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質問・条例提案

2018.03.02

3月2日 本会議 原田あきら都議の一般質問

3月2日の本会議で、原田あきら議員(杉並区選出)が一般質問を行いました。

★質問全文(質問原稿)です。

  1. 都市型水害対策について
  2. 建設労働者への支援について
  3. 環境アセスメントについて(豊洲新市場建設)

 ★答弁(議事録速報版より)

 

一、都市型水害対策について

 初めに豪雨対策について質問します。
 13年前の2005年9月、杉並区は時間雨量112ミリという記録的な豪雨に襲われ、床上浸水884件という戦後3番目の水害にあいました。
 その被害は、河川の氾濫ではなく、下水が雨水を飲み切れずに逆流し、街を浸水させるという内水氾濫でした。瞬間的豪雨により雨水が集中した下水はパンク状態となり、各家庭の流しや風呂釜、トイレから悪臭を放ちながらボコリボコリと下水が噴出しました。
 駆け出しの区議だった私が現地にかけつけたとき、停電した暗闇の中、必死で水をかきだす少女から「私たちの生活どうなっちゃうんですか」とうったえられ、押し寄せる大量の下水を前に無力感におそわれたことを今でも覚えています。
 都市型水害は人災です。急速なオフィス整備や宅地化、アスファルト舗装が、地面に雨水をためる機能を失わせる一方、ヒートアイランド現象を助長し、ゲリラ豪雨が頻発するようになりました。これに対して、雨水処理機能が十分に追いついていないのです。
 都は「豪雨対策基本方針」を策定し、河川改修や下水道整備を進めるとともに、道路の浸透舗装、雨水浸透ますの設置など雨を一時的に貯めたり、地下に浸透させたりする「流域対策」等、「総合治水対策」を進めてきました。
 流域対策は、豪雨による雨水が瞬発的に下水や河川に流出する時、タイムラグをつくりだし、下水の急激な圧力上昇を抑える効果を持ちます。さらに地下水の涵養を通してヒートアイランド現象をやわらげる効果も注目を集めています。

Q1、知事は、昨年、私の地元杉並区の成田西にある調節池建設現場などを訪れ、水害対策の視察を行いましたが、首都の水害防止にむけた都知事の決意を伺います。

Q2、また、下水や河川の整備とともに、下水や河川に雨水を急に流さない流域対策、浸水した場合の被害を軽減する家づくり・まちづくり対策を合わせた「総合治水対策」の重要性について、都の認識をうかがいます。

 これまで総合治水対策については、都と関係区市町村で、総合治水対策協議会をつくって対策を進めてきました。とくに2005年9月の杉並区を襲った豪雨を一つのきっかけとして都が策定した「豪雨対策基本方針」にもとづき、豪雨や水害が頻発している河川ごとに流域豪雨対策を策定してきました。

Q3、それでも豪雨水害が増加する中、都は2014年6月に豪雨対策基本方針を改定し、目標や対策を強化しています。しかし改定から4年も経とうというのに、流域ごとの豪雨対策計画の方は今も改定されていません。流域ごとの改定は現在、どのように進められているのですか。改定を急ぐべきですがいかがですか。

Q4、区市町村では、下水や河川に雨水を急激に流さないために様々な対策を重ねてきました。例えば練馬区では、年間1万3千㎡もの透水性舗装を行い、浸透型トレンチ管や雨水浸透マスの設置も大規模に整備しており、これまでの対策量は、このほど30億円をかけて完成する杉並区の成田西調節池3万5千㎥の13個分以上にもなります。

 都市整備局が所管する総合治水対策の補助事業の予算は、2016年度でみると自治体向けと個人向けあわせて1億円にしかならず、執行額は6千万円しかありませんでした。東京都が行う自治体向けの補助制度は、地域を限定の上、貯水量が300㌧以上でないと補助金が出ないため、区の担当者は使い勝手が悪いと言っています。貯水量の基準を利用しやすいレベルに引き下げるなど、自治体が行う施策への補助制度を抜本的に拡充すべきと考えますが、答弁を求めます。

Q5、都が昨年12月に東京都管理河川の氾濫に関する減災協議会を発足させたことは重要です。減災協会においても総合治水対策を課題にあげ、広域的な視点から抜本的な拡充をはかるべきだと考えますがいかですか。

二、建設労働者への支援について

 次に建設労働者の労働環境の改善についてお尋ねします。
 いま日本の建設産業は大変な危機的状況にあります。国土交通省も「若年が大きく減少する一方、高齢化が進み、このままでは熟練工から若手への技能承継がなされず、将来の建設産業自体の存続が危惧される状況」と警鐘を鳴らしています。国は、若者が建設業を避ける一番の理由に、全産業の平均を26%も下回るような給与水準の低さをあげています。
 建設産業で親方をしている私の友人は、人手不足に苦しんでいました。どうしても低賃金で重労働…しばらく若い社員を探していて、ようやく数名の社員を抱えるようになった今も忙しい。持病の膠原病に不安を抱えつつ、休まず働く中、体調を崩し、先日、8か所ものくも膜下出血の痕跡が見つかりました。血圧を下げる薬を飲みながら、それでも休めず働いています。

Q1、都知事は日本および東京都の建設産業の担い手不足についてどのように認識していますか。あわせて、東京のまちづくりにとってかけがえのない、本来はやりがいに満ちた建設産業の魅力を高めるため、労働環境の改善や若手人材育成への支援などについて都知事の意気込みを伺います。

 そのなかで、先日、建設産業労働者の労賃の積算額となる設計労務単価が2・4%引きあがり6年連続でトータル40%以上上昇していることは重要です。しかし、実際の賃金はそれに見合ってあがっているでしょうか。
 昨年の都議会で都は、設計労務単価は実態調査にもとづいて算出されているので、現場を反映した数字ですと答弁されました。しかし、おひざ元の東京五輪の建設現場の実態はどうでしょうか。都内の建設関係の労働組合が調べた五輪関連施設建設の実態調査をみて驚きました。
 新国立競技場、武蔵野の森スポーツ施設、東京ビックサイトの3か所の調査では、2016年の調査時、設計労務単価は16職種平均で2万4千円程となっているにもかかわらず、労賃は1万6千円以下という労働者が6割強を占めていたのです。

Q2、東京都発注公共事業の現場で、実態調査にもとづいて算出された設計労務単価と、民間団体による現場調査の実態に大きな開きがあることについて、都は把握していますか。少なくとも事業者団体との意見交換会などの場で、賃金の実態などについて聞き取りを行うべきではありませんか。

Q3、私は、区議会議員のとき杉並区で、建設労働者といっしょにこの開きを改善するよう何度も追及し、杉並区はとうとう事業者へのアンケートを開始しました。
 神奈川県では、県発注した工事及び一般業務委託にかかわる賃金実態調査を行っていますが、2016年度実態調査でも、設計労務単価に対し、賃金はおおむね8割程度、ひどい場合は、5、6割程度にすぎなかったことが明らかになっています。他県でこのように設計労務単価と公共事業の乖離が出る結果が出ているのですから東京都としても、実態調査を行うべきだと思いますがいかがですか。

Q4、国自身が「公共工事設計労務単価には賃金以外の必要経費が含まれておらず、労働者の雇用に伴い必要な賃金以外の経費を含んだ金額」と誤解される恐れがあると認めています。こうした指摘に対し、都はどのように対応しているのですか。

Q5、働き甲斐のある人間らしい労働環境をつくることも重要です。ところが東京都が深く関わる2020年東京五輪の建設現場では、深刻な事故が相次いでいます。新国立競技場の事業場において、23歳の青年が、実に月212時間の時間外労働という非人間的な働き方によって過労自殺し、今年1月にも晴海の選手村で31歳の青年がクレーンの旋回中に挟まれて命を落とす痛ましい事故が発生しました。
 今、働きがいのある人間らしい仕事=ディーセントワークという言葉が重視されています。東京五輪から建設産業の労働環境は変わったといわれるような、レガシーを構築すべきだと思いますがいかがですか。

三、環境アセスメントについて

 最後に、豊洲新市場建設をめぐる環境アセスについてお伺いします。

Q1、環境アセス条例によると、計画変更は事前に届けを出すことが62条で定められています。ところが豊洲新市場計画では土壌汚染対策として環境影響評価書に盛り込まれた盛土が行われず、変更届けも出ていませんでした。昨年11月の環境建設委員会でこれを質された都環境局は、条例違反だと初めて認めました。
 都のアセス条例91条は、「この条例に定める手続きの全部又は一部を行わなかった」とき、事業者から意見を述べ、証拠を提示する機会をあたえ、その意見に正当な理由がないと認める場合は、その事実を公表しなければならない、としています。
 ところが東京都環境局は、中央卸売市場から速やかに変更手続きを提出したいという意向が示されたのだから、公表により手続きの確実な遂行を担保しようとする条例の趣旨に照らせば91条を適用しなくていいとおとがめなしの態度をとりました。91条の手続きにもとづく公表はもちろん、聞き取りすらしていません。
 しかし、環境アセス条例は知事の責務として、都民の健康で快適な生活を確保するため、「この条例に定められる手続きが適正かつ円滑に行われるよう努めなければならない」としています。条例は、環境局が言うように「確実に遂行」すなわち「円滑に」行われればいいのではなく、「適正に」行うことを求めているのです。
 知事は、豊洲新市場建設で盛り土なしという環境影響評価書と異なる工事を行ったにもかかわらず、変更の届け出を放置し、ことが発覚してからようやく変更届けを出されたことを、アセス条例に即して「適正」だと考えますか。
 もし適正でないにもかかわらず、公表はもちろん、聞き取りすら行われないのは、知事にアセス手続きが適正かつ円滑に行うことを求めるアセス条例の精神に反するのではありませんか。昨年12月の所信表明演説でアセスの「適切でわかりやすい運用を行う」決意を示した知事としてお答えください。

答弁

○知事(小池百合子君) 原田あきら議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、水害対策についてのお尋ねがございました。
 近年、全国各地で集中豪雨が頻発いたしております。東京におきましても、水害に対する備えは欠かせません。
 昨年の夏、神田川・環状七号線地下調節池などを視察いたしまして、都民の生命、財産、そして首都機能を守るためにこうした施設が重要であるということを、改めて認識したところでございます。
 都は、豪雨対策を総合的に推進するための基本方針を策定いたしておりまして、これに基づいて、河川や下水道に加え、雨水流出抑制施設の整備を着実に推進するとともに、降雨や水位を初めとする情報提供の充実などを図っているところでございます。
 今後とも、こうしたハードとソフトの両面からの施策を推進いたしまして、東京の防災力を高め、都民が安全・安心に暮らせるセーフシティーの実現を加速いたしてまいります。
 建設業における担い手の確保についてのご質問でございます。
 生産年齢人口が減少し、労働市場が逼迫する中で、若者のものづくり離れや、休み方を重視する価値観の変化などもございまして、建設業界におきましても、人手不足が大きな課題となっております。一方で、働きやすい環境へと改善を図ることによって、かつては男性中心であった現場で女性が活躍している企業も見られます。
 そこで、都といたしまして、業界のイメージアップにみずから取り組む事業者団体への支援であるとか、女性の職域拡大を目的として、労働環境整備を進める企業を支援いたしております。
 また、若者等を対象といたしまして、仕事のやりがいや職場の魅力を広報冊子やウエブサイトで発信をし、また、将来を担う若手人材を育成する職業訓練を実施いたしておりまして、今後も業界のニーズを踏まえて進めてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、建設業界を初めとする東京の産業の魅力を高めて、都内経済の発展を後押ししてまいります。
 三点目でございます。豊洲新市場の環境アセス手続についてのご質問でございます。
 あれは私が知事に就任して間もなくでした。建物下に盛り土が行われなかったことを公表いたしまして、その後、変更届を提出することを速やかに表明をいたしました。
 変更届を提出せずに工事を実施したことにつきましては、環境影響評価条例に違反をしており、遺憾でございます。
 この条例は、対象事業の環境影響評価を適切に行うということを担保するために、手続を定めた条例でございます。これまでの経緯及び条例の法的な性格に鑑みまして、条例九十一条を適用する必要性は乏しいと判断をしたものでございます。
 なお、変更届につきましては、平成二十九年の八月に、東京都環境影響評価審議会へ報告をいたしております。
 その他のご質問は、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監邊見隆士君登壇〕

○東京都技監(邊見隆士君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、総合治水対策の重要性についてでございます。
 水害に対する安全を確保するには、河川や下水道の整備を推進することが重要でありますが、これに加えて、地表からこれらの施設に雨水が流出することを極力抑制する、いわゆる流域対策のほか、止水板の設置などを行う家づくり、まちづくり対策などをあわせて行うことが、一層の効果を上げるものと認識をしてございます。
 次に、豪雨対策計画の改定についてでございます。
 都は、土地利用や過去の浸水被害状況など、地域の特性に応じた対策を推進するために、流域ごとに豪雨対策計画を策定してございます。
 平成二十六年に改定した東京都豪雨対策基本方針において、豪雨対策の目標を、時間五十ミリから、区部で七十五ミリ、多摩部で六十五ミリに引き上げており、これに伴って、現在、関係区市とともに計画の改定作業を進めてございます。
 具体的には、豪雨対策を強化すべき九流域について、都及び区市町村で構成する総合治水対策協議会の中に、流域ごとに部会を設けて検討を行ってございます。
 関係者との調整が整った神田川流域と石神井川流域について、年度内に新たな計画を策定する予定でございます。
 最後に、区市に対する補助制度の拡充についてでございます。
 雨水流出抑制対策を強化するため、都は平成二十七年度から、区市が一時貯留施設等を設置する場合、その工事費に対する補助を行ってございます。この制度を活用して、これまでに二区二市が、学校や公園、道路下に施設を設置しており、さらなる設置の促進を図るため、来年度、補助対象要件を緩和して、区市の取り組みを一層支援していく予定でございます。
〔建設局長西倉鉄也君登壇〕

○建設局長(西倉鉄也君) 減災協議会の拡充についてでございますが、水害から都民の命と暮らしを守るためには、河川整備等のハード対策に加えまして、住民の避難等に資するソフト対策を進めることが重要でございます。
 都は、洪水氾濫による被害の軽減を目的といたしまして、区市町村等と連携し、平成二十九年十二月に東京都管理河川の氾濫に関する減災協議会を設置いたしました。本協議会では、氾濫危険情報を直接区市町村長に迅速に伝える仕組みや、要配慮者利用施設等における避難計画作成の支援など、喫緊の課題への取り組みを進めてまいります。
 また、総合治水対策につきましては、河川や下水道の整備に加えまして、流域対策の計画的な推進等を図ります東京都総合治水対策協議会などを通じまして、関係各局や区市町村が連携して進めてございます。
 引き続き、各協議会の目的に応じまして、取り組みを着実に推進し、水害対策に全力で取り組んでまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 公共工事関連の三問のご質問をいただいております。
 まず、建設労働者の賃金実態についてでございますが、賃金の実態は、全国ベースで国が実施いたします公共事業労務費調査において調査されておりまして、その結果は東京都としても把握をしております。
 また、東京都は昨年度、改正品確法の理念であります中長期的な人材の確保、育成、定着をテーマに設定いたしまして、事業者団体との意見交換会を開催いたしました。そこでは、都が取り組んでまいりました設計労務単価の引き上げに対しまして、建設労働者の賃金改定や下請契約への反映などの対応につきまして、事業者団体から報告を受け、今後の改善に向けた取り組みについて両者で意見交換を行っております。
 引き続き、こうした取り組みを通じまして、建設労働者の賃金実態の把握に努めてまいります。
 次いで、建設労働者の賃金調査についてでございますが、国が実施する公共事業労務費調査では、都の発注工事を含む土木工事現場の賃金の支払い実態を調べ、都道府県別に労務単価を決定しております。
 具体的には、職種ごとに、経験年数、支払い額、法定福利費などについて、労働基準法に基づく賃金台帳等から調査票へ転記しておりまして、この調査には賃金実態が適切に反映されていると認識をしております。
 実際の賃金は、各企業におきまして、対等な労使間での交渉等により自主的に決定されるものでありまして、経験、技能など個人の能力によっても異なってまいります。同職種でありましても一律となるものではないと考えております。
 引き続き、建設労働者の賃金の全体の動向につきましては、公共事業労務費調査などを通じて把握をしてまいります。
 最後に、建設労働者の雇用に伴う必要経費についてでございますが、国は、公共工事設計労務単価と労働者の雇用に伴う必要経費を含む金額、この二つを並列表示いたしまして、労務単価には必要経費が含まれないということを明確化しております。
 東京都は、公共事業労務費調査の対象工事の事業者に対しまして、労務単価は労働者に支払われる賃金に係るものとして設定した単価であり、法定福利費の事業者負担額などが含まれていないということを説明しております。
 また、発注工事の現場におきましても、労務単価に関するポスターを掲示するなど、公共工事設計労務単価が適切に取り扱われるよう、周知徹底を図っているところでございます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 建設産業の労働環境についてでありますが、東京二〇二〇大会に向けて、安全で適正な労働環境の確保に配慮し、準備に取り組むことは重要であります。
 このため、都は、組織委員会が策定いたします持続可能性に配慮した調達コードの検討に加わりまして、その中で、適正な労働環境の確保が推進されるよう取り組んでまいりました。
 また、都の契約制度には、調達コードの趣旨の多くが既に盛り込まれておりますが、競技施設の建設を初め、大会準備に当たっては、調達コードの遵守に向けた取り組みを求めるなど、適正な労働環境の確保等を事業者に働きかけていくこととしております。
 今後も、大会準備において、労働環境の確保を含めた持続可能性に配慮した取り組みを推進してまいります。