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質問・条例提案

2017.10.05

10月5日 本会議 いび匡利都議の討論(全文)

10月5日の本会議で、いび匡利議員(北多摩第三選出)が討論を行いました。

★2017年都議会第3回定例会 討論全文(原稿)です。


 日本共産党都議団を代表して、知事提出の第132号議案ほか4議案に反対、その他の議案に賛成し、2つの議員提出議案に賛成する立場から討論をおこないます。

 まず、日本共産党都議団が提案した議員提出議案第16号、東京都小中学校給食費の助成に関する条例です。本条例案は、都内公立学校に通う小学生と中学生、特別支援学校の小学部、中学部に在籍する児童・生徒の学校給食費の一部を助成するものです。
 憲法第26条は、すべての国民の教育を受ける権利を保障し、義務教育の無償化を明記しています。しかし、実際には無償の内容は限定されており、小学校では、給食費は学校教育にかかわる保護者負担の4割を占めています。
 子どもの貧困が深刻な社会問題となり、朝食をとっていない子どもが少なからずいるなかで、学校給食の役割は、子どもの食のセーフティネットとしても重要です。
 すでに全国83の市町村で、無償化に踏み出しています。こうした中、先の都議選では、公明党、自民党、民進党が小中学校の給食の無償化を公約しました。政府も公立小中学校の給食の無償化に関する全国調査を始めています。
 わが党が提案した条例案は、月額1000円を助成するもので、現実的な提案であり、全国に先駆けて都道府県初の助成条例が実現すれば、無償化への大きな一歩につながるものです。みなさんの賛同を心から訴えます。

 委員会審議で都民ファーストの会は、予算をともなう議員条例は審議すべきものでないと発言しました。その根拠として地方自治法第112条、149条を示しましたが、これは予算編成権が知事にあることを規定しているだけで、議員の予算をともなう条例提案権を否定するものではありません。
 都民ファーストの会の都議選公約のトップには、「条例や政策をつくる議会へ」と明記され、明らかに予算をともなう条例制定がいくつも公約されています。都民ファーストの会の発言は、自らの公約に逆行し、議会の権能をせまくするものであることを指摘しておくものです。

 次に、議員提出議案17号、東京都子どもを受動喫煙から守る条例です。
 健康に悪影響があることが明白な受動喫煙から子どもを守ることは重要な課題であり、大人の責任です。家庭内への法規制は慎重であるべきですが、児童虐待もDVも、かつては私的な領域であるとされ法規制が進まない中で、深刻な事例が相次ぎ、社会問題化し、いずれも防止法が制定された経緯があります。
 同時に現行法では喫煙が合法とされている下で、本条例に罰則規定がなく、通報制度などにより住民同士で監視し合うような規定もないことは適切です。本条例の実効性は、都民的議論が広がり、都民の理解と協力によってこそ担保されると考えます。
 一方、わが党の質疑で明らかにしたように、条文にある「広場等」の定義や、「その他これらに準ずるもの」の範囲が明確でなく、努力義務の範囲も明確でないなど問題点も少なくありません。しかし、いずれも都民に不利益がおよぶものではないため、本条例には賛成するものです。

 さて今議会は、都議選後初めての定例会でしたが、小池知事による都政の重大な問題点や公約違反が浮き彫りになりました。
 まず、市場移転問題です。
 今定例会直前、豊洲新市場の地下水から環境基準の120倍のベンゼンをはじめ、猛毒のシアン化合物、ヒ素などの有害物質が検出されました。ところが小池知事は、この事実にほおかむりし、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民との約束を反故にして、早期移転の取り組みを加速させると表明しました。
 これに対しわが党は、「都民の食の安全と安心を守ります」という都議選での知事と都民ファーストの会の公約を示して、有害物質が検出されているなか移転を進めるのは公約違反ではないかとただしましたが、知事は否定することができませんでした。
 知事は都議選前、「築地は守る」「市場としての機能を確保する」と約束しましたが、今定例会で設置が発表された有識者による築地再開発検討会議の目的に、こうした立場は盛り込まれていません。知事は、事業者とのオープンな場を設けて検討すると約束していましたが、検討会議のメンバーに市場業者は入っていません。
 また知事は都議選前、「業者の皆様の信頼を回復するよう徹底的に努力する」と約束しました。ところが、仲卸業者でつくる築地女将さん会が8月23日に知事に提出した公開質問状に、いまだに回答していません。同会は質問に回答もしないで移転を急ぐ知事の姿勢を批判しています。わが党は、小池知事が公約、都民への約束を守るよう、きびしく求めるものです。

  知事が、関東大震災における朝鮮人虐殺への追悼文を中止した問題も、重大です。虐殺の事実を認めるかどうかを質したわが党に、知事は虐殺の史実さえ「歴史家がひもとくもの」という答弁を繰り返しました。
 関東大震災における朝鮮人虐殺があった事実を否定する歴史家はいません。にもかかわらず虐殺の事実を認めようとしない知事の姿勢はとうてい許されないことを、きびしく指摘しておきます。

 日本共産党都議団は、都議選公約実現の立場から、積極的に提案し、都民の要求実現のために奮闘しました。
 わが党は、年金で入れる特別養護老人ホームの増設、用地取得補助制度の再開などを求めると同時に、低所得高齢者の住宅の確保などについて提案しました。知事は、特養ホームの役割の重要性を認めるとともに、高齢者などの入居を断わらない賃貸住宅登録制度や住宅セーフティネット機能の強化で、居住の安定を実現すると答弁しました。
 保育・介護・障害者福祉にたずさわる職員の給与改善、職員配置基準の改善・増配置を求めたわが党の質問に、知事は、子ども、高齢者、障害分野の計画の中で人材対策の推進を柱にして具体的な施策を盛り込むと表明し、また教員の多忙化対策を求めたわが党の質問に、具体的プランを策定すると答弁しました。
 一方、高すぎる国民健康保険料()の引き下げに都が責任を果たす姿勢は示されませんでした。
 さらに、五輪経費削減について都が主導して取り組みを促進すると、知事は答弁しました。
 「多摩格差ゼロ」の公約実現を小池知事にせまったわが党の質問で、多摩格差の存在を再度認め、その削減に努力をしていると知事が答弁しました。
 日本共産党都議団は、都民のくらし・福祉最優先の都政への改革、都議会の改革に向け、ひきつづき全力をつくすものです。

  日本の命運のかかった総選挙の公示が目前にせまっています。今回の総選挙では、憲法をないがしろにする安保法制、共謀罪、秘密保護法を強行し、森友・加計疑惑に見られる国政私物化など安倍自公政権の是非が問われています。
 知事が、この定例会中に自ら立ち上げ、代表になった希望の党も、安保法制容認と改憲を政治的主張のカナメだとしています。これでは安倍政権との対決軸どころか、自民党の補完勢力と言わなければなりません。
 いま都政には、市場移転、五輪問題、少子高齢社会対策など課題が山積しています。その中で、小池知事が都政に集中して取り組むことなく、国政政党の代表として総選挙にまい進していることに、都民から疑問や批判の声があがっているのは当然のことです。
 最後に、日本共産党は今度の総選挙で、安倍政権に退場の審判を下し、くらしと憲法を守る新しい政治を実現するために、市民と野党の共闘の旗を高く掲げてたたかいぬく決意を表明し、討論とします。