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2017.09.05

【談話】2017年第2回臨時会を終えて

2017年第2回臨時会を終えて

2017年9月5日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子

 今臨時会では、小池知事が6月20日に発表した市場移転問題に関する「基本方針」を具体化する補正予算案が審議されました。この補正予算案は、土壌も地下水も環境基準以下にするという方針を撤回して、豊洲新市場への早期移転を進めるものです。19人に躍進したわが党は、都議選での公約をふまえて反対の立場で奮闘しました。そして知事の方針が「食の安全・安心」を保障せず、豊洲移転に何の道理もないことを浮き彫りにさせました。わが党と生活者ネットなどが補正予算案に反対しましたが、都民ファーストの会、公明党、自民党、民進党などの賛成で可決されたことはきわめて重大です。引き続き、食の安全・安心を最優先にする立場から、豊洲新市場への移転を中止し、築地市場を現在地で再整備することを求めて力を尽くすものです。

1 「無害化」方針の撤回は許されません

土壌も地下水も環境基準以下にする、いわゆる「無害化」が豊洲新市場を開場する前提条件であることは、都議会の付帯決議であるだけでなく、都自身が繰り返し都民と市場業者に約束してきたことです。ところが知事は、約束が果たされていないことを認めながら、「より現実的」な「新たな方針」に変更すると言って、この大事な約束を放棄しました。一方知事は、「食の安全・安心確保が最優先」と答弁しましたが、「無害化」方針を撤回して食の安全・安心が確保できるのか、という質問には答えることができませんでした。

豊洲新市場は東京ガス工場の跡地であり、深刻な土壌汚染地です。土壌も地下水も環境基準以下にするという約束の実現なしに、生鮮食料品をあつかう卸売市場を開場することは許されません。

2 追加対策で食の安全・安心は確保できません 

知事が、「より現実的」な「新たな方針」だとして補正予算案に盛り込んだ追加対策が、地下水管理システムの機能強化と、「盛り土」がなかったことに代わる地下空間対策です。

地下水管理システムは、汚染された地下水で「盛り土」が汚染されないようにするものですが、本格稼働して10カ月が経つのに、地下水は目標の水位まで下がっていません。ところが都は、その原因も解明できておらず、追加対策で地下水が目標の水位に下がる確信ももっていないことが、質疑を通して明らかになりました。

「盛り土」に代わる対策は「換気と地下ピット内のコンクリート打設」ですが、揮発性ガスの地下空間内への侵入を減らすことはできても、完全に遮断するものではないことが明確になりました。

そもそも豊洲新市場の土壌や地下水に、どれほどの汚染が残っているかの検証もされていないことも、明らかになりました。

知事は、「専門家会議」が提言した対策だから間違いないと繰り返し答弁しましたが、「専門家会議」は石原元知事が設置し、いっかんして豊洲移転にお墨付きを与える役割を果たしつづけてきました。しかも、メンバーはわずか3人です。この分野の多くの専門家からは、追加対策へのきびしい批判や疑問が出されています。ところが知事は、こうした多くの専門家の意見に耳をかたむける姿勢は示しませんでした。

3 豊洲新市場の大量のカビ発生の原因究明が必要です

8月15日に発見された豊洲新市場内96店舗でのカビの大量発生は、生鮮食品を扱う市場としてあってはならない深刻な問題です。都民に驚きと不安の声が広がり、市場関係者の不信感に拍車をかけています。都は、わが党の質問に対し「カビは衛生上問題」があると認めました。なぜカビが大量発生したのか、原因究明をきちんと行うべきです。

4 民間主導の再開発では「築地ブランド」は守れません

都議選直前の「基本方針」発表の際、知事は「築地は守る」「売却せずに市場としての機能を確保するための方策を見出していきたい」と明言しました。この言葉に希望を持った市場関係者は少なくなかったはずです。

しかし、今回の臨時会で知事が強調したのは「民間主導による築地再開発」で、「築地ブランド」を守る具体的な方策は何一つ明らかになりませんでした。「築地ブランド」は、築地市場の仲卸の目利きなど、築地市場で働く事業者の方々の日々の努力で培われてきたものであり、市場としての機能をしっかり確保することなしに成り立ちません。

しかも、歴史的文化的価値が高いと評価されている築地市場を、オリンピックの輸送拠点・駐車場にするために更地にするとの方針を、知事は表明しました。これは、都民生活との調和を前提にするオリンピック・パラリンピックのあり方にも反します。環状2号線の完成をオリンピックに間に合わせるために市場移転を急がせるようなこともあってはならないことです。

5 市場業者の合意が前提と表明しない知事の姿勢は許されません        

質疑を通し、知事の「基本方針」にも、補正予算案にも、市場業者の合意が得られていないことが明らかになりました。実際に多くの市場業者の方々から知事の方針への怒りの声があがっています。市場の開設者は東京都ですが、市場を運営するのは業者のみなさんであり、市場業者の合意形成は欠かせません。ところが知事は「理解を求めていく」「ていねいに説明する」と言うだけで、「合意が前提」との立場を表明しませんでした。市場業者の合意を得ない「基本方針」、補正予算による豊洲移転の推進は許されません。

6 都民の負託にこたえ、議会のチェック機能を果たすことが必要です

日本共産党都議団は、十分な審議時間を確保するとともに、予算特別委員会の設置をはじめ知事との一問一答の審議、市場関係者などの参考人招致を求めてきましたが、実現しませんでした。都議選でも大争点となった市場移転問題は、広く都民に開かれた形で、徹底した議論を行うことが求められていました。

ところが都民ファーストと公明党が、その実現に背を向けたことは重大です。先の都議選で、都民の多数の支持を得た都民ファーストが掲げた「東京大改革」とは何だったのかが問われる重大な事態です。また、自民党、民進党も結局は知事提案の補正予算に賛成しました。

わが党は、小池都政に是々非々の立場ですが、今回の問題ははっきり「非」の立場で、チェック機能を果たすため奮闘しました。都民の願いに応える都政、都議会実現のために引き続き全力をあげるものです。

以 上