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2023.10.11

小中学校のプール廃止の検討状況と夏休み・地域への開放状況について

★記者会見する(左から)清水とし子、原のり子、和泉なおみ、とや英津子、斉藤まりこの各都議(2023.10.11)

発表文書・資料一式(PDF)


小中学校のプール廃止の検討状況と夏休み・地域への開放状況について

2023年10月11日
日本共産党東京都議会議員団

 小中学校のプールを廃止して、水泳の授業は民間スポーツクラブにバスで行き民間インストラクターの指導により実施するなどの状況が、都内を含む全国で生まれています。その背景には、コスト削減や効率化を目的に国が進める「公共施設等総合管理計画」があります。東京都もホームページに区市町村の計画一覧を掲載しています。これに対し都民から、教育や地域スポーツの後退を心配する声が上がっています。
 そこで、日本共産党都議団は、学校プールの設置数や廃止の検討状況、夏休み・地域への開放状況を把握するため、都内区市町村を対象に調査を行いました。6自治体が学校プール廃止の方針を決定し本格実施していることが明らかになりました。

【視 点】

  • 川や海に囲まれた日本の学校での水泳指導は、呼吸法を身につけ命を守れるようにすることが大事な目的となっており、競泳を中心とした民間スイミングスクールとは異なります。
  • 学校プール廃止により夏休みや地域へのプール開放がなくなり、子どもたちの楽しみや地域スポーツの場が失われることも懸念されます。
  • 学校プールは、老朽化やコストを理由に廃止するのではなく、管理などの教員の負担を軽減しながら、水泳授業の場、地域スポーツの場として充実することこそ求められます。
  • プールの改築、新築には国から3分の1の補助がありますが、補助率の拡充や都独自の補助なども必要です。
  • 原のり子都議の質問に対し、都は、「国に補助率の引き上げ等を要望している」と答えました。

原のり子都議の本会議一般質問(2023年9月27日)も併せてご覧ください。

 

【調査の概要】

調査対象:都内全区市町村(23区26市5町8村)
調 査 日:2023年8月17日~9月8日
調査方法:調査票にチェックまたは記入してもらう方式により調査
     回答をもとに各自治体のホームページ等から方針文書や追加情報を収集

 

【結果の概要】

1、プールがないのは18校。うち3校は改築後プールを設置せず

  • 区市町村立小中学校1862校のうち、プールがないのは18校でした。理由は、改築後プールを設置しなかった(葛飾区3校)、工事中(品川区3校、港区1校)、隣接する学校や公共のプールの利用(港区1校、台東区1校)でした。町村部の9校は、小規模かつ小中学校が同一敷地内や隣接地にあるなどの状況でした。
  • プールが2つあるのは、施設一体型小中一貫校3校と、大小2つのプールがある府中市の小学校22校でした。
  • 屋内プールは27自治体の88校に設置され、設置率は千代田区91%、港区44%、文京区30%、中央区25%など、都心部で高い傾向にありました。

都内区市町村立小中学校のプール設置数と設置率(PDF)

 

2、学校プールの廃止を「行っている」と回答したのは11自治
  うち6自治体は、方針を決定し本格実施

  • 一部実施もふくめ学校プールの廃止を「行っている」と回答したのは11自治体でした。うち本格実施しているのは6自治体(下表)、モデル実施中が2自治体(東村山市、東大和市)で、町村3自治体は従前より隣接校でプールを共用するなどしていました。
  • 葛飾区の3校(「1」参照)の他、目黒区では改築中の1校にはプールを設置しない、日野市では道路計画にかかる1校のプールは取り壊す予定であることがわかりました。

《学校プールの廃止を本格実施している自治体の状況》

目黒区 改築中の2校は近隣の民間プールを活用。うち1校は改築後にプールを設置しない。
○改築の際に民間事業者との連携を検討し、公共・民間・他校のプール利用をめざす。
葛飾区 2023年度は小学校24校、中学校1校が、外部施設でのプール指導を実施。
○小学校の改築時等にはプールを設置せず、それ以外の学校も廃止をすすめる。中学校は改築時の状況を踏まえ対応。
青梅市 小規模校4校(小中2校ずつ)で、民間スイミングスクールで水泳指導。
○費用対効果を勘案しながら、民間・他校・公共プールの利用を拡充。
日野市 現在小学校6校、中学校1校で学校プールを廃止。
○課題を検証しつつ段階的に実施。
清瀬市  2022年度から一部の学校で民間プールを利用。
○2025年度までの3年間で小中学校全校が民間プール利用予定。
多摩市  2023年度から17の小学校全校でプール指導の外部民間委託を本格実施

*各自治体の回答の概要。「○」は各自治体の方針文書などから得た情報

学校プールの廃止や統廃合の検討状況(11自治体)(PDF)

 

3、学校プールの廃止を「現在検討中」と回答したのは20自治体

  • 廃止を「現在検討中」と回答したのは20自治体でした。このうちモデル実施をしているのは5自治体でした(世田谷区、豊島区、板橋区、八王子市、立川市)。「2」の東村山市、東大和市を加えると、モデル実施中は7自治体になります。
  • 一方、具体的な方針は決まっていない(渋谷区)、教育委員会で話に上がる程度(日の出町)という自治体もあり、検討状況に幅がありました。
  • 廃止後の水泳授業の場所として民間プールを予定しているのは6自治体でした。半数を超える11自治体では未定(検討中や無記入)でした。

学校プールの廃止や統廃合の検討状況(20自治体)(PDF)

 

4、区市では7割以上の自治体で、夏休みや地域への開放を実施

  • 66%の自治体が夏休みや地域への開放のどちらかまたは両方を実施し、区市では73%が実施するなど、子どもの遊びや地域スポーツの場として活用されていました。
  • 町村部での実施は39%で、実施していない理由としては、公共プールや海水浴場がある、ニーズがないなどの回答が目立ちました。

【1】夏休みのプール開放

  • 32自治体で、夏休みの在校生へのプール開放を行っていました。
  • 監視は26自治体では教員が行い、うち15自治体が併せてアルバイト職員などを配置していました。4自治体は民間の監視員等に委託、2自治体は役場職員やアルバイト職員が行っていました。
  • 1自治体が、不実施の理由として水泳授業の民間委託をあげました。
  • 不実施の30自治体のうち13自治体が、理由に管理の困難さをあげました。コロナや暑さにより廃止したり、夏休み中も教育活動として行っている自治体もありました。

夏休みのプール開放の状況(PDF)

【2】地域へのプール開放

  • 25自治体で地域へのプール開放を行い、23区の方が実施が多い傾向がありました。7
  • 学校の温水プールを地域開放している自治体が、わかる範囲で15自治体ありました。屋外プールを開放しているのは15自治体でした(両方実施の自治体あり)。
  • 監視は多くが民間委託により行っていました。利用団体に任せていたり、役場職員などが監視している自治体もありました。
  • 不実施の37自治体のうち23自治体が管理や人件費の問題を理由にあげました。

学校プールの地域開放の状況(PDF)

以 上