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質問・条例提案

2022.03.25

文書質問 精神障害者保健福祉手帳について 福手ゆう子都議(文京区選出)

2022年第1回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 福手ゆう子

質問事項
一 精神障害者保健福祉手帳について


一 精神障害者保健福祉手帳について

 精神障害者保健福祉手帳を申請してから交付されるまで3か月ほどかかり、申請者の就職のタイミングに間に合うかどうかという不安や、手帳交付によって受けられる支援サービスを受けられない状態が長期間続くことに、改善を求める声があります。
 そもそも、長期にわたり精神障害の状態にあり、日常生活や社会生活に支障が出た方が対象になる制度です。交付までにかかる期間を短縮し早く支援が受けられるように改善することが必要です。自治体からも要望が伝えられていると聞いています。
 手帳交付件数は年々増加し続けており、それらの審査を行う精神保健福祉センターの体制強化が必要ではないでしょうか。手帳交付までの期間の短縮を求めて、以下質問いたします。

1 精神障害者保健福祉手帳の申請書類が東京都立中部総合精神保健福祉センターに到着してから手帳を交付するまで、どういう人が関わり、どのような手順があるのか、具体的にお答えください。

2 手帳の発行件数と、申請があったものの不承認となった件数について伺います。

3 私の周囲でも精神を患う方が増え、手帳申請も増えているように感じますが、10年前と比べて手帳発行件数がどう変化しているか伺います。

4 国の「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」では「都道府県知事は、市町村長が申請書を受理したときは、交付の可否の決定を、申請書を受理した日から概ね1か月以内に行うことが望ましい」とされています。具体化に向けた取り組みが必要ですが、いかがですか。

5 この10年間で精神障害者保健福祉手帳の発行に関わる事務職員は増やしてきましたか。

6 部会で審査するための準備にかかる事務処理は、1件当たり概ねどれくらいの時間がかかりますか。

7 交付までの期間を短縮するためには、件数も多く複雑な事務処理を行う事務職員を増やすことが必要と思いますがいかがですか。

8 審査が行われる部会は全部でいくつありますか。各部会の役割の違いとそれぞれの開催頻度をうかがいます。

9 一つの部会の審査で概ね何件の審査が行われますか。

10 審査件数が多くて処理できず、次の部会に持ち越されることはありますか。

11 カード形式の障害者手帳を希望する方は、交付にさらに2週間かかるとありますが、改善を求めますがいかがですか。

令和4年第一回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 精神障害者保健福祉手帳について
1 精神障害者保健福祉手帳の申請書類が東京都立中部総合精神保健福祉センターに到着してから手帳を交付するまで、どういう人が関わり、どのような手順があるのか、具体的に伺う。

回答
 区市町村が精神障害者保健福祉手帳の申請を受け付け、申請書、添付書類の診断書、年金証書の写し等を確認の上、東京都立中部総合精神保健福祉センターへ送付します。
 センターは、委託事業者が書類の記入漏れ、審査基準への適合等を確認し、診断書による申請の場合は、都職員が医療機関への診断書内容の確認、関係機関との調整等を行った上で、医師により構成された東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会の審査を経て、手帳の交付の可否及び障害等級の判定を行っています。
 判定後は、委託事業者が手帳の作成やデータ処理等を行い、区市町村を通じて申請者に交付しています。

質問事項
一の2 手帳の発行件数と、申請があったものの不承認となった件数について伺う。

回答
 令和2年度において、精神障害者保健福祉手帳の発行件数は63,929件であり、不承認とした件数は523件です。

質問事項
一の3 10年前と比べて手帳発行件数がどう変化しているか伺う。

回答
 精神障害者保健福祉手帳の令和2年度の発行件数は63,929件であり、平成22年度の32,413件と比べて約2倍となっています。

質問事項
一の4 国の「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」では「都道府県知事は、市町村長が申請書を受理したときは、交付の可否の決定を、申請書を受理した日から概ね1か月以内に行うことが望ましい」とされており、具体化に向けて取り組むべきだが、見解を伺う。

回答
 国の精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準についてでは、判定に際しては状態について十分な審査を行い対応することとされています。
 その上で都は、審査を円滑に行うため、審査会の開催頻度を増やすほか、区市町村向けの事務マニュアルを作成するなどの取組を行っています。

質問事項
一の5 この10年間で精神障害者保健福祉手帳の発行に関わる事務職員は増やしてきたのか伺う。

回答
 精神障害者保健福祉手帳の発行を担当する令和2年度の都の事務職員数は4名であり、平成22年度と同数です。
 なお、事務作業は委託を活用しています。

質問事項
一の6 部会で審査するための準備にかかる事務処理は、1件当たり概ねどれくらいの時間がかかるか伺う。

回答
 東京都立中部総合精神保健福祉センターが区市町村から精神障害者保健福祉手帳の申請書を受理した後、書類の記入漏れ及び審査基準への適合の確認、医療機関への診断書内容の確認等を行っており、その期間はケースによって異なりますが、標準処理期間を5日としています。

質問事項
一の7 交付までの期間を短縮するためには、件数も多く複雑な事務処理を行う事務職員を増やすべきだが見解を伺う。

回答
 精神障害者保健福祉手帳の交付事務について、引き続き、委託の活用などにより円滑に行っていきます。

質問事項
一の8 審査が行われる部会は全部でいくつあるか。各部会の役割の違いとそれぞれの開催頻度を伺う。

回答
 東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会は、手帳の審査を円滑に行うため、医師4名の委員で構成する部会を4つ設けており、各部会が月1回担当することで毎月4回開催しています。

質問事項
一の9 一つの部会の審査で概ね何件の審査が行われるか伺う。

回答
 東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会設置要綱に基づき手帳を審査しており、合議を要しないと部会の各委員が判断した案件は、その委員の判定をもって部会の議決とみなし、審査会の議決としています。
 審査会は令和2年度に部会を48回開催し、合議による審査件数が1,868件、合議を不要とした件数が45,168件であり、1回当たりの平均はそれぞれ39件、941件となっています。

質問事項
一の10 審査件数が多くて処理できず、次の部会に持ち越されることはあるか伺う。

回答
 東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会に付議した案件は、当該審査会で判定等を行っています。

質問事項
一の11 カード形式の障害者手帳を希望する方は、交付にさらに2週間かかるとあるが、改善を求めるが見解を伺う。

回答
 精神障害者保健福祉手帳のカード形式での発行は、偽造防止の処理等のため、2週間程度の期間を必要としています。