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質問・条例提案

2018.03.29

3月29日 本会議 斉藤まりこ都議の最終討論

2018年第1回定例会最終討論

 斉藤まりこ(日本共産党・足立区選出) 

 日本共産党都議団を代表して、知事提出の第1号議案平成30年度東京都一般会計予算ほか30議案に反対、その他の議案に賛成し、わが党などが提出した2つの条例案に賛成の立場から討論を行います。

 はじめに、迷惑防止条例の一部改正です。改正どころか、きわめて重大な改悪であり、廃案にすべきす。

 今回の条例案は、つきまとい行為として禁止する対象に「みだりにうろつくこと」や「名誉を害する事項を告げること」などを加え、罰則を強化するものです。SNSへの書き込みも規制の対象になります。

 もともと、この条例には、悪意の感情によるものかどうか、という内心によって、犯罪かそうでないかが決まる、重大な問題点があります。そのうえ今回の改悪がされたら、国会前や路上で政治家の批判をする、労働組合が会社を批判する宣伝を行う、ジャーナリストが取材対象の周辺を調べることなどを繰り返した場合、取り締まりの対象にされる可能性が生じます。

 「労働運動、市民運動、取材活動は正当な権利行使」だから「本条例の対象外だ」との答弁はありましたが、条例本文には書いてありません。

 しかも条例案では、被害者の告訴なしに、警察の判断だけで逮捕できます。社会的正義のための行為ではなく、悪意の感情によるものかどうかという内心を、警察が証明することなどできません。自白を強要するしかない、ということになりかねません。

 このような重大な条例案を議会に提出しながら、警視庁は委員会質疑で、今回の改定がなぜ必要なのかという理由、立法事実を、何ら具体的に示すことができませんでした。そもそも条例提出の前提が崩れています。

 弁護士をはじめ法律の専門家から、今回の条例案は、憲法で保障された言論・表現の自由など市民の権利を侵害するものであり、憲法違反の条例案だとの批判の声があがっています。

 わずか2週間ほどのあいだに、個人、団体から、約9000通もの条例案の廃案を求める要請書や署名が寄せられています。今日、この瞬間にも反対の声が刻々と広がっています。

 私たち都議会には、この声をしっかり受け止める責任があります。議員一人ひとりが良識ある判断を下し、条例改悪に反対し廃案にすることを、心から呼びかけるものです。

 

 次に、一般会計予算および中央卸売市場会計予算についてです。

 都政最大の焦点である市場移転問題は、この1年間に大きな転換がありました。

 1年前、小池知事は、豊洲市場への移転を再検討する姿勢をとっていました。ところが、昨年7月の都議選直後、「都民の食の安全・安心を守ります」「築地は守る」という都議選での公約を投げ捨てて、移転推進に舵を切りました。

 しかし、本定例会では、市場移転について、築地市場で働く労働者の合意は得られていないことが明らかになりました。築地の仲卸業者の中に、豊洲移転について不安や不満を抱えている方がいまなお多くいることを、知事は認めました。

 豊洲新市場の地下水から、環境基準の最大160倍もの発がん性物質ベンゼンが検出され、猛毒のシアンが全街区で検出されているにもかかわらず、小池知事は、わずか3人のメンバーによる専門家会議が大丈夫だと言っていると繰り返しました。

 しかし、石原都政以来、一貫して東京都の意を汲んで豊洲市場への移転推進にお墨付きを与えてきた専門家会議に依拠することなど、到底できません。

 以上の立場から、中央卸売市場会計予算案に反対するものです。小池知事が、都民への公約に立ち返り、豊洲市場への移転は中止し、築地を守り、現在地での再整備を進めることを強く求めるものです。

 

 2018年度一般会計予算案は、都政最大の焦点である市場移転問題について、このような重大な転換が行われるもとで提案されました。わが党の提案や都民要求に応える施策が盛り込まれる一方で、石原都政以来の大型開発偏重の基本構造は変わっていません。

 築地市場の敷地内に、大型道路の環状2号線を通すための用地取得費100億円が計上されています。築地市場の廃止を前提としたものであり、認めることはできません。

 1メートル1億円の外かく環状道路建設、住民の反対の声が広がり5件もの裁判が起こされている特定整備路線などの巨額の道路建設が、引き続き推進されています。

 実際にどれくらいの寄港があるかという見通しもない大型客船用の埠頭整備に、116億円も計上されています。

 

 また、わが党は、日本体育協会(日体協)の本部ビルである岸記念体育会館の移転にかかわる予算の問題点を、きびしくただしてきました。

 予算案には、同会館の土地を東京都が買い取り、移転補償費まで日体協に支払う予算123億円が計上されています。都立公園用地にするため立ち退いてもらうので移転補償費を出すとしていますが、そもそも移転したいのは日体協です。

 その事実をごまかして、あたかも東京都の都合で移転するかのように見せかけるため、何年にもわたる用意周到な手だてがとられてきました。

 しかも移転先まで東京都が用意し、規制緩和で大きなビルが建てられるようにしたのです。予算案には、移転先の都有地を日体協が買い取る歳入予算70億円が計上されています。日体協は、123億円と70億円の差額の53億円を手に入れ、会館建て替えの悲願を実現できるのです。

 わが党の追及で、一連の経緯に、森喜朗元首相など複数の自民党政治家が深く関与していたことが明らかになりました。その関与の結果、日体協に特別の優遇がされたのです。

 当時の副知事や都市整備局の一部の幹部が、自民党の政治家だけと面談を繰り返していた事実も明らかになりました。全体の奉仕者たる公務員が、自民党の政治家と水面下でひそかに面談を繰り返し、その話に沿うように行政をゆがめるなど絶対にあってはならないことです。

 都市整備局は、昨年12月には一連の政治家との面談などの文書を把握していたにもかかわらず、情報開示の先延ばしを繰り返し、真相を隠すため虚偽答弁まで行いました。議会と都民を欺くものであり、猛省を求めるものです。

 知事は「経緯を含めて検証した」と言いましたが、検証の中身は土地価格の妥当性にとどめています。とりわけ重大な問題は、知事は、森元首相など自民党政治家などが関与している内部文書を知りながら、あえて調査対象とせず、幕引きを図ろうとしていることです。

 このような都政の闇、ブラックボックスを見過ごすなら、知事の掲げる都政の透明化や都政大改革など、絵に描いたモチだと言わねばなりません。

 わが党は、岸記念体育会館にかかわる予算の凍結を求めるとともに、引き続き疑惑の全容解明に向けて全力をあげる決意を表明するものです。

 

 都民の切実な問題となっている国民健康保険料・保険税の負担軽減について、東京都の答弁は、きわめて冷たいものでした。

 今年4月から国民健康保険の制度が変わり、都道府県も区市町村とともに財政運営の主体となります。ところが、これを機に東京都が区市町村による一般会計からの繰り入れを解消する方針を示したため、保険料・保険税の値上げでその穴埋めをする動きが広がっています。

 わが党は、繰り入れがなくなった場合、最も高い上がり幅の自治体は1.5倍以上の大幅値上げになることを明らかにし、都の方針を撤回して、負担軽減への支援を強化するよう求めました。

 知事は、「暮らしに余裕がないと感じている方がいらっしゃることは十分認識している」と答弁しています。それなら都の財政支援で、高すぎる保険料を引き下げる支援に踏み出すべきです。とりわけ区市町村からの要望が強い、低所得者、多子世帯への負担軽減策に取り組むことを、改めて強く求めておくものです。

 

 一方、来年度予算案には、施策の貴重な前進も少なくありません。

 保育サービス、学童保育、NICU、特別養護老人ホームの整備目標が引き上げられ、なかでも特養ホーム整備費補助が今年度予算に比べ倍増されたことは重要です。待機児童対策、少子高齢社会対策にむけ、さらなる整備促進を求めるものです。

 住宅耐震化助成の対象地域拡大、こども食堂への運営費補助の新設、医療的ケアを必要な子どもたちの通学保障の拡充、市町村総合交付金の増額なども、わが党が一貫して求めてきたものです。

 本定例会の中でも、多摩地域の周産期医療の充実、聞こえのバリアフリーの取り組み、公衆浴場の活性化、都市農地の保全、豪雨対策の拡充など、重要な答弁がありました。

 

 わが党は、予算特別委員会に一般会計予算の組み替えを提案し、予算全体の2.9%を見直すだけで、74項目もの都民要求が実現できることを明らかにしました。不要不急の大型開発を見直し、くらしと福祉最優先の予算編成に転換することを、改めて求めておきます。

 

 最後に、わが党と他会派が共同で提出した条例の改正案について述べます。

 生活者ネットと共同提出したシルバーパス条例の改正案は、20,510円のパスの費用負担を軽減し、3000円パスなどを発行するとともに、多摩都市モノレールなどに適用を拡大するものであり、都民の切実な要望にこたえるものです。

 また、かがやけTokyoと生活者ネット、維新の会と共同提案した都議会議員の期末手当に関する条例案は、昨年12月に都職員の勤勉手当に連動して引き上げられた都議会議員の期末手当を、引き上げ以前の額に戻すものです。議員の報酬は、都民の負託にこたえる使命にふさわしく、議会が自ら決めるべきものであり、ましてや勤勉手当は議員にふさわしくありません。

 2つの条例案への賛同を心から呼びかけて、討論を終わります。