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質問・条例提案

予算特別委員会 白石たみお都議(品川区選出)の質疑

 3月8日(水曜日)の予算特別委員会で、白石たみお議員(品川区選出)が一般総括質疑を行いました。

動画(都議会ホームページです。3月8日(水曜日)予算特別委員会・総括質疑をご覧ください)

★質問全文(都議会速記録速報版より)
1、子どもの権利について
2、都立・公社病院の地方独立行政法人化について
3、看護師確保と都立看護専門学校について


1、子どもの権利について

○白石委員 質問に先立ち、浜教育長に一言申し上げます。
 こども基本条例に基づき、英語スピーキングテストに対する中学生の声を聞くよう求めた昨日の我が党の質問に、浜教育長は、子供の声につきましては聞き取り方について条例に定められているわけではないと答弁いたしました。都議会が全会派の共同提案で成立させたこども基本条例の趣旨を全く理解していない発言です。条例の意義を軽んじ、冒涜する重大な発言であり、許されません。謝罪と撤回を厳しく求めます。

2、都立・公社病院の地方独立行政法人化について

○白石委員 質問に入ります。
 新型コロナウイルスは、オミクロン株の出現以降、重症化率は低下しているものの、その感染力は季節性インフルエンザよりはるかに高く、第八波では過去最高の死亡者数となりました。コロナ禍は、日本と東京における医療提供体制の脆弱さを浮き彫りにいたしました。
 医療現場は本当に深刻です。ある民間医療機関で働く看護師は、次のように述べます。この三年間、外食も職員同士の交流も、家族との関わりも制限されてきた。心身ともに限界。それでも、馬車馬のように二〇〇%で働いて必死で医療を守ってきた。看護師の仕事は、命を救う絶対に必要な仕事。でも、ハイリスクだけ背負って、使命感だけではやっていけない。認知症や障害者など、人手のかかるコロナ患者や不採算医療を受け入れてくれる都立病院は、絶対に必要、都立病院は民間医療機関の頼るべき存在だと。
 ところが、小池知事は、都立病院を、都民の多くが反対する中で昨年七月に独法化を強行いたしました。
 知事に改めて伺います。都立、公社病院を独法化した理由と目的、何でしょうか。

○小池知事 医療環境が大きく変わる中にありましても、安定的かつ柔軟な医療人材の確保、機動的な運営によりまして、行政的医療をはじめとする質の高い医療を提供する役割、これを将来にわたり果たすことと考えております。

○白石委員 知事は、行政的医療を将来にわたって提供するための独法化だと、このようにいってきました。さらに、職員が働きやすくなり、人も柔軟に確保できるともいってきました。ですから、これまでの答弁や説明に重い責任、負っております。
 独法化を中止してほしいという署名は、延べ四十万人を超えました。にもかかわらず独法化したわけですから、知事の説明どおりに病院が運営をされているか、本日、検証していきたいと思います。
 知事は、コロナ対応のための独法化とも知事いわれました。パネル、今日、ご用意いたしました(パネル①)。パネルご覧ください。多摩総合医療センターの感染症内科といえば、患者の治療をはじめ院内の感染防止対策の心臓部となります。そのホームページを見ると、感染症内科のスタッフ紹介が準備中となっております。こちらです。なぜ、感染症内科スタッフ紹介が準備中となっているのでしょうか。

○西山福祉保健局長 これに関しましては、この感染症科の医師が、四年七月から他の病院に転職いたしまして、本年二月には非常勤医師を確保しておりまして、六月には常勤医師二名の体制となる予定でございます。
 なお、先ほど、感染症内科に関しましては、病院の心臓部という委員のお話がございましたけれども、多摩総合病院における感染症内科の中心業務は院内感染対策や職員の感染症教育等でございまして、コロナの診療に関しましては、多摩総では総合診療科や循環器内科、内科系の各診療科、救命センター、ICU等など、病院全体でコロナ対応をしてございます。

○白石委員 六月に採用予定ということですね。六月って遅過ぎるんですよ、今、三月ですから。どこが迅速、柔軟だと。しかもですよ、荏原病院も重点医療である感染症内科の常勤医師が欠員です。募集中なんです。胸張っていうべき話なんかじゃないんですよ。
 それでは、いつから準備中なのかお答えいただきたいと思います。

○西山福祉保健局長 ホームページを開設いたしました令和四年七月からでございます。先ほど申し上げましたとおり、本年二月に非常勤医師を確保しておりまして、六月には常勤医師二名の体制となる予定でございます。
 今後もしっかりと対応してまいります。

○白石委員 独法化した七月一日からです。独法化した日から、今、八か月、一年ずっと感染症内科の常勤医師がいないということになりますね。
 感染症内科の概要では、令和四年七月一日付職員の異動に伴い、診療内容、特色の情報については確認中とされております。どのような立場の職員がどこに異動されたのか、異動とは何なのか、端的、明快にお答えください。

○西山福祉保健局長 多摩総合医療センターの医長が、ほかの医療機関に異動する旨をお知らせしたものでございます。
 なお、繰り返しになりますけれども、本年二月には非常勤医師を確保しており、六月には常勤医師二名を確保する予定でございます。

○白石委員 つまり、皆さん、独法化した七月一日に、感染症の専門医である常勤医師が退職をしたと、その穴埋めが八か月間できず、ホームページにスタッフを紹介することができないということです。後ろめたいから、そういう長々長々答弁に立つと。
 今日、パネル用意いたしました。お手元の資料見ていただきたい(パネル②資料)。二〇二一年二月に発行した都立病院だより特別号では、多摩総の前院長は、独法化後は、感染症の専門医や看護師など必要なスタッフを柔軟に確保することで、より強固な医療提供体制を構築することができますと、大々的に独法のメリットとして東京都は宣伝をしてきたんですね。柔軟に確保できるどころか、独法化したその日から一年近くも感染症内科の常勤医師がいないということなんです。
 知事、独法化したその日からこれまで感染症の常勤専門医が不在で、一年近くも穴埋めができなかったと、ご存じだったのかと、知事が感染症医療提供体制強化をするための独法化なんだといった話、全然違うじゃないかと。知事いかがでしょうか。(西山福祉保健局長発言を求む)知事ですよ、知事。

○西山福祉保健局長 まず、繰り返しのご答弁になりますけれども、多摩総合医療センターの感染症内科の中心業務は、院内感染対策や職員の感染症教育でございまして、コロナ対応につきましては、病院全体で対応をしてございます。
 また、都立病院のコロナ対応につきましては、重症、中等症患者や新型コロナによる症状が軽くても重い基礎疾患のある方、認知症など介護度の高い方、妊婦、小児、障害のある方、透析患者等、マンパワーを要する患者を積極的に受け入れているところでございます。

○白石委員 私、知事に聞いたんです。質問にちゃんと答えていただきたいと。質問しないことは答弁しなくていいんですよ。独法化前はばら色に描いて、実際は説明してきた責任、全く果たされていない、そう思うんですね。これだけじゃないんです。聞いていただきたい。
 多摩総合医療センターのERでは、二十四時間三百六十五日、様々な症状の救急患者を受け入れ、重症化や急変のリスクがある場合は、すぐに入院できるよう夜間救急専用のER病棟、設置しております。これ大変優れた仕組みなんですね。十床のER病棟には経験豊富な看護師が配置され、救命救急センターの医師がすぐ駆けつけることができ、手厚い体制を取っております。職員からは、患者にとっても看護師にとっても最も安全なERだと評価をされております。ほかの民間病院では難しい行政的医療であり、多摩地域の最後の命のとりでです。さらに、このER病棟があることで、ほかの一般の病棟が夜間の緊急入院を受けなくて済むため、看護師の負担軽減にも大きく貢献しております。
 ところが、ところがなんです。多摩総合医療センターの経営陣は、今年一月に突然ER病棟を休止すると職員に発表いたしました。初めは閉鎖といっていたんですね。行政的医療である救急医療を支えるER病棟を休止しようと検討したのはなぜか。理由を具体的に、端的にご説明いただきたい。

○西山福祉保健局長 まず、ER病棟でございますが、ER病棟は、入院が必要な救急患者を一晩受け入れるための病棟でございまして、看護師の配置体制につきましては、通常の病棟の三名、四名より、二名ということで薄くなってございます。
 そこで、多摩総合医療センターでは、夜間救急体制の強化を目的に、緊急入院患者の受入れを、現在二名の夜勤体制となっているER病棟から、四名の夜勤体制へと手厚い配置とする病棟に変更することを検討し、救急患者の円滑な受入れはもとより、医療安全の一層の向上や職員の負担軽減が図られることを目指したものでございます。

○白石委員 皆さん、今の答弁、看護体制の強化だと、夜間の安全性を高めるんだと、さらには職員の負担も軽減する、こんな提案だったという答弁でした。ばら色ですね。もし本当にそうなら、職員の皆さんも絶対賛成すると思うんですね。多摩総の職員の皆さん、賛成されましたか。

○西山福祉保健局長 職員団体には、誠実に交渉を行うなど適切に対応してございます。

○白石委員 私は、多摩総の皆さん、賛成されたかどうかを聞いているんです。どうですか。

○西山福祉保健局長 職員団体とは、誠実に交渉を行うなど適切に対応をしております。

○白石委員 いえないんですよ。後ろめたいんでしょうね。
 提案されてから直ちに、多摩総の労働組合が緊急で取り組んだアンケート調査を紹介いたします。見ていただきたい。
 調査結果の一部、パネルにいたしました(パネル③)。ちょっと見えにくいかもしれませんが、見ていただきたい。知事や委員の皆さんには、お手元に配布をいたしましたので参照してください。
 調査項目のER病棟閉鎖についての賛否では、ER病棟閉鎖の影響を受ける一般病棟の看護師二百五十六名中二百五十五名、二百五十六名中二百五十五名ですよ、ER病棟の閉鎖に反対で、ほぼ全て反対です。一〇〇%と書いてありますね。さらに、夜間緊急入院を受け入れたらミスや事故などのインシデントを起こす可能性があるとしたのは、八割を超えております。これのどこが医療安全の一層の向上になるんですか。
 職員の負担軽減も目的だとおっしゃられました。先ほどのアンケート結果見ますと、夜間緊急入院を受け入れることで考えられることとはということで、一般病棟、休憩が取れないが七割を超えております。さらに、食事が取れないは、およそ五割。休憩が取れず食事も取れなくなることのどこが負担軽減になるんですか。労働強化じゃないですか。全くでたらめな答弁していると。
 安全性の向上とか職員の負担軽減などといっているのは、東京都と独法の経営陣ぐらいですよ。現場の声に耳を傾けず、今の実情も理解しようとしない。断じて許されない。本当、許されない答弁だと。笑いごとじゃないんですよ。本当、許されないんです。厳しく指摘したい。このER病棟の廃止は行政的医療の後退だと、現場いっているんですよ。
 知事は、行政的医療を将来にわたり提供するといってきました。それが、一年もたたずに約束を破るんですか。知事、今までの説明と違うんじゃないですか。お答えください。いや、知事ですよ。知事に聞いています。

○西山福祉保健局長 ER病棟に関しましては、先ほども申し上げましたけれども、夜間の救急患者を一時的に受け入れる二名体制の病棟でございます。そこの人員を、本来である病棟に配置することによって、病棟の体制は四名体制とすることができます。そこの多くの病棟で救急患者を受け入れるということになりますので、病院総体としての救急患者を受け入れる体制は強化となります。救急医療の後退というご指摘は当たらないと思います。

○白石委員 いや、ちょっと驚きの答弁ですよ。ER病棟は一時的だと、一日だけなんだと、だから別になくしても大丈夫なんだと、そんな答弁でしたよ。行政的医療である救急医療を支えているのがER病棟なんですよ。現場の皆さんみんないっていますよ。それを廃止しようとしたんですから、紛れもない行政的医療の後退じゃないですか。(発言する者あり)こじつけなんていっていますよね、自民党から。違うんですよ、現場のことを見ようともしない、ひどい答弁だと。
 ぜひ聞いていただきたい。どれだけ危険性が高まり、職員への負担が増加する提案だったのか、アンケート調査で寄せられた声、紹介いたします。
 救命科、産婦人科、外科と状態が変化しやすい方がたくさんいるので、緊急入院を取ることは大きなミスや指示の間違いなど大きな事故を起こし得る。
 次の方、入院中の患者のナースコール対応が遅くなる。緊急入院患者は急変のおそれも高い。人員が必要、新人を含む一般病棟で受けるのは非常に危険。
 次の方、夜間も受け入れられるようであれば退職をする。今でさえ食事する時間が取れない日が続いている。仮眠も取れなくなる。
 別の方、大げさでなく数分まとめて休むことすらできず、十六時間どころか超勤含めて二十時間休憩が取れず、休みを一切取らず、命に関わる業務を行う怖さが分かりますか。私たちは、人として休むという権利すら与えられないのでしょうか。今現在は、事故を起こさず何とか回せているのは、私たちが自分たちを犠牲にして患者を守っているということが分からないのかと。
 ほかにも紹介し切れないほど切実な声、出されています。しかも考えていただきたいのは、これはもう三年近く、都のコロナ医療の中心となって多くの患者を受け入れてきた病院の職員の声だということなんです。
 このER病棟の休止は、患者と看護師の命を守る戦いとして、職員が一丸となって猛反対し、短期間で白紙撤回せざるを得なくなりました。なぜ、そのような提案となったのか。患者の安全性や職員の負担軽減が本当の理由ではないことは、これまでの質疑で明らかだと思います。
 ではなぜなのか。私たちは、経営陣が職員に説明した資料、入手いたしました。パネルご覧いただきたい(パネル④)。これ表題に、看護職員夜間配置加算取得と書いてあります。局長いいですか、書いてあります。
 パネル、もう一枚、次、ご覧ください(パネル⑤)。ここには、ER病棟、二人夜勤体制を解消と書いてあります。赤線引っ張りました。
 伺います。ER病棟の解消は、看護職員夜間配置加算を取得することが目的だったんじゃないんですか。

○西山福祉保健局長 先ほどから答弁を申し上げておりますように、ERからの看護師の転換に関しましては、救急医療体制の強化を目的として行ったものでございます。

○白石委員 強化にならないと、負担も増える、危険性も増える、みんないっているじゃないですか。
今しっかりと答えなかった。これ看護職員の夜間配置加算を取得するためが目的だったんじゃないかと、私、今いいました。いいにくいんでしょうね。病院側の資料で明らかなんです。
 看護職員夜間配置加算とはどういうものか、まず皆さんにお伝えいたします。
 夜間の看護師を手厚くして、より患者の安全も職員の負担も減らす。これが加算の目的です。そもそも、もし仮にこの目的に合った形で加算を取ろうとするのであればいいことだと思います。しかしそうじゃなかったんです。
 次のパネルご覧いただきたい。こちらのパネル、何書いてあるか(パネル⑥)。この加算を取るための条件が書かれております。そこには、全ての病棟に三人以上夜勤体制が必要と、赤線引っ張りました。書いてあります。全ての病棟で三人以上にしないと加算が取れないんですね。これが、看護師の看護職員夜間配置加算であると書いてあります。
 そこで伺います。夜勤体制が三人以上じゃない病棟はER病棟以外ありますか。

○西山福祉保健局長 ER病棟の一つでございます。ただし、先ほど来申し上げているように、これは救急医療体制の強化が目的でありまして、病院全体の看護の夜勤体制を三名以上の手厚い体制として、患者に対する医療安全の向上や質が高まる、そういうことを目的にしているものでございます。

○白石委員 ちゃんと答弁していただきたいと、ER病棟だけでしょうと。それ以外三人以上なんですから、資料で、私、持っていますよ。ER病棟だけでしょう、二人夜勤なのは。つまり加算の条件は当てはまらないのは、ER病棟だけなんですよ。これ解消する必要があったと。
 では、どうやって解消するか。先ほどいいました。夜間の看護師配置を手厚くするという加算の趣旨からすれば、看護師を増やし、ER病棟の夜勤体制を三人以上にすれば加算取れるんですよ。こう考えるのは当然じゃないですか。皆さんだって多分そうだと思いますよ。
 ところが、独法の経営陣が考えたのは、人を増やさず加算だけを取ろうと、ER病棟をなくそうと提案したんです。そうするとどうなるか。これまで説明してきたように、加算の本来の趣旨とは正反対、患者の安全性を低下し、職員の負担は増える。それでいて収入だけはもらえると、増えると。よくこんなことが考えついたものだと思いますよ。私だったら考えませんよ、こんなこと。絶対増やしますよ。これこそが、私たちが指摘してきた行政的医療を後退させ、経営効率を最優先にする独法化の本質なんです。
 多摩総で働く看護師さんたちから、ぜひ知事に伝えてほしいと声が出されたので、知事、ぜひ聞いていただきたい。
 救急医療をはじめとした行政的医療を絶対に後退させないでほしい、独法化するときの約束を守ってほしい、病院側は今回白紙撤回したけれども、このような提案を今後二度としないとは絶対いっていないんだ、だから、知事から二度とこのようなことはするなと機構本部に指示を出していただきたいと、切実に訴えておりました。
 知事、この重い発言を受け止めて、多分知らなかったと思うんです、知事も。機構本部に指示を出していただきたい。二度とこういうことはやるんじゃないと、知事いかがですか。知事ですよ、知事。

○西山福祉保健局長 再三申し上げているとおり、これは多摩総合病院の救急医療体制を強化するとの取組でございます。
 また、なお、新たな都立病院では、柔軟な勤務形態や勤務時間の設定等を導入しており、地方公務員時代の関係法令にとらわれることなく、職員一人一人のライフスタイルに合わせた働き方を可能なものとしております。
 例えば、職員から要望の高かった育児に限定しない短時間勤務の常勤職員や、地域と医療人材を共有するための四日勤務の常勤職員を制度化したほか、仕事と育児の両立を支援する保育料助成制度、これも創設をいたしました。
 職員のライフ・ワーク・バランスの向上をさらに目指しております。

○白石委員 本当に、聞いている人たち、強化にならないことだと誰だって分かるじゃないですか。そうでしょう。それを強化だ、強化だ、強化だといい張ると、本当とんでもないと思いますね。
 知事、なぜ答弁できないのかということなんですよ。行政的医療を守るためといって独法化を推し進めたんですから、自分がいってきた答弁の責任ぐらいきちんと果たしていただきたい。それができないんだったら、都立直営に戻すのは当たり前なんじゃないんですか。
 コロナの感染の波ごとに医療の崩壊の危機に陥り、医療を必要とする都民や患者などに必要な医療が提供できない状況となっております。今こそ、都立病院の役割を発揮するときです。独法化した病院を直営に戻し、拡充していくことを強く求めたいと思います。

3、看護師確保と都立看護専門学校について

○白石委員 質問進めます。
 東京でこそ、医療提供体制を抜本的に強化する必要があると思うんですね。それは知事もそうだと思います。民間病院で働く看護師の声を初めに紹介いたしました。プライベートも家族の時間も制限されながらも、必死で医療を守ってきました。
 こうした医療従事者の役割や重要性について、知事はどういう認識を持っていますか、お答えください。

○小池知事 都は、三年を超える長きにわたって、医療従事者、都民の皆様、事業者の皆様、それぞれの方々のご協力を賜りながら、新型コロナ対策を進めてまいりました。
 感染防止対策にご協力いただいてきた都民、事業者の皆様、エッセンシャルワーカーに、それから薬局の皆さんに、医療現場の最前線でいらした方全ての方々に、心から感謝したいと思います。

○白石委員 知事、医療従事者の皆さんにも感謝をしていただきたいと。知事、感謝するんであれば、今こそ東京が本気になって看護師不足を解消し、医療現場の負担を減らすことが必要だというふうに思います。
 知事、独法ではちょっとあまり立たなかったんですけれども、心の中では多分受け止めてくれたんだと私は思っておりますよ。だから、今日、提案したいと思うんですね。看護師を増やす必要があると。だって、これだけみんな病院では悲鳴が上がるぐらい看護師不足いっているんですから。
 都内で働く看護師の人数、全国から見てどうなっているか調べました。二〇二〇年度の衛生行政報告例では、東京都における人口十万人当たりの働く看護師数は、何と全国で四十三番目になっています。少ないんですね。
 コロナの流行で急に大変になったんじゃないと、もともと医療現場は人手不足で、ぎりぎりの体制で医療活動を行ってきたと、そこにコロナが加わったと、一層深刻。
 政府アドバイザリーボードの専門家は、今後も、今の医療体制のままでは、感染が拡大したとき、コロナ医療と一般医療の両立は極めて難しくなると懸念しております。こういうときだからこそ、都が本気になって、看護師不足を解消して、医療現場の負担を減らす思い切った取組が求められていると思うんです。
 私、もう一つ調べました。都立看護専門学校は、都内に七か所設置されております。この一学年の定員数は六百人。総定員数、何と千八百人です。年間の授業料は約二十七万円となっております。この看護専門学校からの二〇二一年度の歳入額は、受験料、入学金、授業料合わせて五億円、知事、五億円弱で看学の無償化できるんですね。
 同じく、看護学科のある都立大学の授業料は年間約五十二万円、二〇二四年度から九百十万円未満の世帯は実質無償化となります。つまり、授業料が低かった看護学校の方が高くなると、逆転現象が起こるんですね。独法化した都立大で無償化ができて、直営の都立看学で踏み出せないはずがないと思うんです。定員を増やして、完全無償化は知事の決断でできるんです。都民の命を守るという、都政の中心課題に本気で取り組むことを強く強く求めて、質問を終わります。(拍手)