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質問・条例提案

2022.03.15

文教委員会 英語スピーキングテスト・他 とや英津子都議(練馬区選出)

3月15日の文教委員会で、とや英津子都議(練馬区選出)が質問を行いました。

★全文(都議会速記録より)

  1. 書道の教員の採用について
  2. 時間講師の社会保険の適用について
  3. 英語スピーキングテストについて

 


書道の教員の採用について

○とや委員 日本共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 初めに、都立高校の書道の教員の採用について伺っていきたいと思います。
 高校教育における芸術科目の位置づけはどのようになっていますでしょうか。伺います。

○藤井指導部長 高等学校の芸術科は、芸術への永続的な愛好心を育み、感性を高め、豊かな情操を養う教科でございます。
 学校は、芸術科の各科目のうち、音楽Ⅰ、美術Ⅰ、工芸Ⅰ、書道Ⅰの四科目の全部または一部を教育課程に位置づけ、全ての生徒は、これらのうちから一科目を履修する必要がございます。

○とや委員 音楽Ⅰ、美術Ⅰ、書道Ⅰ、工芸Ⅰのいずれかを必修で週二時間、さらに、二年生や三年生で、それぞれの科目のⅡやⅢを選択する生徒もいると伺っています。
 授業の中で表現活動を行ったり作品を鑑賞したりすることを通して、豊かな創造性や人間性を育み、また、芸術に対する感性や素養を身につける重要な機会になっていると思います。
 また、高校のときの授業や先生の影響を受けて、芸術が好きになった、また、大人になっても楽しんでいるという方も多いのではないでしょうか。
 ところが、その芸術科目の中で、書道の先生が東京都にはいない、正規採用されている書道の先生は一人もいないというご指摘をある方からいただきました。
 確認をいたしますが、現在、都立高校の音楽、美術、書道の正規教員はそれぞれ何人いるでしょうか。また、最近十年の新規採用数はそれぞれ何人ですか。十年間の合計と平均人数でお願いをいたします。

○浅野人事部長 現在の都立高校における各科目の正規教員は、音楽百五十人、美術百三十二人、書道〇人でございます。
 最近十年の都立高校における新規採用数は、十年間の合計で、音楽五十三人、美術三十四人、書道〇人であり、年平均で、音楽五・三人、美術三・四人、書道〇人でございました。

○とや委員 都立高校は、中等教育学校も入れて百九十一校あって、全日制、定時制、通信制を合わせて二百四十課程があります。にもかかわらず、音楽の先生が百五十人、美術も百三十二人しかいないのかと、ちょっと驚いたのですけれども、書道の先生は一人もいない、〇人ということです。採用も、少なくともこの十年間、行われていないということです。正規教員が一人もいないのだから、十年どころか、長年にわたって採用されていないのではないかと思います。
 書道の先生が少ないというのであれば、まだ分かるのですけれども、一人もいないというのは大変驚きました。
 書道の正規教員が一人もいない理由を伺います。

○浅野人事部長 各高校の教育課程は、校長の責任の下、編成されるものであり、書道は芸術科の選択履修科目の一つでございます。
 また、校長は教育課程に合わせて教員の構成を決めており、各校長からは書道の正規教員配置の要望はございません。
 これらのことを踏まえ、書道の教員は採用しておりません。

○とや委員 校長から書道の正規教員配置の要望はないということですが、正規教員がいなければ要望のしようがないのではありませんか。
 都立高校で書道の時間を設けている高校は何課程あって、時数の合計は何時間になるでしょうか。お答えください。

○浅野人事部長 令和三年度において、書道が設定されている課程は百八十七課程であり、措置されている講師時数は、合計で週千六百五十五時間でございます。

○とや委員 百八十七課程ということです。週に一千六百五十五時間もの授業があって、全て時間講師で賄われていると。時間講師の奮闘に頼っている状況です。
 授業で教えるだけでなくて、学校全体の授業計画なども、書道に関しては、全て講師がつくっている現状があるわけです。
 それで、百八十七課程のうち、書道の時間が十八時間以上ある課程数、十五時間以上ある課程数はそれぞれどのくらいあるのか、伺います。

○浅野人事部長 令和三年度において措置されている講師時数が週十五時間以上の課程は二十七課程であり、そのうち週十八時間以上の課程は十一課程でございます。

○とや委員 高校教員の持ち時数の上限は週十八時間でありますから、少なくとも一校で週十五時間程度の授業時間数があれば、正規教員を配置するのは当然ではないかと思います。現状でも、そうした学校が三十校近くあるということが分かりました。正規教員を置けるだけの時間数があるのに、全部講師で賄っているというのは、望ましい状況とはいえないのではないでしょうか。
 ある時間講師の方の教え子の中には、学芸大学に行って書道の先生になりたいと希望する生徒がいたそうです。時間講師の方は、その生徒のために、授業時間以外の時間も使って一生懸命指導をして、生徒は、見事、学芸大学に合格して卒業したわけですが、結局、東京都には採用がないので、諦めて国語の先生になったというふうなお話を聞いています。
 その時間講師の方は、せっかく志を持って書道の教師になりたいという生徒がいたのに、不安定な時間講師の職しかなくては、ぜひその道にと勧めることができなかったとおっしゃっていました。
 何とも残念な話だと思いますし、時間講師の方は、いわばボランティアで時間外に指導してあげたということになるわけです。
 こうした教育者としての熱意や使命感に頼る、あえていえば利用するような状況も望ましいとはいえません。こうした方々に、生活も仕事も安定して力を発揮できる正規教員になってもらってこそ、子供たちへの授業も充実したものになるのではないでしょうか。
 書道も、音楽や美術と同様に重要な芸術科目だと思いますが、いかがですか。

○藤井指導部長 学習指導要領では、高等学校の芸術科は、音楽、美術、工芸、書道に関する各科目から、生徒が興味、関心等に応じて、少なくとも一科目を選択し、学習する教科でございます。
 書道は、書道の幅広い活動を通して、書に関する見方、考え方を働かせ、生活や社会の中の文字や書、書の伝統と文化と幅広く関わる資質、能力を育成することを目指しております。

○とや委員 今のご答弁は、学習指導要領の指導の目標です。
 学習指導要領や評価方法の改訂などがある際も、時間講師が個人の努力で対応していくには大変な苦労があるとのことです。先生方の自主的な研究会が各教科にありますが、書道でも、昔々に採用された正規の先生が残っていたときには、その先生が中心になって授業研究などができていたというわけです。しかし、時間講師ばかりで運営も難しくなってしまったということを伺いました。
 書道の時間があるわけですから、その授業の質を向上させて内容を充実していけるよう、そういった形での教員の配置が必要です。
 書道の教員も正規で配置するべきではありませんか。

○浅野人事部長 各高校の教育課程は、校長の責任の下、編成されるものであり、書道は芸術科の選択履修科目の一つでございます。
 また、校長は教育課程に合わせて教員の構成を決めており、各校長からは書道の正規教員配置の要望はございません。
 こうした状況も踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。

○とや委員 先ほども申し上げましたけれども、正規教員が長年ずっといなければ、配置を要望しようという気持ちにもならないのじゃないでしょうか。
 他県の状況を調べてみました。すぐに分かったのが、今年度の教員採用試験の結果です。
 埼玉県の高校教員の最終合格者数は、音楽十二人、美術工芸十人、書道は七人です。神奈川県の高校教員は、音楽五人、美術六人、書道は一人合格です。千葉県は、中高共通の枠で、音楽二十三人、美術二十四人、書道は、高校だけの枠で十人が合格をしています。近県では、これだけ採用しているわけです。
 書道の正規教員がいない、採用もしないのは、正常な姿とはいえないと思います。ぜひ今度の試験からでも新規採用を行うことを強く求めておきたいと思います。

時間講師の社会保険の適用について

 次に、時間講師の方の社会保険の適用について伺います。
 時間講師の方の社会保険は、小中学校の場合、区市町村単位で一つの事業所とみなされ、同じ区内であれば、複数の学校の合計で週二十時間以上、授業を持っていれば加入対象になると聞いています。
 ところが、都立高校の場合は、学校ごとに事業所とみなされるため、一つの学校で週二十時間教えていないと加入ができない状況があります。時間講師の多くは複数の学校の授業を掛け持ちしていますから、一つの学校で週二十時間というのは大変高いハードルです。ある時間講師の方は、複数の学校の合計で週二十四時間も教えているにもかかわらず、対象外となっているそうです。
 社会保険に加入できれば、保険料の半分は事業主負担となりますし、年金も、国民年金にプラスして厚生年金ももらうことができます。社会保障の充実という点で、時間講師にも、できるだけ加入できるようにする運用が求められていると思います。
 都立高校は、なぜ一校ずつで事業所になっているのでしょうか。

○田中福利厚生部長 社会保険は事業所を単位に適用され、社会保険の適用を受けている事業所を適用事業所といいます。
 東京都教育委員会における健康保険、厚生年金保険の適用事業所の設置は、社会保険事務所の指導助言に基づき、小中学校は各区市町村教育委員会、教育出張所を適用事業所とし、都立学校は各都立学校を適用事業所として社会保険事務所から適用を受けています。
 都立高校は、各学校において、経営、庶務、経理等の事務、職員の人事給与、福利厚生の事務を行い、適用事業所の事業主が行うべき事務を所定の期間内に適正に行うことができ、適用事業所として適正な設置となっております。

○とや委員 都立高校は、経理や人事給与等を各学校において行っているというご説明でありましたが、時間講師の勤務や給与の管理は、学校だけで完結しているわけではありません。
 そして、中学と高校で教えている時間講師の方に伺ったところ、時間講師から見て、雇用や給与支払いの仕組みに、中学校と高校では違いがないということです。
 時間講師は、都知事名で東京都に雇用をされています。そして、勤務時間は、中学校でも高校でも学校ごとに管理をされ、給料の支払いは、都教委から学校ごとに分けて銀行に振り込まれる、所得税や雇用保険料は、授業時数の一番多い学校分からまとめて差し引かれると伺っています。
 小中学校は、各区市町村教育委員会ごとでまとめて一つの適用事業所になれるのであれば、都立高校も、必ずしも一校一校を別々の適用事業所にする必要はないのではありませんか。
 改善を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○田中福利厚生部長 都教育委員会の適用事業所は、健康保険法、厚生年金保険法に基づき適正に設置したものでございます。
 各都立高校は、現行法制度の下で適用事業所としての設置となっており、今後も法令改正等を注視してまいります。

○とや委員 法令に基づきとおっしゃいましたが、それは、さっきの答弁でもありました、社会保険事務所の指導や助言に基づいて適用事業所を決めたのは、じゃ、いつかといいますと、一九八四年、三十八年も前だと伺っています。その頃は、今とでは社会状況も大きく変化をしています。非正規雇用やパートタイムの方などの休暇などの諸制度や社会保険などを保障していく方向に時代は動いています。
 この都庁舎の中で働いている会計年度職員の方々も社会保険に入っています。時間講師の方々も数年前から会計年度職員になっていますけれども、その中で、時間講師だけ取り残してよいはずがありません。
 複数の学校に勤務するという時間講師の仕事の特性を踏まえた上で、どのようにしたら社会保険の対象とできるのかという視点で考えて工夫していただきたいと思います。見直しと改善を強く求め、次の質問に移ります。

英語スピーキングテストについて

 英語スピーキングテストについて伺います。
 東京都教育委員会は、来年からスピーキングテストを都立高校入試に活用する方針を持っています。
 今年度は、公立中学校など五百九十二校、約六万四千人がプレテストを受けました。
 代表質問でも取り上げましたが、このスピーキングテストは、問題の作成から試験監督、採点まで全て、都教委と協定を結んだ株式会社ベネッセコーポレーションが行います。
 専門家や英語教員、保護者などから、多くの問題点や懸念が表明されています。昨年十二月には、英語教育の関係者が都庁で記者会見をして、導入中止を訴えました。今でも都民の合意があるとは到底いえない状況であります。
 懸念されている問題は幾つかあるわけですが、都立高校入試は、生徒の未来を左右しかねない、人生を左右しかねない重要な入試であることから、まず問われるのが採点の正確さや公平性です。
 私も、都教委のホームページから問題を拝見しました。このテストは、絵を見て状況を説明して、自分が好きなこととの関係で理由についてスピーチするなど、答えが無限にあるものでした。しかも、スピーキングなので、発音なども採点の対象になります。全員を同じ基準で公平に、限られた期間で採点することは難しいテストだと思いました。英語教員をはじめ関係者から、短期間で正確に公正、公平な採点は困難ではないかとの声が上がっています。
 採点期間は約四十五日間と聞いていますが、どのような体制で行うのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 採点は、今年度、採点期間についての検証を実施済みでありまして、次年度は、所定の期間内で完了するために必要な人数の専任者が、都教育委員会が監修した基準に従い、複数の者による採点、審査を経て結果を確定してまいります。
 なお、採点は、大学の学位や英語教授法の資格を持つなど高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する者が、事前に本テストの採点に係る研修を受講し、基準を満たした者のみが専任で行っております。

○とや委員 都教委からもこうしたお話を伺ったわけですけれども、必要な人数の専任者が何人なのか、複数の者が採点に当たるといいますが、複数とは何人なのか、これもいえないということでした。
 さらに、現地では、採点センターで専任の人が採点するそうですが、組織名、企業名もいえない、ベネッセの子会社で現地で採点に当たるとしている学力評価研究機構との関係もいえないということでありました。
 採点者は、今おっしゃったように、高い英語力とか英語教育の専門性を有するとおっしゃっていますが、どこの社員かもいえない。
 これでは、客観的にどんな英語力があるのか、どうやって正確性、公正性を担保するのか、全く分かりません。つまり、採点の正確さ、公平性は、今のご答弁では全く分からない。証明できないわけです。
 しかも、分からないことだらけのテストの採点は、海外、フィリピンで行われます。東京都は、フィリピンでの採点については、二〇二〇年三月の予算特別委員会での星見都議の質問に、次年度以降、採点場所を訪問し、直接現地で確認をすると答えていらっしゃいます。
 コロナ禍、海外へ渡航することが困難な下で、どのように公平、公正に採点が行われているか、確認するのでしょうか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 新型コロナウイルス感染症の影響のため、現地への訪問は行っておりませんが、オンラインにより、採点が安全かつ公正、公平に行われているということを継続的に確認しております。
 現在、現地の感染症の状況を注視しながら、視察の準備を進めております。

○とや委員 オンラインでは現地の情報がつかめないことは、誰でも分かります。現地に視察できたとしても、これまで、プレテストでは現地に行ったことがないわけですよ。確認ができなかったわけで、ほぼぶっつけ本番のような感じでやらなきゃいけないわけです。
 問題が分かったとき、どうするのですか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 今のご質問の趣旨としては、体制に問題があった場合、それの把握についてのことだというふうに理解いたしますけれども、先ほどの答弁と重複いたしますけれども、継続的にオンラインで確認をしているということ、それから、現在、感染症が改善しているという状況もありますので、できるだけ早く現地にも行き、確認した上で、着実に採点を行うという体制で取り組んでまいります。

○とや委員 例えば、視察に行けたとしますよ。行った現地で問題があることが分かった場合、どうされるのですかとお聞きしました。

○瀧沢指導推進担当部長 まず、問題がないように準備を進めているところでございます。
 仮に問題があったのであれば、それは、当然、可及的速やかに改善をしていくわけですけれども、そういう状態にならないように万全の準備を尽くしていくのが私たちの役目だというふうに考えております。

○とや委員 万全の準備をしていても、今の段階では問題があるかないかも分からないじゃないですか。しかも、仮に是正が間に合わないような問題だったらどうするのでしょうか。都教委の皆さんは、綱渡りのようなことをやろうとしているということを指摘させていただきます。
 採点を行う組織や経営形態、契約関係、採点者の人数、採点方法等の情報は非公開です。都教委は、公平に採点できるかどうかの客観的情報を都民に示そうとしてはいません。生徒や保護者、教員の納得は得られるわけがなくて、重大な問題だと思います。
 さらに、先ほど、都教委の方々が監修した評価の基準というふうにおっしゃったわけですが、採点の仕方を知って、私も驚きました。一点を争う入学試験であるにもかかわらず、採点結果がAからFの六段階に分けられておって、この評価方式は、スピーキングテストのスコアが一点の差であっても、段階別評価では、入学者選抜においては四点の差になるという場合があるということです。
 このような入学者選抜評価方法は、正確さを欠いて、入試には適さないという教育関係者からの指摘もあります。問題ではないでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 本テストにおける段階別評価は、自分のことについて、質問に答えたり、話したりすることができる、身近な話題について、相手と意見交換ができるなど、英語を使って何ができるかを示した基準に従いまして、統括的に評価したものであり、AからFまでの六段階で表しているものでございます。
 入学者選抜においては、この六段階で提出された評価を二十点を満点とする数値に置き換えて取り扱い、適切に評価することとしております。
   〔発言する者あり〕

○とや委員 ちょっとやめさせてもらえませんか、委員長。(発言する者あり)委員長。

○白戸委員長 不規則発言を慎んでください。
 とや理事、続けてください。
   〔発言する者あり〕

○とや委員 注意をしてください。

○白戸委員長 はい。今、注意しています。

○とや委員 今のご答弁は、何をいっているか分かりません。
 この評価方法は、スピーキングで百点から八十点はAがつきます。そして、配点は二十点がつきます。しかし、七十九点の人は、Bになってしまって十六点しかもらえないのです。
 一点違うだけで配点に四点も違いが出るというのは、公平性に欠けている。教育関係者の皆さんからは、僅か一点の差が合格、不合格を分ける入試において、このような換算の仕方が許されるとは思えませんと、この方は中京大の大内裕和教授ですが、指摘をされていらっしゃいます。とても生徒や保護者の納得がいかないのではないかと声も上がっております。
 さらにお聞きします。
 アチーブメントテストといいながら、総合得点とESATグレード、CEFRという参考数値しか返ってきません。
 これでは、本人が自分の得意な分野と、あるいは不得意な分野とを自覚して、その後の学習に役立てることはできないのではないでしょうか。お答えください。
   〔発言する者あり〕

○白戸委員長 お静かにお願いします。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど来、お話しの段階別評価におきましては、それぞれ、Can-do statementsと呼ばれる、英語を使って何ができるかということを具体的に示しております。それを個人票で示し、現在の英語の力で何ができるのかということを示しております。
 加えて、それぞれ、今後の本人のスピーキングの学習に向けてどのような取組をするべきなのかというアドバイスと併せて提示をしているもので、適切なフィードバックを行っているというふうに考えております。

○とや委員 適切なフィードバックというお話がありました。
 私は、このスコアレポートをいただきました。(資料を示す)今、部長がおっしゃったESATグレード、Can-do statements、簡単なアドバイスが書いてあります。それにスコアが書いてあって、ESATグレードが書いてある。これはAからFまでの評価です。さらに、参考として、CEFRレベル、A2とかA1、これだけなんですよ。
 これだけしか書いていないのに、分野別に、自分がどこがいけなかったのか、どこができていたのか、これでは今後の学習に役立てることはできないわけですよ。何のためのスピーキングテストなのか、何のためにやるのかということが問われてくると思います。
 そして、ご本人が成績を開示請求しても、これ以上のものは返ってこないんじゃないかというふうにいわれているのですが、入試の学力テストと同じような形で、本人が開示請求すればこれ以上のもの、分野別の回答は、開示請求しても返ってきますか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 通常、入試の開示請求というのは、その採点の結果について開示されるものですが、このテストでは、本来より、その結果については、個人票という形で本人に返されるものであります。ですので、通常の開示請求に当たるものについては、もう既に開示が行われているというふうに考えております。
 なお、問合せ等々に応じる窓口については開設をいたしますので、そちらを利用していただくことも可能です。

○とや委員 結局、これだけしかもらえないということであって、開示請求の対象にはならないということが分かりました。
 人が行うのだから間違いもあるわけで、それを確認もできないというのは、やっぱりおかしいですよ。ほかのテストでは開示できるのだから。
 ここで次に行きたいと思うのですが、このテストを実施する民間事業者は、本当に生徒や保護者、教師、学校の信頼に足るのかどうかです。これは都教委への信頼とも深く関係する問題だと思っています。
 都教委と協定を結んでテストを実施するのは、先ほども申し上げましたベネッセコーポレーションです。公平性、中立性が担保できるのか、利益相反になるのではないかなどの批判が多く寄せられております。
 そこでお聞きしたいのが契約についてです。
 都教委とベネッセコーポレーションは協定を結んでいるけれども、ベネッセに対し、教材販売などを禁じる条項はどこにありますか。

○瀧沢指導推進担当部長 事業者と締結している基本協定及び覚書におきまして、事業者が本スピーキングテストに関する模擬試験あるいは関連教材の作成、販売をしたり、ウェブサイトにおいて教材の購買を誘導する表記を行ったりすることなど、具体的な禁止事項を明記した上で、利益相反行為を禁止しております。

○とや委員 私も確認をいたしましたが、基本協定には、具体的に教材販売などを禁じる規定はありませんでした。あるのは覚書でした。
 では、この覚書を結んだのはいつですか。

○瀧沢指導推進担当部長 令和二年の六月でございます。

○とや委員 当時の我が党の星見都議が、この問題を、二〇二〇年の三月、令和二年の三月に質問したときに、教育長は、本事業者は本スピーキングテストに関する模擬試験や関連教材の作成、販売を行わないこととしていると答弁をされております。
 ところが、今のお答えで分かったのは、この公平性、中立性を担保するための覚書は、当時の星見都議の質問の後に結んだということになります。星見都議が質問したときには、協定書のどこにもそんなことは書いていないのに、いかにも協定を結んでいるから大丈夫だという、率直にいって、私たちはうそをつかれたのかなというふうに、欺くような答弁をされているのかなといわざるを得ません。いかがでしょうか。(発言する者あり)委員長、やめさせて。

○白戸委員長 質疑に問題があれば注意します。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘のベネッセコーポレーションについてのウェブページにつきましては、その後も確認をしておりますけれども、直接関連する宣伝のような内容についてはないことを確認しております。ですので、基本協定を結んでいた時点から、そのような利益相反行為が行われているというふうには私どもは考えておりません。
 ただし、より具体的に何がいけないのか、何を禁止するのかということを、双方でよりクリアに把握した方がいいという共通の理解の下で覚書を締結することにより、より確実な対応をすることにしたものでございます。

○とや委員 いや、三月の答弁との関係でお聞きしているんですよ、そのときどうだったかと。ベネッセがどうだったかとか、そういうことを聞いているわけではないんです。
 そのときの答弁でいったことと今との、その後の覚書との関係で、ちょっと違うんじゃないですかと聞いているんですよ。そこについてお答えくださいといっているんです。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、基本協定につきまして、もう既に規定をしている内容ではありますけれども、より具体的に利益の相反に関わる点について双方で確認するという、さらに具体的な内容について確認するということのために、あえて上書きで覚書を結んだというものでございます。

○とや委員 当時の基本協定には何も書いていないんです。実施協定にも書いていなかったんです。いないのに、書いているかのような答弁をされたんですよ。そして、その質問が終わった後、慌てて六月に覚書を結んだということなのではありませんか。都民の信頼を損ねる答弁はやめていただきたいと思います。
 ベネッセは、二〇二〇年の三月時点で、進研ゼミのオンラインスピーキングのホームページで、入試や検定合格につながる、英語で話す力を伸ばすと表示をしていました。ところが、現在は、検定合格に役立つとされ、入試につながるという文言が削除されています。削除すればよいという単純な事柄ではありませんが、少なくとも入試につながるという表現は、公平性、中立性の観点から適切ではなかった。
 そして、三月時点では、公平性、中立性に関わる協定を結んでいなかったので、ベネッセはホームページに掲載していたということだと思いますが、いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 今のご質問の内容ですけれども、一般的にオンラインの英会話を事業として行っている企業であり、それが、中学あるいは高校、大学等々の入学試験でこれだけ広くスピーキングについても問われている状況の中で、入試にもつながるということで、自分たちの取組についての説明をしていたというふうに考えます。
 これは、私たちがその後も禁止をしています、特にこの事業協定を結ぶことによって、東京都のESAT−Jを協定で行っているということを直接的に明示をして、それで誘導するということを禁止しているわけでして、当時から、利益相反に当たるような、そういう行為ではなかった。むしろ、そのようなつながりをあえて取り出すことによって、誤った認識が広まることがないようにということで、風評が広がらないようにということで、その後、適切にさらに取組を重ねているという状況でございます。

○とや委員 私、非常に苦しい答弁だと思いますよ。一般の人たち、今、聞いていますけれども、そんなことは通用しませんからね。民間事業者のテストを入試に活用することについて、私は、大変安易に考えていたんじゃないかといわざる得ません。
 ほかにも、最初のプレテストでは、問題用紙や結果返却の用紙にベネッセと分かるロゴを入れていましたが、後から削除をしました。
 入試の公平性、中立性、利益相反という重大な問題について、考えが及んでいなかったと指摘せざるを得ないわけです。
 そして、都民や関係者から懸念が表明されているためか、最近では、このテストは、民間事業者のテストではなくて都教委のテストだということが強調されています。
 「AERA」の二月二十一日号では、都教委の国際教育推進担当課長が、スピーキングテストは、都が事業主体、民間事業者が主体だった共通テストとは違います、事業者に丸投げすることなく、全工程を共有して進めていますと述べた記事になっています。
 では、伺いますが、英語スピーキングの問題は東京都が監修するとしていますが、著作権はどこにあるのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 原則として事業者が保有しております。

○とや委員 事業者、すなわちベネッセが所有しています。都が事業主体どころか、ベネッセが事業主体で、著作権などの権利もベネッセが持っているんです。都とベネッセの関係は、委託と受託ではなく協定です。
 その理由について、都教委は、我が党の文書質問に対しても、事業者の既存スキームを活用したり、事業者の資格、検定試験として、私立高校、他道府県で活用することを可能とするためだと正式に答弁をされています。都立高校の入試で使われるスピーキングテストが、民間事業者の検定試験として事業活動で使うことができる、どうにでもなるということなんです。教育委員会が特定の民間事業者の事業活動に協力する、都教委公認で事業活動ができるということになってしまいます。
 とても慎重に検討してきたとは思えません。安易な民間事業者の活用は、公教育の在り方そのものが問われる事態を招きかねません。
 代表質問でも指摘をしましたが、文科省の検討会議は、大学入試共通テストでベネッセの子会社が記述式問題の採点を請け負っていた問題で、採点事業者に知り得た情報を漏らしたり、目的外使用したりすることを禁じ、違反した場合の損害賠償の契約を結んでも、なお機密漏えいやグループ企業間での利益相反の懸念が指摘されるということで報告書をまとめ、これを理由の一つとして記述式問題の導入は中止されました。契約を結んでも、なお機密漏えいやグループ企業間での利益相反の懸念が指摘され、中止になったわけです。
 私は、都教委も、ぜひ考え直すべきだと思います。とても慎重に検討したことは、どこまで検討したんだろうかといわざるを得ないですね。
 それだけではないです。一番大事な現場の声を聞かないで、生徒や教師にも多大な負担を強いることになるのではないかと危惧をします。
 その一つが、先ほどもちょっと出ていました吃音や言語障害、聴覚障害対策です。
 当事者生徒の保護者や関係者からの意見や要望が出ていて、今議会でも多くの議員から発言が出ていました。
 特に吃音生徒への配慮として、都はどう取り組むのか、改めて確認をさせてください。

○瀧沢指導推進担当部長 本テストの実施に当たりましては、障害等に応じた合理的な配慮に基づく適切な措置を設定しており、吃音の生徒には、解答時間の延長とともに、採点のときに注意して聞くなどの配慮を行っております。
 また、令和三年度プレテストでは十二日間としていた措置申請の受付期間を、来年度は延長することとしております。

○とや委員 今お答えいただいたわけですけれども、私たちは当事者の保護者の方々からもお話を伺いました。意見書も出ていて、東京都が一定の配慮をしてくださったことはよかったと思っています。
 しかし、今のご答弁でも、注意して聞く配慮をするとお答えになったのですけれども、例えば吃音のある生徒の音声採点において、非流暢性、音の繰り返しだとか、引き伸ばしだとか、間が空いたりとか、それは減点はしないという理解でよいのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、吃音をはじめとする様々な障害に対して合理的な配慮を行う措置を様々設定しております。
 それぞれの特性に応じて、それを十分に考慮した上で、それぞれの適切な採点を行うということで、加えて、なるべく肯定的に、内容が伝わったかどうかということを基準に採点をしておりますので、ここで、減点するのかしないのか、個別のことについてお答えすることはできませんけれども、なるべく前向きに採点するという方針は、全ての試験の採点において貫かれた考え方でございます。

○とや委員 吃音のある子が、周囲の無理解によるからかいやいじめを経験して、スムーズに言葉が出てこないことで劣等感や自己否定感を持っているというお話も聞きました。前向きに捉えていただいて、減点しないようにしていただきたいというふうに思っています。
 吃音を隠して、親や担任も吃音で悩んでいることに気がつかないということもあるそうです。私、紹介されたツイッターを拝見しましたけれども、たくさんの生徒が吃音に悩んだりして、英語スピーキングに不安を持っています。それを見ていて切なくなりました。
 保護者は、英検のスピーキングは一対一の面談方式で、個別の症状の特性について、特記事項で面接委員に伝えられるから、こうした配慮ができないだろうかともおっしゃっていました。
 広島大学の川合紀宗氏は、中学三年生という思春期の子供は、メタ認知力が高まり、他者から見てどう思われているかが気になります、生徒の発達を支援していくためには、思春期に見られる様々な態度や行動の表面のみを見て判断するのではなく、その背景要因を理解して適切に支援していく必要があるというふうに述べています。
 吃音をはじめ、言語にハンディキャップを持つ生徒の支援を行う通級指導学校は、今年度、小学校で百九十三学級設置されていますが、先ほどもお話がありましたが、中学、高校にはありません。中学校に言語障害の通級指導学級、教室もなくて、小学校卒業とともに支援が途絶えてしまっている現状があります。少なくとも中学校での支援の充実が必要だとおっしゃっています。
 しかし、都の要綱には中学校以上の設置の項がないわけです。ぜひ中学校以上も支援できるよう、要綱の改正を含め、検討していただくことを求めておきます。
 次に、スピーキング力が向上したというふうな今年度の結果も拝見させていただいたわけですが、そのエビデンスについてちょっと伺います。
 これまでプレテストを三回行ってきていますが、どのような効果がありましたか。

○瀧沢指導推進担当部長 文部科学省が実施しております英語教育実施状況調査によれば、国の目標値を上回る英語力を持つ中学生の割合は、プレテスト実施以降、年々増加をしております。
 また、これはプレテストになりますけれども、今年度実施しましたスピーキングテストでは、国の目標に達していると評価された生徒の割合は八〇%を超えています。

○とや委員 スピーキングテストは、これまで三回行われてきたわけです。しかし、一回目は約八千人、二回目は九千二百人と、一部の生徒しか受けていません。加えて、結果は総合点のみなわけですから、これだけでスピーキング力が向上できたというエビデンスとはとてもいえないと思います。
 むしろ、教員が日常、不断に生徒の英語力をつけるための努力をしてきたからこそではないでしょうか。
 ある先生は、中学校が今でも四十人学級で、一人一人の英語を先生が聞き取り、励まし、指導する機会を毎時間取るのは、本当に不可能だとおっしゃっています。しかし、それでも、学期に一、二回は、外国人講師との面接テストを行ったり、スピーチや会話などを企画し、人に伝える楽しさ、英語でコミュニケーションすることで異文化体験を味わう機会をつくっているといいます。こうした努力が子供たちの英語力を育てているのです。
 一方、新学習指導要領の下で、英語がかなり高度になっているということも事実です。これまでの二倍の語彙も学ぶことになっていますし、加えて、高校から下りてきた仮定法や現在完了進行形などの難しい文法事項も扱って、早々に英語を諦めてしまう生徒も増えているという声も上がっています。
 本当の、真のスピーキング力をつけるために求められているのは、生徒が伸び伸びと楽しく英語を学べる環境をつくっていくことではないでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 生徒のスピーキング力を伸ばすためには、教員が生徒の理解の程度に応じた英語を用いて、積極的に生徒とコミュニケーションを図るとともに、生徒の興味、関心に応じた題材を扱うことで、生徒が主体的に活動に参加できるよう工夫するとともに、発話に対して適切に評価することが重要でございます。

○とや委員 先生が生徒のスピーキング力をつけるためには、入試のための英語スピーキングを実施するよりも、ほかにやることがたくさんあるはずです。もっと現場の先生の声を聞いていただきたいと思います。
 例えば、スピーキング力をつけるためにも、現在、二学級三展開で授業が行われていますけれども、一学級二展開にして、英語についても効果的な授業を行うべきですが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 中学校では、授業において、ペアワークやグループワークなど様々な学習形態を工夫しているほか、ICTの活用により、英語が堪能な地域人材や他校の生徒と英語を用いた交流を実施するなど、それぞれの先生方が工夫をして、学習集団の規模にかかわらず、様々な形態の指導を効果的に行うことによりスピーキング力を伸ばしております。
 ぜひこの授業を通して、そのような先生たち、あるいは生徒たちの頑張りを評価していきたいというふうに考えて授業を進めております。

○とや委員 現在、少人数指導は既に行われていて効果が上がっていると、この間、都教委はおっしゃってきました。それなのに、今、学習集団の規模にかかわらずスピーキング力が伸びるというのは、ちょっと矛盾しているんじゃないかなと思います。
 小規模な集団で、教師が生徒一人一人に目が届けば、丁寧に教えられることははっきりしています。生徒の受験生に通知されるのが総合得点とグレードのみでは、生徒がどこが苦手で、どこがよくできているのか分からないという声があると、先ほども申し上げました。
 さらに、先生たちからたくさんの声が出ています。授業ではやることが多過ぎて時間が足りません、テスト対策に特化したスピーキング練習が入ることで、基礎、基本を学ぶ時間が削られ、かえってスピーキング力が落ちることが予想される、ますます英語嫌い、苦手感を持つ生徒が増えて、塾通いができる家庭と経済的に厳しい家庭との格差が拡大し、二極化がさらに進むことも危惧していますと、そうした声がたくさんたくさん寄せられています。もっとじっくりと豊かに学ぶ中で、真のコミュニケーションができる力を育てたいと願っているとおっしゃっているわけです。
 英語スピーキングの入試活用には、これまで、今日質疑してきたことも含めて、このほかにも多くの問題点があります。今日、質疑しただけでも、十分、中止の材料があるのではないでしょうか。
 英語スピーキングはきっぱりと中止して、生徒も教師も、伸び伸びと楽しく授業の中で英語を学ぶことができる、教えることができる、その中で力をつけていけるような教育へと転換することを求めて、質問を終わります。