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質問・条例提案

予算特別委員会 尾崎あや子都議(北多摩第1選出)の総括質疑

3月15日の予算特別委員会で、尾崎あや子議員(北多摩第1選出)が総括質疑を行いました。

★質問全文(都議会速記録速報版より)

  1. 国有地の福祉施設への活用について
  2. 豊洲新市場にかかわる特命随意契約について
  3. 豊洲新市場の追加対策工事について

 

○尾崎委員 最初に、国有地の活用について伺います。
 私の地元、東大和市には、約七千五百平方メートルの参議院宿舎跡地があります。
 市民の皆さんから、特別養護老人ホームや保育園をつくってほしいという声がたくさん寄せられ、住民による署名運動も広がっています。
 東大和市は、一旦は諦め、活用しないと断りましたが、私は日本共産党市議団とともに国土交通省などに申し入れを行い、東大和市は再度、介護施設整備に国有地を活用するよう検討しているとしているところです。
 この土地を、市が特養ホームや保育園など福祉施設用地として活用できるよう、国に申し入れていただきたいと思いますが、いかがですか。また、市と相談や検討をして進めるなど、都の支援を求めるものですが、いかがですか。

○梶原福祉保健局長 国は、未利用の国有地を情報提供し、都と区市町村それぞれに対して活用の意向を照会しております。
 また、国有地を地元区市町村が活用する場合は、直接、国に申し出ることとなっております。
 お尋ねの参議院宿舎跡地については、地元の東大和市が活用する方向で検討しているというふうに聞いております。

○尾崎委員 これまで福祉施設整備に国有地を活用した実績を伺います。そのうち、認可保育園と特養ホームの実績はいかがか、伺います。

○梶原福祉保健局長 平成二十四年度から平成二十八年度までの過去五年間について申し上げますと、都内において、福祉施設整備を目的とした国有地の貸付実績は二十七件でございまして、そのうち、認可保育所は十六件、特別養護老人ホームは六件となっております。

○尾崎委員 私は、国有地がどれほど区市町村で活用されているのか、国土交通省に聞き取りを行いました。
 二〇一六年以降の実績は、定期借地に決まったのは、二十三区内で六件、市町村では一件です。売却は、二十三区で四件です。現在検討中になっているのが、二十三区で六件、市町村で七件となっており、検討中が多いことがわかりました。
 また、区市町村が利用を断ると一般競争入札になりますが、二〇一六年一月一日から二〇一七年十二月三十一日までに約九十件が売却され、今、一般競争入札の名簿に載っているのが四十三件あります。
 国有地を活用したくても、多くが活用できないという状況です。財政的な問題など壁になっており、活用できないのが現状です。
 待機児童解消のために、小池知事は国有地も活用してと述べていますが、知事、待機児童解消や特養ホーム整備に向け、国有地の活用を今後どのように進めていくのですか、見解を伺います。

○梶原福祉保健局長 都は、国有地を活用して福祉インフラの整備を行う事業者に対し、借地料を補助しております。
 また現在、国は介護施設を整備する場合に限り、国有地の貸付料を減額しておりますが、都は、国に対して、保育所や障害者施設等を整備する場合についても同様に減額するよう提案要求をしております。
 今後とも、認可保育所や特別養護老人ホームの整備を進めるため、国有地や都有地等を活用する区市町村を支援してまいります。

○尾崎委員 保育園や特別養護老人ホームの整備の都の目標を達成するために、区市町村と連携を強め、国有地の活用を、都としても目標を持って推進していただくことを要望しておきます。

 次に、豊洲新市場について伺います。
 まず、大成建設との特命随意契約の問題です。
 大成建設は昨年八月、都内のビル建設現場で作業中だった作業員三人が転落死する事故を起こしました。東京都は、この事故は社会的影響が大きいものと判断して、十二月に大成建設を指名停止にしました。
 ところが東京都は、みずから指名停止した大成建設と、指名停止にした直後に追加対策工事の特命随意契約をしました。私はとんでもないことだと思います。
 過去、都は指名停止中の業者に特命随意契約を行った事例はあるのですか。

○武市財務局長 指名停止中の事業者との特命随意契約は、特定の事業者でなければ実施が困難な設備の改修工事などにつきまして、適正なルールのもとで、その必要性や理由を慎重に判断した上で、契約することとしております。
 こうした事例につきましては、平成二十八年度の工事請負契約に限りましても複数件存在しております。

○尾崎委員 平成二十八年度の工事請負契約に限ってみても複数あるなどと胸を張るようなことではありません。
 三月一日の我が党の代表質問に、知事は、随意契約の可否については各自治体の判断と答弁されましたが、各自治体の状況を東京都は把握しているのですか。

○武市財務局長 把握してございます。

○尾崎委員 ただいま、把握してあるとご答弁されましたが、把握している状況について伺います。

○武市財務局長 全体、四十六道府県につきまして、指名停止中の事業者と特命随意契約をするルールについては、他県については、そのような指名停止中の事業者と特命随意契約を認めないというルールは設けてはございません。
 しかしながら、これは原則としてそういうルールを定めているということでございまして、そのいずれの場合、全ての四十六の道府県につきまして、特にやむを得ない場合などにおきましては例外規定を設けております。
 それは全ての四十六道府県で例外規定を設けておりまして、全ての特命随意契約を一切認めないとするような規定にはなっていないものと認識しております。

○尾崎委員 日本共産党都議団は、全国の道府県に指名停止中の業者との特命随意契約はしないというルールがあるのかどうか、独自に調査を行いました。パネルをごらんください。東京都を除く全ての道府県で、工事請負契約について、原則として指名停止期間中の業者を随意契約の相手方としないというルールを決めています。驚いたことに、ルールがないのは東京都だけです。
 知事は、三月一日の我が党の代表質問に、法令上、指名停止中の事業者と特命随意契約を締結することを禁止する規定がなく、特命随意契約の可否は各自治体の判断に委ねていると答弁しました。
 しかし、東京大改革というなら、ルールがないのは全国で東京だけだという、この状況を放置すべきではありません。知事、いかがですか。

○武市財務局長 まず、法令上、指名停止中の事業者と特命随意契約を締結することを禁止するという規定はございません。随意契約の可否につきましては、それぞれの自治体の判断に委ねられております。
 国土交通省におきましても、一定の条件のもとで指名停止中の事業者と随意契約ができると、そういうことになっております。
 そうした中で、原則として特命随意契約を認めないというのは四十六道府県ではございますが、その全ての自治体におきまして例外規定というのを設けております。
 そうしたことから考えまして、その点で東京都と他県に案件ごとの必要性、理由をしっかりと吟味した上で特命随意契約ができると、そういうことになりますので、その点では、東京都と他の道府県に大きな差はないものと考えております。

○尾崎委員 そんなことはありませんよ。きちんとルールを定めているかどうかが大事なことなんです。
 慎重に判断した上で契約したということでしたけども、東京以外の全ての道府県が、指名停止中の事業者との随意契約は原則禁止だと判断しているんです。やはり厳しいルールが必要だということじゃないでしょうか。
 大成建設は、リニア談合の独禁法違反容疑で逮捕されました。これによる指名停止はどうなっていますか。

○武市財務局長 これはルールに従いまして、逮捕された当日、それが確認できた時点で即日指名停止をかけてございます。

○尾崎委員 大成建設は、先週金曜日の三月九日から来年三月八日まで、一年間にわたる指名停止になりました。
 先ほど触れたビル建設現場の作業員死亡事故で、大成建設は昨年十二月十九日から、ことし二月十八日まで三カ月の指名停止を受けました。
 その後、一月もたたないうちに、今度は一年間の指名停止です。
 こういう業者と随意契約、特命随意契約を原則禁止にするのは当然のことです。
 しかも、自治体だけではありません。先ほど国土交通省にもあるといいました。しかし、国土交通省だけでもないんです。知事が大臣をしていた防衛省も、会計監査院も、多くの省庁が指名停止中の事業者との随意契約を原則禁止するというルールを定めているんです。
 知事の答弁は、そして、都の職員の皆さんの先ほどの答弁、通用しないんじゃないでしょうか。(「知事の答弁なかったよ」と呼ぶ者あり)失礼しました。知事の答弁なかったんです。残念です。
 大阪地方裁判所の判例では、堺市が指名停止業者との特命随意契約が違法とされた判例があります。
 これは堺市が、二〇〇七年にクラスター事業用地の整備、二〇〇八年には配管施設工事を行うため、既に指名停止中だった事業者と特命随意契約を結んだことについて、代金の支払いの差しとめを求める住民訴訟です。
 堺市には要綱で、指名停止業者を随意契約の相手方としないルール、要綱があります。自治体が、要綱に指名停止業者と随意契約をしてはならないという規定を設けた場合、その規定に違反している契約は違法であるとする内容です。
 このように、堺市の要綱は法令に準ずるとする極めて重要な判決です。
 小池知事は、入札契約について改革をするというわけですから、指名停止期間中の業者に特命随意契約を認めるのではなく、厳しいルールをつくるべきです。
 全国の中で、東京都だけがルールを持たない、こんな状況を放置しておいてはならないと厳しく指摘しておきます。

 次に、豊洲市場の追加対策工事についてです。
 この間の質疑の中でも、安全対策にならないことは明らかになっています。今回は、工事が既に始まっていますので、具体的な内容で幾つか伺いたいと思います。
 建物下の地下ピット内へのコンクリート打設について、具体的にどう行うのですか。六メートル四方でコンクリートに数センチの深さの目地をつくりますが、目地は切りっ放しなのかどうか伺います。

○村松中央卸売市場長 地下ピットでのコンクリートの打設に当たりましては、ひび割れ抑制に配慮するため、日本建築学会のひび割れ制御に係る指針を参考に、コンクリートの調合を工夫するとともに、鉄筋の位置や目地を適切な間隔で設置することとしております。
 目地の上部は、気体を通しにくいゴム系の材料で塞ぎ、揮発性ガスの地下ピット内への侵入の低減を図っているところでございます。

○尾崎委員 相変わらず、揮発性ガスの地下ピットへの侵入の低減を図る、つまり少なくするとしかいえない、侵入を防ぐとはいえないわけです。
 しかも、日本建築学会は指針に基づく施工をした場合でも、コンクリートのひび割れを完全に防ぐことはできないと認めています。
 また、土木学会が運営する技術者向けのウエブサイトでも、コンクリートはひび割れがないものを見つけることが困難なぐらいひび割れが目につく、残念ながらひび割れは目地に集中しない、地下水流入などで、地盤沈下する、ひび割れが多発するなどの意見が交流されています。
 要するに、都の追加対策は、まさにばんそうこうを張るようなもので、気休め程度にしかならないことは明らかです。
 次に、地下水管理システムの追加対策工事についてです。
 地下水管理システムの工事の際、仮設ポンプによる排水作業の日数が、当初は六十日間見込んでいましたが、再入札では百五十日間見込んでいるとなっています。その理由は何ですか。

○村松中央卸売市場長 地下水管理システム機能強化工事における地下ピットからの排水は、まず仮設ポンプを使用いたしまして、電気、機械設備工事の進捗に応じて、順次、本設ポンプへ切りかえることとしており、当初の積算では仮設ポンプの使用日数は六十日と見込んでおりました。
 しかしながら、入札不調後に実施いたしましたヒアリングの結果、本設ポンプの制御に必要な電気、機械設備の製作に、当初積算時よりも時間を要することが明らかになりました。また、仮設ポンプの使用日数が長くなる見込みとなったものでございます。
 また、降雨による影響等を考慮いたしまして、より効果的に地下水を管理するため、排水作業を平日だけではなく、土日祝日も実施することといたしました。
 こうしたことから、仕様書上の仮設ポンプによる排水作業日数が増加したものでございます。

○尾崎委員 今回のは追加対策工事の地下ピット内排水にかかわり、本設ポンプができるまで、仮設のポンプ、今まで強制排水してきたポンプを百五十日間残すということです。
 当初は、平日のみの作業で六十日、三カ月でしたが、降雨量がふえれば地下水位が上がり、強制排水しなければ地下水位を下げることはできないから、困難だから、そして不安だからということではないですか。
 仮設ポンプの排水作業日数をふやすということは、地下水が大きな問題だということを示しています。
 第十一回市場問題プロジェクトチームの会議では、地下水位を目標管理水位、海抜APプラス一・八メートルに維持するということは、土壌汚染対策、液状化対策の前提、それをもとに組み立てられてきていると小島座長も発言しています。
 そもそも土壌汚染対策の柱である地下水管理システムは、地下水位を、AP一・八メートルが前提ですから、追加対策工事で地下水位が目標管理水位になって初めて対策工事が完了することになるのではありませんか。
 小池知事は、七月末に追加対策工事完了後、専門家会議にその有効性を確認してもらって、いわゆる安全を発信すると表明しています。
 わずか三人の専門家による一カ月程度の確認だけでは、追加対策工事が本当に有効なのか検証できないと思いますが、知事、いかがですか。

○村松中央卸売市場長 専門家会議には、豊洲市場の現状について検証の上、必要な追加対策について提言していただいておりまして、こうした提言に基づく追加対策の有効性は、同会議において確認していただくことが妥当と考えております。
 追加対策工事の実施に当たりましては、設計の内容や施工方法などにつきまして、専門家会議に説明した上で助言をいただいており、また、工事の着工後も、適宜、現場において施工状況を確認していただいております。
 工事完了後の対策の有効性の確認に向けて、現在、専門家会議において、調査方法など具体的な内容を検討していただいておりまして、都といたしましても、七月末までに専門家会議の確認が完了するよう工事を着実に進めてまいります。

○尾崎委員 知事は、安全を発信する際、何を基準に安全だと判断するのか伺います。

○小池知事 豊洲市場用地の法的、科学的な安全性につきましては、今も既にご答弁させていただきましたように、専門家会議で確認をされているところでございます。
 そして、食の安全・安心について都民の理解を得るためには、検証、対策、確認など一連のステップを一つずつしっかりと進め、こうしたプロセスを丁寧に都民の皆様に説明することが重要と考えております。
 今、答弁をさせていただきましたように、現在追加対策工事を進めております。
 この追加対策工事を着実に進め、また工事完了後には、改めて専門家会議による確認、それを経まして、農林水産大臣の認可手続といった手続面も含めまして条件が整う、それらの段階で安全・安心な市場であることについて発信をしていきたいと考えております。

○尾崎委員 追加対策の完了は、少なくとも、地下水位はどんな大雨のもとでも、当初から計画していたAPプラス一・八メートル以下に、安定的に常時コントロールできることです。明確な根拠を持って確認される必要があると厳しく指摘をしておきます。
 しかも、仮設ポンプの日数が六十日から百五十日に延びたことで、例えば五街区では、当初の積算から再入札では、何と工事費用が四八八%、五倍近くに膨れ上がっているんです。
 地下水管理システムの追加対策について、入札の積算のときにはなかったもので、再入札のときに新たに加わったものなど増額された項目は何ですか。具体的な内容と金額、加わった理由について伺います。

○村松中央卸売市場長 再積算に当たって、入札参加者へのヒアリング等により、改めて工事予定価格と入札価格の間に乖離が生じた要因を分析した上で、必要と判断いたしました項目について、積算基準などのルールに基づき、費用を計上したところでございます。
 今回の工事では、街区ごとに契約を締結しておりまして、主な費用といたしましては、三街区平均で、電気及び機械設備工事の単価の見直しに伴い、約六千四百万円の増額、また、揚水する地下水を適切に管理するための費用といたしまして、約二千九百万円の増額となりました。
 これらは、独自性が高い設備の改良を行うために、コストダウンが働きづらいといった事情や施工の安全性を高めるための人員を新たに配置する必要性があるなど、ヒアリングの結果わかった事柄を再積算に反映したものでございます。

○尾崎委員 我が党は、追加対策工事で当初の予定額から実際の契約額で、大きく増額となった内容について仕様書を精査しました。
 その結果、準備費や運搬費が新たに加わり、技術管理費、仮設設備の費用が増額になっています。
 これらのほとんどが人件費で、工事を請け負う業者の裁量で変えられるものだと建築の専門家は話していました。特に、仮設は工事が終われば解体するので、後で確認しにくいものだとなっています。
 知事は、築地市場移転延期を決めたとき、理由の一つに、豊洲市場建設費用が当初の一・六倍に膨れ上がり、巨額で不透明であるといいました。ところが、小池知事、ご自身も石原元知事以来、三代の知事と同じような過ちを繰り返したことを厳しく指摘しておきます。
 代表総括質疑でも明確な答弁がなかった問題で改めて伺います。
 都民ファーストの会は、昨年の都議選で、市場移転問題について都民の食の安全と安心を守りますと公約に掲げました。パネルをごらんください。小池知事は、当時、都民ファーストの会の代表であり、これは、小池知事ご自身の公約というべきものだと思いますが、知事、いかがですか。

○小池知事 まさしく、そのことを守るために今、追加工事を行い、そして各種確認、検証を行っていく、そのプロセスにあるわけでございます。しっかりと守れるように努めてまいりたいと考えております。

○尾崎委員 知事は、今はっきりと公約であり、それを守るために追加工事を行っていくとご答弁されました。
 我が党がこの間、本会議でも委員会でも、そして今も追加工事がいかに安全・安心を担保するものにならないか明らかにしてきました。
 知事は、都議選で都民の食の安全と安心を守りますと公約しました。また、築地は守ると約束したんです。しかし、都議選が終わるとすぐに公約を投げ捨て、豊洲市場への移転を推進しています。知事の公約違反、都民や市場業者の皆さんへの背信行為が浮き彫りになっています。これでは到底、都民の納得は得られません。豊洲市場への移転は中止をし、築地市場での再整備を求めて……

○木村副委員長 発言をやめてください。

○尾崎委員 質問を終わります。(拍手)