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質問・条例提案

2022.06.15

文書質問 関係機関が連携した痴漢ゼロ対策の具体化について 米倉春奈都議(豊島区選出)

2022年第2回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 米倉春奈

質問事項
 一 関係機関が連携した痴漢ゼロ対策の具体化について


一 関係機関が連携した痴漢ゼロ対策の具体化について

 痴漢対策について伺います。
 国は、6月に公表した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」で、痴漢被害ゼロを目指して今年度中に「痴漢撲滅パッケージ策定」を掲げました。関係省庁が連携した取り組みを抜本的に強化するための政策であり、重要です。
 都も、痴漢対策について関係機関と連携し、幅広く取り組んでいくと答弁をしたことも大切です。
 そこで取り組みの具体化について伺います。

1 都は、痴漢対策を強化するために、どのように関係機関と連携していくのですか。都庁内についても、痴漢ゼロ対策会議(仮称)など、局横断の体制を作ることを求めますが、いかがですか。
 東京では、公共交通機関での痴漢被害が多いと指摘されています。コロナ禍で被害が減っていると言われるものの、都内のある私立高校の調査では女子生徒の4人に1人が被害にあっています。

2 警視庁が把握している、迷惑防止条例違反(第5条第1項(痴漢・盗撮等))の年間の検挙件数および、検挙の中で電車内・駅構内に関係する件数と全体に占める割合を過去5年間お示しください。
 東京における痴漢対策を進める上で、都内に路線を持つ、民間鉄道会社との連携は重要です。今後の具体化を求めます。

 都営地下鉄についてです。

3 女性専用車両の拡充を検討することは重要です。検討に当たって、痴漢被害者の多くを占める女性や子どもなどの声をアンケートの実施などにより把握すべきですが、どう取り組みますか。

4 日本共産党都議団が行ったアンケート調査では、女性専用車両に対する要望として、女性専用車両の導入路線を拡大することだけでなく、導入する時間帯を朝のラッシュ時に限定しないこと、終日の導入や、少なくとも夕方以降の時間への導入を求める声が多く寄せられました。また、車両数を増やしてほしいという声も出されました。
 女性専用車両の導入拡大に当たっては、導入時間や女性専用車両の設置位置などについて、当事者の声を踏まえた検討をすべきです。いかがですか。

5 本来、女性専用車両はシェルターとして設置されているはずですが、わが党のアンケートで、女性専用車両で嫌がらせする人への対応を望む声が多かったことは、深刻な事態です。「嫌がらせの男性が乗ってきた時にすぐに駅員に連絡できる方法が欲しい」という声は63人にものぼりました。「『男性差別だ』などと主張する人に対し、鉄道会社が詳しく女性専用車両の趣旨や意義を説明することに責任を持ってほしいです。痴漢の加害者ではなく、被害者や被害を恐れる人に非難の矛先が向くのはあまりに理不尽ですし、利用したくても足が重く感じてしまいます」という声もありました。
 交通局として、女性専用車両がある理由の意味を、丁寧に周知すべきではありませんか。

6 痴漢の加害防止の取り組みは、強化が必要です。都は、昨年から都営地下鉄においてアナウンスを強化しました。また毎年6月に鉄道各社、警視庁とともにキャンペーンに取り組んでいます。更なる強化が求められますが、どう取り組んでいくか伺います。

7 痴漢加害の防止のために、周知を強化するにあたっては、特に新年度の4月が大事な時期ですが、どう取り組むのですか。

8 痴漢加害の防止や、周囲の人の対応の力となる周知のあり方として、ポスターなど宣伝物の内容は、専門家や当事者となる女性や子ども、若者などの声を踏まえた内容となることが重要だと、わが党は求めてきました。どう具体化をするのですか。

 子どもの痴漢被害の実態把握も重要です。

9 都教委は、痴漢被害の実態把握について、都教育委員会が策定した指針に基づき、痴漢被害を含め、子どもの身体などに危害が加えられるなどの事案を把握すると、わが党の質問に答弁しました。痴漢被害について、今年に入り、何件報告が寄せられていますか。

10 子どもの痴漢被害の実態把握について、強化すべきではありませんか。

令和4年第二回都議会定例会
米倉春奈議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 関係機関で連携した痴漢ゼロ対策の具体化について
 1 都は、痴漢対策を強化するために、どのように関係機関と連携していくのか。都庁内についても、痴漢ゼロ対策会議(仮称)など、局横断の体制を作ることを求めるが、見解を伺う。

回答
 都は、男女平等参画推進総合計画において、男女平等参画を阻害する様々な暴力への対策として、関係機関と連携して取組を進めています。
 引き続き、相談や普及啓発、被害者支援等に幅広く取り組んでいきます。

質問事項
一の2 警視庁が把握している、迷惑防止条例違反(第5条第1項(痴漢・盗撮等))の年間の検挙件数および、検挙の中で電車内・駅構内に関係する件数と全体に占める割合を過去5年間について伺う。

回答
 平成29年から令和3年までの迷惑防止条例違反(第5条第1項)の検挙件数並びにそのうち電車内・駅構内に関係する件数及び全体に占める割合は、次表のとおりです。

 迷惑防止条例違反(第5条第1項)の検挙件数
平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年
合計 1,771件 1,815件 1,787件 1,305件 1,409件
A 電車内 908件 837件 800件 332件 308件
B 駅構内 355件 417件 346件 343件 397件
A+B 1,263件 1,254件 1,146件 675件 705件
A+Bの割合 約71% 約69% 約64% 約52% 約50%

質問事項
一の3 女性専用車両の拡充を検討することは重要である。検討に当たって、痴漢被害者の多くを占める女性や子どもなどの声をアンケートの実施などにより把握すべきだが、どう取り組むか伺う。
    
回答 
 都営地下鉄では、痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、痴漢被害に遭われたお客様や周囲のお客様に対し、痴漢被害について駅係員などにお知らせいただきたい旨の呼びかけを行っており、お客様からの申し出を受け警察へ通報した場合は、速やかに本局に情報を集約しています。
 また、痴漢被害等に係る情報がお客様センターに寄せられた際には、発生場所や時間等を関係する駅に通知し、朝の点呼等において、係員一人一人に共有するなど、日頃から、業務を通じた痴漢等発生状況の把握に努めています。

質問事項
一の4 女性専用車両の導入拡大に当たっては、導入時間や女性専用車両の設置位置などについて、当事者の声を踏まえた検討をすべきだが、見解を伺う。

回答
 女性専用車両の導入拡大に向けて、現在、大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や新宿線への導入で得られた知見・ノウハウ等を踏まえながら検討を進めています。

質問事項
一の5 本来、女性専用車両はシェルターとして設置されているはずだが、女性専用車両で嫌がらせする人への対応を望む声が多かったことは深刻な事態である。交通局として、女性専用車両がある理由の意味を、丁寧に周知すべきだが見解を伺う。

回答
 女性専用車両の趣旨や意義については、女性専用車両の窓ガラス及びホームの乗車位置付近に案内ステッカーを貼付するとともに、ホームページに掲載し、周知を図っています。
 また、車内及び駅構内放送においては、お客様に女性専用車両に対する御理解・御協力を呼びかけています。

質問事項
一の6 痴漢の加害防止の取り組みは、強化が必要である。都は、昨年から都営地下鉄においてアナウンスを強化し、毎年6月に鉄道各社、警視庁とともにキャンペーンに取り組んでいる。更なる強化が求められるが、どう取り組んでいくか伺う。

回答
 交通局では、痴漢行為を防止するため、車内防犯カメラの設置や鉄道事業者等と共同での痴漢撲滅キャンペーンの実施、駅係員等による巡回などに継続的に取り組んでいます。
 また、令和4年度、重点的に呼びかけを行う独自の対策強化期間を新たに設けるとともに、警視庁防犯アプリの活用をホームページやSNS等で促すなど、誰もが安心して利用できる都営交通の実現に向けて、取組を進めています。

質問事項
一の7 痴漢加害の防止のために、周知を強化するにあたっては、特に新年度の4月が大事な時期だが、どう取り組むのか伺う。

回答
 交通局では、痴漢行為を防止するため、鉄道事業者等と共同で痴漢撲滅キャンペーンを実施するほか、令和4年度、独自の対策強化期間を設定し、取組を進めています。

質問事項
一の8 痴漢加害の防止や、周囲の人の対応の力となる周知のあり方として、ポスターなど宣伝物の内容は、専門家や当事者となる女性や子ども、若者などの声を踏まえた内容となることが重要だが、どう具体化をするのか伺う。

回答
 交通局では、痴漢等の防止に向けて、有識者の意見も聴きながら効果的なポスターを作成することとしています。

質問事項
一の9 子どもの痴漢被害の実態把握も重要である。痴漢被害について、都教育委員会に、今年に入り、何件報告が寄せられているか伺う。

回答
 令和4年は1月から7月末までで、学校や区市町村教育委員会から都教育委員会に対し、「東京都教育庁事故発生報告等事務処理要綱」の運用指針に基づいた痴漢による児童・生徒被害の報告はありません。

質問事項
一の10 子どもの痴漢被害の実態把握について、強化すべきだが見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、痴漢被害を含め、子供の身体等に危害が加えられるなどの事案について、学校や区市町村教育委員会からの報告により把握していきます。