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質問・条例提案

2024.03.18

厚生委員会 都民の児童を受け入れる都外医療型入所施設へ、都の補助を 原のり子都議(北多摩第4選出)

★質疑をおこなう原のり子都議(2024.3.18)
録画映像 | 東京都議会 常任・特別委員会中継 (stage.ac)

↑東京都議会・録画映像が見られます。画面下方の時間軸、4:48ごろより原都議の質疑がはじまります。


〇原委員 それでは、お願いします。
 初めに、医療型障害児入所施設について伺います。
 医療型障害児入所施設は、自閉症児、肢体不自由児、重症心身障害児が対象で、手帳の有無は問わず、児童相談所、保健センター、医療機関などで療育に必要性が認められた児童が対象です。
 まず、医療型障害児入所施設について、都内の施設数と入所児童数、また、都外で都内からの児童を受け入れている施設数と入所児童数を伺います。

〇鈴木障害者施策推進部長  都内の医療型障害児入所施設に入所している児童数は、令和五年四月一日時点で八施設百四名でございます。都外の医療型障害児入所施設に都内から入所している児童数は、十八施設四十六名でございます。

〇原委員 かなり都外施設で受け入れてもらっているということですよね。
 では、都外施設でサービス推進費が出ている施設、出ていない施設は幾つずつですか。

〇鈴木障害者施策推進部長 都外の医療型障害児入所施設について、民間社会福祉施設サービス推進費の補助対象となっている施設は三施設であり、補助対象となっていない施設は十五施設でございます。

都内から都外の医療型障害児入所施設に入所している児童数(厚生委員会・要求資料 2024・1定)

↑ PDFファイルはこちらから

〇原委員 圧倒的に対象外となっているわけです。
 補助対像とならない理由は何でしようか。また、サービス推進費は幾らか教えてください。

〇鈴木障害者施策推進部長 平成八年五月に、障害者施策について調査、審議する東京都障害者施策推進協議会から、入所施設について、今後は住み慣れた地域で生活し続けたいとする本人や家族の希望選択を最大限尊重するという観点から、第一義的には都内での設置を促進していかなければならないという提言を受けました。
 この提言を踏まえ、都外の入所施設について、平成十年度以降、新たな施設整備を行わない方針とし、運営費を対象とするサービス推進費補助においても、平成十二年一月の制度創設以降、新たな施設は対象としておりません。
 都外の医療型障害児入所施設に関し、主として重症心身障害児を入所させる施設のサービス推進費の基本単価は、児童一人につき月額六万七千三百円でございます。

〇原委員 今ご答弁で、障害者推進協議会の提言を根拠にされているんですけれども、提 言は、第一義的には都内の設置を促進と述べているのであって、都外施設にサービス推進費を出すのをやめることを提言しているわけではないと思うんです。あたかも協議会から求められているようにいうのは、やめるべきではないかなと私は思います。実際に都内施設が足りないために都外施設を利用しているわけですから、新たな施設にはサービス推進費を出さないという線引きがおかしいのではないかというふうに思います。
 実際に都内からの児童を受け入れてくれている施設には、サービス推進費を出すべきではないでしようか。伺います。

〇鈴木障害者施策推進部長 繰り返しになりますが、平成八年の東京都障害者施策推進協議会の提言を踏まえ、当該の入所施設につきまして、平成十年度以降、新たな施設整備を行わない方針とし、運営費を対象とするサービス推進費補助においても、平成十二年一月の制度創設以降、新たな施設は対象としてございません。

〇原委員 ですから、それがおかしいのではないかというふうに思うんです。
 都内施設だけでは現状足りないわけですよね。その責任は東京都にあるのに、利用させ てもらっている都外施設にしわ寄せが行くのはおかしいし、申し訳ないことだと私は思います。
 先ほどのご答弁にあったように、サービス推進費の基本単価は月六万七千三百円ということですから、一人のお子さん、年間八十万七千六百円になるわけですよね、これだけ見 ても。
 もし施設で五人受入れれば、四百三万八千円、十人受入れれば八百七万六千円になります。物すごく大きいわけです。
 他県では、千葉県などは補助を出すとなっています。子どもたちを助けようと思って受けてくださっているのに補助を出さないというのは、あ り得ないと思います。是正すべきではないでしょうか。
 都は入所施設を造る予定はないのでしようか。ないとすれば、今後も都内で受けられない場合はどのように対応していくのか伺います。

〇鈴木障害者施策推進部長 都は現時点で、医療型障害児入所施設を新たに整備する予定はございません。
 都は、重症心身障害児等が地域で安心して暮らせるよう、日中活動の場である通所施設の整備を促進するとともに、一時的に家庭での療育が困難になった場合に施設等に短期間入所できる病床を確保するなど、在宅支援サービスの充実に取り組んでおります。

〇原委員 先ほどから引用されている提言には、第一義的には都内の設置を促進とあるわけですけれども、今ご答弁にあったように、新たに入所施設を整備する予定はないということですよね。
 その分、地域で暮らせるように在宅支援サービスを充実させるとおっしゃっているんですけれども、でも入所が必要な子どもさんは必ずいますよ。これからも必ずいるわけです。
 都内に整備する予定がないなら、入所が必要なお子さんはこれからも都外の施設を利用させていただくことは必ず出てくるわけです。
 また、現在入っている子どもさんは、入所している間ずっと、当然ながら、お金をかけているわけです、施設では。
 今、サービス推進費の対象外になっているお子さんは、先ほど提出していただいた資料によれば三十八人ということです。もし、サービス推進費の対象になっていれば、年間三千万円強、東京都から支出をされるんですよね。施設にとって非常にこれは大きいことです。大きいんですけれども、東京都の財政カからすれば十分にできることではないかというふうに思います。
 どの都外施設でも、都内の子どもたちを受け入れてもらった場合には、サービス推進費の対象にするように改善を求めたいと思います。
 もう一度聞きます。検討を求めますが、いかがですか。

〇鈴木障害者施策推進部長 繰り返しでございますが、現在、サービス推進補助において、平成十二年一月の制度の創設以降、新たな都外施設は対象としてございません。

〇原委員 繰り返しの答弁でとても残念なんですけれども、でも本当に検討していただきたいというふうに強く求めておきたいと思います。
 先日、里吉都議と一緒に、共産党都議団として埼玉県さいたま市にあるカリヨンの杜を視察させていただきました。 ここでは十人の都内の子どもたちを受けてくださっています。その十人の子どもたち全員を一人一人紹介してくださったんです。
 まず最初にお会いしたのは、これからお昼ですといって、テーブルの周りに車騎子で集まっている三人のお子さん方でした。お昼ですといっても胃瘻(いろう)なんですけれども、そこから栄養をこれから注入してお昼なんだということでテレビを見ていました。その中のあるお子さんは、顎がないために口から食べることはできないんだという、そういうお話なんかも聞きました。
 でも、生活リズムを大事にして楽しい時間を一緒に過ごすそうという雰囲気とか、また、職員の皆さんの本当に温かい声かけがとても印象深かったです。
 ほかにも、べッドサイドで学校の先生と勉強しているお子さんもいらっしゃいました。また、もっと重度になると、ずっとべッドで横になっている状態のお子さん方も多くいらっしゃいました。
 でもスタッフの方々が本当に声かけしながらサポートしていたんですけれども、理事長の先生が一人一人紹介をしてくださりながら、この子はとても成長したんですよということを言ってくださるんです。
 私はどんなに重い障害を持っていても、一人一人の成長、発達を保障していく、本当に大切な場だというふうに思いました。
ですから、この十人の子どもたちがここの施設で受け止めてもらえて本当によかったなと、行き場がなかったら大変なことになっていたなというふうに思ったんです。
 どの子どもたちにもふさわしい場所がきちんと用意されるべきで、都としても、どの子どもも取り残さないように対応してほしいというふうに思います。
 医療型の施設でないと対応が難しい子どもが、行き先がなくて困るようなことがあってはならないと思います。
 都は、こうした医療が必要な重い障害を持った児童に対し、今後どのように対応していくのか見解を伺います。

〇鈴木障害者施策推進部長 都は、東京都障害者障害児施策推進計画に基づき、どんなに障害が重くても必要とするサービスを利用しながら、障害児やその家族が希望する地域で安心して生活できるよう、引き続き取り組んでまいります。

〇原委員 とすると、やはり都外施設への支援は、現状どうしても必要だというふうに思います。
 一日も改善をしていただいて、こうした施設を利用することが必要だというお子さんがこの先も困ることのないように対応していただきたいというふうに思います。
 そのことを求めて、次の質問に移ります。

 

★2024年2月5日 埼玉県さいたま市「カリヨンの杜」にて、原のり子都議、里吉ゆみ都議、蓮田市の榎本なお市議が視察をおこないました。

*質疑の録音を日本共産党都議団で文字起こしをしました。