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質問・条例提案

2021.06.02

本会議 曽根はじめ都議(北区選出)の代表質問

2021年6月2日の本会議で、曽根はじめ都議(北区選出)が代表質問を行いました。

動画(都議会ホームページです。令和3年第2回定例会 > 6月2日代表質問をご覧ください)

★質問全文(質問原稿)です。

一、五輪中止について
二、ワクチン接種と大規模検査の促進について
三、都立・公社病院の独立行政法人化について
四、事業者への補償と支援について
五、文化・芸術への支援について
六、雇用とくらしを守る支援について
七、財政運営について
八、公明党・高倉議員の発言について 

★答弁(議事録速報版より)


日本共産党都議団を代表して質問します。

一、五輪中止について

まず、新型コロナ対策です。五つの提案をします。
第一に、この夏の五輪を中止し、コロナ対策に集中することです。

Q 緊急事態宣言が、また延長されました。
今年に入って5月末までに、緊急事態宣言は110日間、まん延防止措置を入れると123日間におよびます。
それでも感染を抑止できず、感染状況も医療提供体制も深刻です。イギリス型変異株が広がり、インド株も都内で確認されています。ワクチン接種は大きく遅れています。ところが知事は、あくまで五輪開催にこだわり、観客まで入れる方針を表明しました。
知事はこのような状況で、世界各国から10万人もの選手と大会関係者が集まる五輪大会を、7月末に本当にできると思っているのですか。
フランスの新聞ルモンドが書いたように、「変異株の祭典」になりかねないのではありませんか。

日本共産党都議団は、1月26日の申し入れ以来、この夏の五輪中止を繰り返し求めてきました。都議選の公約にも掲げました。

Q2 いまや世論は大きく広がり、中止または延期が6割から8割におよびます。知事は、どう受け止めているのですか。

大会スポンサーの朝日新聞が、社説で中止を求めるに至りました。
「社会に分断を残し、万人に祝福されない祭典を強行したとき、何を得て、何を失うのか」、菅首相も小池知事もよくよく考えるよう求めています。知事は、どう考えていますか。

Q3 知事も菅首相も、安全安心な大会にすると言いますが、公衆衛生の専門家も、五輪大会のコロナ対策が万全とは言えないことなどを指摘し、開催できる状況にはない、人命にかかわると声を上げています。知事は、五輪による感染拡大はないと断言できるのですか。

Q4 五輪大会が仮に無観客の場合でも、東京都は、代々木公園などに多くの人を集め、映像を見て盛り上げる「ライブサイト」を開催する計画です。飲食の提供も予定されています。アルコール提供については、どうなっていますか。
知事、「人流抑制」という、知事自身の方針に反しているのではありませんか。

都内の公私立幼稚園から高校までの子ども90万人を、五輪の観戦に動員しようとしていることも、不安と批判を招いています。ところが、緊急事態宣言のもとで会場を下見するなど、着々と準備を進めています。
子どもたちを、命にもかかわる感染リスクにさらすことはやめるべきです。

Q5 感染抑止のため「外出は控えて」「東京に来ないで」と言いながら、五輪のためなら正反対のことをやる。こんなことをしていたら、政治への信頼は根本から損なわれます。知事、そう思いませんか。

Q6 IОCの、命より五輪優先の発言にも批判が広がっています。
都民・国民の命を新型コロナから守る責任と、その権限をもつのは、日本政府であり都知事です。IОCは責任をとってくれません。
都民の命を守るために、今夏の五輪開催は中止を決断し、コロナ対策に集中すべきです。知事の答弁を求めます。

二、ワクチン接種と大規模検査の促進について

第二に、ワクチン接種と大規模検査の促進です。

Q1 ワクチン接種を行う医療従事者確保が切実な課題ですが、肝心の医療従事者への接種が遅れています。
都内で57万人のうち、31万人しか終わっていません。
知事、都内の医療従事者への接種を、いつまでに、どのようにして終えるのですか。

Q2 高齢者のワクチン接種も、予約がとれない、会場が遠いなど、様々な声が出ています。
都と区市町村が連携して、正確でわかりやすい情報を提供し、全世代への希望者全員に、安全、迅速、確実に行き渡らせることが必要です。知事はどう取り組むのですか。

Q3 知事が補正予算案に、ワクチン接種に専念する医療機関への支援を盛り込んだことは重要です。
しかし、接種を行う医療従事者を確保するには、集団接種に協力するため診療所を休む場合の補償をふくめ、さらなる対策が必要です。認識と対応を伺います。

Q4 大規模接種会場は、接種を進める有効な手段のひとつです。都立体育館なども活用し、医療従事者の確保や区市町村との調整を、ていねいに行いながら進めることを求めます。いかがですか。

Q5 接種会場での介助や、視力・聴覚などの障害者への合理的配慮への取り組み強化も大事な課題です。どう対応するのですか。

Q6 国産ワクチンの開発を都が支援することも重要です。いかがですか。

Q7 無症状者が感染を広げる特徴のある新型コロナを封じ込めるには、ワクチン接種と並行して、検査の徹底が必要です。
わが党は、繰り返しPCR検査などの拡大を求めてきました。都は3月末にようやく検査拡大の方針を示し、4月末には検査能力を1日9万7千件に広げました。しかし、実際の検査件数は先々週でも、1日1万6千件にすぎません。検査能力を十分に活用するとともに、さらに拡大して、大規模検査を推進すべきです。知事の見解を伺います。

大会組織委員会は、東京五輪を開催する場合、選手などに毎日、最大5万から6万件の検査をすると発表しています。これを都民のために使えば、都が確保した9万7千件とあわせて、1日15万件以上の検査能力が確保できるはずです。

Q8 「いつでも、だれでも、何度でも、無料で」検査を受けられるようにすること、福祉施設や学校、大学、保育園、職場、医療機関などの集中的・定期的な「社会的検査」を、大幅に増やすことが必要です。知事の認識を伺います。

Q9 インド型変異株かどうかを検査し、結果を公表しているのは、まだ健康安全研究センターと一部の民間検査機関だけです。国と連携し、民間検査機関を広げるとともに、変異株検査の実施率を100%に引き上げることを求めます。いかがですか。

三、都立・公社病院の独立行政法人化について

第三に、都立・公社病院の独立行政法人化を中止することです。

Q1 都内で確保しているコロナ病床約5600床のうち、都立・公社病院は2000床を占めています。
入院先の調整が難しい重症患者、透析患者、妊婦、親子や高齢者、障害者などを積極的に受け入れ、かけがえのない役割を果たしています。
知事は、都立病院、公社病院が新型コロナ対策で果たしている役割の重要性を、どのように認識していますか。

Q2 独立行政法人の東京都健康長寿医療センターは、550床のうち、コロナ病床は18床にとどまります。
症化リスクの高い高齢者の専門病院であり、その役割は重要です。
都立・公社病院と同様の位置づけで、コロナ病床を増やすことを求めますが、いかがですか。増やすためには、どのような課題があるのですか。

Q3 独法化のねらいは、都の財政支出の削減です。経営効率化が強く求められ、感染症など不採算の医療の後退につながり、現在の新型コロナ対応のようなことはできなくなります。
知事、日本と東京の医療の弱さを浮き彫りにした新型コロナの教訓に学び、都立・公社病院は独立行政法人化を中止し、拡充すべきです。答弁を求めます。

四、事業者への補償と支援について

第四に、事業者への十分な補償です。

Q1 都内の中小・小規模事業者は、いよいよ崖っぷちです。長引く人流抑制、繰り返される営業時間短縮や休業要請、外出自粛で、「もうもたない」「助けてほしい」という声が、街にあふれています。この切実な声、深刻な実態を、知事はどう受け止めていますか。自らの痛みとして肌身に感じていますか。

知事は、事業者にひたすら努力と忍耐を求め、不十分な協力金も、支給が遅れ、科学的根拠を示さず線引きして分断を持ち込んでいます。しかも、事業者を支援するどころか、罰則で脅しています。こんなやり方はやめるべきです。

Q2 今回の補正予算案には、面積規模に応じた協力金支給や、国の月次支援給付金に都独自の上乗せ・横出しをするなど、一定の改善があります。しかし、直面している事態の深刻さに見合うものではありません。
知事は、補償は国の責任だと言います。しかし、そもそも、休業要請などによる損失に対して「補償が必要」だという認識が、知事にはあるのですか。

Q3 国に対し十分な補償、および持続化給付金、家賃支援給付金の再開を求めるとともに、都独自に「中小企業応援金」を支給するなど、支援を強化すべきです。知事いかがですか。

五、文化・芸術への支援について

文化・芸術への支援にも、大きな問題があります。

5月末までの緊急事態措置では、演劇や落語などは感染対策を行ったうえで上演が可能だったのに、映画館や美術館、博物館は、科学的根拠を示さず休業要請されたことに、大きな批判が巻き起こりました。

劇団などのイベント主催者には、休業などの要請に協力しても、協力金のようなものは支給されません。
4、5月に専決した補正予算にも、今回の補正予算案にも、文化・芸術を所管する生活文化局の予算は1円も組まれていません。

Q1 知事、文化・芸術は生活を豊かにするうえで必要不可欠であり、支援を行うなど、もっと大事にすべきではありませんか。
協力した事業者には全員、協力金等を支給すべきです。知事いかがですか。

Q2 新たな事業の実施を前提としない、文化芸術団体の維持や生活を支える「特別給付金」などの支援が必要です。見解を伺います。

六、雇用とくらしを守る支援について

第五に、コロナ危機から雇用とくらしを守る支援の強化です。

Q1 コロナの影響による解雇・雇止めは、全国で累計10万5千人、東京都では2万3千人におよびます。
なかでも、不安定なシフト制などの非正規労働者に、深刻な影響が出ています。適切な補償がない休業、シフトを一方的に減らされ収入が激減した、などの実態調査を都として行い、支援を具体化すべきです。いかがですか。

Q2 国はようやく、国民健康保険料の子どもの均等割の軽減を始める方針ですが、就学前の子どもに限って、半額にするだけです。
所得のない子どもから保険料をとることに無理があります。都として前倒しで実施し、さらに負担軽減を広げることが重要です。見解を伺います。

Q3 ひとり親家庭は、困窮の度を深めています。昨年度実施した食料支援を再度実施し、さらに児童育成手当の増額をはじめ支援を強化することを求めます。いかがですか。

Q4 大学生もバイトや仕送りが減り、リモート授業で友達ができないなど、苦しんでいます。
大学生への食料支援、「学生応援給付金」の支給、若者むけ住宅手当や家賃助成、学生相談窓口の設置など、若者・学生の専管局をつくって具体化すべきです。答弁を求めます。

Q5 生理用品の無償配布、学校や公共施設のトイレへの常備など、「生理の貧困」をなくす対策も大事な課題です。認識と対応を伺います。

Q6 先日の総務委員会で、パートナーシップ制度を都に求める請願が全会派一致で趣旨採択されました。本会議で可決される見通しです。知事、議会の意思を重く受け止め、踏み出すべきです。いかがですか。

七、財政運営について

最後に、財政運営の転換について提案します。
北区の補助86号線をはじめ、道路建設をめぐり多くの問題が起きています。

Q1 特定整備路線など都市計画道路について、知事は、見直すべきは大胆に見直すと言ってきました。しかし今年度予算でも、大型道路建設に900億円もの巨額を計上しています。
不要不急の大型開発を抜本的に見直して、ノルウェーやスウェーデンの国家予算に匹敵する都の財政力を、コロナ危機から都民を守り、ケアに手厚い東京をつくる仕事に、思い切って振り向けることが必要です。
知事の答弁を求めます。

八、公明党・高倉議員の発言について 

最後に、再質問の予定を変更して、先ほど公明党・高倉議員が、わが党の認可保育園の取り組みにふれた発言について、ひと言申し上げます。
4月の公明新聞に、高倉議員の発言と似たような趣旨の記事がありました。それを読んで印象深かったのは、認可保育園が増えたのは都議会公明党の実績だとひと言も書いていないことでした。なるほど、都議会公明党の実績と言えないのだなと思いました。

わが党が2013年の都議選で躍進して提出した、認可保育園整備の用地費補助条例案は、認可保育園を増やす上で大きなネックとなっていた土地確保問題の打開策の一端を提案し、一石を投じたものでした。
わが党は合わせて、都有地活用の提案も重視し、独自調査により、認可保育園などに活用可能な未利用都有地の場所と面積を明らかにし、公表しました。

その後も質問や申し入れを重ね、翌2014年7月に、当時の舛添知事が、都営住宅・公社住宅の建て替えで生まれる土地30ha以上を認可保育園整備などに提供する方針を表明し、9月議会には、国有地や民有地を活用する場合の借地料補助などの補正予算が提出され、わが党も賛成して可決成立しました。
こうした取り組みが、認可保育園を増やす上で大きな力になったことは明白な事実です。

わが党は、保育の量と質の充実のため、今後も全力で取り組んでいくことを表明し、質問を終わります。


 【答 弁】

○知事(小池百合子君) 曽根はじめ議員の代表質問にお答えをいたします。
東京二〇二〇大会についてでございますが、大会を成功に導くためには、安全・安心な環境を整えることが最優先であり、実効性のあるコロナ対策を行うことは重要でございます。
そのため、水際対策、行動、健康管理の徹底など、選手、大会関係者が守るべきルールとして、組織委員会等におきましてプレーブックを取りまとめております。
こうした取り組みは、大会参加者はもとより、日本に居住する方の安全を守るためでもあり、今後、その実効性をさらに高めてまいります。
引き続き、感染の再拡大を防ぎ、徹底的に抑え込むため、現下のコロナ対策に全力で取り組むとともに、関係機関と連携協力し、この夏の安全・安心な大会の開催に向けて、着実に準備を進めてまいります。
医療従事者等へのワクチン接種についてのご質問。
新型コロナウイルスに感染するリスクが高く、早期に接種を行うべき医療従事者につきましては、今月中には接種を完了する予定でございますが、今後、さらなる前倒しに向けて取り組んでまいります。
希望者へのワクチン接種についてでございます。
都はこれまで、ワクチンチームを通じまして、地域の実情や要望を把握するとともに、区市町村と情報共有や意見交換を重ねてまいりました。
今後も、広域的自治体として、住民接種の実施主体であります区市町村と緊密に連携するとともに、全ての区市町村において、ワクチン接種が迅速かつ円滑に進みますように、適切に対処してまいります。
新型コロナ検査の拡充でございます。
都は、本年四月に策定いたしました検査体制整備計画におきまして、過去に経験したことのない感染状況下でも十分対応できる検査体制を確保しております。
この検査体制のもと、行政検査に加えまして、重症化リスクの高い高齢者施設、障害者施設、医療機関の職員への週一回の定期的、集中的検査や、感染拡大の早期把握のため、リスクの高い繁華街や大学等でのモニタリング検査を引き続き実施をしてまいります。
新型コロナ対策におけます都立、公社病院の役割についてのご質問でございます。
都におきましては、大学病院、救命救急センターを初め、多くの医療機関が、それぞれの機能と役割に応じまして、積極的に新型コロナ患者の治療に当たってまいりました。
こうした中、都立、公社病院では二千床を確保し、関係機関等との連携を図りながら、他の医療機関で対応が困難な患者を中心に積極的に受け入れ、都民や地域から求められる重要な役割を果たしてきた、このように認識をいたしております。
中小、小規模事業者への支援についてでございます。
感染症の拡大を抑制するため、多くの事業者の皆様に対しまして、営業時間の短縮や施設の休業要請等を行っております。
こうした中、都内の中小企業の厳しい状況を踏まえまして、都はこれまでも、実質無利子融資による資金繰り支援や、家賃支援制度の創設など、経営安定に向けました施策の展開に加えて、感染拡大防止の取り組みなどを後押ししてまいりました。
引き続き、中小企業がコロナ禍にありましても事業を継続できるよう、適切に支援をしてまいります。
残余のご質問は、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、東京二〇二〇大会についてであります。
安全・安心な大会の開催に向けましては、水際対策、行動管理の徹底など、選手、大会関係者が守るべきルールをプレーブックとして組織委員会等が取りまとめているところでございます。
本年四月には、変異株に対応いたしました対策の具体化を行ったところであり、今後、さらにテストイベントや最新の知見をもとに、最終版を策定してまいります。
こうした対策は、WHOからも評価されているところでございます。
都といたしましては、感染の再拡大を防ぎ、徹底的に抑え込むため、現下のコロナ対策に全力を尽くすとともに、引き続き、安全・安心な大会の開催に向けて、着実に準備を進めてまいります。
次に、大会の開催についてでございます。
これまでもさまざまな調査などが報じられていることは承知しております。大会の開催には、新型コロナウイルス感染症対策が重要でありまして、引き続き、関係機関と連携し、安全・安心な大会の開催に向けて取り組んでまいります。
次に、大会のコロナ対策についてであります。
コロナ対策調整会議におきまして、専門家も参画いたしまして幅広く議論を行い、その結果をプレーブックに取りまとめております。
こうした対策につきましては、WHOからも、リスク管理を確実にするための正しい判断と取り組みへの努力として評価されており、今後、さらに、テストイベントや最新の知見をもとに最終版を策定することとしております。
現下のコロナ対策に全力で取り組むとともに、安全・安心な大会の開催に向けて、着実に準備を進めてまいります。
次に、東京二〇二〇ライブサイトについてであります。
ライブサイトは、競技中継を観覧し、大会の感動と興奮を共有するとともに、開催都市として、東京の魅力や各種文化発信等を行う重要な場であります。その実施に当たりましては、来場者数の削減や事前申込制による来場者の分散化を図るとともに、専門家の助言も得ながら、エリアごとの飛沫感染防止などにも取り組んでおり、引き続き、安全・安心な運営ができるよう準備を進め、調整してまいります。また、アルコールの販売は予定しておりません。
なお、代々木公園につきましては、築地の大規模接種会場が六月末で閉鎖されることから、オリンピック期間中は、ライブサイトではなく、接種会場として使用いたします。
最後に、感染抑止についてでございます。
都は、感染の再拡大を防ぎ、徹底的に抑え込むため、現下のコロナ対策に全力を尽くしております。
この夏の安全・安心な大会の開催に向けましては、国、組織委員会を初め、関係機関と連携協力し、着実に準備を進めてまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、ワクチン接種を担う医療機関への支援についてでございます。
国は、医療機関が平日時間外、休日に集団接種会場への医師、看護師等を派遣した際に、派遣元の医療機関に対する財政支援を行うこととしてございます。
都は、地域の診療所等が、通常の診療にかわり、ワクチン接種に専念する際に協力金を支給することとしております。
次に、大規模接種会場の設置についてでございます。
都はこれまで、ワクチンチーム等を通じ、区市町村や関係団体等と緊密に連携してまいりました。
今後とも、会場の選定や医療従事者の確保などについても、ワクチンチームを活用し、区市町村と丁寧に調整してまいります。
次に、接種会場における合理的配慮についてでございます。
住民接種の実施主体である区市町村には、介助が必要な方や障害者の障害特性に応じた合理的な配慮を行うことが求められております。
このため、都は、合理的配慮の必要性をワクチンチームの場で共有するとともに、会場内を巡回する医療スタッフの配置等、参考となる取り組みを紹介するなど、区市町村のワクチン接種を引き続き支援してまいります。
次に、福祉施設等に対する検査についてでございます。
都は、重症化リスクの高い高齢者や障害者が利用する施設などの職員に対して、集中的、定期的な検査を実施しております。
また、事業所など感染リスクの高い場所でのモニタリング検査は、規模を拡大して補正予算案に計上いたしました。
最後に、変異株の検査についてでございます。
都は、いわゆるインド型変異株の有無を確認するためのスクリーニング検査を、本年四月末から東京都健康安全研究センターでいち早く実施しており、五月下旬に、国と連携し、民間検査機関においても開始をいたしました。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、国産ワクチンの開発支援についてでございますが、東京都医学総合研究所では、昨年度から新型コロナウイルスのワクチン開発研究を行っており、現在、実用化に向けて、共同で研究している製薬企業において、臨床試験の開始に向けた準備を進めております。変異ウイルスへの効果も期待できるものであり、都は、引き続き、東京都医学総合研究所におけるワクチン開発研究を支援してまいります。
次に、健康長寿医療センターの新型コロナ対応についてでございますが、センターは、地方独立行政法人が運営する公的医療機関として、都の方針に基づき、新型コロナウイルス感染症における高度医療を提供する役割を担っております。
具体的には、ICU三床を確保し、公社豊島病院など、近隣の病院から重篤化した患者を受け入れ、ECMO等を用いた治療などを行っております。
また、中等症患者用の病床を、昨日、七床から十五床に増やし、重症患者用と合わせて十八床を確保いたしております。
さらに、看護師の派遣や、症状が急変した患者の受け入れなど、宿泊療養施設の運営に引き続き協力しております。
次に、子供の均等割保険料についてでございますが、国民健康保険は全国統一の制度でございまして、子供に係る均等割保険料の軽減措置を含め、その制度上の課題については、国が責任を持って対応すべきものでございます。
国は、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児に係る均等割保険料を令和四年度から軽減する法案を国会に提出しております。
都は、全国知事会を通じて、子育て世帯の負担を軽減するという趣旨を鑑み、十八歳未満までに対象を拡大するよう、国に対して要請しているところでございます。
次に、ひとり親家庭への支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、家計が急変して収入が大きく減少したひとり親家庭もございます。
このため、都は、生活資金の緊急貸付や納税猶予など、さまざまな制度や相談先をまとめたサイトを運営するほか、母子及び父子福祉資金の返済を猶予しております。
昨年度は、児童扶養手当を受給するひとり親家庭等を対象に、食料品など生活に必要な物品の提供や臨時特別給付金の支給を実施し、今年度は生活支援特別給付金を支給しております。
最後に、生活に困窮する方への支援についてでございますが、都はこれまでも、生活福祉資金の特例貸付や、住まいを失った方への一時的な宿泊場所の提供などに取り組んでまいりました。
また、経済的に厳しい環境にある女性にとって深刻な問題でございます生理の貧困への支援として、備蓄している災害用救助物品の生理用品を買いかえる際に自治体へ提供しているほか、都立学校では、現在、七校で購入した生理用品をトイレに配備しており、これらの取り組みを踏まえた九月からの全校実施に向けて、段階的な配備を進めております。
引き続き、生活に困窮する都民の暮らしを支援してまいります。
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 都立、公社病院の独法化についてでございますが、独法化の目的は、医療環境が変化する中においても、都民の医療ニーズに迅速かつ柔軟に対応することで、質の高い医療サービスを提供していくことにございます。
新型コロナ感染症対応を初めとする行政的医療の提供は、独法化後も、都立、公社病院の重要な役割であり、確実に提供してまいります。
そのために必要な経費は、現在の一般会計繰入金と同様に、都が負担する仕組みとなってございます。
今後とも、独法への移行準備を着実に進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、休業要請等に対する補償についてですが、先般、国の法令が改正され、事業者を支援するために必要な財政上の措置等を講ずる旨の規定が整備されました。
都は、こうした国からの交付金を活用し、飲食店や大規模施設等が休業要請等に応じていただいたことに対して協力金を支給いたします。
また、売り上げが減少した中小企業等の経営を下支えするため、新たに都独自の支援制度も創設することといたしました。
今後とも、中小企業の経営に対する支援を充実してまいります。
次に、事業者に対する支援策についてですが、都はこれまで、感染症の影響を受ける事業者に対し、十分な支援を行うよう、国に対し、さまざまな給付金の延長や再開などについて要望を行ってきたところでございます。
また、厳しい経営環境に置かれている中小企業を下支えするため、都独自の支援制度を創設し、国の月次支援金に加算するとともに、給付要件を緩和の上、国の制度では対象とならない事業者に対しても支給いたします。
引き続き、中小企業の経営安定に向け、着実に取り組んでまいります。
最後に、非正規雇用労働者に対する支援についてですが、都は、国の調査等により、非正規雇用労働者の状況などを把握しておりまして、労働相談情報センターにおいては、休業支援金、給付金の申請等に関する相談に対応し、助言を行っているところでございます。
また、休業により収入減等となった中小企業の従業員の方には、実質無利子の融資を行っており、その生活安定に向けた支援を実施しているところでございます。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、芸術文化についてでございますが、芸術文化は、東京の都市としての魅力を形成する要素であるだけではなく、コロナ禍にあって、さまざまな状況に置かれる人々を支え、感動や喜びをもたらす重要なものと認識してございます。
都は、昨年、全国に先駆けて、アートにエールを!東京プロジェクトを実施し、多くの方に参加していただきました。
さらに、今年度に入り、緊急事態宣言下で厳しい状況にある芸術文化団体等に対して、同プロジェクトの追加募集を行いました。
今後とも、アーティストの芸術文化活動を支援してまいります。
次に、芸術文化活動への支援についてでございますが、コロナ禍で、芸術文化を支えるアーティスト等は、創作活動の制約を受けており、新たな活動の場を提供することが重要でございます。
このため、都では、さまざまな文化事業を実施するとともに、アーティスト等に対する助成事業を新設、拡充することとしており、これらの取り組みによりまして、芸術文化活動を幅広く支援してまいります。
〔総務局長黒沼靖君登壇〕

○総務局長(黒沼靖君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、若者、学生支援施策の推進体制についてでございます。
都は、生活に困窮した学生等からの相談に対しまして、その内容に応じて、各所管局がきめ細かく対応しております。
また、大学生への奨学金や区市町村の支援策に関しましては、これを所管する国や各機関と緊密に連携を図り、対応してございます。
今後とも、適切な執行体制のもと、若者、学生支援に取り組んでまいります。
次に、同性パートナーシップ制度の推進についてでございます。
都はこれまで、性自認及び性的指向に関する基本計画に基づく各種施策を推進するとともに、同性パートナーシップ制度の導入事例などの情報収集を行ってまいりました。
今年度は、広く都民や当事者の意見を把握する実態調査を実施し、同制度の検討を進めてまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 財政運営についてでございますが、都はこれまで、新型コロナウイルス感染症対策として、都民生活を支えるセーフティーネット対策や医療提供体制の強化など、本定例会に提案中のものも含め、総額四・五兆円を超える対策を講じてまいりました。
また、都市インフラの整備、更新は、都民の利便性と生活の質の向上を図る上で不可欠であることから、今年度予算においても、必要な投資を積極的に行っております。
同時に、執行状況を踏まえ、特定整備路線の整備などに係る予算額は前年度比で減とするなど、必要な経費精査は徹底しております。
今後とも、新型コロナウイルス感染症対策にしっかり取り組むとともに、見直すべきものは見直しを行い、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。