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質問・条例提案

2017.10.05

2017年第3回定例会を終えて(談話)

2017年第3回定例会を終えて

2017年10月5日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子

 都議選後最初の定例会でしたが、小池知事による都政の重大な問題点や公約違反が、鮮明になりました。その中でもわが党は19人に躍進した力を大いに発揮し、公約実現、都民のくらし・福祉充実のために全力をつくし、貴重な前進をつくることができました。

1 小池知事による都政の重大な問題点・公約違反が鮮明に

① 豊洲新市場への移転推進は知事の公約違反

今定例会直前、豊洲新市場の地下水から環境基準の120倍のベンゼンをはじめ、猛毒のシアン化合物、ヒ素などの有害物質が検出されました。ところが小池知事は、この事実にほおかむりし、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民との約束を反故にして、早期移転の取り組みを加速すると表明しました。
これに対しわが党は、「都民の食の安全と安心を守ります」という都議選での知事と都民ファーストの会の公約を示して、有害物質が検出されているなか移転を進めるのは公約違反ではないかとただしましたが、知事は否定することができませんでした。
知事は都議選前、築地市場について「築地は守る」「市場としての機能を確保する」と約束しましたが、今定例会で設置が発表された有識者による築地再開発検討会議の目的に、こうした立場は盛り込まれていません。知事は、事業者とのオープンな場を設けて検討すると約束していましたが、検討会議のメンバーに市場業者は入っていません。
また知事は都議選前、「業者の皆様の信頼を回復するよう徹底的に努力する」と約束しました。ところが、仲卸業者でつくる築地女将さん会が8月23日に知事に提出した公開質問状にいまだ回答していません。同会は、質問に回答もしないで移転を急ぐ知事の姿勢を批判しています。
わが党は、小池知事が公約、都民への約束を守るよう改めてきびしく求めるものです。

② 朝鮮人虐殺の史実を認めない知事の姿勢は許されない

関東大震災における朝鮮人虐殺への追悼文送付中止問題について、わが党が、虐殺の事実を認めるかどうかを質したのに対し、知事は虐殺の史実さえ「歴史家がひもとくもの」という答弁を繰り返しました。関東大震災における朝鮮人虐殺があった事実を否定する歴史家はいません。にもかかわらず虐殺の事実を認めようとしない知事の姿勢はとうてい許されません。

2 くらし・福祉充実に全力、貴重な前進

① 小中学校の給食費助成条例を提案

わが党は、都内の公立小中学生、特別支援学校の小中学部に在籍する児童・生徒の学校給食費の一部を助成する条例を提出しました。
給食費は、小学校では学校教育にかかわる保護者負担の4割をしめており、子どもの食のセーフティネットとしても重要です。しかし、都民ファーストの会、公明党、自民党、民進党などの反対で否決されました。
審議で都民ファーストの会は、予算編成は知事の専権事項だから、予算を伴う議員条例は審議すべきものでないと発言しました。都民ファーストの会は都議選で、「都議会改革」「条例をつくる議会へ」と公約しましたが、この公約に逆行し、議会の権能をせまくする暴論と言わねばなりません。

② 高齢者福祉、待機児童解消、福祉人材対策充実、国保料(税)軽減などを提案

わが党は、年金で入れる特別養護老人ホームの増設、用地取得補助制度の再開などを求めると同時に、低所得高齢者の住宅の確保などについて提案しました。知事は、特養ホームの役割の重要性を認めるとともに、高齢者などの入居を断わらない賃貸住宅登録制度や住宅セーフティネット機能の強化で、居住の安定を実現すると答弁しました。
保育・介護・障害者福祉にたずさわる職員の給与改善、職員配置基準の改善・増配置を求めたわが党の質問に、知事は、子ども、高齢者、障害分野の計画の中で人材対策の推進を柱にして具体的な施策を盛り込むと表明し、また教員の多忙化対策を求めたわが党の質問に、具体的プランを策定すると答弁しました。
また、シルバーパスの負担軽減などの改善を求めたわが党の質問に知事が、シルバーパスの見直しに言及し、待機児童解消では公立保育園の活用に言及しました。一方、高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げに都が責任を果たす姿勢は示されませんでした。

③ 五輪経費削減、多摩格差解消で重要答弁

五輪経費削減について知事は、都が主導して取り組みを促進すると答弁しました。
「多摩格差ゼロ」の公約実現を小池知事にせまったわが党の質問に知事は、多摩格差の存在を再度認め、その削減に努力をしていると答弁しました。

3 安倍政権退場へ、市民と野党の共闘で全力をつくします

安倍政権は、党利党略の臨時国会冒頭解散をおこないました。今回の総選挙では、憲法をないがしろにする安保法制、共謀罪、秘密保護法を強行し、森友・加計疑惑など国政を私物化してきた安倍自公政権の是非が問われています。小池知事が、この定例会中に自ら立ち上げ、代表になった希望の党も、安保法制容認と改憲を政治的主張のカナメだとしています。これでは安倍政権との対決軸どころか、自民党の補完勢力と言わなければなりません。
いま都政には、市場移転、五輪問題、少子高齢社会対策など課題が山積しています。その中で、小池知事が都政に集中して取り組むことなく、国政政党の代表として総選挙にまい進していることに、都民から疑問や批判の声があがっているのは当然のことです。
日本共産党は今度の総選挙で、安倍政権に退場の審判を下し、くらしと憲法を守る新しい政治を実現するために、市民と野党の共闘の旗を高く掲げてたたかいぬきます。

以上