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質問・条例提案

2022.02.22

本会議  米倉春奈都議(豊島区選出)の代表質問

 2022年2月22日の本会議で、米倉春奈都議(豊島区選出)が代表質問を行いました。

★動画(都議会ホームページです。令和4年第1回定例会 > 2月22日代表質問をご覧ください)

★質問全文(質問原稿)です。

一、都立・公社病院の独立行政法人化問題について
二、新型コロナ対策について
三、格差是正について
四、住まいの支援について
五、くらし・福祉について
六、雇用・就労政策について
七、経済政策、中小企業支援について
八、公衆浴場振興について
九、教育の充実について
十、ジェンダー平等について
十一、学生・若者への支援について
十二、気候危機打開について
十三、都市政策について
十四、東京オリパラ大会について
十五、日米地位協定について

☆【答弁】
知事(小池百合子君) 
教育長(藤田裕司君) 
東京都技監(上野雄一君)
病院経営本部長(西山智之君)
福祉保健局長(中村倫治君)
福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 
住宅政策本部長(榎本雅人君) 
生活文化局長(武市玲子君)
財務局長(吉村憲彦君)
産業労働局長(坂本雅彦君)
総務局長(村松明典君)
都民安全推進本部長(小西康弘君)
環境局長(栗岡祥一君)
建設局長(中島高志君)
オリンピック・パラリンピック準備局長(延與桂君)

 

【再質問と答弁】


日本共産党都議団を代表して質問します。

一、都立・公社病院の独立行政法人化問題について

  はじめに、都立・公社病院の独立行政法人化の問題です。

Q1 新型コロナ感染第6波さなかの今定例会に、知事は都立病院条例の廃止条例など、あくまで7月1日に独法化を強行する議案7件を提出しました。新年度予算案も、都立・公社病院の予算は6月までしか組まれていません。断じて許されません。 しかも知事は、都政にのぞむ基本姿勢を表明する開会日の施政方針で、独法化の問題にひと言もふれませんでした。
 知事、重要な案件ではない、説明するほどの問題ではないと考えているのですか。
 ていねいに説明すると言ってきたのは、ウソだったのですか。
 話題になるのを避けたいのですか。
 実際は、説明する言葉がない、説明できないのではありませんか。
 知事の答弁を求めます。

Q2 都庁前や都内各地で独法化中止を求める行動が行われ、これまでに30万筆を超える署名が提出されています。
 3つの障害者団体が連名で、「都立病院条例廃止」の中止を求める要望書を、都議会の全会派に提出しました。
「居ても立ってもいられず要望書を提出した」「独法後に行政的医療が確実に継続される保証はない。都立・公社病院は、障害者のいのちの砦」だと訴えています。
 都立大塚病院で出産した方は、「重いつわりで夜に動けなくなり、近所の大学病院に電話したけれど次々断られ、最後に受け入れてくれたのが大塚病院。重い症状で即入院となったが、無事に出産できた。経営よりも、安心してかかれる今の都立病院を大事にしてほしい」と話しています。
 知事、こうした声に耳を傾ける気はないのですか。都民の理解と納得が得られていないことを、どう考えているのですか。

Q3 都立・公社病院は、都民のいのちを守る重要な役割を果たしています。
 厚生労働省の資料で、都立・公社病院のコロナ病床確保数は、全国約2千3百病院中なんと1位から11位を占めています。
 都立・公社病院ではなぜ、このように全国で最も積極的・柔軟にコロナ病床を確保し、コロナ患者を受け入れることができたのですか。

Q4 知事は、なぜ都立病院条例を廃止するのですか。独法化しても都立病院であることに変わりはないと言ってきたのですから、都立病院条例を廃止する必要など、ないのではありませんか。

Q5 知事は、「行政的医療を将来にわたって提供するため」に独法化すると説明してきました。しかし地方独立行政法人法は、3~5年ごとに業務の継続の必要性などを検討し、廃止を含めた措置を講ずるものと規定しています。
 継続の必要性を検討する業務の対象には、行政的医療も含まれるのではありませんか。

 都立・公社病院の現場の医師、看護師など職員は、この2年間、コロナ対応に忙殺されています。職員の合意、納得も得られていません。

Q6 今年に入って、独法化後の給与や待遇の説明を、それぞれの病院で何回行いましたか。対象となるのは何人で、そのうち直接説明を受けたのは何人ですか。

Q7 独法化に伴い、病院の現場の職員約7千人が、全体の奉仕者である公務員の立場を奪われます。
 知事は、コロナ禍で昼夜を分かたず奮闘されている医療従事者への深い感謝を表明しました。そうであるなら、都立病院の職員に、コロナ禍の今、公務員の立場を奪う仕打ちをすべきではありません。知事いかがですか。

Q8 地方独立行政法人法の衆参両院の附帯決議では、独法への移行に際しては、雇用問題、労働条件について配慮し、関係職員団体と十分な意思疎通を行うこと、政府が必要な助言を行うことを定めています。
 コロナ禍で、十分な意思疎通などできていないことは明らかです。附帯決議違反を承知のうえで、知事はあくまで強行するのですか。

 都立・公社病院の独法化は、医療費や公共サービスを削減する、自民党政権による新自由主義政策の具体化にほかなりません。
 知事が新年度予算案に、政府の地域医療構想の方針に沿い、消費税を財源にして都内の医療機関の病床を削減する、病床機能再編支援事業1億6千万円を計上したことも重大です。

Q9 コロナ禍の昨年、実施された「都民生活に関する世論調査」で、「都に対し特に力を入れて欲しいこと」で最も多かったのは、「医療・衛生対策」でした。その中の1位が「安心できる医療の確保」、2位が「医療施設の整備」です。
 この調査結果をどう受け止めますか。この都民の要望にまっすぐに応えることが必要です。知事の答弁を求めます。

 私は、議場のすべての会派、議員のみなさんに呼びかけます。
 わが党は都立・公社病院の独法化に反対ですが、独法化に対する意見の違いは色々あるでしょう。しかし、どこからどう考えても、コロナ禍の第6波のさなかの今やるべきではありません。
 昨年の第3回定例会で独立行政法人の定款に賛成された会派のみなさんも含めて、今は立ち止まることを、心から訴えるものです。

二、新型コロナ対策について

 次に新型コロナ対策です。

 岸田政権の対策の遅れは、目に余ります。同時に小池知事の施政方針も、危機感が乏しいものでした。

Q1 知事は、オミクロン株に対して「先手先手の対策を講じて」きた、「効果は着実に表れています」と言いました。
 しかし、オミクロン株への対策は後手後手で、都民生活や医療、保健所、介護施設、学校、保育園などの現場の実態は、極めて深刻です。重症者や亡くなる方が急増しています。
 症状のある方でも検査を迅速に受けるのが難しい事態が広がり、3回目のワクチン接種も遅れています。
 知事は、こうした現状をどう認識しているのですか。コロナ危機始まって以来、最も深刻になっているという認識のもとに対策を講じる必要があります。いかがですか。

Q2 都の説明では、都内で1日あたり最大13万件の検査を行えるはずです。
ところが1日あたりの検査数は、1月第4週の約6万件をピークに減少し、2月の第2週は約5万件にすぎません。
 都のモニタリング会議は、「無症状や軽症で検査未実施の感染者が多数潜在している状況が危惧される」と、くり返し指摘しています。
 知事、検査数が少なすぎると思いませんか。

Q3 検査能力を十分活用できていない原因を明らかにし、必要な方が迅速に検査を受けられるようにすることを求めます。いかがですか。

Q4 厚生労働省は昨年末、検査1件あたりの診療報酬を、大幅に引き下げました。検査をすればするほど赤字になるという切実な声が、医療機関から寄せられています。
 神奈川県海老名市は、医療機関が行うPCR検査1件あたり5千円の補助を行うと発表しました。都も検査への補助を実施すべきです。答弁を求めます。

Q5 オミクロン株により、子どもへの感染から家庭内感染が広がっています。学校や保育園での定期的検査が始まったのは重要ですが、職員だけでなく、子どもたちも検査の対象にすべきではありませんか。

Q6 高齢者施設で感染して亡くなる方が増えています。潜伏期間が短いオミクロン株の特性を踏まえ、施設でのPCR検査を現在の週1回から2回に増やすことを求めますが、いかがですか。

Q7 また、高齢者施設の入所者と職員等へのワクチンの3回目接種を急ぐことが必要です。都はどう対応するのですか。

 都が打ち出した「自分で健康観察」というのは、医療的には放置と言わざるをえません。

Q8 自宅にいる陽性者への支援の強化が急務です。保健所やフォローアップセンター、食料配布などのさらなる体制強化を早急に進めることを求めますが、いかがですか。

 保健所の増設と体制強化も、いよいよ急がれます。

Q9 稲城市長は、参議院行政監視委員会に参考人として出席し、保健所体制について、「いかに脆弱だったかが今回分かった」、「感染症対策が重要でないという中で減らされてきた」、「元の数に戻してほしいというのが一つの大きな要望だ」と述べました。
 知事、この国会での発言をどう受け止めますか。

Q10 昨年の知事と市町村長との意見交換でも、一昨年に続き、多摩の自治体から保健所の増設や体制強化を求める意見が、次々出されています。今こそ保健所の増設を決断すべきです。いかがですか。

三、格差是正について

 コロナ禍で都民のくらしと営業は深刻です。

Q1 都庁前や東池袋で行われている食料などの支援には、女性や若者を含め、毎回5百人前後の人が並んでいます。貧困の底が抜けたような感じだと言われています。
 一方で、IT企業や大手製造業などは業績好調で、新年度予算案の法人二税など都税収入は今年度比5千858億円、11・6%も増え、驚くことに史上最高水準です。
 貧しい者はさらに貧しく、富めるものはさらに豊かにという、東京と日本社会における格差と貧困拡大の実態が浮き彫りになっていると思いますが、知事の認識を伺います。
 また知事は、「段差の解消」という言葉を使いますが、「格差の解消」と言いません。なぜですか。都として格差と貧困の是正に取り組むことが必要です。知事の答弁を求めます。

Q2 税収増を背景に、一般会計の予算規模は過去最高です。地方自治法は、住民福祉の増進が自治体の基本的役割だとしています。この税収増を、コロナ対策とともに、都民のくらし・営業を守る給付や支援に思い切って使うべきです。知事いかがですか。

四、住まいの支援について 

Q1 食料支援などに取り組んでいる反貧困ネットワークによると、相談者の8割は住まいを失っているそうです。支援団体は、住まいの確保を特別に重視しています。住宅は生活の基盤だからです。
知事は、格差・貧困対策における住宅支援の重要性を、どう認識していますか。
全ての都民に、適切な環境と広さがあり、安価な住宅に住むことができる権利を保障すること、とりわけ、住まいを失った人、失いかねない人に対して急いで支援を行うことが必要です。答弁を求めます。

Q2 住宅の困窮が広がっているのに、都営住宅は少なすぎます。倍率が高く、入りたくても入れない状況は改善されていません。にもかかわらず、都営住宅の新規建設は、新年度予算案も含め、23年間ゼロです。
 都も、都営住宅のセーフティネットとしての重要な役割を認めています。住宅に困っている人を支援するため、都営住宅を増やすべきです。見解を伺います。

Q3 「都営住宅に入りたい」という若者が増えています。
 神奈川県横須賀市の市営浦賀団地は、築年数が古くエレベーターの設置が遅れているため、4階5階の空き家が目立ちました。そのため、2016年に住宅供給公社と神奈川県立保健福祉大学が連携協定を結んで、学生が入居し、地域の活性化をサポートする取り組みが始まっています。
 都営住宅は、入居者の高齢化で自治会活動などへの参加ができない人が増えています。都営住宅のコミュニティの維持・再生のためにも、単身の青年・学生を入居対象とすべきです。検討を求めますが、いかがですか。

五、くらし・福祉について

 高齢者や非正規の若者など所得の少ない人が多く加入している、国民健康保険の保険料・保険税の負担軽減も切実です。
 ところが、先日東京都が示した試算では、区市町村が独自の負担軽減を行っていないとした場合、来年度の一人当たりの国保料・国保税は6・2%、約1万円も引き上げられます。

Q1 特別区長会、市長会、町村会は、都に対して緊急要望を提出し、国に財政支援を求めるとともに、国民健康保険財政の責任主体として、東京都独自に必要な財政措置を講じるよう求めています。私の地元・豊島区議会でも、同じ内容の意見書が採択されました。
 都の国保運営協議会では、被保険者代表の複数の委員から、「値上げについては非常に憤っている」、「年金は下がり、税金が上がり、被保険者としては非常に困る」などの発言が出されています。
 こうした要望、意見を受け止めて、応えるべきです。いかがですか。

Q2 子どもの医療費助成を18歳まで広げるよう、わが党はくり返し求めてきました。知事が新年度予算案で、準備経費を計上したことは重要です。
 知事はなぜ、18歳まで広げる必要があると思ったのですか。また対象拡大による効果を、どう考えていますか。

Q3 早期に、都内全ての区市町村でスタートすることが大切です。
 新たな多摩格差、地域間格差を生まないためには、区市町村の負担が重くならないようにすること、財源を都の責任で確保することが重要です。補助率を2分の1より高くするなどの対応を求めますが、いかがですか。

Q4 子どもの権利を守る都の児童相談所を、多摩地域に増設する調査予算が、新年度予算案に盛り込まれたことも重要です。 政令では、児童相談所の管轄人口は、おおむね50万人以下とされています。多摩地域の人口は約420万人です。現在の4カ所を、倍増させることが必要です。認識と対応を伺います。

Q5 ひとり親家庭のくらしは、長引くコロナ禍で、とりわけ深刻です。都は昨年度、食料などの支援をしましたが、残念ながら一回限りでした。
 様々な団体がフードバンクなどに取り組んでいます。本来なら、行政が実施しければならないことです。都として、ひとり親家庭への現金給付や、再度の食料支援を行うことが必要です。いかがですか。

六、雇用・就業政策について

 格差・貧困の是正には、雇用・就労政策の拡充も求められます。
 コロナ禍で、就労環境は厳しい状況が続いています。

Q1 非正規労働者の解雇、雇止めが広がり、女性が男性に比べ不安定な就労状況におかれていることも浮き彫りになっています。女性の賃金は、常用雇用でも男性のわずか4分の3で、管理職の多くが男性、働く実態は女性に不利な状況が続いています。
 都は、男女平等参画推進総合計画改定の素案を踏まえて、改善にどう取り組むのですか。

Q2 自治体が契約する公共工事や委託業務の適正な労働条件を確保し、最低賃金を引き上げる公契約条例は、千葉県野田市に始まり、全国25自治体、都内でも11区市に広がっています。賃金条項をもつ公契約条例を実現すれば、都道府県初となり、全国に大きな影響を与えます。
 労働条件の改善、賃金引き上げにつながるだけでなく、ダンピング防止による事業者の経営の安定、公共サービスの充実、引いては住民生活の向上につながる公契約条例の実現に向け、都として踏み出すべきです。
 知事は2020年の第4回定例会で、わが党の代表質問に、公契約条例については整理、検討する課題があると答弁しました。その後、課題の整理、検討はどのように進んだのですか。

七、経済政策・中小企業支援について

Q1 経済政策で新年度予算案の最重点は、投資家への支援など国際金融都市の実現、海外企業の誘致です。
 一方、中小企業・小規模事業者をコロナ禍から守る、固定費補助などの新たな支援策は、見るべきものがありません。
 知事、これでは、富めるものをさらに豊かにする政策ではありませんか。経済政策の転換が必要ではありませんか。

Q2 東京の経済の8割を担い、地域社会を活性化させ、雇用の場を創出し、都民の暮らしや地域経済を支える役割を果たしている中小企業・小規模事業への支援に、都の振興条例に基づいて正面から取り組むべきです。知事いかがですか。

Q3 コロナ禍で海外から資材が入らず、建設業や町工場に大きな影響が出ています。ネジやボルト、窓サッシなど多くのものが不足し、家一軒建てることも難しくなっています。資材の生産拠点を海外に移転し、依存してきたことの弊害が、コロナ禍で浮き彫りになりました。
 資材の国内自給率を高めることが、危機に強い経済をつくります。そのためにも、国内、都内で資材を生産する中小製造業を守り、発展させていくことが重要です。認識を伺います。

Q4 お話を伺った豊島区内のクリーニング店では、コロナ禍でリモートワークが増えたため、ワイシャツなどの仕事が減り、原油高騰や消費税もあり、従業員を減らさざるを得ない、融資を借りても返済の見通しがない。直接の支援がほしい、とおっしゃっていました。
 多くの事業者が、コロナ、原油高騰、消費税で苦しんでいます。家賃、人件費などの固定費補助を、都として実施すべきではありませんか。

Q5 国の事業復活支援金は、対象が売上高30%以上減少した事業者です。都として上乗せ、横出しを実施すべきではありませんか。
 また、「事前確認の提出物が多いなどハードルが高い」と声が寄せられています。国に改善を求めるとともに、都として手続きの支援をすべきです。いかがですか。

八、公衆浴場振興について

Q1 町のお風呂屋さん、公衆浴場も苦しんでいます。一昨年の緊急事態宣言で利用者が激減し今も戻らず、厳しい経営を強いられています。さらに原油高騰でガス代が上がり大変だと、切実な声を伺いました。
 日常生活になくてはならない公衆浴場への都の支援を強化すべきです。いかがですか。

Q2 公衆浴場は、都民の入浴機会の確保とともに、健康づくりや高齢者の見守り、地域住民のコミュニケーションの場として、大きな役割を果たしています。文化的、歴史的にも価値があり、銭湯を巡るファンをはじめ、都民の癒しと楽しみの場にもなっています。
 知事は、公衆浴場の役割をどう考えていますか。そして、どのように銭湯の魅力を引き出し、活性化を進めていくのですか。答弁を求めます。

九、教育の充実について 

 教育条件整備について質問します。まず少人数学級です。

Q1 都教委は、オミクロン株の感染が子どもたちに広がるなか、クラスを2つに分けて分散登校を行い、午前と午後に対面授業とオンライン授業を入れ替えるなどのハイブリッド授業を推奨しています。
 一方で、「オンラインでは子どもの反応がわかりにくく、きめ細かい対応ができない」、「対面授業とは授業の定着度が全然違う」などの声が、現場から寄せられています。
 知事は施政方針で、「誰一人取り残さないとの強い思いのもと、あらゆる子どもたちの健やかな成長を全力でサポートする」と述べましたが、学校での学びの継続が、かつてなく厳しい状況におかれていることを、どう認識していますか。

 コロナ禍でも、なるべく登校して、対面の授業を受けることができて、友達とも交流できる教育条件の整備が、必要です。

Q2 小中学校の全クラスで少人数学級を実施している鳥取県の教育長は、2020年の一斉休校のあと、学級の中が密でない状態で授業ができたため、早期に学校が再開できたとして、「コロナ禍ではこの少人数学級がうまく機能していたように思う」と述べています。この発言をどう受け止めますか。
 東京都でも、少人数学級を前倒しで進めれば、感染の波のたびに分散登校などの応急的対応をくり返す必要がなくなるのではありませんか。

Q3 次に、心配や反対の声が広がっている英語スピーキングテストの問題です。都教委は、来年からテストの結果を都立高校入試に活用する方針です。今年度は、公立中学校など592校、約6万4千人がプレテストを受けました。
 このスピーキングテストは、問題の作成から試験監督、採点まですべて、都教委と協定を結んだ株式会社ベネッセコーポレーションが行います。
 これに対し、専門家や英語教員、保護者などから、家庭用教材を販売するベネッセの利益のために利用されないか、個人情報の漏洩が心配、採点を国外で行う予定だが公平性・透明性が確保できるのか、生徒が英語力を身に着けることにはつながらない、吃音や聴覚障害を持つ生徒への対応など、多くの問題点や懸念が表明されています。
 昨年12月には、英語教育の関係者が都庁で記者会見し、導入中止を訴えました。都民の合意があるとはとても言えません。保護者や関係者などからの指摘や声を、どう考えていますか。

Q4 大学入試共通テストでもベネッセの子会社が、記述式問題の採点を請け負っていました。
 しかし文科省の検討会議は、採点事業者に、知り得た情報を漏らしたり目的外使用したりすることを禁じ、違反した場合の損害賠償の契約を結んでもなお、機密漏洩やグループ企業間での利益相反の懸念が指摘されたとする報告書をまとめ、これを理由の一つとして記述式問題の導入は中止されました。
 都教委は、ベネッセと協定を結んでいることを理由に、利益相反などの問題は起こり得ないと説明していますが、基本的問題は、文科省検討会議が懸念を指摘し、採点の契約が中止された大学共通テストと同じです。きっぱり中止を決断すべきです。答弁を求めます。

Q5 都立高校の校則について、都教委は昨年4月、適宜見直しを行う必要があるとして、都立高校あてに、自己点検と計画的な校則見直しの「通知」を出しました。
 これは、子どもの人権を尊重してほしいと願う多くの生徒や学校関係者が声をあげてきた成果であり、わが党もより良い解決方法を求めてきました。
 「通知」を出した経緯と目的、どのような視点で見直しを求めたのか、お答え下さい。
 また、各学校が昨年12月までに行った点検および見直しの結果についても、伺います。

Q6 校則の見直しをきっかけに、各校で生徒も教員も当事者として議論が進むことを期待します。その際、生徒一人ひとりが話し合いに参加することが重要です。今後も継続的に取り組むことを求めます。いかがですか。

十、ジェンダー平等について

Q1 日本若者協議会と#みんなの生理の2団体が、学校での生理休暇の導入についてのアンケート調査を行いました。
 その結果、9割以上の生徒・学生が、生理によって学校・授業・部活・体育を休みたいと思ったことがあると答えています。ところが、そのうち7割が、休むのを我慢していることが分かりました。
 その理由は、「成績や内申点に悪影響が出ると思った」が最も多く、休めなかった結果、9割以上が「体調が悪化した」「授業などに集中できなかった」「我慢して倒れた」「学校で吐いた」など、大変だった経験をしています。
 一方で、授業や部活を休んだことで困ったこととしては、「欠席扱いにされたことで、成績や内申点が下げられた」という回答が、多く挙げられました。
 知事は、こうした実態をどう思いますか。

Q2 労働者には生理休暇がありますが、中高生にはありません。しかし、中高生の生理痛が大人より軽いわけではありません。
 調査に取り組んだみなさんは、国や都に対して、学校での生理休暇の導入などを求めています。「女性の『性』にかかわる健康と権利」リプロダクティブ・ヘルス&ライツの尊重を求めるムーブメントとして大事な提起ですが、知事の認識を伺います。

Q3 私たちは、高校生から直接話を聞きました。学校のプールを一日休むと、プールを泳いで10往復しなければならない。生理が重くてお腹が痛いのに泣きながらプールの授業に出る子もいたなどの声が寄せられました。こうしたことは改めるべきですが、いかがですか。

Q4 学校での生理休暇や生理中の体育の対応について、ガイドラインをつくる必要があります。都はどう対応するのですか。
 その際、現場の実態を調査し、こども基本条例の立場で、児童生徒の声を聞きながら検討することが大切です。いかがですか。

Q5 生理は女子生徒だけの問題ではありません。児童生徒や教員に、包括的性教育を行う必要があります。見解を求めます。

Q6 「東京都パートナーシップ宣誓制度」の素案が、今定例会に示されました。昨年の第2回定例会で、パートナーシップ制度創設を求める請願が全会一致で趣旨採択されたことをはじめとした、都民のねばりづよい努力が実ろうとしています。
 セクシュアルマイノリティのカップルだということを隠して部屋を借りざるをえない、いろいろ詮索されるため子どもの存在を隠している、子どもたち自身も親のことは話せない。愛する家族と暮らすことにこんな困難があるということは、1日も早く解決しなければいけないことです。
 知事は、パートナーシップ制度を今実現する意義について、どのように考えていますか。

Q7 パートナーシップ制度構築のなかで、子どもの権利をどのように保障する考えですか。

 東京都こども基本条例の前文では、「全てのこどもが誰一人取り残されることなく、将来への希望をもって、のびのびと健やかに育っていく環境を整備していかなければならない」と定めています。こうしたことに照らして、子どもたちの権利を守ることを強く求めます。

十一、学生・若者への支援について

 次に学生・若者への支援です。

Q1 コロナ禍が長引き、大学生はこの2年間、授業の多くがオンラインで、サークル活動もできない中で孤立しています。
私たちも学生から、「話せる相手がいない」、「授業の取り方や進路について先輩と交流して情報を得ることもできない」、「やる気が出ず授業に全く出られない時期があった」という声を聞いてきました。
 知事は、コロナ禍での学生の困窮や精神的な負担や不調が増えていることなどの実態を、どう認識していますか。
 現状が改善されないままでは、この世代の学生・若者に将来にわたる影響をもたらすと、知事は思いませんか。

Q2 東京大学の学生生活実態調査でも、強い不安に襲われた、無気力状態になったなど心の悩みが、コロナ前と比べ10ポイントも増える一方で、悩みを「大学内のサークルや団体の友人」に相談する人が減っています。
 学生の苦しさが現れています。都としても、こうした都内の学生の生活や状況を調査すべきではありませんか。

Q3 対面の交流がないことが、学生を精神的に追い詰める要因となっています。都として、学内に対面で交流できる場やコミュニティを作るための支援をコロナ対策として取り組むことが重要ですが、いかがですか。

Q4 大学の感染症対策を支援し、安心して対面授業を実施できるよう、支援すべきではありませんか。

Q5 コロナ禍で深刻になった学生の困窮は、いまだに改善していません。来年度、過去最高水準の税収となる都の予算で、学生と若者に緊急給付を行うべきです。また、国に対しても給付の支援を求めるべきです。いかがですか。

Q6 東京都には、学生や若者への支援を所管する組織がありません。各局が適切に対応していると言いますが、総合的な企画調整を担う組織もありません。
 わが党はくり返し提案してきましたが、重要で切実な問題です。知事は今回の組織再編にあたり、どう検討したのですか。
 学生や若者の専管組織をつくるべきです。答弁を求めます。

十二、気候危機打開について

 気候危機対策の都の新年度予算案は、前年度の3倍になりました。
 わが党が求めてきた、2030年カーボンハーフのための部門別削減目標の具体化、既存都営住宅をはじめ、都有施設への太陽光発電設置などは重要です。

Q1 知事は施政方針で、「国際的な脱炭素化の潮流をリード」すると表明しましたが、国際社会の脱炭素の最大の焦点は石炭火力発電の廃止です。
 知事は「本気度が試される1年」とも述べましたが、その「本気度」が問われます。
 東京電力の大株主である東京都の責任者として、東電に石炭火力発電からの撤退を強く働きかけることが重要です。いかがですか。

Q2 水素バス、水素ステーションへの支援など、水素エネルギーの普及拡大に、多くの予算が割かれています。
 しかし、水素利用の現状は化石燃料由来がほとんどであり、2030年カーボンハーフの実現にはほとんど役立たないことを、知事は認識しているのですか。
 大型車両の電気自動車の技術開発や社会実装も、日進月歩で進んでいます。
 関東近県をみても来年度予算案で、水素や、特定の企業しか技術を持たず社会への定着が疑問視される水素車両に、東京都のように巨額の予算をつぎ込んでいる自治体はありません。
 確実に省エネ・脱炭素につながる対策はいくつもあり、その抜本的な拡充が求められるなか、今、優先されることではありません。
 水素エネルギーへの偏重を改めるべきです。知事いかがですか。

Q3 東京の主たるCO2発生要因の一つである、住宅のゼロエミ化の施策・予算が拡充されたことは重要ですが、まだ多くの課題が残されています。なかでも、都営住宅を建て替える際の、断熱性能は従来基準のままです。
 国は新年度予算案で、「公的賃貸住宅の取組支援」として、新築はゼロ・エネルギー・ハウスの水準を原則化し、その整備を支援するとしています。
 このチャンスも生かして、建て替える都営住宅の断熱性能基準を、相応しく引き上げるべきです。いかがですか。

Q4 私たちは、「フライデー・フォー・フューチャー」の若者たちに、都政に期待することを聞きました。若者たちの答えは、「気候市民会議」を設置してほしいということでした。
 市民が直接参加し、気候危機への対策を話し合い、計画や施策に反映していく「気候市民会議」は、ヨーロッパで盛んですが、日本でも、札幌市や川崎市で取り組まれ、都内でも武蔵野市が来年度、実施予定です。
 都が「気候市民会議」を設置することを提案します。答弁を求めます。

十三、都市政策について

 Q1 新年度予算案では、国際競争力を口実にした、臨海部、築地市場跡地、有楽町周辺、渋谷・青山などの大規模開発予算が、4割増となっています。
 陥没事故を起こした外環道、住民の反対が強い特定整備路線などの大型幹線道路建設予算は今年度より増え、約1千億円に膨らんでいます。
 大型旅客機の都心上空での低空飛行を固定化・拡大する、羽田空港機能強化の調査費も、予算計上されています。
 このように大型開発を推進・拡大させるのではなく、東京五輪が終わった今、都民福祉の向上など地に足の着いた施策を大事にする財政運営に、転換すべきではありませんか。
 なかでも今、大問題になっているのが神宮外苑の再開発計画です。
 千本にもおよぶ樹木が伐採・移植されることが明らかになり、マスコミも大きく取り上げました。
 この再開発では、都市計画公園の面積を3・4ヘクタールも減らして、ホテルなど民間の超高層ビルが建設されます。今でもひどいビル風への対策は、不透明です。
 有名な銀杏並木の一部も伐採され、密接して巨大なホテル付の新球場が建設されて、風格ある景観は台無しになります。
 その上、スポーツ拠点整備の再開発だと言いながら、都民に親しまれている軟式野球場やフットサルコートなどが廃止されます。
 昨年末に都が行った説明会では、150人近くの参加者が、予定の1時間を大きく超える3時間、次々に怒りの声をぶつけ、誰も納得しないまま閉会しました。
 その後、市民の運動が広がり、2月9日の都市計画審議会には、異例の数のマスコミが殺到しました。市民の手によるネット署名が日に日に広がり、国内外の様々な分野の著名人からも、批判の声があがっています。

Q2 世界遺産の保護・保存に取り組む日本イコモス国内委員会は、神宮外苑は国際社会に誇る「公共性・公益性の高い文化的遺産であり、これを東京都が破壊することなく、次世代へと力強く継承していくべき」だと厳しく指摘する、都知事と都議会議長あての提言を発表しています。
 知事はこの提言を、どう受け止めていますか。

Q3 知事は施政方針で、CO2の吸収源となる「緑の保全」を進めると強調しました。再開発で歴史を重ねた樹木を千本も伐採・移植するのは、逆行ではありませんか。

Q4 樹木を伐採して巨大建造物をつくる神宮外苑再開発前後のCO2排出量は、どのように変化するのですか。

Q5 都市計画決定の権限は、小池知事にあります。SDGsの理念に反し、都心に残された貴重な自然や景観を破壊し、百年の歴史と文化的価値を踏みにじる、時代錯誤の再開発計画は、中止すべきです。答弁を求めます。

Q6 陥没・空洞事故で工事が止まっている外環道について、国と事業者は今週25日以降、シールドトンネルの掘進工事を再開するとのチラシを地域に配布し、大問題になっています。
 昨年末の最終報告を受けた動きですが、多くの専門家が、「情報開示に問題があり、説明の信ぴょう性が問われる」などと批判し、事故が再び起きる危険性も指摘しています。
 実際、事故で緩んだ地盤の補修の着手さえ、見通しが立っていません。
 掘進再開に向け各地で開かれた住民説明会でも、住民からは不安と不満の声が次々出されています。
 知事、都民の命とくらし、財産を守る立場から、工事の再開中止を、国と事業者に申し入れるべきです。答弁を求めます。

 都内各地で反対運動が起きている特定整備路線について、知事は施政方針で、「令和7年度までの全線整備に向け、その手を緩めることなく邁進して」いくと述べました。
 しかし特定整備路線の多くは、立ち退きや商店街の分断など、地元で反対の強い道路計画を、震災時に「燃えない、燃え広がらない」まちづくりを口実にして、都が強引に進めてきたものです。
 5つの路線で住民訴訟が起こされ、用地測量も買収も進んでいません。
 知事も最近まで、「執行状況を踏まえ、特定整備路線に係る予算額を前年度比で減とするなど、賢い支出を徹底して」いると答弁していました。
 知事、防災に名を借りた、まち壊しの道路計画「邁進」の発言は撤回するよう厳しく求めておきます。

Q7 京都市は、歴史的な町家を守りながら、修復型の防災まちづくりを進めるとともに、自主防災組織を育て、子どもたちへの防火防災教育を行っています。
 私の地元豊島区の千川中学では、10年ほど前から、小型ポンプによる消火訓練が放課後の部活動として行われ、先輩から後輩に受け継がれています。
 また都内多くの地域で、町会や消防団を主体にした、スタンドパイプによる初期消火活動が効果をあげ、歓迎されています。
 災害に強いまちづくりは、住民の協力のもと、地域にくらし、まちを愛する住民主体の取り組みこそ重要ではありませんか。答弁を求めます。

十四、東京オリパラ大会について

Q1 知事は施政方針で、東京オリパラ大会は、「多くの困難を乗り越えて成功裏に終えた」と述べました。しかし、バラ色の成功一色に描いてよいのですか。
 たとえば、感染急拡大により、医療機関では、ベッドが空いていても医療スタッフ不足で稼働できず、救える命が救えない事態が起きていました。そのさなかに、都立・公社病院からの派遣を含め、実員で6千542人もの医療スタッフをオリパラ大会に派遣したことに、知事は何の痛みも感じていないのですか。

Q2 コロナ患者の治療に奔走していた都立・公社病院から、東京オリパラ大会に何人派遣したのですか。実員と延べ人数について伺います。

 新型コロナ第5波の感染拡大のさなかに開催を強行し、開催期間に新規感染者が増え、医療にかかれず亡くなる方が何十人もいたことは、否定しようのない事実です。

Q3 緊急事態宣言下の東京で開催されたオリパラ大会が、人間の尊厳を守り、平和な社会の実現をめざす五輪の目的に沿った大会になったのか、きちんと検証すべきです。知事いかがですか。

Q4 大会経費の総額は、立候補ファイルでの試算の約2倍、1兆4千530億円にもなりました。
 このことを問われ、組織委員会の武藤事務総長は、「やはりちょっと反省すべき問題があると強く思った。よくよく考えるべきこと」だと述べました。
 冬季五輪の招致を目指す札幌市長は、「経費を小さく見せて、開催が決まったら増えましたというのは許されない」と発言しています。
 知事は、どう考えていますか。

Q5 なかでも東京都の負担は、2倍どころか立候補ファイルで示した額の実に4倍、6千248億円にのぼりました。
 招致段階では、都が負担するのは、都民が後利用できる都立新規恒久施設の整備のみだと言っていたのに、費用の膨張とともに、都と国、組織委員会の役割分担が変更され、都の負担が増やされていきました。
 さらに、負担を大きく見せないために、様々な理由をつけて五輪経費からはずし、ほかの局に分散して支出することも行われました。
 五輪経費から外したものも含めて、何にいくら使ったのか、全貌を都民の前に明らかにして総括すべきですが、いかがですか。

Q6 知事は施政方針で、全ての都民が、スポーツを通じて感動を分かち合える社会をめざすと表明しました。
 そうであるなら、誰もがスポーツをする権利を保障する、スポーツ振興条例の制定が必要ではありませんか。全国で18県がすでに制定しています。いかがですか。

十五、日米地位協定について

Q1 沖縄県、山口県、広島県で感染が急拡大したオミクロン株は、米軍由来であることが明らかです。
 他国では、その国のルールに従って米軍に対しても検査や待機が行われているのに、日本ではそれが行われていません。
 待機期間も短く、米軍関係者は待機期間中も基地内を自由に移動しているなど、感染防止対策が極めて緩いことが明らかになっています。
 米軍が昨年の9月以降、日本に向けて出国する際の検査を免除していたことも、昨年末に明らかになりました。
 知事、国民が、様々な犠牲を払って必死に感染拡大防止に取り組んでいるときに、米軍だけは検査もせずに入国するのは、おかしいと思いませんか。

Q2 知事は、横田基地周辺の5市1町と共に米軍に対して、感染防止対策の徹底を要請しました。米軍からは、どのような回答があったのですか。

Q3 日本に向けて出国する際の検査の免除について、米軍は、事前に日本政府に伝えたと話しています。ところが岸田政権は、国会で追及されるまで、この事実を国民に知らせず、事前に知らされていたことも隠していました。
 知事、感染症から都民の安全を守る責任者として、このような、日本国民の安全軽視の米軍と、それを放置する日本政府に、厳しく抗議し是正を求めるべきです。答弁を求めます。

Q4 検疫法を含め国内法の適用がないなど、不平等な日米地位協定の抜本的な見直しが、いよいよ必要です。強く国に求めるべきです。

 答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。


【答弁】

○知事(小池百合子君) 米倉春奈議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、都立、公社病院の独立行政法人化についてのお尋ねに関して。
 独法化の目的は、医療環境が大きく変わる中にありましても、安定的かつ柔軟な医療人材の確保や機動的な運営によって、行政的医療をはじめとする質の高い医療を提供する役割を将来にわたり果たすことであります。
 こうした意義や役割については、これまでも度々、この都議会の場で考え方をお示しし、議論を深めてきたところであります。
 昨年の第三回定例会では、法人の定款について議決をいただいたところでありまして、本年七月の設立に向け、引き続き必要な準備を着実に進めてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
 感染力が極めて強いオミクロン株の脅威から命と暮らしを守るという強い思いの下、先手先手の対策を講じてまいりました。
 第五波の経験を踏まえた備えを発展させ、一気に病床確保レベル三に引き上げたほか、高齢者向けの臨時の医療施設を先般開設いたしました。
 また、保健所やフォローアップセンターの強化、うちさぽ東京の新設など自宅療養体制を拡充したほか、都の大規模接種会場を開設するなどワクチンの追加接種も加速しているところであります。
 格差についてであります。
 私は、東京の活力の源である人に焦点を当てた政策を推進しており、あらゆるバリアが取り除かれ、誰もが自分らしく輝ける、段差のない社会の実現を目指しております。
 これまでも、セーフティーネットの強化充実のみならず、成長分野等への就労支援や子供たちの力を最大限に伸ばす学びなど、未来を担う人々の新たな挑戦を強力に後押しをしてきております。
 引き続き、こうした取組を着実に進めてまいります。
 次に、財政運営についてのお尋ねでございます。
 都はこれまでも、新型コロナ対策として、都民や事業者のセーフティーネットの強化充実に向けて、必要な対策を切れ目なく講じてまいりました。
 令和四年度予算案におきましても、子育て世帯への支援や再就職促進などの雇用対策、中小企業制度融資等の充実など、様々な施策に積極的に取り組んでおります。
 今後とも、都民生活と経済活動を守り抜くため、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。
 次に、住宅支援の重要性についてであります。
 住宅は、生活の基盤であると同時に、都市を形づくる基本的な要素であり、都民生活の安定と東京の持続的な発展のためには、居住の場としての東京の魅力を高めていくことが重要であります。
 都民の居住の安定の確保に向けました住宅セーフティーネットの強化など、総合的な住宅施策を引き続き展開をしてまいります。
 次に、中小、小規模企業への支援についてでございます。
 東京の地域経済を支えて雇用を創出する中小、小規模企業の事業の継続と展開に向けた支援を的確に行うことは必要であります。
 都はこれまでも、資金繰り支援をはじめとする経営の下支えとなる対策を講じるとともに、販路の拡大や業態転換などのサポートを行ってまいりました。
 こうした取組を通じて、中小、小規模企業の経営を着実に支援をしてまいります。
 パートナーシップ宣誓制度についてのお尋ねがございました。
 多様性が尊重され、誰もが認め合う共生社会を実現することは重要です。制度を導入することで、パートナー関係にある性的マイノリティーの方々の生活上の困り事の軽減や多様な性に関する都民の理解を促進する効果が期待できます。
 今般公表いたしました素案に関するパブリックコメント等を踏まえまして、本年秋の運用開始を目指し、制度の構築を進めてまいります。
 続いて、学生、若者への支援についてであります。
 長期化する新型コロナウイルスは、未来を担う学生や若者の生活に大きな影響を及ぼしており、都はこれまでも、学びを止めない取組や就労支援などの対策を講じてまいりました。
 未来の東京戦略のバージョンアップでも、困難を抱える若者への相談、生活支援の充実を盛り込んでおりまして、引き続き適切に対応してまいります。
 水素エネルギー施策についてのお尋ねがございました。
 二〇三〇年カーボンハーフとその先の二〇五〇年の脱炭素社会の実現のためには、あらゆる手段を総動員して取組を進める必要がございます。
 水素は、再生可能エネルギーの大量導入時代における調整力となり、電化が困難な熱やニーズが多様な運輸分野の脱炭素化にも不可欠なエネルギーでございます。将来の再生可能エネルギー由来のいわゆるグリーン水素の本格活用に向けましては、今からその基盤づくりを進めることが肝要です。
 現在、我が国をはじめ、世界の主要国で、燃料電池車両の開発やグリーン水素の製造等に関するプロジェクトが進められて、資金が投じられているところです。
 都は、エネルギーの大消費地として、今後も燃料電池車両の導入や水素ステーションの整備を支援いたしまして、水素関連技術の普及と水素需要の拡大を後押しすることで、将来のグリーン水素の本格活用に向けて、世界を牽引してまいります。
 次に、神宮外苑地区のまちづくりについてであります。
 日本イコモス国内委員会からの提言は承知しております。
 東京二〇二〇大会後の神宮外苑地区のまちづくりでは、にぎわいあふれる緑豊かなスポーツの拠点として、さらに発展させていくことといたしております。
 聖徳記念絵画館を臨む四列のイチョウ並木を保全するなど、歴史と風格を継承しながら、誰もがスポーツに親しめる環境や広場空間などを整備する。その過程で、既存の樹木を極力保存、移植するとともに、新たに緑を創出し、従来よりも緑の量を増加させてまいります。
 民間の活力と創意工夫を生かして、魅力と価値をより高めながら、SDGsの考え方にも沿ったまちづくりを進めてまいります。
 東京二〇二〇大会についてでございます。
 史上初の一年延期、そしてコロナ禍という状況の中、徹底した感染防止対策の下、スポーツの力で人々に勇気と感動を届けることができました。また、大会ビジョンである多様性と調和の下、様々な取組が行われたほか、難民選手団の参加や休戦ムラールなどを通じまして、平和のメッセージを世界に伝えました。
 大会につきましては、都と組織委員会が、大会運営などの取組や成果を順次報告書等として作成、公表いたしております。
 米軍の出国前検査についてでございます。
 昨年九月から十二月までの間、出国前検査が実施されていなかったことに関し、国は、在日米軍に対し強い遺憾の意を申し入れています。
 水際対策は、国において講じるべきであり、都としては、改めて出国前検査の徹底などについて、国及び在日米軍に対し要請をしております。
 今後も、感染症対策の徹底と住民の不安の解消の観点から、引き続き、国や米軍に対して必要なことを申し入れてまいります。
 なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 十一点のご質問にお答えいたします。
 初めに、コロナ禍での学びの継続についてでございますが、今般のオミクロン株の感染急拡大の状況にあっても、感染防止と学びの両立を図ることは重要でございます。
 各学校は、国や都のガイドライン等を踏まえ、基本的な感染症対策の徹底や教育活動におけるPCR検査の活用を図りながら、一人一台の学習者用端末を有効に使った分散登校とオンライン授業を組み合わせたハイブリッド授業等の工夫を行っているところでございます。
 次に、小中学校における学級編制についてでございますが、各学校では、国や都のガイドライン等を踏まえ、基本的な感染症対策を徹底するとともに、分散登校とオンラインのハイブリッド授業を行うなど、感染防止と学びの継続を図っております。
 義務教育における学級編制は、教育の機会均等や全国的な水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。
 次に、中学校英語スピーキングテストについてでございますが、本事業は、中学校における話すことの学習成果を的確に評価し、英語の総合的な指導の充実を図るとともに、その結果を都立高校入試に活用することで、高校での英語学習に円滑に接続し、生徒の学ぶ意欲を向上させることを目的としております。
 実施に当たりましては、事業主体である都教育委員会が、協定等に基づき、問題作成や採点、個人情報の管理等、テスト運営に係る事項について監修しております。これまでも、合理的配慮に基づく措置を設定しており、引き続き、関係者からの意見を聞きながら、適正に実施してまいります。
 次に、スピーキングテストの適切な実施についてでございますが、都教育委員会は、事業者と基本協定及び覚書を締結し、事業者が本スピーキングテストに関する模擬試験や関連教材の作成、販売をしたり、本テストのウェブサイトにおいて、教材の購買を誘導する表記を行ったりするなど具体的な禁止事項を明記し、利益相反行為を禁止しております。
 今後も、基本協定の条項に基づき、事業者に対して指導を継続することで、公平性、中立性を担保しながら、官民連携により、本事業を適切に実施してまいります。
 次に、校則等の自己点検及び見直しについてでございますが、都教育委員会は、学校の教育目標の実現に向け、学校の実情や生徒の意見、保護者の意識、社会の状況等を踏まえながら、校則の自己点検及び見直しに取り組むよう、都立高校等に通知をいたしました。
 各学校では、生徒の人権を保障したものであること、社会通念上合理的と認められる範囲であること、社会人として必要となる規範意識の醸成のために必要な内容であることなどを踏まえ、見直しに取り組んでおります。
 次に、校則等に関する生徒の話合いについてでございますが、自分たちのものとして守っていこうとする意識や姿勢を育むため、学校に対して、生徒会やホームルーム等において、校則について話し合う機会を設定するよう、引き続き促してまいります。
 次に、生徒の体調への配慮についてでございますが、生徒が生理によって授業に出席できなかった場合、プライバシーに配慮しながら、体調に応じて保健室で休ませるなど、養護教諭が中心となって、保護者、学級担任等と連絡を図り、対応していると認識しております。
 また、各教科等の評価につきましては、知識や技能及び学習意欲などで総合的に判断をしております。
 次に、学校における健康教育についてでございますが、生徒たちが性を含む健康に関する情報等を正しく選択して適切に行動できるよう、一人一人の状況を踏まえ、保護者と連携しながら、教育活動全体で取り組んでいるところでございます。
 次に、生徒への指導の事案についてでございますが、ご指摘の事案につきましては、把握をいたしておりませんため、見解を述べることはできません。
 なお、都教育委員会は、学校における指導上の課題についての情報を得た場合には、内容を確認し、学校に対して指導を行っております。ご指摘のような事実があったとすれば、断じて放置することができませんため、お知らせをいただければ適正に対応してまいります。
 次に、体育の授業における生徒の体調への配慮についてでございますが、生理中の体育授業の対応につきましては、一人一人の症状を踏まえ、生徒の意見を尊重するとともに、保護者と連携しながら、丁寧に対応しております。
 最後に、性教育についてでございますが、全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、各学校が保護者の理解を得ながら、性を含む健康に関する情報等を正しく選択して適切に行動できる力を育めるよう、学校を支援しております。
 また、教員を対象とした研修会等を開催し、性教育の目的や意義、指導方法について周知し、性教育の適切な実施に向け、教員の資質、能力の向上を図っております。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 六点のご質問にお答えをいたします。
 まず、神宮外苑における樹木についてでございます。
 今回の計画では、当地区のまちづくり指針に基づき、神宮外苑のシンボルともいえる絵画館を臨み、風格ある象徴的な景観を形成する四列のイチョウ並木を保全いたします。
 現況、緑や誰もが利用できるオープンスペースが不足している大規模スポーツ施設の集積地区におきましては、老朽化したスポーツ施設等の再編によりまして、中央広場などを新たに創出いたします。また、絵画館の前庭では、創建当初の趣旨を踏まえた芝生広場を整備いたします。これらの過程で、既存の樹木につきましては、樹木医の意見も聞きながら、樹木の状態など詳細な調査を行いまして、極力保存または移植いたします。
 これらによりまして、今回の計画は、地区全体として、従来よりも緑の量を増加させるなど、緑を充実強化し、緑を保全するものでございます。
 次に、神宮外苑地区のCO2の排出量についてでございます。
 当地区の従前の建築物からのCO2排出量につきましては、全体の実績値が把握できないため算定できません。整備後につきましては、本事業に関わる環境影響評価書案によれば、年間約四万七千トンとされております。
 事業者は、さらに、地域冷暖房の整備などに取り組むとともに、再生可能エネルギーの積極的な活用などによりまして、脱炭素化を図っていくこととしております。
 次に、神宮外苑の都市計画決定についてでございます。
 都市計画法によれば、都道府県は、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するものとするとされております。
 本件につきましては、過日、東京都都市計画審議会におきまして、賛成の議決がされておりまして、都市計画法に基づき、適切に対応してまいります。
 次に、米軍の感染防止対策の徹底についてでございます。
 都などから、在日米軍司令部等に対しまして要請した後に、国を通じて、在日米軍関係者の外出制限、施設、区域内外でのマスク着用の義務化等、都と横田基地周辺自治体が要請した内容を含む、新型コロナウイルス感染症の拡大に対処するための措置に関しまして、日米合同委員会が共同声明を発出した旨、都に対し連絡がございました。
 次に、米軍の出国前検査の免除についてでございます。
 国によれば、米軍は国に伝えていたとの認識でありましたが、国はそのような認識は持っておらず、両者の認識にそごがあったとのことでございます。
 最後に、日米地位協定の抜本的な見直しについてでございます。
 日米地位協定は、検疫に関する国内法を含め、米軍への適用がないなど、我が国にとって依然として十分とはいえない状況にございます。
 都はこれまで、国への提案要求などを通じ、日米地位協定の見直しを国に求めてきておりまして、引き続き、知事会等、他の自治体とも連携し、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 八点の質問にお答えをいたします。
 まず、都立、公社病院の独法化についてでございますが、様々な意見があることは承知してございます。
 独法化の目的は、超高齢社会の本格化など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、行政的医療の安定的な提供などの役割を将来にわたって果たし続けることでございます。
 今後とも、都民をはじめ、様々な関係者の理解がより進むよう、独法化の意義や目的を説明してまいります。
 次に、都立、公社病院のコロナ対応についてでございますが、感染症医療は、行政的医療の代表的なものであり、都立、公社病院の重要な役割であるため、コロナ対応を最優先に取り組んでおります。
 一般病床をコロナ病床に転用し、他の診療科の医師も診療に参加するとともに、看護師については他の病棟からコロナ病棟への応援体制を構築し、感染リスクがある中でも職員が医療従事者としての使命感を持って患者を受け入れてございます。
 都立病院条例についてでございますが、地方自治法上、公の施設の設置、管理は条例で定める必要があり、都立病院条例により都立病院の設置を定めております。一方、地方独立行政法人法上、法人の設立に当たっては、定款を定める必要があり、定款により都立病院の設置を定めております。このため、本定例会で都立病院条例を廃止する条例等の議案をご審議いただくなど、所要の手続を行うものでございます。
 なお、独法化は、都立病院の使命を変えるものではなく、効率的で柔軟な病院運営を実現し、将来にわたって都民ニーズに的確に対応していくためのものでございます。
 次に、地方独立行政法人法第三十条の対象についてですが、法第三十条の規定は、PDCAサイクルを有効に機能させるため、法人の業務の継続など全般にわたる検討を行うことを定めたものであり、行政的医療の提供は、法人の業務であることから、他の医療と同様、対象となります。
 都立病院ではこれまでも、行政的医療の個々の医療課題について、社会的なニーズ等を踏まえ検討し、適切に対応してまいりました。行政的医療の提供は、定款において法人の目的として規定している都立病院の重要な役割であり、引き続き確実に提供してまいります。
 職員への説明についてですが、令和二年八月以降、法人の人事給与制度案をイントラネットを通じて順次説明をしており、常勤職員約七千人のうち、約六千人が確認しております。寄せられた質問等に対しては、約九百件の回答を全職員向けに公開しております。
 本年一月以降、職員の理解がより深まるよう、全都立病院において、計十六回の個別相談会などを実施し、職場の代表参加を含めて約二百名の参加を得ました。初回の大塚病院での説明会においては、職員約六百人のうち、会場には約三十人が参加をいたしました。
 引き続き、多くの職員が新法人の制度理解を深め、疑問を解消できるよう、一層丁寧な説明を行ってまいります。
 都立病院の職員についてでございますが、感染状況が大変厳しい中、都立病院で働く職員は、コロナ患者の受入れに全力を挙げて取り組んでおります。
 法人設立後は、そのメリットを生かし、より働きがいにつながる人事給与制度や柔軟な勤務制度など、職員にとってさらに働きやすく、安心して働ける環境を整備することとしてございます。
 職員に対しては、引き続き、勤務環境が充実することや行政的医療の提供など都立病院の役割を果たし続けるための独法化であることを丁寧に説明してまいります。
 地方独立行政法人法に関する附帯決議についてでございますが、法人設立後の職員の勤務制度等については、これまで、職員の声を踏まえながら制度づくりを行ってまいりました。
 また、職員団体との間では、勤務制度や人事給与制度等について十分な協議や意見交換を進めており、国会における附帯決議の趣旨に沿ったものでございます。
 今後とも、職員団体との意思疎通を十分に図ってまいります。
 最後に、都立、公社病院の東京二〇二〇大会への派遣についてですが、都立、公社病院からは、実員でオリンピックに二百名、パラリンピック百九十四名、合計で三百九十四名、延べ人員では合計で二千二百七十一名の医師、看護師等の派遣を行っております。
〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 十点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療、衛生に関する都民の要望についてであります。
 令和三年度の都民生活に関する世論調査におきまして、特に力を入れてほしい施策の第一位が、医療、衛生対策であったことは承知しております。
 都は、健康と保健医療に関する世論調査を実施いたしまして、公募委員を含む東京都保健医療計画推進協議会での議論を経て計画を策定しておりまして、これに基づいて救急医療、在宅医療などの医療提供体制の充実に取り組んでいるところでございます。
 次に、子供に対する検査についてであります。
 都は、ワクチン接種の対象外となっております十二歳未満の子供の感染対策として、国の通知に基づき、小学校や保育所等の職員に対し、集中的検査を実施しているところでございます。
 なお、学校や保育所等において、陽性者が発生し、保健所による濃厚接触者の特定等が実施されない場合には、施設内での感染拡大を防止するため、児童や教職員、保育従事者等にPCR検査を実施できるよう、各学校や区市町村に検査キットを送付しているところでございます。
 次に、高齢者施設等における検査についてであります。
 高齢者施設等の入所者は重症化リスクが高く、集団感染が発生した場合に影響が大きいことから、都は、高齢者施設等の職員を対象に、オミクロン株の流行も踏まえた国の通知に基づきまして、週一回の集中的検査を実施しております。
 次に、多摩地域の都保健所についてであります。
 国会での稲城市長のご発言については承知しております。
 都保健所は、住民に身近な保健サービスは市町村が行い、より専門的なサービスは保健所が実施するという地域保健法の考え方に基づきまして、現在、二次保健医療圏に一か所の体制となっております。
 次に、都保健所の体制についてでございます。
 多摩地域の都保健所は、二次保健医療圏における広域的、専門的、技術的拠点として、地域の感染症対策の重要な役割を担っております。
 都はこれまで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、保健師の増員、応援職員の配置、業務の効率化など、体制強化や負担軽減に取り組んでおりまして、引き続き、感染状況に応じ、体制の確保を図ってまいります。
 なお、今後、感染拡大から終息に至るまでの都保健所の取組について検証した上で、その在り方について検討していくこととしております。
 次に、国民健康保険についてであります。
 国民健康保険は、相互扶助の考え方に立った社会保険制度でありまして、その財源は、保険料が二分の一、公費が二分の一が基本とされております。
 保険料、税の賦課方式や料率は、住民の様々な暮らし向きを踏まえながら、区市町村が自ら定めるものであり、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるものと認識しております。
 都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づく財政支援を行うとともに、制度設計者である国に対し、構造的な問題の抜本的解決を図るよう、かねてより求めているところでございます。
 次に、高校生等への医療費助成についてであります。
 高校生の世代は、生涯にわたる健康づくりの基礎を培う大切な時期であり、自らの健康をコントロールし、改善できるよう支援することは重要であります。このため都は、子育てを支援する福祉施策の充実に向け、来年度予算案に、高校生等への医療費助成事業の準備経費として、区市町村のシステム改修経費等を計上いたしました。
 次に、医療費助成の制度についてであります。
 高校生等への医療費助成の具体的な制度内容については、年齢的に接続する義務教育就学児の医療費助成を参考にしながら、区市町村と意見交換して整理することとしておりまして、今後、制度の考え方や内容等について、丁寧に議論を重ね、調整してまいります。
 なお、乳幼児及び義務教育就学児に対する医療費助成は、実施主体である区市町村が、それぞれの議会における審議を経て、条例を定めて実施しているものでございます。
 次に、多摩地域の児童相談所についてであります。
 昨年七月に公布された政令では、児童相談所の管轄区域の人口は、おおむね五十万人以下とされ、併せて発出されました国の通知では、管轄人口の目安は、基本として二十万人から百万人までの範囲とされております。
 この法令等を踏まえ、都は、多摩地域において新たな児童相談所を設置するため、来年度、施設規模や設置場所、設置形態等に関する調査を実施いたします。
 最後に、ひとり親家庭への支援についてであります。
 ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担っており、コロナ禍が長引く中、負担が大きくなっております。
 都は、生活資金の緊急貸付や納税猶予など、様々な制度や相談先をまとめたサイトを運営するほか、母子及び父子福祉資金の返済を猶予しております。
 また、今年度は、児童扶養手当を受給するひとり親家庭等を対象に、生活支援特別給付金を支給しております。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、検査件数でございますが、一日当たりの最大検査実績は、行政検査四万七千件、都の独自検査一万六千件、PCR等検査無料化事業一万二千件、合わせて七万五千件でございます。
 また、このほか、今般の感染急拡大に伴う措置として、無症状の濃厚接触者に対し、受診前に自宅で行う検査キットを一日最大四万件配布しているところでございます。
 続きまして、検査体制についてでございますが、都は、行政検査及び都の独自検査を合わせまして、一日当たり約十万件の処理能力を有するほか、PCR等検査無料化事業など、必要な検査を受けられる体制を確保してございます。
 続きまして、新型コロナウイルス感染症の検査料についてでございますが、診療報酬は、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会の議論を踏まえて決定しているところでございます。新型コロナウイルス感染症の検査に係る保険収載価格につきましては、実勢価格を踏まえて検証を行い、その結果を踏まえて見直しが行われたものと聞いております。
 続きまして、高齢者施設の入所者等への追加接種についてでございますが、都は、区市町村に対し、施設入所者等への追加接種を早期に完了するよう、ワクチンチーム会議で重ねて要請をしております。
 また、都の大規模接種会場におきまして、職員への接種を行うとともに、入所者にワクチンバスによる接種を進めているところでございます。
 続きまして、自宅療養者への支援体制についてでございますが、都は、保健所や自宅療養者フォローアップセンターの体制強化に加えまして、医療機関による健康観察を先月から開始しているところでございます。
 また、新たに自宅療養サポートセンター、うちさぽ東京を開設し、自宅療養者から直接、食料配送の依頼を受け付けるなど体制強化を図っております。
 最後に、大学と連携した感染症対策についてでございますが、都はこれまで、大学での感染拡大を防ぐため、学生への基本的な感染防止対策の徹底等の呼びかけや大教室の活用、クラスを分割した授業の実施による密の回避を大学に依頼したほか、ワクチン接種の推進やモニタリング検査の実施など、大学と連携した取組を進めてきております。
 また、学生寮などでの集団感染を防ぐため、感染対策のポイントをまとめたチェックリストを作成し、大学に周知を図っているところでございます。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営住宅の増設についてでございますが、都営住宅につきましては、これまでも既存ストックの有効活用を図り、適切な供給や適正な管理に努めてまいりました。
 これからも、既存ストックの有効活用を図り、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう取り組んでまいります。
 次に、都営住宅への単身の青年等の入居についてでございますが、都営住宅は、原則として同居親族のある世帯を入居対象としており、単身者につきましては、特に居住の安定を図る必要のある高齢者世帯等に限り入居の対象としております。
 なお、先日公表した東京都住宅マスタープランの案に、大学と連携した学生による地域コミュニティの支援の仕組みの検討につきまして、盛り込んでいるところでございます。
 最後に、都営住宅の断熱性能の引上げについてでございますが、現在、都営住宅につきましては、国の公営住宅等整備基準に基づき、いわゆる住宅の品確法の断熱等性能等級におきまして、最上位の等級四の基準を満たす仕様で整備してございます。
 今後とも、国の動向を踏まえ、対応してまいります。
〔生活文化局長武市玲子君登壇〕

○生活文化局長(武市玲子君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、改定男女平等参画推進総合計画における雇用の場の男女平等の取組についてでございます。
 計画素案では、間接差別や性別職務分離の是正など、事実上生じている格差の解消や、企業において女性が活躍できる機会の拡大等を取組の方向性として掲げております。
 改定計画に基づき、雇用機会の均等と女性の職域拡大、就業継続やキャリア形成、働く場の意識改革などの施策に取り組んでまいります。
 次に、公衆浴場に対する支援についてでございます。
 都は、これまでも、公衆浴場が行う施設整備や利用促進の取組に対して補助を行ってまいりました。
 また、今年度から、後継者の育成や利用者の拡大に向けた公衆浴場の取組に対する補助事業を拡充し、支援を強化しております。
 次に、公衆浴場の役割と活性化についてでございますが、公衆浴場は、都民への入浴機会の提供とともに、健康づくりや地域住民の交流の場として重要な役割を果たしていると認識しております。
 都は、人々が集い、リフレッシュする場、また、日本の伝統的な生活文化を身近に体感できる場など、銭湯の多様な魅力を発信する公衆浴場組合の取組への補助を通じて、浴場経営の活性化を図っております。
 今後とも、浴場組合の意見を聞きながら支援してまいります。
 最後に、大学生等への支援についてでございますが、国は、いわゆる高等教育無償化の制度において、新型コロナウイルス感染症の影響も含め、家計が急変した学生も対象として、授業料等の負担を軽減しています。都は、そのうち、都内私立専門学校等について、財政負担を行うとともに、学校が制度利用の申請をした場合の審査や負担金の交付等を実施しております。
 また、国は、学生等の学びを継続するための緊急給付金による支援を実施しております。
〔財務局長吉村憲彦君登壇〕

○財務局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、公契約条例における課題についてでございますが、最低賃金法や労働基準法等との整合や、入札契約制度の前提である公正性、競争性の確保の観点など、公契約条例の制定には、これまでと同様に多くの課題があると認識しております。
 次に、財政運営についてでございますが、都はこれまでも、人が輝く東京の実現に向けて積極的な施策展開を図っており、来年度予算案においても、子供に優しい社会の実現や、高齢者や障害者の暮らしへの支援、様々な悩みを抱える方々に対するサポート体制の強化など、必要な取組を行っております。
 同時に、東京の都市機能を支えるインフラの整備は、都民の利便性と東京の活力の向上などに不可欠であり、真に必要な取組は着実に進めていくことが必要でございます。
 今後とも、都民福祉の向上をはじめ、都政の諸課題の解決に向けまして、必要な施策に的確に財源を振り向けてまいります。
〔政策企画局長野間達也君登壇〕

○政策企画局長(野間達也君) 経済政策についてでございますが、直面する危機への対応と東京の持続的な成長を実現するための取組の双方が重要でございます。
 これまでも、コロナ禍で影響を受けた中小企業等に対する多面的な支援を行うとともに、国際金融都市の実現など、世界をリードする政策を展開してきており、今後とも適切に対応してまいります。
〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 中小製造業への支援についてですが、優れた製品や技術を持つ中小製造業の事業の継続を支援することが必要でございます。
 このため、都は、資金繰り支援を行うほか、新たなニーズを獲得するための販路開拓などの取組を支援してきたところでございます。
 引き続き、中小製造業への支援を着実に行ってまいります。
 次に、中小企業の事業継続に対する支援についてですが、都はこれまでも、厳しい経営環境にある中小企業を下支えするため、資金繰り支援を行うほか、販路開拓の後押しや専門家派遣による原油高に関する助言を行ってまいりました。
 引き続き、中小企業を適切にサポートしてまいります。
 最後に、国の事業復活支援金への対応についてですが、都は、国の事業復活支援金を受けた中小企業に対して、販路開拓に必要な経費の助成を行っております。
 また、事業復活支援金の申請については、経済団体や専門家などがサポートを行っていると聞いております。
〔総務局長村松明典君登壇〕

○総務局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都のパートナーシップ宣誓制度における子供についての考え方ですが、今般公表いたしました制度素案では、都が発行する受理証明書に子供の名前を記載できるようにしたところでございます。
 性的マイノリティー当事者が、子供の保育園の送迎や病院の付添いなどに際しまして証明書を活用することで、困り事の軽減が図られるものと考えております。
 次に、学生、若者施策の推進体制についてですが、都では、その時々の行政課題や社会情勢等に応じて、常に効果的かつ効率的な執行体制の確保を図っておりまして、今回の組織改正におきましても、こうした考え方や各局との議論等を踏まえ、検討を行ったところでございます。
 また、都は、若者等からの仕事や生活支援等の相談内容に応じまして、各所管局が、国や各関係機関と緊密に連携を図りつつ、きめ細かく対応しているところでございます。
 今後とも、適切な執行体制の下、学生、若者支援に取り組んでまいります。
 最後に、地域の防災に関する取組についてですが、災害時には、共助の要となる地域が果たす役割は大きいことから、都はこれまで、町会や自治会など自主防災組織のリーダーへの研修や地域の子育て世代を対象としたセミナーの実施など、地域の防災活動を後押ししてまいりました。
 今後も、こうした取組を通じまして、地域防災力の向上を図ってまいります。
〔都民安全推進本部長小西康弘君登壇〕

○都民安全推進本部長(小西康弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
 学生等若者の状況把握についてでありますが、都はこれまで、東京都子供・若者支援協議会の運営を通じて、各機関等が把握している若者の状況などの情報共有を図ってまいりました。
 また、東京都若者総合相談センター、若ナビαにおいては、約三割が学生からの相談でありますが、長引くコロナ禍にあって、オンライン授業によるストレスや不安の増大、活動制限による孤立といった相談が寄せられており、その時々の学生の状況を引き続き把握し、支援機関につなげてまいります。
 次に、学生等若者が交流できる場についてでありますが、こうした居場所づくりは、若者に身近な区市町村と連携し対応することが必要であります。
 都はこれまで、区市町村が地域のニーズに応じて行う学生等若者の居場所づくりなどに対する補助を実施してまいりました。
 また、東京都子供・若者支援協議会での情報提供や地域支援者向けの講習会の開催などにより、今後とも地域における取組を後押ししてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、石炭火力発電についてでございますが、全国の電源構成などのエネルギー政策の在り方につきましては、国レベルで議論、検討されるべきものでございます。
 世界の大都市である東京は、エネルギーの大消費地の責務として、二〇五〇年ゼロエミッション東京の実現に向けて、今後とも、より一層の省エネとともに、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化を図ってまいります。
 次に、気候変動対策への都民の参加、協働についてでございますが、気候変動対策の推進には、都民一人一人の行動が不可欠でございまして、都はこれまでも、自治体や環境団体等が実施する市民参加型のシンポジウムや勉強会等に参加することで、都民の生の声を聞きながら、都の取組についても発信し、共感と協働を呼びかけてまいりました。
 環境審議会におきましても、未来を担う若者等からのヒアリングなども実施しておりまして、引き続き、様々な場で、多くの主体の参画を得て、カーボンハーフを実現してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 外環事業についてでございますが、一昨年十月の陥没事故を受け、都は、事業者に対して、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明や対応を要望してまいりました。
 事業者はこれまで、陥没箇所周辺の家屋の補償や地盤補修等に取り組み、引き続き誠意を持って対応するとしております。また、事業者は、昨年末に大泉及び中央ジャンクションのシールド工事の再発防止対策等を取りまとめ、住民説明会を開催いたしました。今後、準備が整った工事から、まずは事業用地内で掘進作業を行うとしております。
 都は、事業者に対し、先月、再発防止対策等の確実な実施や住民への丁寧な対応などを要望いたしました。外環事業の必要性は変わらないと認識しており、引き続き適切な対応を求めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長延與桂君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(延與桂君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、大会時の医療体制についてでありますが、医療スタッフと配置については、コロナ対策調整会議での議論や感染状況を踏まえ、地域医療、ワクチン接種への支障のないよう、検討、精査を進めました。
 具体的には、競技会場等の医療スタッフ配置の合理化や勤務シフトの弾力化等の検討を行ったほか、医師については、スポーツドクターや整形外科医等を中心に、看護師については、いわゆる潜在看護師等に働きかけを行うなど、協力医療機関、関係団体と丁寧に調整を進めました。
 こうした対応により、大会の安全と地域の医療の両立を図ったところでございます。
 次に、大会経費についてであります。
 立候補ファイルでは、立候補都市間での比較を容易にするため、IOCが基礎的な要素のみを取り出した数値を要求していることなどから、制約が内在しており、大会経費と比較することは適当ではありません。
 大会経費につきましては、大会開催に必要な事業の総額を算定し、平成二十八年にV1予算として公表し、説明を行いました。また、V1予算から今回の見通しまで、毎年度精査を行い、総額と内訳を明らかにしてまいりました。
 次に、大会関連経費についてでありますが、大会に密接に関わる事業などの大会関連経費につきましても、毎年度の予算、決算を通じて明らかにしております。
 今後とも、都民、国民の理解が得られるよう取り組んでまいります。
 最後に、都民のスポーツ振興についてであります。都はこれまでも、スポーツ基本法に基づき、スポーツの力で東京の未来を創るを基本理念とする東京都スポーツ推進総合計画を策定し、スポーツ振興に取り組んでまいりました。
 これに加えて、東京二〇二〇大会を通じて人々のスポーツに対する関心が高まったこの機会を捉え、スポーツを東京に一層根づかせるため、先般、スポーツレガシービジョンを公表いたしました。
 引き続き、こうした計画やビジョンに基づき、都民のスポーツ振興を着実に進めてまいります。


【再質問・答弁】

○八十二番(米倉春奈君) 知事に再質問をします。
 都立、公社病院の独立行政法人化についてです。
 私は、知事が施政方針で独法化について、なぜ一言も触れなかったのか質問しました。
 ところが知事は、聞いたことに答えませんでした。よく分からない答弁でしたが、知事は、定款が議決されたから、もう説明する必要はないといいたかったんですか。独法化の議案を何本も議会に出しておいて、開会日の施政方針で、なぜ一言も触れなかったのか。私の質問に対し、都民の皆さんに分かるように、きちんと丁寧にご説明ください。
 二問目です。
 今年に入ってから、都立大塚病院で開かれた独法化についての説明会に参加したのは、六百人の職員のうち、僅か約三十人だったという答弁がありました。対象職員の五%に過ぎません。
 知事、これで現場職員の理解と合意が得られていると思っているのですか。知事の見解を伺います。
 三問目です。
 独法化についての現場職員への説明について、引き続き一層丁寧に説明する、職員に対しては、引き続き丁寧に説明していく、今後とも、職員団体との意思疎通を図っていくという答弁が繰り返されました。
 知事、これは要するに、職員の理解と合意はいまだ得られていないということです。これから説明すればよいという話ではありません。都立病院条例廃止条例を議会に出す前に、丁寧な説明が終わって、理解と合意を得ることが必要ではありませんか。
 独法化について、以上三問、知事の答弁を求め、再質問を終わります。(拍手)
〔病院経営本部長西山智之君登壇〕

○病院経営本部長(西山智之君) 三点の再質問にお答えをいたします。
 まず、独法化の案件についてでございますが、独法化の目的は、医療環境が大きく変わる中にあっても、安定的かつ柔軟な医療人材の確保や機動的な運営によって、行政的医療をはじめとする質の高い医療を提供する役割を将来にわたって果たすためにございます。
 令和二年三月の新たな病院運営改革ビジョンの策定や東京都立病院機構の定款の議案など、節目、節目で都議会の場でも議論を深めてまいりました。引き続き、必要な準備を着実に進めてまいります。
 次に、大塚病院の件についてお話がございました。
 本年一月以降に実施いたしました個別の相談会や説明会は、これまで職員に説明を行ってきた中で、分からないことや疑問のある職員に対して、その理解を深めてもらうように行ったものでございます。
 当初は、集合形式を予定しておりましたが、感染状況を踏まえ、工夫してオンラインで実施をいたしました。コロナ禍を踏まえまして、これまで対面で行ってきた会議等をオンラインで対応するということが社会全体に根づいてきておりまして、各病院現場でも日常的にオンライン会議を活用している状況でございます。
 職員との必要なコミュニケーションを取ることは十分可能であり、個別相談会に参加した職員からも、丁寧に対応してもらい疑問が解消したといった声もございました。
 最後に、現場への説明に関しましては、既に多くの職員が説明資料を確認しているところでありますが、制度のポイントを短時間で解説した音声つきの資料を公開するなど、現在も、さらに多くの職員に理解をしていただくよう、対応を行っているところでございます。より多くの職員につながるよう、引き続き、丁寧な説明を行ってまいります。

以 上