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質問・条例提案

2016.06.02

知事の「視察」の名による美術館めぐりの実態について

知事の「視察」の名による美術館めぐりの実態について

 

                      2016年6月2日
                      日本共産党東京都議会議員団

 舛添知事の日程予定表(2015年3月~2016年4月)では視察と記載された行動が55回あり、そのうち美術館、博物館の視察は39回ありました。

 1年間で55回の視察のなかで、保育や介護施設など福祉の現場への視察は一度もなく、文化分野でも他のジャンルはなく、美術だけが39回、そのうち12館(都立施設除き)は2回以上訪問しているのです。

 知事は5月27日の記者会見でその目的などについて聞かれ、オリンピックにむけ時間延長や共通チケット券などを要請し意見を聴取することだと説明しました。あわせて「いろいろなケース」があるとして、目的以外の視察もあったことを認めています。

 日本共産党都議団は、美術館、博物館視察のうち、都立施設(6回)や知事自身が目的などを説明した展覧会(3回)を除いた、30回の視察について訪問と電話による聞き取り調査を行いました。その結果、以下の事実が明らかになりました。

 7回はオリンピックへの協力などの話はなかった

 調査の結果、7回は、オリンピックへの協力要請はなく、作品の鑑賞のみだったとの回答がありました。とりわけ、視察として3回も訪問した太田記念美術館では「3回とも知事からの協力要請はなかった」と回答しています。またオリンピックの話はあったが懇談はわずか5分であったとか、作品を鑑賞しながらの話しだったなど、鑑賞が主だったとしか思えないケースもありました。

 浮世絵などに偏重した視察

 視察した展覧会は、浮世絵など特定の分野や作家に偏重していることが浮きぼりになりました。3回訪問し要請をしなかった太田美術館は浮世絵専門館であり、39回の視察のなかで浮世絵展は7回ありました。3月17日には2か所の「勝川春章」展を「視察」していますが、2か所とも「協力要請」はなかったと話しています。
 東京芸大美術館の「うらめしや~冥土美術館」を見た日の「ツィート」で、知事は次のように書き込んでいました。「『うらめしや~冥土のみやげ』展 東京芸大美術館で見た。…私の好きな北斎、国芳、芳年、暁斎も、もちろん参加している幽霊のパレード。怖いが楽しい。能面と対峙するとよい。9月13日が最終日、ご覧あれ」
 これらの事例は、知事の個人的な趣味や関心にそった展覧会を「視察」と称して鑑賞したものであることが明らかです。

 2回目も館からの要請でなく知事からの希望で視察

 知事は同じ美術館に2回行くことについて、美術館から「お招きいただくことがほとんど」と記者会見で説明しましたが、調査した限りでは、多くは「都からの要請」や「都の依頼」で知事訪問を受け入れたとの回答でした。

公務といいがたい視察も生活文化局を動員

 39回の視察のうち文化振興を所管する生活文化局がかかわった視察は31回でした。しかし局が訪問先を提案するのでなく、すべて訪問先は知事からの指示でした。そして局は知事の指示にもとづいて、先方への受入れ要請や、当日の受入れ準備などにあたっています。公務というより知事の個人的趣味によるといわざるをえない視察まで、都の職員を動員し、公用車を使用しています。

職務でも公私混同の逸脱

 このように、名目はオリンピックにむけた取り組みであったとしても、同じ美術館を何度も訪問し、鑑賞だけだった視察もあり、文化分野のなかで他ジャンルの視察はないことを見ると、職務においても自分の興味や関心を優先した公私混同として厳しく指摘せざるをえません。

                                  以上

美術館等「視察」の調査結果