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質問・条例提案

2019.09.18

2019年第3回定例会を終えて(談話)

2019年第3回定例会を終えて

2019年9月18日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子

 日本共産党都議団は、今定例会でも18議席の力を発揮し、徹底調査で小池都政の問題点を追及するとともに、建設的提案で都民要求の実現へ、貴重な前進を切りひらくことができました。

1 都民生活をおびやかす、羽田新飛行ルートとカジノ誘致検討をきびしく追及

【羽田新飛行ルートは白紙撤回を】

航空機が都心上空を低空飛行する羽田新飛行ルートは、騒音、落下物、墜落事故の危険など、多くの問題が未解決です。にもかかわらず、国が来年3月からの運用開始を決め、小池知事がそれに感謝を述べ、実現にむけ国に積極的に協力すると表明したことを、わが党はきびしく追及しました。
都民からも地元区議会からも、容認できないとの明確な意思がしめされており、都はこれまで「地元の理解と協力が前提」だと表明してきました。小池知事の姿勢は、この立場を投げすてるものであり、許されません。わが党への知事の答弁は、地元の理解がえられたと「国が」判断したという無責任なものでした。また、「国際競争力やオリ・パラ大会の円滑な運営を理由にすれば、何でも許されるのか」と認識をただしましたが、都の答弁は、都民の命や安全より国際競争力を上におくかのようなものでした。
大規模空港は、安全確保、騒音防止、地域との共存を重視するのが、世界の流れです。日本共産党都議団は、都民生活をおびやかす羽田新飛行ルートの白紙撤回を、引きつづき求めるものです。

【カジノ誘致はすべきではない】

わが党の調査により、都が、カジノをふくむ統合型リゾート・IRの導入を、臨海副都心の青海地区北側という場所を想定し、誘致のスケジュール表までつくって、具体的に検討していることが明らかになりました。その事実をしめして、カジノ誘致の検討中止を知事に迫りましたが、知事は、カジノ誘致にふれず、「IRについてはメリット、デメリットの両面があり総合的に検討していく」という、ごまかしの答弁をしました。
しかも、わが党の情報公開請求で開示された資料の多くが、黒塗りだらけの「のり弁」状態です。不都合なことが都民の目にふれないようにするものであり、情報公開、都政の透明化を進めると言ってきた知事の、公約違反ではないかというわが党の追及に、知事は答弁さえしませんでした。
国は、IRについての2度目の自治体意向調査をおこない、19日を回答期限としています。「カジノ誘致はしない」と回答すること、国への回答を公開することをきびしく求めました。

2 建設的提案をおこない、都民要求実現へ貴重な前進

東京オリンピック・パラリンピックの成功にむけた課題について、①暑さ対策、②経費の縮減・透明化、③平和と人権を守る社会を目指す大会に、④スポーツ・文化の振興を図る、という4つの柱で提案しました。
暑さ対策では、猛暑の時期の開催を批判するとともに、競技の中止・延期の基準をもつこと、体温を下げるため日陰と風、水分補給を重視することを提案しました。都は、「暑さ対策に万全を期していく」と答弁しました。障害者スポーツへの支援の強化を求めた質問に、「社会に障害者スポーツをレガシーとして根づかせる」という答弁がありました。また、若者が芸術文化にふれる機会をふやすことの重要性について、知事が認める答弁をしたのは重要です。東京都美術館で実施された高校生・大学生の観覧料免除により、期間中の観覧者が倍増し、「若い世代の鑑賞機会の増加につながった」と都が表明した答弁も意義あるものです。
都が策定する長期計画について、問題点を指摘し、都民のくらしの実態から出発するよう求めました。これに知事は、生活者の視点もふまえた検討をすすめると答えました。高齢者福祉の充実を求めた質問に、知事が、認知症対策や介護予防、ひとり暮らし高齢者への支援もふくめて展開すると答弁し、特別養護老人ホームについて、都は「整備をすすめていく」と表明しました。
障害者の正規雇用促進について、「都が率先してとりくむことは重要」「都における障害者雇用の促進に努めていく」との答弁がありました。障害者が健康診査やがん検診を受けやすい環境整備を求めた質問に、「知的障害者は、言葉による説明が理解しづらい、また、理解できても、話す、書くという表現が苦手な方がおられることなどをふまえ、健康診査やがん検診を受診しやすい環境を整備していくことが必要」と、知事がはじめて答弁したことは重要です。
年々減少する都内の農地を守るため、新たな生産緑地をふやすよう求め、「東京農業の発展にむけ、新たな農地の創出にとりくむ」という、前向きの答弁もありました。
私立高校生の授業料無償化の年収910万円までの拡大について、知事が「都として今後の対応を検討していく」と答弁したことは重要です。入学金への補助もふくめ、実現を求めていきます。
前定例会で取り上げた都立高校の校則問題では、都教育委員会が新たな通知を出しました。この通知で、生活指導をふくめすべての教育活動は生徒の人権尊重を基本にする、生来の頭髪まで一律に黒染めにするような指導はおこなわないとしたことは、大きな前進です。今後も、「ブラック校則」の改善など、あらゆる場面で子どもが権利の主体として尊重される教育の実現にむけ、全力をあげるものです。

3 都市計画審議会条例の改正案と2つの修正案を提案

都市計画は、都民の権利制限をともなうものであり、都市計画審議会の役割はきわめて重要です。そのため、慎重かつ十分な調査審議をおこなう責務を明確にし、関係者の意見聴取、資料提出を求めることができる規定を新たに設ける条例改正を提案しました。都民ファースト、公明党、自民党などの反対で否決されましたが、今後に生きるものです。
また、知事が提出した都営住宅条例改正、公文書管理条例改正に対し、賛成するとともに、よりよいものにする立場から、それぞれ修正案を提案しました。

4 島しょ地域の台風15号による被害対策強化へ、補正予算の編成を

台風15号により、島しょ地域は甚大な被害を受けました。わが党は9月10日、いち早く被害への対策を要請しました。その後、党都議団による現地調査などにより、数百戸におよぶ家屋損壊、農漁業への深刻な打撃など、被害の大きさ、重大さが明らかになってきました。
こうした実態をふまえ、17日に、補正予算編成をはじめとした被害対策の抜本的強化を求める第2次の申し入れを、小池知事におこないました。日本共産党都議団は、島しょ地域の復旧・復興に、引きつづき全力をあげます。

以 上