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質問・条例提案

2021.12.15

文書質問 都保健所で実施している障害者施設等の利用者を対象とした健康診断および精神保健福祉相談について 藤田りょうこ都議(大田区選出)

2021年第3回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和3年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 藤田りょうこ

質問事項
一 都保健所で実施している障害者施設等の利用者を対象とした健康診断および精神保健福祉相談について


一 都保健所で実施している障害者施設等の利用者を対象とした健康診断および精神保健福祉相談について

 保健所は、その地域に暮らす住民が健康に生活できるよう、生活衛生と保健サービスを行う施設です。
 全国保健所長会のホームページには、「都道府県型の保健所は、管内の市町村と協力して、関係機関と調整を行い、関係を構築して、食品衛生や感染症等の広域的業務、医事・薬事衛生や精神・難病対策等の専門的な業務を行うとともに、大規模で広域的な感染症や食中毒の他、自然災害や原因不明の健康危機管理にとりくみ、地域全体の住民の健康のレベルアップを図る。住民に身近なサービスとされる健康づくりや母子保健、生活習慣病対策やがん対策等の業務は市町村が主に行います。」と記載されています。
 こうした中、感染症の専門的な対応を担ってきた都保健所では、新型コロナウイルス感染症の拡大によって通常業務も大きな影響を受けてきました。
 多摩小平保健所は歴史的に、地域の障害者施設を利用している方の集団健診を行ってきました。知的障害者施設の職員は、「この健診で糖尿病の疑いのある人が治療につながった」「毎年受けられているので、知的障害の人たちが場所にも慣れて助かっている」と話しています。しかし昨年、新型コロナウイルス感染症が広がる中、毎年実施していた障害者健診は中止、今年は夏に再開を予定していましたが、第5波の拡大によって2年連続で実施できませんでした。

1 コロナ禍の中でも健診の実施は必要だと思いますが、都の認識を伺います。

2 多摩小平保健所で行ってきた障害者健診を再開することが期待されています。都はどう対応するのですか?再開を求めますが、いかがですか?

3 南多摩保健所管内でも、肝炎ウイルス検診の再開を求める声があがっています。都として継続すべきですがいかがですか。

4 どの保健所でも精神保健分野の対応に苦労されています。「緊急の対応はなんとかやったが、通常の訪問ができなかった」「電話はすべてコロナでいっぱいになってしまい、精神保健分野の相談を受けられなかった」「コロナ対策と並行して実施するのは難しい」との現場の声が聞かれます。市町村と連携して、対応を強化できるよう、都として支援をすべきです。いかがですか?
 新型コロナ感染症の拡大が長期化する中、地域住民を守る機能を果たしている保健所を強力に支えることが求められています。来年度の保健所予算の増額と、大幅な増員を進めるよう求めます。

令和3年第四回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都保健所で実施している障害者施設等の利用者を対象とした健康診断および精神保健福祉相談について
1 コロナ禍の中でも健診の実施は必要だが、認識を伺う。

回答
国は、健康増進法に基づく健康診査などの健診について、その意義や実施主体の責務などの制度趣旨等にのっとり、コロナ禍にあっても地域において感染対策を講じた上で実施するよう都道府県等に通知しており、都は、この通知を踏まえ、区市町村に対し適切な対応を働きかけています。

質問事項
一の2 多摩小平保健所で行ってきた障害者健診を再開することが期待されているが、都はどう対応するのか。再開を求めるが、見解を伺う。

回答
都保健所では、障害者施設等の利用者が、各保険者等が実施する地域の医療機関や健診機関等での健診の機会を確保できない場合、管内の施設からの依頼を受け、健診を実施しています。
現在、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、集団検診による障害者の方々の感染リスクを考慮し、休止しています。
この間は、保健所から施設に対し、利用者のかかりつけ医等による個別健診の受診等を依頼しており、引き続きこうした働きかけを行っていきます。

質問事項
一の3 南多摩保健所管内でも、肝炎ウイルス検診の再開を求める声があがっている。都として継続すべきだが、見解を伺う。

回答
都保健所は、保健所設置市を除く市町村に居住地を有し、過去に肝炎ウイルス検診を受けたことがない方に対し、同検診を実施しています。
多摩地域における都保健所の肝炎ウイルス検診は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、実施を見合わせていましたが、検診を受ける機会の確保のため、令和4年1月から医療機関に委託して実施しています。
引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて、適切に対応していきます。

質問事項
一の4 どの保健所でも精神保健分野の対応に苦労されている。「緊急の対応はなんとかやったが、通常の訪問ができなかった」などとの現場の声が聞かれる。市町村と連携して、対応を強化できるよう、都として支援をすべきだが、見解を伺う。

回答
精神保健福祉相談は、市町村が一般相談を行い、保健所や精神保健福祉センターが専門的な相談を担っています。
この役割分担を基本としながら、都保健所は、市町村が関わりを持った事例のうち複雑困難な問題を含む事例等について、市町村と連携して対応しており、精神保健福祉センターは、市町村職員を対象とした専門的な研修を実施しています。
都はこれまで、精神保健福祉分野など感染症対策以外の業務も継続しながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に適切に対応できるよう、保健師の増員、応援職員の配置、会計年度任用職員等の活用、業務の委託化など、都保健所の体制強化や負担軽減に取り組んでおり、引き続き、感染状況に応じて体制の確保を図っていきます。