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質問・条例提案

2023.03.02

本会議 とくとめ道信都議(板橋区選出)の中途議決討論

2023年3月2日の本会議で、とくとめ道信都議(板橋区選出)が討論を行いました。

★2023年都議会第1回定例会 中途議決討論全文(原稿)です。


 日本共産党都議団を代表して、第38号議案ほか6議案に反対、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。

 第38号議案は、オリパラ準備、障害者スポーツ、芸術文化振興など5つの基金を廃止・統合して、東京2020大会レガシー基金を設置するものです。3つの問題点があります。
 第一に、東京2020大会のレガシーを名目にする基金は使途がきわめて広く、特定目的基金とはとても言えないことです。
 来年度予算では約150事業に514億円を使う予定ですが、これがレガシーなのかという事業がいくつもあります。
 一方、障害者スポーツ、芸術文化振興など廃止が提案されている4つの基金は、目的や使途が明確であり、存続させて目的どおりに活用することこそ必要です。
 第二に、オリパラ準備基金の廃止には賛成ですが、五輪が終わったもとで、残高の1343億円については、レガシー基金に統合するのでなく都民の暮らしを守るために使うべきです。
 第三に、レガシーと言うのであれば、大問題となっている汚職や談合など、五輪の負のレガシーを徹底的に検証することが必要です。第三者委員会の設置など、疑惑の徹底解明と検証を行うことを重ねて求めるものです。
 よって、レガシー基金の設置および障害者スポーツなど4つの基金の廃止には反対です。
 あわせて最終補正予算案は、レガシー基金1485億円の積み立てが含まれているため反対です。

 次に、国民健康保険事業会計の補正予算案は、保険料の負担増につながるものであり反対します。
 想定よりも増加した医療給付費を補正する予算措置は必要ですが、物価高騰のもと保険料の負担増につながらないよう、不足分は国保財政安定化基金を取り崩して充てるのではなく、一般会計で負担すべきです。
 そもそも過大な負担になっている、国保料、国保税の負担軽減に取り組むことを、強く求めるものです。

 歴史認識にかかわる知事の答弁について、申し上げます。
 東京都が著作・発行した「東京百年史」では、第一に、関東大震災の時に多くの朝鮮人が惨殺されたことを史実として認めています。第二に、震災ではなく人災による犠牲者であると明記しています。第三に、東京の歴史の汚点であると記録しています。
 わが党は代表質問で、この三つの点を認めるのか否か、知事にただしました。これに対して知事が、この東京都公式の歴史書の内容が、明白な事実かどうかわからないという立場をとり、「何が明白な事実かについては歴史家がひもとくものだ」、つまり後世の歴史家が「隠れた事実を明らかにする」だろうという答弁をしたことは、きわめて重大です。
 小池知事がこのような認識に基づいて、朝鮮人犠牲者への追悼文を拒否し続けていることは、歴史的研究・知見の積み上げに基づいて証明されてきた歴史を否定する歴史修正主義を助長するものと言わなければなりません。
 都知事として「東京百年史」の記録を史実として認め、関東大震災百年を機に追悼文を再開することを、改めて厳しく求めるものです。

 さらに再質問で、ナチスによるホロコーストについての認識を問いましたが、知事は答弁に立たず、局長がかわって答弁しました。ありえないことです。
 ホロコーストへの認識を表明できないような政治家は、国際政治の舞台では通用しないことも合わせて厳しく指摘しておきます。

 最後に、朝鮮学校への補助金が停止されている問題について、日本共産党都議団は、補助金の復活を強く求めるものです。
 東京都は、私立外国人学校に対して教育運営費補助金を出していますが、都内に10校ある朝鮮学校だけ、13年前に不当にも補助を打ち切りました。多くの方々がこの差別的扱いに抗議し復活を求める取り組みが、ねばりづよく続いてきました。
 2021年3月には、誰ひとり取り残さないこと、子どもは権利の主体であることや、学ぶ権利、差別禁止を明記した東京都こども基本条例が、議員提案で成立しました。
 この条例にもとづき、朝鮮学校に通う1100人の子どもたちを権利の主体として尊重し、その声を聞き、学ぶ権利を保障することが都の責務であるとして、補助金の復活を求める声が、いま大きく広がっています。
 都議会でも、自民党、公明党、日本共産党、立憲民主党など超党派の議員が参加する勉強会が行われています。
 都民のみなさんの東京都に対する要請行動では、都は、補助金の対象から朝鮮学校だけ排除していることについて、正当な理由を説明できませんでした。にもかかわらず、東京都が本会議で、子どもたちを傷つける従来の答弁を繰り返したことは許されません。訂正し、補助金を復活すべきです。

 東京都が差別的な補助金停止を続けていることが、ヘイトを助長しています。心無いツイートも見られます。私たち都議会議員一人ひとりも問われています。
 こども基本条例を全会一致で成立させた都議会として、子どもたちの学ぶ権利を守る、ヘイトクライムは許さないことを改めて確認しあい、補助金復活へ一致して取り組むことを呼びかけて、討論を終わります。

以上