ご意見・ご要望
ページトップヘ

質問・条例提案

2022.10.07

文書質問 コロナ感染拡大第7波の中での救急搬送の実態について・他 藤田りょうこ都議(大田区選出)

2022年第3回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

2022年第3回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 藤田りょうこ

質問事項
 一 コロナ感染拡大第7波の中での救急搬送の実態について
 二 東京都立病院機構荏原病院の医療活動について
 三 東京都が新空港線に補助を行うと決めた経緯について

答弁
 一 コロナ感染拡大第7波の中での救急搬送の実態について
 二 東京都立病院機構荏原病院の医療活動について
 三 東京都が新空港線に補助を行うと決めた経緯について


 

一 コロナ感染拡大第7波の中での救急搬送の実態について

 新型コロナウイルス感染拡大の第7波では、7月中旬から1か月にわたり、自宅療養中、もしくは入院等調整中のコロナ陽性患者が救急要請しても、2人に一人は搬送されずに「不搬送」となりました。今年は猛暑日となる日数が過去最高となり、熱中症となる方の救急要請も多い時期と重なりました。

 1 新型コロナ感染症に限らず、救急要請した方のうち、覚知から病院到着までに10時間以上を要した件数は何件ですか。第6波が発生した2022年1月、2月、第7波が発生した同年7月、8月の件数について伺います。

 2 当時の第95回新型コロナウイルス感染症モニタリング会議の専門家は「救急車が患者を搬送するための現場到着から病院到着までの活動時間は延伸し、出動率が高い状態が続いている」と分析されています。コロナ以前の2019年中の活動時間と比べて、今年2022年7月中の活動時間はどの程度延伸していたのですか。

 3 また、「非常用救急隊を増隊して対応しているが、出場から現場到着まで時間がかかる状況が常態化している」とも分析されています。出場から現場到着までの時間は、コロナ以前の2019年中と比べて今年7月中はどの程度長くなっていましたか。

 4 重症患者の救急搬送は、速やかに行われるべきであると考えますが、昨今のコロナ禍において、救急搬送に時間がかかる状況が増えていると報道されています。心肺停止の傷病者を搬送した事案について、コロナ以前の2019年中の救急活動時間、第6波が発生した2022年1月、2月、第7波が発生した同年7月、8月のそれぞれの活動時間について伺います。

二 東京都立病院機構荏原病院の医療活動について

 搬送先が見つからないことが原因で、命を落とすことはあってはなりません。
 私の地元大田区にある荏原病院は、2021年2月以降、461床ある病床を240床に縮小し、コロナ患者の受け入れに特化してきました。地域の医療機関からは、荏原病院がコロナ陽性者を積極的に引き受けてくれることによって、地域医療を守ることができた、というお話を伺いました。しかし第7波では、荏原病院のコロナ患者受け入れ数は大幅に減少しました。

 1 荏原病院のコロナ確保病床は、2022年2月、8月ではそれぞれ何床で、休床にしていた病床は何床ですか。また、第6波、第7波での最大受け入れ患者数を伺います。

 2 今年5月の都全体のコロナ確保病床数の引き下げに伴い、荏原病院も確保病床を引き下げている。その際、461床のうち、コロナ確保病床は何床で、一般医療を行っている病床と休床している病床はそれぞれ何床でしたか。また、一般医療で受け入れるとした診療科は何ですか。

 9月30日の厚生委員会では、6つの公社病院で6月末に退職した看護要員は昨年の約9倍にのぼり、122名であったことが分かりました。そのうち荏原病院は38名と、最多でした。

 3 荏原病院の医師及び看護要員は、今年1月、4月、7月、それぞれ1日時点で何人ですか。加えて、定数または必要数(計画数)に対する看護要員の充足率は何%ですか。

 4 荏原病院の許可病床は、一般病床(ICU除く)405床、精神病床30床、感染症病床20床、ICU6床の461床です。職員数を増やし、「医療で地域を支える。」としてきた公社病院の役割を引き続き発揮し、さらに充実すべきですが、見解を伺います。

三 東京都が新空港線に補助を行うと決めた経緯について

 都は、新空港線(矢口渡から京急蒲田まで)整備事業(以下「本事業」という)について、今年6月6日に大田区と合意した内容について公表しました。

 1 大田区が2017年に作成した「つながり はばたけ 新空港線(蒲蒲線)」リーフレットでは、概算事業費が1,260億円とされていましたが、工事手法などの見直しによって、今回の公表では1,360億円となっています。何故100億円増えたのですか。この間行った事業費の検証内容について具体的に伺います。

 2 東京都と大田区は、都市鉄道利便増進事業の地方負担分について補助を行うとし、その負担割合は、東京都が三割、大田区が七割としました。この負担割合の根拠は、空港アクセスに関する旅客であるか、否かだとしています。都の調査によると、新空港線の利用者数は1日約5.7万人、そのうち航空旅客(空港アクセスに関する旅客等その他の旅客分)が約1.5万人、都市内旅客(空港アクセスを除く大田区発着に関する旅客分)が約4.2万人としています。この根拠について伺います。

 3 「新空港線及び沿線まちづくり等の促進に関する協議の場」では、乗り換え利便性についても検討してきました。JR蒲田駅と東急蒲田駅の乗り換えは、現在の南改札を品川方面にずらして新設した「案2」とし、乗り換え時間は約5分20秒になっています。現在のJR蒲田駅と東急蒲田駅の乗り換え時間は何分何秒ですか。

 4 本事業の都市計画決定及び都市計画事業認可の後、大田区が本事業を特別区都市計画交付金制度の対象事業とすることができるよう、東京都と大田区は調整を行うとしています。具体的にどこの場で、どういった内容の調整を行うのですか。

 5 空港アクセス利便性の向上に資する京急蒲田から大鳥居までの整備について、東京都と大田区は、引き続き実現に向けた関係者による協議・調整を行うとしています。都は、京急蒲田から大鳥居までの整備について、どのような課題があると認識していますか。

 

令和4年第三回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 コロナ感染拡大第7波の中での救急搬送の実態について
 1 新型コロナ感染症に限らず、救急要請した方のうち、覚知から病院到着までに10時間以上を要した件数は何件か。第6波が発生した2022年1月、2月、第7波が発生した7月、8月の件数について伺う。

回答 
 覚知から病院到着までに10時間以上を要した件数は、速報値で2022年1月は10件、2月は64件、7月は70件、8月は63件です。

質問事項
 一の2 当時の第95回新型コロナウイルス感染症モニタリング会議の専門家は「救急車が患者を搬送するための現場到着から病院到着までの活動時間は延伸し、出動率が高い状態が続いている」と分析されている。コロナ以前の2019年中の活動時間と比べて、今年2022年7月中の活動時間はどの程度延伸していたのか伺う。

回答
 2022年7月中の現場到着から病院到着までの活動時間は、速報値で45分14秒であり、2019年中の31分27秒と比べ13分47秒延伸しました。

質問事項
 一の3 また、「非常用救急隊を増隊して対応しているが、出場から現場到着まで時間がかかる状況が常態化している」とも分析されている。出場から現場到着までの時間は、コロナ以前の2019年中と比べて今年7月中はどの程度長くなっていたか伺う。

回答
 2022年7月中の出場から現場到着までの活動時間は、速報値で12分10秒であり、2019年中の6分35秒と比べ5分35秒延伸しました。

質問事項
 一の4 昨今のコロナ禍において、救急搬送に時間がかかる状況が増えていると報道されている。心肺停止の傷病者を搬送した事案について、コロナ以前の2019年中の救急活動時間、第6波が発生した2022年1月、2月、第7波が発生した同年7月、8月のそれぞれの活動時間について伺う。

回答
 2019年中に心肺停止状態で救命救急センターへ搬送された傷病者の現場到着から病院到着までの時間は、28分52秒であり、2022年は速報値で、1月は32分47秒、2月は33分21秒、7月は32分24秒、8月は34分15秒です。

質問事項
 二 東京都立病院機構荏原病院の医療活動について
 1 荏原病院のコロナ確保病床は、2022年2月、8月ではそれぞれ何床で、休床にしていた病床は何床か。また、第6波、第7波での最大受け入れ患者数を伺う。

回答
 荏原病院の新型コロナの確保病床数は、令和4年2月、8月ともに臨時の医療施設を除き240床です。
 新型コロナ患者等を受け入れるために休止した病床や一般病床で休止した病床数は、2月が145床、8月が最大で143床です。
 都立病院は、重症・中等症の患者や新型コロナの症状は軽くても重い基礎疾患のある方、介護度の高い方などを積極的に受け入れており、荏原病院の疑い患者も含めた1日当たりの最大入院患者数は、令和3年11月から令和4年5月までの間では130名、令和4年6月以降では67名です。

質問事項
 二の2 今年5月の都全体のコロナ確保病床数の引き下げに伴い、荏原病院も確保病床を引き下げている。その際、461床のうち、コロナ確保病床は何床で、一般医療を行っている病床と休床している病床はそれぞれ何床か。また、一般医療で受け入れるとした診療科は何か伺う。

回答
 令和4年5月の都全体のコロナ病床確保レベルの変更に伴い、荏原病院の確保病床数を変更した結果、6月の新型コロナの確保病床数は臨時の医療施設を除き180床、新型コロナ患者等を受け入れるために休止した病床数は61床となりました。
 一般診療を行う病床数は200床で、精神科、小児科、産婦人科のほか、全ての診療科で患者の診察を受け入れることとしました。

質問事項
 二の3 荏原病院の医師及び看護要員は、今年1月、4月、7月、それぞれ1日時点で何人か。加えて、定数または必要数(計画数)に対する看護要員の充足率は何%か伺う。

回答 
 荏原病院の医師数は、独法化前の令和4年1月が66人、4月が69人です。
 看護要員数は、令和4年1月が270人、4月が275人で、定数に対する割合は、それぞれ82パーセント、83パーセントです。
 また、独法化後の令和4年7月の医師数は70人、看護要員数は245人です。
 独法化後は、充足率算定の前提となる都と同様の定数管理は行っておらず、各病院長の裁量で機動的な職員採用が可能となっています。

質問事項
 二の4 荏原病院の許可病床は、一般病床(ICU除く)405床、精神病床30床、感染症病床20床、ICU6床の461床である。職員数を増やし、「医療で地域を支える。」としてきた公社病院の役割を引き続き発揮し、さらに充実すべきだが、見解を伺う。

回答
 荏原病院が取り組む主な重点医療を、感染症医療や精神科身体合併症医療等とするなど、独法化後の新たな都立病院では、第1期中期計画において、行政的医療をはし゛めとした質の高い医療を安定的かつ継続的に提供するとともに、都の医療政策に率先して取り組むことにより、都民の生命と健康を守る使命を果たすこととしています。
 また、地域医療の充実に貢献し、地域包括ケアシステムの構築を支援することとしており、こうしたニーズに対応できるよう、人材を機動的に確保・育成することとしています。

質問事項
 三 東京都が新空港線に補助を行うと決めた経緯について
 1 大田区が2017年に作成した「つながり はばたけ 新空港線(蒲蒲線)」リーフレットでは、概算事業費が1,260億円とされていたが、工事手法などの見直しによって、今回の公表では1,360億円となっている。何故100億円増えたのか。この間行った事業費の検証内容について具体的に伺う。

回答
 現在公表している事業費については、平成28年度に算出された1,260億円を基に、その後の物価上昇を加味した結果、1,360億円としています。

質問事項
 三の2 都と大田区は、都市鉄道利便増進事業の地方負担分について補助を行うとし、その負担割合は、東京都が三割、大田区が七割とした。この負担割合の根拠は、空港アクセスに関する旅客であるか、否かだとしている。都の調査によると、新空港線の利用者数は1日約5.7万人、そのうち航空旅客(空港アクセスに関する旅客等その他の旅客分)が約1.5万人、都市内旅客(空港アクセスを除く大田区発着に関する旅客分)が約4.2万人としています。この根拠について伺う。

回答
 国の交通政策審議会答申第198号においても用いられているとおり、航空旅客は交通政策審議会航空分科会基本政策部会の航空需要予測結果を基に、都市内旅客は東京都市圏パーソントリップ調査を基に交通需要予測を行いました。

質問事項
 三の3 「新空港線及び沿線まちづくり等の促進に関する協議の場」では、乗り換え利便性についても検討してきた。JR蒲田駅と東急蒲田駅の乗り換えは、現在の南改札を品川方面にずらして新設した「案2」とし、乗り換え時間は約5分20秒になっている。現在のJR蒲田駅と東急蒲田駅の乗り換え時間は何分何秒か伺う。

回答
 現況の乗換時間は、3分58秒となります。

質問事項
 三の4 事業の都市計画決定及び都市計画事業認可の後、大田区が本事業を特別区都市計画交付金制度の対象事業とすることができるよう、都と大田区は調整を行うとしている。具体的にどこの場で、どういった内容の調整を行うのか伺う。

回答 
 特別区都市計画交付金は、対象事業を交付要綱に定めており、毎年度申請される事業実績に応じて交付するものです。

質問事項
 三の5 空港アクセス利便性の向上に資する京急蒲田から大鳥居までの整備について、都と大田区は、引き続き実現に向けた関係者による協議・調整を行うとしている。京急蒲田から大鳥居までの整備について、どのような課題があると認識しているか伺う。

回答 
 京急蒲田から大鳥居までの整備については、国の交通政策審議会答申第198号に示されているとおり、軌間が異なる路線間の接続方法等の課題があります。