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質問・条例提案

2019.09.10

9月10日 本会議 原のり子都議の一般質問

9月10日の本会議で、原のり子都議(北多摩第4選出)が一般質問を行いました。

動画(都議会ホームページです。令和元年第3回定例会 > 9月10日一般質問をご覧ください)

★質問全文(質問原稿)です。

  1. 障がい者施策について
  2. 都市農業について

★答弁(議事録速報版より)


一、障がい者施策について

 数年前、40代で知的障がいの女性のお母さんから、「グループホームに入れるなんて、子どもを捨てるようでできない」と相談を受けました。その後、このお母さんは、グループホームで暮らす人たちが、生きいきと過ごしている様子を見て安心し、新しいグループホームを作る活動に一生懸命とりくまれました。残念ながら、お母さんは完成前に亡くなられましたが、娘さんは元気に過ごされています。このことは、一人ひとりが自分らしく、自立して生きる大事さと、それを社会が支えることの大事さを教えてくれました。
 障がいのある方々が、他の人と平等に社会に参加し、尊厳をもって生きられる東京の実現をめざし、質問します。

 初めに、雇用についてです。
 私は、知的障がい者に特化した正規職員採用試験を2008年からおこなっている愛知県を2回にわたり訪ねてお話しをうかがい、現場も見学させていただきました。
 図書館で7年間働いている方は、すっかり本の場所は頭に入っているそうで、さらに新しい仕事にも挑戦していました。また、福祉センターで2年目という方にもお話をうかがいました。大事だと思ったのは、ただ単純作業をやってもらう、ということではなく、どうやってより能力を発揮し、やりがいをもって働いていけるかを職場で相談していることです。
 愛知県では、各部署がふさわしい仕事を検討して採用するので、自分に合う仕事かどうかを確認して申し込むことができます。小学校卒業程度の試験と仕事内容についての実地試験を組み合わせるなど、合理的配慮もあります。どこでどんな風に働くかも明らかにされるので安心できます。
 都として、こうした経験に学ぶことが重要です。そして、全庁で知恵を出し合い、知的障がいのある方も生きいきと働けるよう、雇用を創出していくことは都民を励ますことにもなります。
 障がい者権利条約第27条では、雇用に関し、障がいに基づくあらゆる差別の禁止を定め、さらに、公的部門で障がい者を雇用すること、としています。
 また知事は、所信表明において「就労を希望する方が誰一人取り残されることなく、個性や能力に応じて働くことができる社会の実現に向けて」条例提案を目指すとされました。大事な視点だと思います。

Q1 こうした立場をふまえるなら、東京都の正規職員採用においても、身体障がい者、精神障がい者とともに、知的障がい者もふくめ、採用を促進することが重要だと思いますが、知事いかがですか。

Q2 障がい者を対象とする採用選考について、東京都は、身体障がい者に限定していたものを改善し、精神障がい者、知的障がい者も対象にしました。しかし、その後の2年間、知的障がい者の採用がありません。
 試験を受けられる、としただけでは十分ではありません。知的障がい者の特性に応じた雇用に取り組むべきと思いますが、都はどう考えていますか。抜本的改善を求めるものですが、いかがですか。

 身体障がい、精神障がいの方も、障害の内容によってはほとんど合格がないということもあります。あわせて改善を求めます。

Q3 この間、一般就労していた障がい者が、不況で働ける場が縮小され、解雇になったケースや、スーパーに何年も勤めていた知的障がい者が職場で辛い目にあっていることをずっと説明できないまま抱えていて、具合が悪くなって仕事を辞めた、などの話をたくさんうかがいました。
 そういう方たちが福祉就労に移る、あるいは、生活訓練事業所に通うなかで元気を取り戻しているケースも多くあります。特別支援学校を卒業したら、一般就労だけでなく、一人ひとりにふさわしい、さまざまな進路があっていいはずです。教育と福祉の連携などにより、障がいのある人の進路選択を十分に保障していくことが重要と考えますが、知事の認識をうかがいます。

Q4 障がい者権利条約では、第30条に、文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加、が位置づけられています。障がいのあるなしにかかわらず、労働時間以外の時間も余分な時間ではなく、生きていくために必要な時間です。しかし、障がいのある方たちにとって、その大事な時間を豊かに過ごせる環境が整っていません。
 学齢期は、放課後等デイサービスが広がり、保護者の就労保障も含めて対応されるようになりました。しかし、学齢期がおわると、日中活動後や休みの日に、安心して過ごせる居場所がなくなります。一方、地域で行われている余暇活動の場を利用している青年は、「仕事のあとに行って、みんなで話すのが楽しみ」「やりたいことがやれる」と生きいきと話してくれます。
 2016年3月、都議会は、「障がいのある青年・成人の余暇活動に関する請願」を全会一致で採択しました。これを機に、東京都は補助を実施しています。しかし、活用している自治体は、昨年度でまだ8か所で、清瀬市が今年度から活用するとのことです。東久留米市では、6月の市議会で「障がいのある青年・成人の余暇活動への支援を求める請願」が趣旨採択になっています。
 都は、障がい者権利条約第30条の意義、障がいのある青年・成人の余暇活動、安心して自分らしく過ごせる居場所の重要性について、どう認識していますか。そして、都の補助制度の活用を広げる必要があると思いますがいかがですか。制度の周知・徹底、拡充もあわせて検討していくべきではないでしょうか。見解をうかがいます。

Q5 知的障害者の方が医療機関で差別的な対応をされたとの訴えがあります。ある方は、月経不順で病院に行ったところ、「どうせ子どもを産むわけではないのだから問題ない」などと医師から言われたそうです。また、ある方は、糖尿病のため目の定期検診を受ける必要があり病院に行ったが、「どうせ治療できないから」と医師に言われたといいます。
 こういうことが、1件2件ではなく、たくさん起きているのです。障がい者やそのご家族が、差別や無理解のなかで悲しい思いをしていることをどう受け止めますか。障害者権利条約をふまえ、また、障害者差別解消条例を制定している都として、早急に改善されなければならないと考えますが、どのように対応するのかうかがいます。

Q6 自分の症状を訴えにくい知的障がいの方にとって、健康診査やがん検診を受けることは、病気の早期発見・早期治療などのために大事なことです。
 しかし、知的障がい者の場合、何をされるかわからない不安がある、慣れないことをするのが難しい、注射器が怖い、レントゲンで息を吸って止めて、しばらくじっとしていることが難しいなどの理由で受けられない場合があります。
 知的障がいの方が、健康診査やがん検診を受けやすくする環境整備が必要です。知事の認識をうかがいます。

Q7 その点で、すぎなみ障害者生活支援コーディネートセンターが2004年から取り組んでいる、人間ドックのとりくみは大事なものです。
 驚くのは、きめ細かい配慮を行うことにより、胃の検査や採血を受けられない人はほとんどいないというのです。事前の医療従事者への研修が大きな力を発揮しています。研修のなかで、どうやったら負担を軽くして受けてもらえるか知恵を出し合い、初めての場所や雰囲気に慣れることが難しい特性を考慮し、検査服などを事前に渡して慣れておいてもらう、わかりやすいイラストで全体の流れを示す、バリウム検査では直接介助で体位変換し、複雑な検査指示は行わないなど、きめ細かく工夫されています。このとりくみは、国の重度知的障がい者施設「のぞみの園」が出している、高齢知的障がい者の支援マニュアルでも、先駆的事業として紹介されています。
 こうした努力、取り組みに学び、都の施策に生かし、知的障がい者の健康診査・がん検診の受診を促進することを提案しますが、いかがですか。

Q8 東京都の保健所では、通所施設に通う障がい者の健診を行っています。大事な事業であり、継続することとともに、恐くて採血を受けられなかった人が、もう一度別の日にできるようにする、当日生理になった場合の尿検査は別の日に受けられるようにする、歯科検診を再開する、などの改善を求めますがいかがですか。

Q9 障がい者個人が区市町村で実施している特定健診に申し込んだときの合理的配慮も必要です。区市町村ごとに対応が大きく異なっています。重度の身体障がい者が、住んでいる地域の指定医療機関では特定健診を受けられない、という問題がおきています。何らかの方法で、自己負担なく受けられるようにすべきではないでしょうか。

 

二、都市農業について

Q1 最後に都市農業についてうかがいます。現在、各区市で、2022年で期限がくる生産緑地についての意向とともに、今後の農地活用についての意向調査が行われています。

 農地保全のためには、特定生産緑地だけでなく、生産緑地の追加指定を進めて農地をふやすとりくみが欠かせません。駐車場に転用した土地を農地に戻すことになった人は、「高齢なので迷ったが、市の人が一緒に考えてくれて、工夫すれば農業ができるとわかりうれしかった」と話していました。農地に戻して営農しようという農家への東京都の支援を強化する必要がありますが、いかがですか。

Q2 法整備によって、生産緑地の柔軟な活用が可能になりました。担い手が少ない農家でも、農地を手離さず、生産緑地の貸借制度を活用して農地を維持できる可能性が広がっています。地域でも、福祉通所施設などからも声があります。福祉施設などと農家のマッチングを支援していくことが求められていますが、いかがですか。

 将来にわたる農地の保全のためには、営農継続の支援こそ重要であることを指摘し、質問を終わります。


答 弁
○知事(小池百合子君) 原のり子議員の一般質問にお答えいたします。
 知的障害者の健康診査やがん検診についてのお尋ねでございました。
 都民一人一人が健康を増進、維持するには、主体的に健康づくりに取り組むとともに、定期的に健康診査を受診し、病気の早期発見、早期治療につなげることは重要でございます。
 知的障害者は、言葉による説明を理解しづらい、また、理解できても、話す、書くといった表現が苦手な方もおられることなどを踏まえまして、実施主体である区市町村において、健康診査やがん検診を受診しやすい環境を整備していくことは必要と、このように認識をいたしております。
 残余のご質問は、教育長、関係局長からのご答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 知的障害のある生徒の進路選択についてでございますが、都立特別支援学校におきましては、生徒が企業や福祉事業所などの多様な進路先の中から、自身の適性に合った選択ができるよう丁寧な進路指導を行っております。
 具体的には、進路面談や保護者会等において、本人や保護者の希望に寄り添いながら情報提供と相談をきめ細かく行い、進路選択に向けた職場実習を実施しております。
 また、区市町村の福祉関係機関等と連携しながら生徒一人一人について支援計画を作成し、卒業後の社会生活への円滑な移行を支援しております。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害者の採用促進についてでございますが、誰もが生き生きと活躍できる社会の実現のため、障害者がその能力と適性に応じて働くことができるよう、都が率先して取り組むことは重要です。
 都においては平成二十九年度から、身体障害者に加え、精神、知的障害者も対象とした常勤職員の採用選考を実施するとともに、非常勤職員としては、知的障害者を対象としたオフィスサポーターの採用にも取り組み、雇用の門戸を広げているところでございます。
 こうした結果、昨年の知事部局における障害者雇用率は二・七五%と着実に高まっております。引き続き、都における障害者雇用の促進に努めてまいります。
 次に、知的障害者の雇用促進についてでございますが、都においては昨年度から、知的障害者の特性に合った職務内容や勤務条件を検証するため、オフィスサポーターの雇用を開始しており、現在四名が勤務しております。
 この取り組みでは、データ入力や資料の電子化など、各種庶務事務や軽作業の一部を切り出すことにより、個々の能力や適性に応じた職務の創出を行うとともに、勤務時間について当初の週二十四時間から段階的に延ばしており、今年度からは週三十五時間勤務としております。
 今後とも、障害特性に合った職務内容や勤務条件の検証と改善を積み重ね、都における知的障害者の雇用促進に努めてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害のある青年等の余暇活動についてでありますが、障害の有無にかかわらず、スポーツやレクリエーションなどの余暇活動を楽しむことは人生を豊かにするものでありますが、障害者の余暇活動には、障害特性や意思疎通への配慮などさまざまな課題がございます。
 都は、青年、成人期の障害者が、日中活動や就労後に、ダンスや料理など障害者相互や地域住民等との交流を楽しむ余暇活動の場を確保する区市町村の取り組みを包括補助で支援しており、昨年度は八区市が実施しております。
 今後も、包括補助の説明会等で地域の実践を紹介するなど、多くの区市町村でこうした取り組みが進むよう働きかけてまいります。
 次に、医療機関での知的障害者への対応についてでありますが、医療機関の受診に際し、障害者ご本人やご家族が悲しい思いをされたことは、まことに残念なことでございます。
 都は、障害者差別解消条例を制定し、障害者への理解が深まるよう普及啓発を行っているところです。
 都内の医療機関に対しましては、障害者への不当な差別的取り扱いの事例などを記載した国のガイドラインを周知するとともに、都の病院管理の手引には、障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する項目を新たに設け、適切な運営を求めております。
 また、都の施設では、職員一人一人の障害者への理解と人権意識が高まるよう人権研修等を行っており、引き続き実施してまいります。
 次に、知的障害者の健康診査、がん検診についてでありますが、都は、区市町村が質の高いがん検診などを実施できるよう、担当者連絡会などで先駆的な取り組み事例を紹介しております。
 今後とも、こうした場を活用して、がん検診などの実施状況の共有を図るとともに、知的障害者を含めた都民が利用しやすい体制を整備するよう働きかけてまいります。
 次に、都保健所での障害者の健診についてでありますが、都保健所では、障害者施設等の利用者が地域の医療機関等で健診の機会を確保できない場合に、管内の施設からの依頼を受け、健診を実施しております。
 その際には、施設職員から受診者の情報を事前に把握した上で、障害特性に応じて実施方法を工夫しており、今後とも適切に対応してまいります。
 最後に、重度の身体障害者の特定健康診査についてでありますが、特定健康診査は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、生活習慣病を予防するため、四十歳以上七十四歳以下の方を対象に、医療保険者が実施しております。
 国民健康保険においては、居住自治体以外のかかりつけ医療機関で受診できるようにするなど、地域の実情に応じた工夫を行っている区市町村もございます。
 都は、保険者協議会などを活用し、こうした事例を共有するなど、障害者を含め、被保険者が利用しやすい特定健康診査の実施体制を整備するよう働きかけてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都市農地の保全についてですが、農地の減少に歯どめをかけ、東京の農地を保全していくため、都は、市街化区域において、農家が所有する宅地や駐車場を農地へ転換する際の建物の基礎や舗装の撤去等の取り組みを支援しているところでございます。
 今後とも、東京農業の発展に向け、新たな農地の創出に取り組んでまいります。
 次に、農地の貸借制度の活用についてですが、都市農地の保全には新たな貸借制度を有効に活用し、福祉法人など多様な担い手とのマッチングを促進することが必要でございます。
 都は今年度から、福祉農園の開設に向け、農福連携コーディネーターの派遣制度を創設し、農業者と福祉施設のマッチングや農地貸借の手続等を支援しているところでございます。
 今後とも、こうした仕組みを活用し農地の保全を図ってまいります。