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質問・条例提案

2022.12.15

文書質問  東京都の契約について・中学校英語スピーキングテストについて アオヤギ有希子都議(八王子市選出)

2022年第4回定例会で以下の文書質問を提出しました。

令和4年第四回都議会定例会文書質問趣意書
提出者 アオヤギ有希子

 

質問事項
 一 東京都の契約について
 二 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)について


一 東京都の契約について
  1 都が協定書や契約書を民間事業者と取り交わす際に、一括再委託を禁止し、再委託などは都の許可を得て行うことになっているのは、なぜか伺う。

回答
  都の委託契約書においては、受注者に対する信頼の保護や履行の質の確保等を図るため、一括再委託を禁止しており、個別の契約ごとに、その必要性、妥当性などを勘案した上で、都が承諾した場合に限り、委託業務の一部について第三者に委託できることとしています。

質問事項
 一の2 都は、契約相手が、無断で再委託をしているかどうか、どのように調査をしているのか伺う。

回答
  都の委託契約では、契約書において一括再委託を禁止するとともに、契約の相手方が再委託を行う場合には、個別の契約ごとに、その必要性、妥当性などを勘案し、適切と判断した場合に、委託業務の一部について第三者に委託することを承諾しています。
  こうした前提の下、日々の業務履行に当たっては、事業所管局において契約内容に応じた履行確認を行っています。

質問事項
 一の3 企画提案や総合評価を行う際に技術審査員の外部有識者は、利害関係者を入れないことが大原則であり「業務委託等における『総合評価方式』活用の手引及び『企画提案方式』活用の手引き」で「3学識経験者の関与、(2)都の事業との間に利害関係を持つ者を学識経験者として選任することは避けてください」としているが、どのように確認しているか伺う。

回答
  企画提案方式や総合評価方式において意見聴取等を行う学識経験者の選任に当たっては、入札契約手続きの公平性や公正性を確保するため、事業所管局において、選任しようとする学識経験者の所属や経歴等の情報を元に、当該案件における利害関係の有無を確認しています。

質問事項
 二 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)について
  1 11月2日の文教委員会では、再委託の調査について「調査を行って何か発見するという種類のものではない。適正に実施する責任が事業者はあり、そのように把握していくということである。」と答弁しているが、都は再委託の調査を行ったか。行った場合、いつ、どのように行ったのか伺う。

回答
  事業者は都教育委員会との協定に基づき、本事業を行うこととしています。

質問事項
 二の2 「民間資格・検定を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト事業審査委員会」に、外部有識者として参加した根岸雅史氏は、ベネッセの商品であり、ESAT-Jと酷似していると指摘をされているGTECの推薦者だったことがあり、また、「GTEC for STUDENTS Can-do Statementsの妥当性検証研究概観」などの研究を発表しており、ベネッセの利害関係者だと思われるが、都教委はこの事実を事前に把握していたか伺う。

回答
  技術審査委員会は、英語教育、弁護士、公認会計士等の外部有識者や庁内委員などから構成されており、いずれの委員も事業者の利害関係者ではありません。

質問事項
 二の3 ESAT-J対策に特化した模擬試験、流用した練習用教材が販売されていないとどのように確認したか。すでに都民や専門家からベネッセのGTECはESAT-Jと酷似していると指摘がされており、ESAT-J対策に特化した模擬試験になりうると考える。都は、利益相反があったかどうかモニタリングをしていないことが、都民の開示請求で明らかになっているが、調査を行い、GTECの販売をやめさせるべきではないか伺う。

回答
  都教育委員会は、定期的にウェブサイトを閲覧するなど、利益相反行為が行われていないことを確認しています。
  スピーキングテストは、都教育委員会が決定した出題方針に基づき、都独自の内容で出題するテストであり、事業者が実施しているテストとは異なるため、利益相反行為には当たりません。

質問事項
 二の4 都が区市町村教育委員会に通知をした通り、中学校へはESAT-Jの「協力」を依頼している関係にすぎず、協定書の中学校の役割について、強制力はあるか伺う。

回答
  スピーキングテストは、区市町村教育委員会との連携・協力のもと、実施しています。

質問事項
 二の5 協力関係の組織である中学校は当然ながら、委託先でもなく協定書にサインもしておらず、中学校の役割が、必ず実行される保証はない状態であり、こうした協定書では、入試に必要な公平性を担保がされたとは言えないが、スピーキングテストの公平、公正な実施と、それを入試に活用するのは、不可能ではないか伺う。

回答
  スピーキングテストは、区市町村教育委員会との連携・協力のもと、実施しています。

質問事項
 二の6 協定書のベネッセの役割である試験監督業務だが、全体は何人必要で、何人が集まったのか。ベネッセ以外何社に委託されているのか伺う。

回答
  事業者は、協定に基づき、適正にテストを実施することとしています。
  運営体制については、試験実施上の運営情報に当たるため、公表していません。

質問事項
 二の7 協定書にはない業務で、当日、都の職員は何人配置し、バスの配置は、何校に何台配置したのか。協定以外にかかった費用は、どれくらいか。都の職員の人件費、バスの配置の費用などについて伺う。

回答
  令和4年11月27日の実施日においては、670人を勤務させました。
  中学校12校の生徒の輸送のために、臨時バスを手配し、その費用は486万3千2百円です。

質問事項
 二の8 ベネッセに1点を争う入試を実施するノウハウがあると、どのように確認したのか。民間の検定試験の実績ではなく、入試のノウハウについて伺う。

回答
  事業者については、大学入試等に広く活用されている資格試験の実績があることを応募資格要件としており、令和元年度の事業技術審査委員会において選定しました。

質問事項
 二の9 都がトラブルは聞いていない、中学校からは何かトラブルがあれば、報告を受ける関係だということだが、そのことを通知した文書はあるか。あるのならばいつ発出された文書で、内容はどんなものか伺う。

回答
  中学校は、スピーキングテストの実施状況に限らず、課題があると認識した場合には、区市町村教育委員会にその内容を伝え、区市町村教育委員会から都教育委員会に報告が上がる仕組みとなっています。
  さらに、都教育委員会は、テスト終了後に、事業者及び配置した都職員からの報告及び全ての区市町村教育委員会から状況の聞き取りを行い、解答に影響を与えるような事例がなかったことを確認しています。

質問事項
 二の10 都教委が監修し、ベネッセが制作した問題に手を加えた箇所はどこか伺う。

回答
  都教育委員会は、有識者等を委員とした問題等検討委員会において、試験問題を検討し、作成しています。
  具体的な内容については、運営上の機密事項であることから、公表していません。

質問事項
 二の11 入試の際、疑義があった場合、採点結果を公表しなければならないが、いつ決定するのか。音声データ、設問別データを公表できないテストを入試に活用することは、不可能だと考えるが、見解を伺う。

回答
  音声データの開示の請求に関する手続きについては、令和5年3月以降の実施に向けて日程と方法を調整中です。

質問事項
 二の12 ベネッセに登録した個人情報、採点結果を本人または、保護者が削除を求めたら、削除しなければならないが、削除するのか伺う。

回答
  個人情報については、法令等に基づき、適切に扱います。

質問事項
 二の13 採点者は、学力評価機構またはその委託会社の正規社員か、非正規社員か。それとも個人事業主もいるか伺う。

回答
  採点の具体的事項については、試験実施上の運営情報に当たるため、公表していません。

質問事項
 二の14 採点者の採点の技術はベネッセの中で身に着けたのか。技術がなければ、8万人の採点を正確に終わらせることはできないのではないか伺う。

回答
  採点は、大学の学位や英語教授法の資格をもつなど、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する者が、事前に本テストの採点に係る研修を受講し、基準を満たした者のみが行っています。また、採点基準に従い、複数の専任者による採点・審査を経て評価を確定しており、都教育委員会が、採点結果を確認しています。
  なお、令和4年度の採点は完了しました。

質問事項
 二の15 都教委は令和4年度東京都立高校入学者選抜検討委員会第4回で、事務局である都教委が「英語スピーキングテストについてはまだ課題が残っている」と発言しているが、入試実施に至るまで、どのような取り組みをして、この課題を解決してきたのか伺う。

回答
  スピーキングテストの不受験者の扱い等について、検討を行い、令和5年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目を定めました。

質問事項
 二の16 数々の不公平、不公正な状況があったことは明らかであり、また、「学習指導要領から出題する」と説明してきたにもかかわらず、「仮に誤りが明らかになった場合はこれまでやってきた通り、是正措置をとる」と答弁している。公正、公平性を維持してきた都立高校入試にESAT-Jの20点を入れない是正措置をすべきではないか見解を伺う。

回答
  スピーキングテストは適切に実施されており、都教育委員会は、都立高校入試において、その結果を活用します。

質問事項
 二の17 ベネッセと協定は来年までであり、改めて、広く都民や様々な分野の専門家を交えて、スピーキングテストを入試に活用するかの是非や、英語教育そのもののあり方を練り上げていく検討会を開くべきであるが、見解を伺う。

回答
  スピーキングテストについては、これまで、教育委員会等において議論を重ね、実施することとしたものです。