る四月十五日付の通知におきまして、新型コロナ外来の拡充策として、患者が自動車の車内にいる状態のまま診察や検体採取等を行う、いわゆるドライブスルー方式による外来診療や、感染管理が可能な適切な場所に大型のテント等を設置して外来診療を行う方式等を示したところでございます。
 これらの方式で感染防止を図りながら、円滑に診療を行うためには、診療の場所や医療従事者の確保、感染防止のための動線の設定、患者の容体急変時の対応手順の整理など実施体制を確保するほか、保健所や近隣医療機関等との連携など地域の実情に即した体制を構築することが必要でございまして、関係機関と協議を進めながら適切に対応してまいります。

○あぜ上委員 いかに感染リスクを減らして多くの検査が実施できるかということなんです。都としても積極的に活用するよう求めます。
 さらに、検査機関では、高度な技術を要する専門職が必要です。民間の検査会社で新たにPCR検査を実施する機関に対して、機器の購入を支援するのは重要でありますが、専門職への訓練についても、国と連携して積極的に支援するよう求めておきます。
 早急に整備しなければならないのが、陽性者が入院する病床です。二百近い陽性者数が出ているもとで、病床の確保が困難で、陽性になっても行き先が決まらず、自宅待機になっている方が少なからず生じています。
 杉並区荻窪病院では、PCR検査で陽性とわかったら、二月まではすぐに感染症指定病院に入院できていました。しかし、患者が増大し、荻窪病院でも入院を受け、軽症者だけでなく重症者の受け入れも行ってきた中で、そういう中でさらに自宅で検査結果を待っていた方が急変して入院が必要になっても、入院先になることができずERで治療をすることになり、その間ERの受け入れを断らざるを得なくなった、そういう状況も生じたそうです。
 現段階での目標四千床のベッド確保を急ぐべきと考えますが、どう取り組むのでしょうか。また、現在どこまで確保できているのか伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、通常診療や救急医療体制を維持しながら、患者の重症度に応じた病床の確保を段階的に進めておりまして、現在約二千床の病床を確保しているところでございます。
 今後も、入院治療を必要とする患者を確実に受け入れられるよう、患者受け入れに向けた空床確保支援等を行うとともに、感染症指定医療機関や都立、公社病院を中心に、高度医療を担う大学病院等や公立、公的医療機関、民間医療機関に積極的に働きかけてまいります。

○あぜ上委員 新型コロナ以外の医療需要も当然あるわけで、ベッドの確保は簡単ではありませんが、陽性者はふえ続けているわけですから、軽症者はホテルに行ってもらうなどの対応をするにしても病床確保は急がれるわけです。しかも、患者数が急増している状況から見て、四千床では足りない可能性も出てきています。医療崩壊させないためにも、あらゆるケースを想定した対策を講じることを求めておきます。
 また、病床確保は、人材面でも、財政面でも十分な支援がなければ進みません。
 空きベッドを確保するための支援や医師、看護師の確保のための支援、手術や健康診断の延期などを行った際の減収を補う支援が必要となります。コロナ患者を受け入れるための空きベッド補償として、一床につき一万六千二百円の補助を補正で行うこと、これは大変重要だと思います。
 しかし、金額は十分ではなく、国とあわせて、全て損失補填できるようにすることを求めておきたいと思います。
 さらに、入院医療提供体制の整備も必要です。病院内における感染対策には、人手と時間が必要ですが、コロナ患者がふえるにつれ、院内感染や医療者の感染もふえているわけです。医師会も提言されていますように、医療現場の負担を極力減らして、感染症医療とほかの医療を提供し続けられるようにするためにも、コロナ専門病院の設置が必要です。
 最重症の集中治療を行う病院、そこまで重くはないけれども、入院が必要な中等症患者などを受け入れる病院、そうした病院を設定し、それ以外の病院は、コロナ以外の医療に専念するようにして、それぞれについて手厚い支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○内藤福祉保健局長 都は、患者の重症度に応じた病床の確保を進めておりまして、重篤、重症患者を受け入れる病床を七百床、中等症の患者を受け入れる病床を三千三百床確保することとしております。
 引き続き、通常診療や救急医療体制を維持しながら、重症者等への対応を中心とした都内全域の医療機関に対しての医療提供体制を整備してまいりたいと考えております。

○あぜ上委員 院内感染が発生しますと、本当に患者にとってもリスクが高いですし、職員が入院や、また自宅待機となれば、患者の受け入れにも支障が出てくるわけです。リスクを減らすためにも具体化を進めるべきだと思います。
 新型コロナ専門病院を都立病院や公社病院で行うことを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○堤病院経営本部長 都立、公社病院は、東京都全体の医療提供体制を初め、感染者数の動向や他の医療機関との役割分担等を踏まえながら、必要な体制を整備してきております。
 今後も必要となる病床数を確保してまいります。

○あぜ上委員 具体化の検討をぜひお願いしたいと思います。
 また、新型コロナ感染症が重症化したときに必要になる人工呼吸器を初めとした医療機器とその管理ができる体制が、どこの病院で整っているのか、しっかりと把握する必要があると思います。
 都内の医療機関に新型コロナウイルス感染症の患者に使うことができる人工呼吸器や人工心肺装置、ECMOは、現在何台あるんでしょうか。マンパワーを含め、最大何台稼働できるのでしょうか、伺います。

○内藤福祉保健局長 都は、都内の全病院に調査を実施しておりまして、これまでに回答が得られた三百八十八病院では、四月十七日現在、患者に対応することが可能な人工呼吸器は、成人用、小児、新生児用を合わせまして千六百二十九台、また、体外式膜型人工肺、いわゆるECMOでございますが、これにつきましては百十六台となってございます。

○あぜ上委員 ECMOは、とりわけ多くの人手を必要とすると伺っています。その対応ができるのかも含めてよく確認していただいて、適切に患者が受け入れられる体制整備を東京都から強力に推進していただくことを強く求めたいと思います。
 保健所体制についてです。
 感染症が流行した際、最前線で幅広い業務を行うのが保健所です。今回も、受信相談、検査の対応、陽性者への対応、積極的疫学調査など保健所の業務は多岐にわたっており、現場は多忙をきわめた大変な状況が続いています。
 保健所の深刻なマンパワー不足の現状を知事はどう認識していらっしゃるでしょうか。
 今後、積極的疫学調査もPCRの検査も件数がふえていく中で、保健所がその役割を果たしていけるよう、知事はどう対応するのか伺います。

○小池知事 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、保健所は、医師、そして保健師を中心として、住民からの相談対応、陽性者の積極的疫学調査、医療機関との受診の調整、検体搬送、患者の移送などさまざまな業務を担っておられます。各保健所では、夜遅くまで業務に奔走するなど繁忙をきわめた状況にあると認識をいたしております。これらのことはメディアなどでも報じられているところでございます。
 都は、こうした状況を考慮いたしまして、保健所の支援ということで、都が関係している保健所だけ、都そのものの保健所だけではなく、特別区、そして市の保健所にも職員を派遣することといたしまして、四月二十日現在でありますが、四十五名の職員が業務のサポートに当たっているところでございます。

○あぜ上委員 都の職員を派遣されていると。これは大変重要だと思います。
 江東区では、新型コロナ感染症に関する相談に対して、五回線ある電話をフル稼働して、さらに携帯電話も使って職員十五人体制で対応をされています。都職員の派遣以前から、各保健相談センターや区の別の部署からも支援を受けていたと聞いています。しかし、母子保健とか、精神の訪問事業など、ほかの事業を縮小して、コロナ対策に集中的に対応せざるを得ないような状況、これは絶対につくってはならないというふうに思うわけです。
 こうしたことからも、保健所がしっかり役割を果たし続けられるように、先ほどお話ししましたPCR検査センターの具体化を着実に進めていただくことを初め、保健所への支援等、負担軽減をさまざまな手だてをとって進めていただくよう改めて求めておきたいと思います。
 知事、新型コロナ感染症拡大が重大な局面にある中で、都立病院、公社病院は、今本当に大変な状況にあります。どのように認識されていらっしゃるでしょうか。また、都立、公社病院は、今どういう役割を果たしているのか伺います。

○堤病院経営本部長 都立、公社病院では、指定医療機関として感染症に重要な役割を果たしている四病院を中心に、医師、看護師等の職員が強い使命感や責任感のもとで一丸となり、都内の医療機関とともに、新型コロナウイルス感染症に対応してきたと認識をしております。
 昨今、感染者が危機的に急増する中、関係局や他の医療機関等と緊密な連携を図りながら、透析患者や妊婦、子供を初め、さまざまな患者を受け入れるなど、行政的医療である感染症医療を確実に提供しております。
 こうした対応をより安全に実施していくため、今回の補正予算案では、現場からのニーズを速やかに把握した上で、患者の治療や職員等の二次感染防止などに必要な医療資機材の整備費用を計上したところでございます。

○あぜ上委員 まさに命がけで、医師も看護師などのスタッフの皆さんも、もう本当に強い使命感や責任感を持って患者さんたちに真摯に向き合っていらっしゃいます。
 しかし、感染拡大は深刻化が進んでいます。先ほどコロナ専門病院の提案、させていただきましたが、さらなる取り組みが求められているわけです。だからこそ、都立病院、公社病院を大切にして、感染のリスクと隣り合わせの中、まさに命がけで頑張っているこの医療現場を敬意を持って支援する姿勢が、今、本当に知事に求められているというふうに思うわけです。
 そうした姿勢での現場への支援を強く求めまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、自粛と休業と補償の問題です。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、中小企業業者の皆さんの営業、本当に大変深刻な事態となっているわけです。外出自粛だ、休業だといわれても、生きていくためには仕事を中断するわけにはいかないんだ、まずは国や都から、補償しますから、とにかく感染拡大を防止するために休んでくださいと、これが政治の本来の役割なんじゃないかと、多くの方々から、こうした声が私のところにも寄せられています。
 こういう中で、東京都が、感染拡大防止のために、感染拡大防止協力金に踏み出した、このことは大切な一歩、一歩前進だというふうに思います。しかし、改善、拡充すべきこともたくさんあるというふうに思います。
 私は、この協力金について何点か伺い、提案もさせていただきたいと思います。
 第一に、感染拡大防止協力金、これを使い勝手のよいものにするということです。
 協力金の実施概要をホームページで発表したのが、十五日の夜八時でした。夜八時に発表したんだけど、次の日の十六日から休業しないと協力金はもらえませんというのは、ちょっと余りにも一方的なやり方じゃないかなと思うわけです。
 私たち都議団にも、自分は協力金の対象になるのかならないのか、都の電話にかけたけど、つながらないんだと、こういう多くの問い合わせが、私たちのところにも寄せられたわけです。各会派の皆さんのところにもたくさん来たんじゃないかと思います。ここはやっぱり改善すべきです。
 さらに、感染拡大防止協力金のホームページに書かれていることだけではわからないこともたくさんあるんです。
 例えば、ホームページでは、飲食店のテークアウトは対象となっています。では、遊興施設のバーは、休業要請の対象となっていますけれども、施設を閉めてテークアウトをした場合も感染拡大防止協力金、これは支給されるんでしょうか、伺います。

○村松産業労働局長 都の緊急事態措置等におきまして、バーについては、基本的に休止を要請する施設に区分されておりまして、施設を休止した場合は、テークアウトサービスを行っていても支給の対象としております。

○あぜ上委員 そのことは、今ホームページを見ただけでは全くわからないわけですが、しかし、今ご答弁で認めるということがわかりました。私たちも、我が党からも要請していたんですが、確認がとれたと、できたということであります。
 休業要請を受けた事業者の実態や事業の方法は、都の想定におさまるものではなくて、やっぱり都も走りながら考えざるを得ない、こういう面もあると思います。NPO法人が対象外となっているのはおかしい、こういう声も届いているわけですが、柔軟に対応すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○村松産業労働局長 NPO法人につきましては、今回の休業要請等の対応あるいは協力のあり方等ですね、中小企業と規模だとかその対応など、同様であれば、今後その対象に含めるか等について検討することとしております。

○あぜ上委員 検討していると。休業したライブハウスの人たちからは、お店を閉めて、ネットで動画配信したら協力金の対象になるのかという疑問も出されていたわけですけれども、問い合わせをしたら協力金の対象になること、これがきのうのホームページで明らかになりました。このように本当に走りながら皆さんもご苦労されているんだと思うんですが、やっぱりできる限り柔軟な対応をするよう求めたいと思います。
 また、協力金の支給は、五月の十一日ごろからということでありますけれども、できるだけ早く支給することをあわせて求めておきたいと思います。
 第二に、感染拡大防止対策に協力する事業者には、幅広く協力金を支給するということであります。
 そこで伺いますが、感染拡大防止協力金の支給対象事業者は、支給額百万円と五十万円別に、それぞれ何件を見込んでいらっしゃるんでしょうか。また、支給額の積算根拠はどういうものなのか伺います。

○村松産業労働局長 感染拡大防止協力金支給の対象でございますが、国が公表しております統計データの事業所数から推計しておりまして、百万円支給の対象が五万社、五十万円支給の対象が八万社、合計十三万社と見込んでおります。
 また、支給額につきましては、事業運営に係るさまざまな経費を勘案し設定しております。

○あぜ上委員 十三万社ということでありますが、都内の中小企業、個人事業主は四十二万社です。対象になったのは約三割の事業者ということです。しかし、残りの二十九万社は協力していないかといえば、そんなことはありません。
 先ほども理髪店のお話がありましたが、理髪店はどうでしょうか。国との調整後、社会生活を維持する上で必要な施設であり、当初の休止要請施設の案から外れました。しかし、事業者からは、自分のお店で感染するのではないかと、もう本当に不安で仕方ないと、いっそ休業要請してほしかった、こういう声が寄せられています。
 また、ある美容院では、お客様が二人来たら席を離して座っていただく、会話はなるべくしないように努力するなど、感染拡大につながらないよう最善の努力をされています。
 濃厚接触とならざるを得ない鍼灸マッサージも休業要請の対象ではありません。鍼灸の仕事をされている、ある視力障害を持つ方、日々感染の危険におびえながら仕事をしているとおっしゃっていました。しかし、生活がかかっているから、消毒を徹底して、感染拡大防止に精いっぱい努力し仕事を続けていらっしゃるわけですが、お客様はやっぱり減っているということであります。感染拡大防止に協力しているのに、なぜ対象にならないのかといいました。
 休業要請を受けたお店に営業に必要な物品を提供していた事業者など、関連業者も仕事がなくなって休まざるを得ない状況に追い込まれていますが、協力金は支給されません。
 感染拡大防止に協力しているのは、休業要請の対象事業者に限ったものではありません。社会生活を維持する上で必要な施設として、お店を開いて頑張っている事業者も、休業要請を受けた施設に関連する事業者も、みんな感染防止に協力をしています。そして、都民が外出自粛の中で、営業していたとしても、大幅な減収の中で苦しんでいらっしゃいます。
 知事は、臨時議会の発言の中で、感染拡大防止に協力していただくために、感染拡大防止協力金を支給するとおっしゃいました。感染拡大防止に協力している幅広い事業者に対して、協力金は支給に踏み出すべきではないでしょうか、いかがですか。

○村松産業労働局長 今のご質問ですけれども、今回の協力金は、東京都の休業要請等に全面的に協力していただいた事業者の方々を対象にしております。
 したがいまして、その休業の要請に対応していただいた事業者に対して、一定の金額を支給するものでございます。

○あぜ上委員 そうはいっても、外出自粛、営業自粛の中で、全ての事業者が大変厳しい状況なわけです。本当に今、先ほども知事もおっしゃっていたけれども、業者の皆さん厳しい、この認識いかがですか、知事、お答えください。

○小池知事 緊急事態宣言が発出されてからというもの、もちろん都はその前からでありますけれども、都民、事業者の皆様には徹底した外出自粛、お願いしております。そして、施設の休業等もお願いをし、ご協力をいただいております。改めて、都民の皆様や事業者の皆様方に、ご協力に対して心から感謝申し上げたいと存じます。
 感染症の拡大というのは、そもそも人の命、健康だけではありません。経済、消費行動、人や物の流れ、先行きの見えない心理的な不安など、深刻な影響をもたらしているわけでございますし、また、とりわけ中小事業者の方々への影響は甚大なものでございます。
 そういう中で、今回の補正予算、第一に、三本柱でということで、新型コロナウイルス感染拡大を阻止するための対策、経済活動と都民の生活を支えるセーフティーネットの強化、そして三本目の柱が社会構造の変革を促して、直面する危機を乗り越える取り組みということで、過去最大規模の緊急対策となったわけでございます。
 これらの取り組みを早期に実行に移すことで、感染症の拡大を阻止するということと、今局長の方からもご答弁させていただきましたように、全面的にご協力をいただいている皆様に対しましての協力金ということで、目的としての感染症の拡大を防止する、これを最大の目標といたしまして、そして、五月六日と、この宣言の中では定められておりますこの期間におきまして、都民の皆さんのご協力を、絶対的なご協力を得て、感染の拡大防止に努めていきたいと考えております。

○あぜ上委員 事業者は、本当にそういう、今知事がおっしゃったような大変な中で、さまざまな事業者が感染拡大防止に協力しているわけです。事業者にとって休業するかどうかは、まさに死活問題なわけです。
 ところが、小池知事は、国とまともに調整することもなく、国が緊急事態宣言を出す前日に、都の緊急措置案を発表して、休業要請対象施設を先走って示してしまったわけです。
 国が補償を渋って要請に消極的なこと、これはもう本当に批判されて当然だと私は思いますが、結果的には、都が示した業種名を発表後に修正せざるを得なくなってしまったということは、やはり知事の責任も重いものがあるといわざるを得ないわけです。
 外出自粛、協力要請、休業要請は補償とセット、これは海外では当然のこととして取り組まれています。例えば、ドイツでは、会社員は会社が引き続き給与を支払っていますが、自営業者や小規模事業者へは約百八万円の支援金が支給されています。長年ドイツに暮らしている方のお話では、申請書を送ると、三日後には送金されたということです。
 知事は、自粛と補償はセットで行うことが感染拡大防止をする上で有効だという認識はあるでしょうか。

○村松産業労働局長 今回の協力金は、感染拡大防止を目的としたものでございまして、いわゆる損失補償ではございません。全国知事会におきましても、損失補償を行う場合は国で対応すべきものであると、先日、緊急提言を行っております。

○あぜ上委員 局長がご答弁されましたけれども、私は、この感染拡大を防止する上で有効ではないかと、その認識を伺ったんです。補償なき緊急事態宣言は、安心して自粛することも、休業することもできません。
 中小業者の皆さんからは、補償が出るのであれば休業する、補償がないから少しでも収入を得なければならない、家賃が払えないし従業員の給料が払えない、これからのことを考えると眠れないなど、本当に多くの悲痛な声が寄せられています。島しょ地域の方からも、民宿は事実上の休業、夏の団体客のキャンセルが続いていると不安の声が寄せられました。
 中小業者の思いは、新型コロナウイルス感染症は早く終息してほしい、早くもとの暮らしや商売に戻りたい、こう願っています。しかし、今のままでは新型コロナウイルス感染症が終息しても、東京の経済を支えてきた中小業者は、まちから姿を消されてしまうのではないかと危惧しています。
 未来に希望をつなぐためには何が必要なのか、やっぱり休業できる補償です。知事には、感染拡大防止のためには、自粛、協力要請、休業要請は補償とセットという認識をぜひ持っていただいて、国に対してももちろん要請していただきたいと思いますし、同時に都としても補償に踏み出すことを強く求めたいと思います。
 次に、緊急融資についてです。
 このたびの補正では、融資の預託金をふやし、保証料補助に加え、利子補給も都が行って、実質、無利子融資を設定していることは重要だと思います。しかし、緊急融資は既に実施されていまして、これまで緊急融資では利子補給はありません。ほんの数日の違いで、利子補給があるのとないのでは大きな違いにつながってしまいます。早く緊急融資を申し込んだ人が、待っていれば利子補給がついたのにと後悔するようなことがあってはなりません。
 この間、緊急融資が決まった事業者にも返済猶予があるわけですから、検討していただいて、既に決まっている緊急融資に対しても、遡及して利子補給すべきではないでしょうか、伺います。

○村松産業労働局長 都の利子補給は、国の補正予算案に盛り込まれております民間金融機関による実質無利子融資の制度を活用し、実施することとしております。
 遡及適用につきましては、今後の国の方針等を踏まえて対応していくべきものと考えております。

○あぜ上委員 今、国待ちというお話なんですが、利子補給は本当に切実です。わずかな申込時期の差で適用するか否かの差がないように、都がみずからの判断で実施をしていただくよう求めます。
 また、保証協会の審査については、短期間で行う努力がされていると伺っています。新規の申し込みについても、短期間での審査で早期の融資実現をこれも強く求めておきたいと思います。
 さて、ひとり親支援も重要です。
 ひとり親家庭を支援するNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが実施したアンケートには、家賃も払えないほど困窮している、お米類でおなかを満たしている、日用品、生活費、食費もこれからどうするか悩んでいるなどの切実な声が寄せられております。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、シングルマザーの半数以上の方が収入減あるいは収入がなくなる見通しだと回答しています。子供の休校で食費がかさむ、困窮に拍車がかかっている。
 知事、ひとり親世帯のこのような現状、どのように認識されているか、ご答弁ください。

○小池知事 ひとり親家庭の親は、子育て、そして生計の担い手、この二つの役割を一人で担っておられます。一言でいえば負担が大きい。都が実施した調査でも、世帯収入も両親がいる世帯と比較しますと低い傾向にあることがわかっております。また、当事者団体が実施をいたしましたアンケート結果についても承知をいたしております。
 都は、独自に所得が一定以下のひとり親家庭に対しましては、月額で一万三千五百円の児童育成手当を支給いたしているところであります。そしてさらに、母子及び父子の福祉資金の貸し付けを行っておりますが、新型コロナウイルスの感染症の影響で、その返済が著しく困難になった場合は、その支払いを猶予することといたしております。
 以上です。

○あぜ上委員 ぜひ児童育成手当の増額を初め、当事者に寄り添った支援をしていただきたい、そのことを強く求めまして、私の質疑を終わります。(拍手)