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質問・条例提案

2022.12.15

文書質問 都立大学の学費・入学金について 米倉春奈都議(豊島区選出)

2022年第4回定例会で以下の文書質問を提出しました。

令和4年第四回都議会定例会
文書質問趣意書
   提出者 米倉春奈

質問事項
 一 都立大学の学費・入学金について

答弁
 一 都立大学の学費・入学金について


質問事項

一 都立大学の学費・入学金について

 日本の大学などの学費は、世界の中でも非常に高額で、経済的な理由で学びを諦める子どもや卒業と同時に借金を背負う若者を多く生み出しています。
 お金に心配なく学べる社会をと、多くの学生や市民が声をあげてきました。そうした運動に押されて、政府は2012年に国際人権規約が定めた高校・大学の段階的無償化条項について留保を撤回しました。これは、高等教育の無償化を国際的に約束したものです。
 国も都も国際公約に基づき、無償化に向けた努力が求められています。都として、都立大学の授業料をすみやかに半額にし、段階的に無償化を進めるべきです。また、入学金という制度は、他の先進国にはない日本独自の理不尽なものです。私立大学で平均約25万円、国立大学は28万2000円とさらに高額です。入学金が進学を阻むものとなっています。都は、早急に都立大学の入学金を廃止するべきです。
 そこで、都立大学の入学金と授業料について伺います。

Q1 都立大学で入学金を徴収する根拠はなんですか。

Q2 都立大学の入学金は現行ではいくらですか。金額はどのように定めたものですか。

Q3 都民と都外出身者で入学金は異なります。その理由はなんですか。

Q4 入学金や学費について金額を検討することは、どういう会議体で行われることになっていますか。金額について、変更の議論は行われていますか。

Q5 国際人権規約を踏まえた学費・入学金のあり方について、これまで都や大学法人では議論は行われていますか。

Q6 都は大学法人と連携し、学費の値下げ、入学金の廃止について検討をすべきではありませんか。

Q7 入学金を納めたけれど入学しなかった人については、返還すべきではありませんか。

<以下は、表でお答えください。>
Q8 都立大学の入学金収入の推移についてです。大学の収入額と、入学金が占める金額、割合について、過去5年分を伺います。

Q9 都立大の入学者の都民割合の推移について、過去5年分、伺います。

Q10 都立大に入学金を納めた人で、入学しなかった人数の推移を、過去5年間、伺います。

Q11 都立大学の入学料減免の実績について、都民と都外出身の入学者それぞれの過去5年分の実績を伺います。

 

令和4年第四回都議会定例会
米倉春奈議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都立大学の学費・入学金について
  1 都立大学で入学金を徴収する根拠について伺う。

回答
 都は地方独立行政法人法に基づき、東京都公立大学法人から入学料の上限額に係る申請を受け、議会の議決を経てこれを認可しています。
 法人は、この認可があったことをもって、入学料を徴収しています。

質問事項
 一の2 都立大学の入学金は現行ではいくらか。金額はどのように定めたものか伺う。

回答
 東京都立大学の入学料は下表のとおりです。
 また、この額は、都の認可を受けた料金の上限額の範囲内において、法人が自主的に定めています。
区分 額
東京都の住民 141,000円
東京都の住民以外の者 282,000円
※学部生及び大学院生の額

質問事項
 一の3 都民と都外出身者で入学金が異なるが、その理由を伺う。

回答
 現在の東京都立大学における「東京都の住民」とそれ以外の者の入学料の額は、都の認可を受けた料金の上限額の範囲内において、法人が自主的に定めています。その額は、地方独立行政法人化前の平成16年度において東京都立大学条例で規定していた、再編統合前の東京都立大学の入学料の額と同額としています。

質問事項
 一の4 入学金や学費について金額を検討することは、どういう会議体で行われることになっているか。金額について、変更の議論は行われているか伺う。

回答
 東京都公立大学法人では、入学料や授業料の額を定める規則の改廃については、法人役員及び学外委員で構成される経営審議会において審議することとされています。また、同審議会は、予算に関することも審議事項としており、入学料や授業料の収入の予算額は、毎年度、同審議会の議を経て決定されています。

質問事項
 一の5 国際人権規約を踏まえた学費・入学金のあり方について、これまで都や大学法人では議論が行われているか伺う。

回答
 国際人権規約では、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」とされています。
 高等教育の在り方に関することは、本来、国において適切に対応すべきものであると認識しています。

質問事項
 一の6 都は大学法人と連携し、学費の値下げ、入学金の廃止について検討をすべきではないか、見解を伺う。

回答
 授業料や入学料などの具体的な額については、都が認可した上限額の範囲内で、法人が自主的、自律的に判断しています。
 これらの料金については、世帯の収入が一定額を下回る学生を対象に減免措置を行っており、令和6年度から、授業料の免除に係る所得要件等を見直し、対象範囲の拡大を図ることとしています。

質問事項
 一の7 入学金を納めたが入学しなかった人については、返還すべきではないか、見解を伺う。

回答
 一度、納入された入学料の取扱いについては、法人が自主的に決定すべきものですが、入学辞退者が支払った入学金の返還を求めた訴訟では、一般的にこれを退ける判決が出されており、法人はこうした判例も踏まえ、入学辞退者に対して、入学料を返還していないと聞いています。

質問事項
 一の8 都立大学の入学金収入の推移について、大学の収入額と、入学金が占める金額、割合について、過去5年分を伺う。

回答
 東京都公立大学法人の過去5年間の収入額のうち、東京都立大学分の収入の総額及び入学料収入額、並びに収入総額に占める入学料収入額の割合は下表のとおりです。
  (単位:百万円、%)
収入総額 入学料収入額 総額に占める
入学料の割合
平成29年度 23,652 562 2.4
平成30年度 23,025 568 2.5
令和元年度 22,699 545 2.4
令和2年度 25,445 543 2.1
令和3年度 25,323 554 2.2
※各年度の収入決算額
 収入総額には、法人本部に係る収入額を含む。

質問事項
 一の9 都立大の入学者の都民割合の推移について、過去5年分、伺う。

回答
 過去5年間において、東京都立大学の正規の学部生等として入学手続を行った者のうち、入学料について「東京都の住民」の額の適用を受けた者の割合は下表のとおりです。

平成29年度 34.9%
平成30年度 32.5%
令和元年度 34.4%
令和2年度 37.8%
令和3年度 35.0%
※各年度の決算時の実績による。

質問事項
 一の10 都立大に入学金を納めた人で、入学しなかった人数の推移を、過去5年間、伺う。

回答
 東京都立大学において、入学料を納付した後に、所定の期日までに入学辞退届を提出した者の過去5年間の推移は下表のとおりです。

          (単位:人)
平成29年度 12
平成30年度 12
令和元年度 18
令和2年度 31
令和3年度 16

質問事項
 一の11 都立大学の入学料減免の実績について、都民と都外出身の入学者それぞれの過去5年分の実績を伺う。

回答
 過去5年間において、東京都立大学の入学料について、経済的理由により減免を受けた者のうち、「東京都の住民」の区分、「東京都の住民以外の者」の区分の適用を受けた者の数はそれぞれ下表のとおりです。
                         (単位:人)
東京都の住民 東京都の住民以外の者
平成29年度 2 2
平成30年度 2 4
令和元年度 2 3
令和2年度 37 72
令和3年度 42 68