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質問・条例提案

2021.12.15

文書質問 パートナーシップ制度について・他 原のり子都議(北多摩第4選出)

2021年第4回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和3年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 原のり子
質問事項
一 パートナーシップ制度について
二 動物愛護について
三 既存の都営住宅へのエレベーター設置について


一 パートナーシップ制度について

 パートナーシップ制度が全国で広がっています。共産党都議団としても、実施に向けて調査・質問を重ねてきました。今年の第2回定例会で、パートナーシップ制度を求める請願が全会一致で趣旨採択になりました。これを受け、ようやく知事が「検討する」と発言しました。パートナーシップ制度を東京都で実現した場合、日本の人口の約半分はパートナーシップ制度のある自治体で暮らすことになります。誰もが自分らしく生きる、愛する人と幸せになる権利があります。都営住宅などへの入居を認めることをはじめ、当事者のみなさんにとって必要な内容で、一日も早く実現できるように、以下質問します。

1 一日も早く、東京都としてパートナーシップ制度を実現すべきと考えますが、どのように考えていますか。

2 セクシュアルマイノリティの方々を広く対象にして、多くの人が利用できるようにしてほしいとの要望に応える制度にすべきと考えますが、見解をうかがいます。

3 都営住宅の入居、犯罪被害者等支援事業においての家族や遺族の対象など、都の事務事業や制度について、パートナーシップ制度にふさわしく改善すべきと考えますが、いかがですか。

4 10月から実施された都民等調査は、どのような内容で、対象は何人におこない、結果をどう分析しているのですか。この中で、パートナーシップ制度についてはどのような回答になっていますか。また、調査結果はいつ公表されるのですか。

5 パートナーシップ制度実施までのスケジュールはどのように考えていますか。

6 より良い内容にするために、今後当事者などにどのように聞き取りをしていきますか。

7 セクシュアルマイノリティのカップルの子どもたちの権利を守ることも大切です。ファミリーシップ制度について、今度どのように検討していく考えですか。

二 動物愛護について

 地域では、地域猫ボランティアの方々が、飼い主のいない猫の対策を献身的に続けられています。ある公園では、子猫が増え続けると同時に、心無い飼い主が生まれたばかりの子猫をゴミ捨て場に置いていくなどの状態になっていました。そこへ、ボランティアの方々が入り、バザーなどで資金を集めながら猫の不妊・去勢手術を進め、地域猫として管理するなかで改善がはかられてきました。ボランティア団体の方々は、「ほかにも、猫が増えている地域もあり、対策をとっていきたいが、ボランティアの手も資金も足りないなか、困難に直面している」と話しています。
 知事は、「殺処分ゼロ」を1期目の選挙公約で掲げ、2期目の選挙では成果として示されていました。そこでうかがいます。

1 現在、猫の殺処分・致死処分についての状況はどのようになっていますか。

2 改善がすすんできた土台には、地域のボランティアの方々の努力があります。こうした方々を支援し、育成していくことがなければ、殺処分ゼロの実現と継続はできません。東京都として、どのようなとりくみをしていますか。

3 2019年の第一回定例会で、星見てい子議員の一般質問で、「苦痛からの解放や著しい攻撃性、衰弱や感染症などにより動物福祉などの観点から致死処分した動物が、1月末時点で、犬が4頭、猫が126頭いる」「このような動物も飼育環境を工夫すれば、飼育や譲渡につなげることができる可能性があり、最大限の取り組みを進めるべき」と指摘しました。どのようなとりくみをおこなっていますか。

4 現在、飼い主のいない猫は都内にどのぐらいいると把握していますか。

5 東京都が実施している、「飼い主のいない猫対策」の内容はどういうものですか。また、都と区市町村の負担割合はどのようになっていますか。

6 この事業を活用している区市町村数はどのぐらいありますか。

7 この事業を推進しての効果はどのようにみていますか。

8 不妊・去勢手術費用の助成のみが目的とならないこと、ということが補助条件となっているのはどうしてですか。

9 地域猫ボランティアの方々の活動への理解を広げ、動物愛護の考え方の啓発を強化することが重要です。都としてのとりくみをうかがいます。

三 既存の都営住宅へのエレベーター設置について

 清瀬市の竹丘2丁目の都営住宅の3つの号棟にエレベーターが設置されることになり、2020年の10月31日に工事の完了予定とされました。住民の方は10年越しの悲願であり、住民の方々自らが一生懸命設置の同意をお願いしてまわり、ようやくこれで住み続けられると安堵していましたが、入札の不調が続きいまだにめどがたっていません。高齢の住民の方にとっては、見通しもたたないなかで延期されることは大変な不安です。
 病気のため週三回通院しなければならない人は、その都度家族が必死で支えて階段を上り下りしています。病院で治療を受けて帰ってきて、階段を上ることが困難で、家族が支え10分以上かけて家に入るといいます。ある方は、通院が難しくなり訪問診療になったといいます。階段で転んで骨折した方もいます。高齢になっても障害をもっても安心して住み続けられるようにとエレベーター設置を要望しているのに、これだけの時間がかかるという状況は、一日も早く改善すべきと考え、以下、質問します。

1 2017年10月の決算特別委員会第3分科会で、エレベーター設置について質問しましたが、その時点では、毎年65基分の予算を組みながら、30基程度しか設置されていないことを指摘し、エレベーター設置のスピードアップを求めました。
 昨年度、エレベーター設置の予算は、何基分でたてていましたか。そして、実際に何基設置されましたか。

2 昨年度、予定していたが未設置になった分はどのような理由ですか。

3 多摩地域で契約不調になるケースが多いと聞きますが、竹丘2丁目都営住宅が、不調になっている原因などについて、どのように分析していますか。解決のためにどのように対策をとる考えですか。

4 現在、自治会からのエレベーター設置要請は何棟ですか。その内、不調により設置に至らない住棟は何棟かうかがいます。

5 今後、このような不調を無くし、エレベーター設置をスピードアップするために、公社の発注方法に対して抜本的な改善を行うよう指導すべきと考えますが、見解をうかがいます。

 

令和3年第四回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 パートナーシップ制度について
1 一日も早く、都としてパートナーシップ制度を実現すべきだが、見解を伺う。

回答
同性パートナーシップ制度の検討に当たり実施した都民等調査では、約7割の回答者が、性的マイノリティの方々への必要な施策として、同制度を挙げています。
こうした意見等を踏まえ、都は、当事者の生活上の困りごとの軽減や、多様な性に関する都民の理解促進の観点から、令和4年度内の制度導入に向けて検討しています。

質問事項
一の2 セクシュアルマイノリティの方々を広く対象にして、多くの人が利用できるようにしてほしいとの要望に応える制度にすべきだが、見解を伺う。

回答
制度対象者については、性的マイノリティの方々を広く認めて欲しいなど、当事者等からの意見を踏まえ、多くの方々が利用できる制度となるよう検討しています。

質問事項
一の3 都営住宅の入居、犯罪被害者等支援事業においての家族や遺族の対象など、都の事務事業や制度について、パートナーシップ制度にふさわしく改善すべきだが、見解を伺う。

回答
都が提供する住宅等の都民サービスについては、同性パートナーシップ制度の利用者が活用できるよう検討を行っています。

質問事項
一の4 10月から実施された都民等調査は、どのような内容で、対象は何人におこない、結果をどう分析しているのか。この中で、パートナーシップ制度についてはどのような回答になっているか。また、調査結果はいつ公表されるのか伺う。

回答
都は、多様な性に関する都民の認識のほか、性的マイノリティ当事者の生活上の困りごとや、行政に求める支援策等を把握するため、約16万人に調査票を送付し、回答が得られたものについて分析を行っています。
この調査では、約7割の回答者が、性的マイノリティの方々への必要な施策として、同性パートナーシップ制度を挙げ、当事者からも制度の導入を期待する声が多く寄せられています。
調査結果は取りまとめた上で、今後、公表する予定です。

質問事項
一の5 パートナーシップ制度実施までのスケジュールについて伺う。

回答
同性パートナーシップ制度については、令和4年度内の導入に向けて、令和3年度、制度の基本的な考え方を示します。

質問事項
一の6 より良い内容にするために、今後当事者などにどのように聞き取りをするか伺う。

回答
制度の検討に当たって、当事者を含む支援団体や学識経験者へのヒアリングを実施し、現在取りまとめ作業を行っていますが、多くの方々から制度導入に肯定的な意見が示されています。
今後も、当事者や有識者等から頂いた様々な意見を踏まえ、制度構築に向けて取り組んでいきます。

質問事項
一の7 セクシュアルマイノリティのカップルの子どもたちの権利を守ることも大切である。ファミリーシップ制度について、今後どのように検討していくか伺う。

回答
同性パートナーシップ制度の在り方について有識者ヒアリングや事例調査を行っており、ファミリーシップ制度についても、課題等を把握、整理しています。

質問事項
二 動物愛護について
1 現在、猫の殺処分・致死処分についての状況はどのようになっているのか伺う。

回答
都は、国が殺処分の分類方法として示した考え方と同様に、動物愛護相談センターに引取・収容した動物の致死処分のうち、「苦痛からの解放が必要、著しい攻撃性を有する、又は衰弱や感染症によって成育が極めて困難と判断される動物について、動物福祉等の観点から行うもの」及び「引取・収容後に死亡したもの」を除いたものを殺処分としています。
猫の殺処分は平成30年度からゼロを継続しており、致死処分数は令和2年度で241頭です。

質問事項
二の2 改善がすすんできた土台には、地域のボランティアの方々の努力がある。こうした方々を支援し、育成していくことがなければ、殺処分ゼロの実現と継続はできない。都として、どのような取組をしているか伺う。

回答
区市町村は、地域の飼い主のいない猫対策として、不妊去勢手術の実施、地域住民の理解と協力を得るための会議の開催や普及啓発などに、ボランティアと協力して取り組んでいます。
都は、こうした区市町村の取組を医療保健政策区市町村包括補助事業で支援しています。

質問事項
二の3 2019年の第一回定例会で、星見てい子議員の一般質問で、「苦痛からの解放や著しい攻撃性、衰弱や感染症などにより動物福祉などの観点から致死処分した動物が、1月末時点で、犬が4頭、猫が126頭いる」「このような動物も飼育環境を工夫すれば、飼育や譲渡につなげることができる可能性があり、最大限の取り組みを進めるべき」と指摘した。どのような取組を行っているか伺う。

回答
動物愛護相談センターでは、新たな飼い主に動物を健康な状態で譲渡できるよう、動物ごとに健康状態を把握して管理しており、職員のより専門的な能力の向上を図るため、動物の健康管理等に関する研修などを行っています。
また、獣医系大学の専門家等から技術的支援や助言を受けながら、感染症の防止や症状に応じた治療など、動物福祉の考え方を踏まえた飼養管理を行っています。

質問事項
二の4 現在、飼い主のいない猫は都内にどのぐらいいると把握しているか伺う。

回答
都が平成29年度に実施した飼育実態調査では、都内の飼い主のいない猫の個体数を約10万頭と推定しています。

質問事項
二の5 都が実施している、「飼い主のいない猫対策」の内容はどういうものか。また、都と区市町村の負担割合はどのようになっているか伺う。

回答
都は、不妊去勢手術の実施や町内会、自治会との会議の開催など、飼い主のいない猫を増やさないための対策を地域住民等の理解と協力を得て実施する区市町村を、医療保健政策区市町村包括補助事業で支援しています。
補助率は、基準額の範囲内で必要経費の2分の1となっています。

質問事項
二の6 この事業を活用している区市町村数はどのぐらいあるか伺う。

回答
「飼い主のいない猫対策」に取り組んでいる区市町村数は、令和2年度で45となっています。

質問事項
二の7 この事業を推進しての効果はどのようにみているのか伺う。

回答
「飼い主のいない猫対策」に取り組む区市町村数は、事業を開始した平成19年度は17、令和2年度は45となっています。
都内における拾得者からの子猫の引取数は、平成19年度は4,186頭でしたが、令和2年度には156頭に減少しました。

質問事項
二の8 不妊・去勢手術費用の助成のみが目的とならないこと、ということが補助条件となっているのはなぜか伺う。

回答
「飼い主のいない猫対策」を効果的に実施するには、地域住民等の理解と協力を得て飼い主のいない猫を増やさないための対策を行うことが有効であることから、普及啓発を含めた地域での取組を条件としています。

質問事項
二の9 地域猫ボランティアの方々の活動への理解を広げ、動物愛護の考え方の啓発を強化することが重要だが、都の取組を伺う。

回答
都は、区市町村に対し、ボランティアと連携した取組が進むよう、支援事例を紹介するほか、地域住民等に「飼い主のいない猫対策」への理解を広げるためのリーフレットの提供やガイドブックの配布を行い、支援しています。

質問事項
三 既存の都営住宅へのエレベーター設置について
1 2017年10月の決算特別委員会第3分科会で、エレベーター設置について質問したが、その時点では、毎年65基分の予算を組みながら、30基程度しか設置されていないことを指摘し、エレベーター設置のスピードアップを求めた。昨年度、エレベーター設置の予算は、何基分でたてていたか。そして、実際に何基設置されたか伺う。

回答
令和2年度における既存都営住宅へのエレベーター設置については、65基分の予算となっており、実績は31基です。

質問事項
三の2 昨年度、予定していたが未設置になった分はどのような理由か伺う。

回答
令和2年度、エレベーターが未設置となった主な理由は、設置による共益費の増加等について一部の居住者の同意が得られなかったことや、契約不調により工事に着手できなかったことです。

質問事項
三の3 多摩地域で契約不調になるケースが多いと聞くが、竹丘2丁目都営住宅が、不調になっている原因などについて、どのように分析しているか。解決のためにどのように対策をとるか伺う。

回答
都営清瀬竹丘二丁目アパートの昇降機設備設置工事の契約不調については、入札予定者へのヒアリングなどにより、発注規模が小さい割に鉄骨工事やコンクリート工事等、多くの工種が関連し、工程調整などに手間がかかることや、年度後半に発注した際には、技術者の確保が困難であったことが要因と把握しています。
これまで契約に至った実績と同様に、他の都営住宅の外壁改修などの修繕工事と併せて発注規模を大きくするとともに、技術者を確保しやすい年度当初から発注していくこととしています。

質問事項
三の4 現在、自治会からのエレベーター設置要請は何棟か。その内、不調により設置に至らない住棟は何棟か伺う。

回答
自治会からのエレベーター設置要望が出されている住棟は、令和3年11月末時点で108棟です。その中で、発注した工事35件の内、契約不調により工事着手に至っていない住棟は9棟です。

質問事項
三の5 今後、このような不調を無くし、エレベーター設置をスピードアップするために、公社の発注方法に対して抜本的な改善を行うよう指導すべきだが、見解を伺う。

回答
既存都営住宅へのエレベーター設置工事は、発注規模が小さい割に多くの工種が関連し、工程調整などに手間がかかることなどから、今後とも、他の工事と併せることによる発注規模の拡大など、発注を工夫するよう、東京都住宅供給公社を指導していきます。