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質問・条例提案

2024.03.28

2024年第1回定例会を終えて(談話)

 


2024年第1回定例会を終えて

2024年3月28日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 和泉なおみ

 

1 一般会計予算に7会派が反対、賛成したのは自民、都ファ、公明の3会派だけ

 小池知事が提出した2024年度東京都一般会計予算に賛成したのは、自民、都ファ、公明の3会派だけでした。そして都議会議員の3分の1を超える、7会派42人が反対しました。小池都政8年間で反対する議員数が最も多くなりました。あと18人で賛否が逆転します。ここに小池都政の行き詰まりが示されています。

①日本共産党都議団は、都民に冷たく「経済界ファースト」の予算に反対

 今定例会をとおして、都民の声を聴かない、都民の暮らしに無関心、そして「経済界ファースト」という小池都政の姿が、浮き彫りになりました。その特徴は、新年度予算案に表れています。

 予算案の都税収は過去最高の6兆4千億円、財政規模は一般会計だけで8兆5千億円におよびます。一部の大企業や富裕層は豊かになる一方で、都民の暮らしや営業は厳しさを増しています。所得の再配分という税本来の機能を発揮して、スウェーデンの国家予算に匹敵する豊かな財政力を、都民の暮らし・福祉を守り、貧困をなくし格差を是正するために使うなら、巨大な可能性がひらかれます。

 ところが小池知事の予算案は、とりわけ高齢者への支援があまりに手薄です。わずかな年金で生活する高齢者の暮らしを支える経済的支援も、高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げる財政支援もありません。都民が物価高騰に苦しむなか、生活支援の予算は減額されました。都営住宅の新規建設は25年間連続ゼロ、障害者福祉手当、児童育成手当は28年間で1円も上がっていません。

 地域経済に欠かせない中小企業・小規模企業には冷たいのに、経済界の要望を全面的に反映したスタートアップ企業支援には、516億円もの予算を計上しています。また、日本橋や築地市場跡地、新宿駅前、臨海副都心など、経済界の要求にこたえる大型開発に巨額を投じています。IRカジノ調査費は、11年連続予算計上されました。

 戦争が起きてミサイル攻撃を受けることを前提にした「地下シェルター」整備に向けて、1億6500万円の調査費が予算化されたのは重大です。

②暮らしに希望がもてる都政へ――予算の組み替えを提案

 日本共産党都議団は、知事の予算案に反対するだけでなく、史上最高の都税収入を、「経済界ファースト」ではなく都民のために使う立場から予算を組み替える提案を行いました。

 予算のわずか3.8%を組み替えるだけで、シルバーパスの無料化、75歳以上の低所得高齢者の医療費無料化、若者の家賃助成をはじめ、121項目にわたる都民の切実な要望が実現できることを示しました。引き続き、暮らしに希望が持てる都政へ全力をつくします。

③公共交通の子ども料金の負担軽減を提案

 小田急電鉄が子どものIC運賃を全路線一律50円に、京急が一律75円にしたことも踏まえて、日本共産党都議団は、都営地下鉄の子ども料金を一律50円に引き下げ、通学定期券を半額にすることを提案。また、6歳未満が無料、12歳以下が半額、中学生以上は大人料金という根拠は、80年以上前に国が決めた鉄道運輸規定であり、時代遅れだと指摘。ヨーロッパでは18歳・19歳まで無料が主流であることを示して、まずは都営交通の子ども料金の対象年齢を拡大するよう求めました。

2 都立看護専門学校の授業料無償化条例など、2つの条例案を提出

 都立高校・私立高校も都立大学も、授業料が実質無償化されます。取り残された都立看護専門学校も授業料や入学金等を無償化する条例案を提出し、わが党を含め4会派が賛成しました。

 また、東京都議会議員の期末手当の支給額を、昨年12月の引き上げ前に戻す条例案もあわせて提出し、わが党を含め5会派が賛成しました。いずれも成立はしませんでしたが、多くの会派の賛成を得ることができました。今後も、都民の願いを実現するための条例提案に取り組みます。

3 小池都政の問題点を、都民の前に明らかにする論戦を展開

①いのちと健康、教育条件を守るために

<防災対策> 能登半島地震で家屋の倒壊による被害が明らかになったのに、小池知事は木造住宅の耐震化予算を減額しました。片や、防災を口実にして住民や商店街に立ち退きを迫る特定整備路線の事業費は、知事査定で70億円も増額され、木造住宅耐震化の100倍の497億円が計上されています。その上、住民の反対を抑え込んで用地買収を強力に進める、「機動取得推進課」を63人体制で立ち上げます。わが党の追及に東京都が、住宅耐震化助成の補助上限額を約10万円引き上げることを表明したのは重要ですが、予算額は「微減」だと認めました。予算の増額が必要です。

<新型コロナ対策> ほぼすべての事業が今月末で終了となりますが、コロナ禍は終わっていません。今もコロナで亡くなられる方、後遺症に苦しむ方がたくさんいます。医療や介護、福祉の現場では感染を広げないよう緊張しながら働いています。都が行った都民アンケートでも新型コロナは「収束していない」との回答が約45%で、「収束した」の約10%を大きく上回っています。福祉施設での定期的なPCR検査、治療薬の自己負担軽減、コロナ後遺症の相談窓口などを引き続き実施すべきです。

<都立病院> 知事は、地方独立行政法人化をバラ色に描いて強行しました。ところが独法化から1年半で病棟の休止は大幅に増え、都立大久保病院2つ分に当たる19病棟629床にも上ること、にもかかわらず東京都には再開に向け努力する姿勢がないことが、わが党の追及で明らかになりました。都立病院を直営に戻し、医師・看護師の確保を進め、休止した病床を再開すべきです。

<PFAS汚染> いろいろな経路から体内に入り蓄積されたPFASの量は、血中濃度に反映されます。血液検査を行えば、その状況を把握できます。東京都には、都民の健康に対する責任があります。PFAS対策として、地域住民の血液検査を実施することを求めました。

<スクールカウンセラー> 非常勤職員から会計年度任用職員制度に変わったことで、今年度末で実績のあるスクールカウンセラーが大量雇止めされようとしています。高いスキルと経験、相談者との信頼関係が求められる仕事であり、このような雇い止めは許せません。撤回を厳しく求めました。

<教員不足> わが党の調査により、4月の始業日の教員不足数は少なくとも238人で、都教委発表の3倍もの不足(教員がいない状態)が生じていることがわかりました。都教委の数字には産育休代替教員の不足が含まれていないためです。産育休に入る先生は常にいるのですから、その分を見込んで正規教員を多く雇用しておくことが必要です。

②「経済界ファースト」からの転換のために

<プロジェクションマッピング> 都庁舎などに映像を映す事業に、今年度と来年度あわせて48億5千万円もの都民の税金を使うことに、無駄遣いとの声が上がっている問題を追及。都庁の事業を進める実行委員会の委員は、東京都、新宿区、東京都観光財団の3人だけ、事業の委託先は、都の入札契約制度を適用することなく、異例の速さで決定したことが、明らかになりました。
 決定した事業者は、五輪談合で指名停止中の電通が100%出資している電通ライブ、選んだ側の東京都観光財団には電通が入っています。極めて不透明です。税金投入はやめるよう求めました。

<英語スピーキングテスト> 新年度43億円、6年間で210億円もの多額の税金を事業者に支払う巨額の事業なのに、地方自治法に基づく契約ルールが適用されていないことが、わが党の質疑で判明しました。重大な問題です。「グローバル人材の育成」という経済界の要求から出発し、入試で一番大事な公平性・透明性を欠く英語スピーキングテストは、きっぱり中止すべきです。

<外環道工事> 陥没事故を起こした鹿島JVが、被害住民を日常的に監視、盗撮し、補修工事を通じて知り得た補償の情報も使って、被害住民を誹謗中傷するやり取りをしていたことが明らかになりました。許しがたい人権侵害、不法行為であり、鹿島JVに税金を使って公共工事を担う資格はありません。国やネクスコの責任も重大です。外環道工事・陥没事故ゆえに起きた不祥事であり、都は事業認可を取り消し、外環道工事は中止するよう厳しく求めました。

<神宮外苑> 再開発中止を求めるヘリテージ・アラートを出した国際イコモス各国代表委員の委員長は、「世界の主要都市で公園の土地を再開発に回すことは聞いたことがない。全員がショックを受けた」と述べました。神宮外苑の工事中止を小池知事に勧告した国際影響評価学会日本支部の代表は、「SDGsを求める世界の標準からかけ離れている」と訴えました。こうした指摘の受け止めを含め小池知事は神宮外苑再開発について、ついに一度も答弁しませんでしたが、東京都は、再開発の実施を決定づける権利変換計画の認可手続きを「適正に進めていく」と表明しました。これは、何があっても都民の意見に耳を貸さず進めるという宣言であり、許されません。

<格差拡大> 都と森ビルが進めた麻布台ヒルズの再開発では、古くからのまちを壊して、325メートル、最上階のマンション価格200億円の巨大ビルが建設されました。グローバル企業や投資家、国内外の富裕層、デベロッパーのために小池知事が進める東京大改造で、格差が拡大していることを指摘し、住民参加で住民が住み続けられるまちづくりへの転換を求めました。

<スタートアップ支援> 5月に予定しているスタートアップイベントの実行委員会には、都が呼びかけて、日本経団連、経済同友会、新経済連盟などの財界団体がメンバーになっていることを、わが党は明らかにしました。このイベント費用9億5千万円(2年間)は、ほぼ都の負担金です。パビリオンに、パレスチナへのジェノサイドを行っているイスラエル政府が参加することも極めて重大です。

<羽田空港> 年始に起きた日航機と海保機の衝突・炎上事故は、都心上空を飛行する羽田新ルートなど、都と国が進めてきた羽田空港機能強化による過密化が背景にあることは否定できません。わが党の質問で、都が2012年度から毎年、調査予算をつけ、国に成り代わって機能強化の調査を行い、国に対してもっとやれと後押ししてきたことが明らかになりました。

<水素事業> 知事が脱炭素の切り札とする水素事業は、化石燃料由来のグレー水素が前提であることが明らかになりました。あらゆる分野で水素を活用するという間違った方針により、1日平均9台の実績しかない水素ステーションの整備など、需要も必要性もない分野に巨額の税金が投入されようとしています。経済界が求める化石燃料延命のための水素偏重はただちに改め、再エネ・省エネの普及に本気で取り組むことを求めました。

4 都民の運動・世論と連携した提案・論戦で都政を動かし多くの成果

<授業料・学校給食費> 予算案に、区市町村の学校給食費の負担軽減や都立学校の給食無償化、所得制限なしの都立・私立高校、都立大学・高専などの授業料実質無償化が盛り込まれました。都民の世論と運動、都議会での野党共闘の広がりと、日本共産党都議団が取り組んできた論戦や条例提案の成果です。しかし学校給食は、多摩地域では半分以下の自治体しか無償化に踏み出せず、市長会の理解も得られていません。教育格差を生まないよう、都が全額補助をすることが必要です。また授業料無償化は、さらに対象拡大を求めます。

<福祉・保健医療> 高齢者介護、障害福祉職員への処遇改善として月1万~2万円の居住支援手当が盛り込まれたことは、現場で働く皆さんの運動の成果です。補聴器購入費の補助は、これまでの包括補助事業の対象のひとつというあいまいな位置づけから改善され、独立した補助事業になりました。いずれもさらなる拡充を求めました。多摩地域に5つある都立保健所の職員が25人増え体制強化されることも重要です。保健所の増設を引き続き求めていきます。

<教育> 教員の長時間労働解消では、専科教員の増配置や、担任を補佐する支援員の全校配置など前進がありました。不登校の生徒のための校内分教室の設置や、スクールソーシャルワーカーの機能強化、日本語が必要な児童生徒の支援も計上されました。

<省エネ・再エネ> 気候危機対策ではゼロエミ住宅の新たな基準を設けて補助を行う新規事業や、賃貸住宅・都営住宅の省エネ・再エネ導入促進、区市町村支援の新規事業が予算化されました。

<ジェンダー平等・若者支援> 都が初めて行った痴漢被害の実態調査では、女性の45%、男性の9%、ノンバイナリー、エックスジェンダーの36%が痴漢被害にあったことがあるという、深刻な状況が分かりました。有識者からは学校などにおいて包括的性教育の実施を求めるコメントが示されたことは重要です。包括的性教育の実施と痴漢加害・被害をなくすためアクティブバイスタンダーを増やす取り組みの強化を求めました。性犯罪・性暴力被害に関するSNS相談、中高生政策提案ミーティングの新規事業予算も計上されました。

<住宅> 高い家賃の支払いが困難な若者やシングル女性が増える中で、就労支援策と連携して都営住宅を試行的に提供する事業が盛り込まれました。都が定める都営住宅の「型別供給実施基準」には、直接根拠となる法令が存在しないことが明らかになりました。「住まいは人権」の立場から、型別供給は廃止して、十分な広さの都営住宅を提供すべきです。また、都内マンション実態調査が予算計上され、エレベーターへの非常電源への補助など、マンション防災も前進しました。

<文化・芸術> 子どもや若者が文化・芸術に触れられる機会をふやすために、低廉な料金で都立の文化施設を利用できるよう、繰り返し求めてきたなか、都は子ども・若者の料金体系のあり方について検討を進めると表明しました。

<平和> 今年の「東京空襲資料展」では新たに122人の空襲体験者の証言ビデオが公開されました。昨年の2倍近い来場者があり、知事が平和の大切さを伝えていくことは重要との認識と、多くの方に平和について考えるきっかけとなったと答弁したことは重要です。常設展示を求める質問に「企画検討委員会のご意見を聞きながら資料の活用方法を検討」との答弁もありました。ウクライナやガザでの戦争を目の前にしている今、東京空襲をはじめとした戦争の惨禍を後世に伝え、平和への決意を固め合うことが重要となっています。平和祈念館をつくる検討を一日も早く始めることを求めました。

5 都ファ、公明、自民による、議員の発言権を侵害する暴挙

 予算特別委員会で、わが党と立憲民主党の議員の発言取り消しを求める動議が、3会派の反対を押し切って採決されました。議会は、言論の府です。議員は誰からも拘束されず、自らの責任で自由に発言することが保障されています。この「発言の自由」は、議会の最も大事な原則のひとつです。

 都民ファースト、公明党、自民党が可決した動議は、議員の質問の内容に立ち入り、虚偽、不穏当だと決めつけて議事録の削除を求めるもので、議員の発言権を侵害し、議会の民主主義を踏みにじる暴挙であり、都議会の歴史に取り返しのつかない汚点を残しました。改めて強く抗議するものです。 

 また子供政策連携室長は、東京都こども基本条例をゆがめる解釈を繰り返し述べ、議員の質問終了後、議員が質問していないのに、所管外の事業について見解を述べました。議会のルールを踏みにじる重大な問題であり、許されません。これらも、小池都政の行き詰まりの表われです。

6 都民に冷たく「経済界ファースト」の都政から、都民に寄り添う希望の持てる都政へ全力

 都知事選挙が目前です。都民につめたく「経済界ファースト」の小池都政をこのまま続けるわけにいきません。日本共産党都議団は19人で力を合わせ、市民と野党の共闘で、都民に寄り添い、都民のいのちとくらし、人権を尊重する希望の持てる都政への転換を進めるために全力をつくします。

以 上

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