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質問・条例提案

2022.10.07

文書質問 バス停留所の安全確保対策について・他 原のり子都議(北多摩第4選出)

2022年第3回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

令和4年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原のり子

質問事項
 一 バス停留所の安全確保対策について
 二 道路の振動対策について
 三 地域公共交通の充実について

答弁
 一 バス停留所の安全確保対策について
 二 道路の振動対策について
 三 地域公共交通の充実について


一 バス停留所の安全確保対策について
 国土交通省は、全国で約1万か所にのぼる、安全確保対策を必要とするバス停留所を公表し、安全対策を進めています。東京都内のバス停については、昨年の1月29日時点で224か所でしたが、今年の7月31日時点では166か所となっています。もっとも危険とされるAランクの停留所は20だったものが5か所になっています。減ってはきているものの、まだ対策の途上という状況です。
 2018年8月に横浜市内で発生したバス事故は、停留所にバスが横断歩道をまたいで停まる形になっていて、バスを降りた子どもさんがバスの後方から道路を横断しようとしたところを車にはねられ亡くなったという、痛ましいものでした。こういうことが二度と起きないように、対策を急ぐ必要があります。
 そこでうかがいます。

 1 東京都として、国土交通省のバス停留所安全確保対策実施状況について、どのように受け止めていますか。そして、この内容について、どこでどのように議論し、対策をすすめていますか。

 現在、Aランクで対策が未定なままなのは、清瀬市と東久留米市の境にある「三角山」バス停だけです。この間バス会社が、バス停の移設や横断歩道の移動などを警察署の協力も受けて検討されてきていますが、解決にはいたっていません。住民のみなさんが多く利用しているバス停で、住民のみなさんは、安全帯をつくって横断歩道に車体がかからないようにしてほしい、と要望しています。
 もともと、地域では、安全帯の設置を求めてきましたが、野火止用水が歴史環境保全地域であることから、難しいとされてきました。しかし、同じ野火止用水沿いのバス停「下里団地」や「押し出し橋」には安全帯が設置され、新興住宅のための橋も設置されています。「三角山」だけができない理由はないはずです。

 2 保全地域を解除した事例はこれまでにいくつあり、その理由はどういうものでしょうか。あわせて、解除の基準をお示しください。

 3 指定を解除せずに工事をする場合の基準や手続きはどのようになっていますか。

 東久留米市議会には、今年の2月24日に「三角山バス停の安全確保のために、安全帯の設置を求める陳情」が提出されています。また、市議会でも質問でくりかえしとりあげられています。野火止用水は貴重な歴史的遺産であり、保存していくべきものです。同時に、住民とともに共存することが大事です。住民の命を守るために、三角山バス停に安全帯をつくることは、野火止用水の保存と対立するわけではありません。

 4 都としても、バス会社や地元自治体から相談があれば、三角山バス停の対策について積極的に支援をすべきと考えますが、いかがですか。

二 道路の振動対策について

 清瀬市の市道0110号線(けやき通り)と主・地24号練馬所沢線(サカガミから広橋医院に抜ける道)が交わる交差点では、近隣住民から、大型車両やバスの通過で振動が絶えない、家屋外壁にひび割れも出ているとかねてから声が出されています。
 市道については、打ち替え工事が行われることになりましたが、当該交差点まで進むのは数年かかるため、簡易補修が行われることになるとのことです。ただ、交差点部分の振動ですから、市道部分だけでは解決できません。

 1 市と協議していただき、都道部分も振動解消対策を講じてください。

 2 どのような工事を行うのか、事前に住民の意見も聞き、効果のある工事を実施すべきだが、見解を伺います。

三 地域公共交通の充実について

 都が、今年度から地域公共交通についての支援を拡充したことは、重要です。清瀬市・東久留米市では、民間バス路線が市民にとって欠くことのできない重要な市民の足となっています。しかし、東久留米市では、昭和病院行の民間バスの路線が廃止されたり、ショッピングモールのシャトルバスの路線も一部廃止されるなど、新たな困難が生まれています。もともと、清瀬も東久留米も、交通不便地域が残されています。民間バス路線でカバーできていないところを、清瀬市ではコミュニティバスが、東久留米市ではデマンド交通が実施されていますが、まだ十分ではありません。そのため、清瀬市では、路線をふやすことについての要望があり、また東久留米市ではこれまで実験運行していたデマンド交通の本格実施が検討されていますが、いずれも財政負担が心配されています。

 1 まず、持続可能な地域公共交通実現に向けた財政的支援をすすめる都の目的はどういうことですか。

 2 コミュニティバスの路線をふやす、変更するという場合にも、運行経費は支援されますか。

 3 東久留米市は、これまで、デマンド交通の実証運行を実施してきました。実証運行してきた自治体が、本格運行するにあたり、運行経費などは支援されますか。

 4 東久留米市では、コミュニティバスを実施してほしいという声も根強くあります。同じ自治体において、コミバスとデマンドの両方を実施する場合にも、それぞれ支援を受けられますか。

 5 「持続可能」とするためには、3年間で運行経費の補助を打ち切ることは現実的ではありません。4年目以降も補助を継続することを求めますがいかがですか。

 6 運行経費の補助率を都と区市町村で2分の1ずつではなく、都の補助率を厚くして、財政が厳しい自治体でも活用できるように改善を求めますが、いかがですか。

令和4年第三回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 バス停留所の安全確保対策について
 1 国土交通省のバス停留所安全確保対策実施状況について、どのように受け止めているか。そして、この内容について、どこでどのように議論し、対策をすすめているか伺う。

回答
 国は、全国の地方運輸支局ごとにバス停留所安全性確保合同検討会を設置し、バス事業者、交通管理者及び道路管理者とともに、交通政策担当者としての都も参画しています。
 同検討会は、バスが停留所に停車した際に車体が横断歩道にかかり、道路を横断する歩行者が対向車や追越車の死角に入るなど、安全対策を検討する必要がある停留所を抽出するとともに、抽出した停留所の安全対策の進捗状況を共有し、事業者が順次対策を進めています。あわせて、検討会として実施状況を把握し、公表しています。

質問事項
 一の2 保全地域を解除した事例はこれまでにいくつあり、その理由はどういうものか。あわせて、解除の基準について伺う。

回答
 自然保護条例に基づく保全地域の指定の解除については、自然環境保全審議会の意見を聴いた上で一部解除しており、事例は6件あります。
 具体的には一団の墓地や既に計画決定されていた道路区域の拡幅部分などです。  

質問事項
 一の3 指定を解除せずに工事をする場合の基準や手続きはどのようになっているか伺う。

回答
 保全地域では、良好な自然地を守るため、建築物その他工作物の新築や改築、宅地の造成、木竹の伐採などの行為を制限しています。
 これらの行為を行う場合には、自然環境の保全に十分配慮し、失われる自然を最小限に留めるよう指導した上で、自然保護条例に基づく許可を行っています。

質問事項
 一の4 バス会社や地元自治体から相談があれば、三角山バス停の対策について積極的に支援をすべきだが、見解を伺う。

回答
 停留所ごとの安全対策については、バス事業者が交通管理者、道路管理者及び地元自治体と協議・調整を行った上で、事業者が対策を行うものと考えています。
 なお、交通政策を担当する都としては、必要に応じ、検討会などを通じて、技術的な助言等を行っていきます。

質問事項
 二 道路の振動対策について
 1 清瀬市の市道0110号線と主・地24号練馬所沢線が交わる交差点について、近隣住民から振動への苦情の声がかねてから上がっている。市道では打ち替え工事が行われることになったが、交差点部分の振動であるため、市と協議し都道部分も振動解消対策を講じるべきだが、見解を伺う。

回答
 都と清瀬市とで現地を確認した上で、交差点内の応急的な補修を市が実施済です。

質問事項
 二の2 どのような工事を行うのか、事前に住民の意見も聞き、効果のある工事を実施すべきだが、見解を伺う。

回答
 都道と市道の交差点部において路面補修工事を実施する際には、事前に市と調整の上、適切な対応を図っており、本箇所においても清瀬市が路面補修工事を行う際に同様の対応を行います。

質問事項
 三 地域公共交通の充実について
 1 持続可能な地域公共交通実現に向けた財政的支援を進める都の目的について伺う。

回答
 地域の公共交通については、地域ごとのニーズに対してきめ細かく応える必要があることから、区市町村が公共交通事業者などの関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要です。
 都は、地域の交通課題の解決に向け、区市町村の取組意欲を引き出し、主体的な取組を効果的に後押しするため、財政支援を行っています。

質問事項
 三の2 コミュニティバスの路線をふやす、変更するという場合にも、運行経費は支援されるか伺う。

回答
 路線の追加や既存路線の見直しを行うに当たっては、持続可能な移動サービスとなるよう、区市町村が、将来の需要動向等を十分に見極めることが必要です。
 路線の追加は従来から支援の対象としており、既存路線の見直しは今年度新たに支援の対象としました。

質問事項
 三の3 東久留米市は、これまで、デマンド交通の実証運行を実施してきた。実証運行してきた自治体が、本格運行するにあたり、運行経費などは支援されるか伺う。

回答
 本格運行は、実証期間を含め、運行開始から3年間を補助対象としています。

質問事項
 三の4 東久留米市では、コミュニティバスを実施してほしいという声も根強くある。同じ自治体において、コミバスとデマンドの両方を実施する場合にも、それぞれ支援を受けられるか伺う。

回答
 路線が重複する場合などを除き、コミュニティバス、デマンド交通それぞれを支援の対象としています。

質問事項
 三の5 「持続可能」とするためには、3年間で運行経費の補助を打ち切ることは現実的ではない。4年目以降も補助を継続することを求めるが、見解を伺う。

回答 
 コミュニティバス等の導入に際しては、区市町村による主体的・自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について、十分に検討することが必要です。
 都は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後3年間の運行経費の一部を区市町村に補助しています。

質問事項
 三の6 運行経費の補助率を都と区市町村で2分の1ずつではなく、都の補助率を厚くし、財政が厳しい自治体でも活用できるように改善を求めるが、見解を伺う。

回答
 コミュニティバス等の導入に際しては、区市町村による主体的・自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について、十分に検討することが必要です。
 その上で、事業運営の安定化を図るため、事業立ち上げの際に、補助対象額の2分の1を区市町村に補助しています。