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質問・条例提案

2018.11.28

11月28日【文教委員会】都立高校での演劇鑑賞教室への支援を 星見てい子都議の質問

2018年11月30日都議会文教委員会での星見てい子都議の質問です(速記録より)。
文化芸術団体からの請願についての質疑(教育庁所管分)のなかで、都立高校の演劇鑑賞教室への支援を求めました。


○星見委員 それでは、都立高校における演劇鑑賞教室の実施等に関する請願についての質問をさせていただきます。
 請願者の公益社団法人日本劇団協議会は、文科省と文化庁が、小中学校などに一流の文化芸術団体による実演芸術の巡回公演やワークショップ等を実施している文化芸術による子供の育成事業を選定している芸術団体が参加しています。
 都立高校での演劇鑑賞教室を開催できるよう支援をとの請願です。
 ただいま都のご説明ですと、平成二十九年度は、都立高校全体の七四%が芸術鑑賞の学習を行っているとのことでしたけれども、どのようにして把握しているのでしょうか、お伺いいたします。

○宇田指導部長 各都立高等学校から毎年提出される教育課程届に含まれる年間行事計画により把握しております。

○星見委員 請願している日本劇団協議会からは、正会員による公演数の推移を見ると、高校では、一九九〇年代後半まで年間千三百公演だったのが、平成二十八年には半数以下の五百十八公演まで減少していると指摘があります。
 都が調査した七四%の芸術鑑賞の学習で、演劇鑑賞教室の実施についての調査はできているんでしょうか、伺います。

○宇田指導部長 都教育委員会では、各都立高校が実施している芸術を鑑賞する学習における演劇、古典芸能、音楽の演奏といった個別の演目の実施状況については把握しておりません。

○星見委員 今、状況がつかめていないのであれば、都として演劇鑑賞教室の実施状況の把握を進めてください。
 公演数が減少している理由について、請願者の日本劇団協議会の皆さんが学校とのやりとりをする中で感じているのは、第一に、九〇年代に比べ、芸術鑑賞にかけられる予算が厳しくなっているということだそうです。
 学校では、芸術鑑賞による費用を保護者に負担してもらうわけですが、二〇〇〇年代より格差が拡大し、勤労者世帯の可処分所得が減少する中で、保護者から余り高いお金を集めづらくなっているという事情があるそうです。
 また、学校に劇団を招いて公演料を支払うわけですが、少子化などにより一校当たりの生徒数が少なくなると生徒一人当たりの金額が高くなってしまい、ますます保護者に高い金額を払ってもらわなければならなくなります。
 学校としては、子供たちに間近で生の演劇、生の芸術を見せてやりたいというのがありますが、保護者の負担を考えると、もう少しお金のかからないものにしておこうという判断も働いているということです。
 もう一つ、二〇〇〇年代に入って完全週五日制が導入され、また学力向上のかけ声がかかる中で、授業時間の確保のために行事の数を減らそうという話になりやすく、そうすると、芸術鑑賞教室は中止しよう、今まで毎年やっていたものを三年に一回にしようという話になってしまうというところもお伺いしています。
 いずれにしても、教育委員会が、子供が芸術鑑賞することの意義をしっかり位置づけて、芸術鑑賞に取り組む学校には、財政面も含め、しっかりとした支援をしていくことが重要だと思います。
 都は、先ほど高等学校を対象にして、二〇一六年度から三年間の中で、日本の伝統芸術を鑑賞、体験する機会を設定できるようにするなど、学校における演劇を含む芸術鑑賞体験の充実に向けた支援を行っていると説明されました。
 どのような演劇を対象にしているのか、伺います。

○宇田指導部長 都立高校が行っている日本の伝統芸能を鑑賞する学習における演劇は、歌舞伎、能、狂言といった古典演劇を対象としております。

○星見委員 この支援は現代演劇などは対象ではないということですね。
 今、日本の伝統芸能鑑賞教室は、都が新しく始めた事業ですけれども、この三年間の支援事業の取り組みへの学校や生徒の受けとめをお聞きいたします。

○宇田指導部長 都教育委員会は、平成二十八年度から三年間にわたって、民間ホールに複数の学校を集めて日本の伝統芸能鑑賞教室を実施し、都立高校生が古典芸能の第一線で活躍する狂言師、雅楽師、三味線奏者による公演を鑑賞したり、実際に演技を体験したりする機会を設けてまいりました。
 また、学校の体育館などを会場として、日本の伝統芸能鑑賞教室を独自で実施している学校もあり、都教育委員会は、落語家や雅楽師などの第一人者を派遣しております。
 こうした機会を通して生徒からは、古典芸能のよさがわかり興味が高まった、和の美しさや奥深さを感じたなどの感想が寄せられ、本事業が伝統芸能を理解する契機になっていると考えております。

○星見委員 新しく一流の芸術家による伝統芸能を鑑賞、体験する機会をふやしていることは大切です。
 同様に、高校でのプロの芸術劇団による演劇鑑賞教室も貴重な学習の場になっているのではないでしょうか。
 演劇鑑賞教室での高校生の感想文、幾つか紹介したいと思います。
 一つ目ですけれども、私自身、夢もなく、やりたいこともありません、今は介護福祉士の資格をとって人の役に立ちたいと思っているけれども、本当にやりたいことなのかわかりません、でも、演劇を見て、これからの自分と向き合っていきたいと思いました、引き込まれて、とても考えさせられました。
 次の感想です。舞台に出てくる人たちが僕自身に見えました、自分の将来が想像できない、何がやりたいかわからない、いざ何かやろうとすると、失敗することが怖くて行動に移せない、僕もずっと悩んでいた経験がありました、自分が何をしたいのかたくさん悩み、したいことが見つかったときは、失敗を恐れずに、がむしゃらに挑戦し続けたい、そして将来、人の支えになり、心から人を応援できる人になりたい。
 また、ほかの感想ですけれども、自分がつらいとか、孤独に感じているような、ふだん表に出すことがない奥深いところを一突きされたような気がして少し涙を流した、最近、共感、感動から離れていたが、今回、歯車の回転数が上がる感覚を覚えたなど、読みました感想文はどれも豊かな感性を育み、自分を見詰め直したという声でいっぱいでした。
 日本の伝統芸能鑑賞と同じように、高校での演劇鑑賞教室も貴重な学習の場になっているという実感です。
 そこでお聞きしますけれども、都立高校で行われています芸術鑑賞の取り組みは、学校教育の中ではどのように位置づけられて、何を狙いとしているのかを伺います。

○宇田指導部長 都立高校で行われている芸術鑑賞の取り組みは、高等学校学習指導要領に基づいて実施されております。
 芸術の鑑賞や体験について、学習指導要領の特別活動では、文化や芸術に親しんだりするような活動を行うことと示されており、本物の文化や芸術に直接触れる体験を通して、情操を高め、豊かな教養を育成するとともに、生涯にわたり文化や芸術に親しみ、その継承や創造に寄与する態度や能力を育てることを狙いとしております。

○星見委員 ただいまのご答弁は、高等学校学習指導要領での位置づけのお話でした。
 私は、本請願で紹介されていました一九九九年ユネスコ第三十回総会事務局長アピールというのを調べてみました。この同アピールでは、劇活動を、創造性こそは人類の特性であり、我々の希望そのものであるとして、児童生徒はどのいずれの段階でも、彼らの知的及び情感的なバランスに最も広い意味でプラスする教育の過程にアクセスできるようにならなければならない、そういう点からすると、劇活動は、創造性にとって大変効果のあるものとして、芸術教育の中でも推奨に値するものであると位置づけていました。
 また、本請願では、現在、文化庁による文化芸術による子供の育成事業によって、小中学校では、一定程度、鑑賞の機会は保障されているとありましたので、これも調べてみました。
 都の高校への支援事業は、日本の伝統芸能になっていますが、文科省、文化庁の文化芸術による子供の育成事業は、伝統芸能のほかにも、児童劇、演劇、オーケストラなど、文化庁が選定した文化芸術団体から選んで、本公演やワークショップを行えるようになっていました。
 都立高校によっては、一年目は日本の芸術、二年目は海外の芸術、三年目は演劇として芸術鑑賞教室をやっているところもあると聞きました。この場合、日本の芸術にしか都の支援はありません。
 都の支援事業を、演劇鑑賞を含め多様な芸術鑑賞も広く支援できる制度にするなど、都立高校への演劇鑑賞教室への支援の拡充を要望いたしまして、本請願を採択することを主張して、質問を終わります。