本会議 米倉春奈都議(豊島区選出)の代表質問
2024年6月4日の本会議で、米倉春奈都議(豊島区選出)が代表質問を行いました。
★質問全文(質問原稿)です。
★動画(都議会ホームページ)
1、都政運営について
2、暮らし・福祉の充実について
3、経済政策について
4、都市政策について
5、環境政策について
6、教育政策について
7、ジェンダー平等について
8、保健医療政策について
9、PFAS汚染対策について
10、防災対策について
11、横田基地と平和について
12、知事の学歴詐称疑惑について
13、政治資金について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)
- 教育長(浜佳葉子君)
- 東京都技監(谷崎馨一君)
- 保健医療局長(雲田孝司君)
- 福祉局長(山口真君)
- 住宅政策本部長(小笠原雄一君)
- 産業労働局長(田中慎一君)
- 財務局長(山下聡君)
- 政策企画局長(坂本雅彦君)
- 環境局長(松本明子君)
- 総務局長(佐藤智秀君)
- 生活文化スポーツ局長(古屋留美君)
★再質問(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
1、都政運営について
Q1 JX通信社が5月半ば、都内有権者約2千3百人を対象に、世論調査を行いました。
その結果、2期8年で小池知事の評価が「上がった」人はわずか8%で、「下がった」人が30%です。「小池都政が続くのが望ましい」と答えた人は24%にとどまり、「新しい人に交代した方がよい」という回答が42%でした。
都民に冷たく、財界ファーストの小池都政の行き詰まりは明らかです。8年前に期待を集めた「反自民」の姿勢は、見る影もありません。
知事、都政からしりぞくべきです。いかがですか。
わが党は、多くのみなさんと力を合わせて新しい都知事を誕生させて、暮らしやすい、あたたかな東京をつくるために、全力をつくします。
2、暮らし・福祉の充実について
都知事選挙の争点のひとつは、暮らし・福祉最優先の都政への転換です。
たとえば、国民健康保険料の負担軽減です。
Q1 都内の国保料・国保税は、大幅な引き上げが続いています。今年度も23区24市町村が値上げしました。
たとえば豊島区では、年収240万円の40歳未満の単身者の国保料は、年間20万円となります。1カ月分の収入がなくなってしまう重い負担です。
一方、15市町村は据え置きました。立川市長は、国保料の検討を諮問する際、物価高騰などで市民の生活は大変苦しい状況なので考慮してほしい旨の発言をし、据え置くことになりました。地方自治体本来の役割である「住民の福祉の増進」のための大事な姿勢だと思いますが、知事いかがですか。
Q2 都が区市町村に9百億円の財政支援をすれば、国保料を一人当たり3万円引き下げたうえ、子どもの均等割保険料をゼロ円にできます。
知事は所信表明で、都民の命と生活を守ることが都政を預かる者の最大の使命だと言いました。そうであれば、都民に寄り添い、国保料の負担軽減に都として踏み出すべきではありませんか。
小池都政のもとで、高齢者の暮らしへの支援は、とりわけ手薄です。拡充が急務です。
Q3 都内高齢者の国民年金の平均月額は、わずか5万5千円です。都の調査によれば、都内のひとり暮らし高齢者の3人に1人は年収150万円未満です。知事、この収入で十分だと思いますか。
Q4 75歳以上の低所得者の医療費無料化は491億円、シルバーパスを2万510円パスを含めて無料にし、多摩都市モノレールや都県境のバスでも使えるようにするのは305億円で実現できます。
補聴器購入費助成を都が全額補助して全区市町村が実施し充実するのに必要な予算は、102億円です。
直ちに踏み出すべきです。知事いかがですか。
Q5 6月から大幅に値上げされる電気代の負担軽減は、エアコンの使用を控えることによる熱中症を減らすためにもきわめて重要です。認識を伺います。
生活保護受給者、低所得の方々や福祉施設を対象に、電気代の補助を行うことが必要ではありませんか。
Q6 ひとり親家庭の団体が、支援対象者に行った調査では、96%の人が「暮らしが苦しい」「やや苦しい」と答え、子どもの体重が減ったなどの事態まで起きています。
回答した人の8割以上が自分の食事を抜くことがあった、9割近くが子どもの服や靴を買えない時があったと答えています。
障害者の暮らしも困難をきわめています。都の調査では、年収百万円未満の方は、身体障害者、難病患者の3割、知的障害者の4割、精神障害者の5割に上ります。中軽度の障害者は医療費助成もなく、作業所の工賃では医療費が払えません。
その中で東京都はこの28年間、児童育成手当も障害者福祉手当も、1円も上げていません。支給額の増額と対象拡大を求めます。また、障害者医療費助成は、対象を、手帳を持つすべての障害者に広げるべきです。知事いかがですか。
Q7 家賃の高騰も深刻です。報道によれば、23区内のファミリー向け物件の平均家賃は、昨年に比べて月額3万2千円上昇し、21万円を超えました。シングル向け物件も、初めて10万円を超えています。どう受け止めますか。
東京で住み続けるためには、家賃補助の制度が必要ではありませんか。
Q8 「都営住宅に入りたい」という切実な声が、単身の方を含め、あらゆる世代からあがっています。
都は、住宅ストックが充足しているから都営住宅は増やさないと言いますが、富裕層向けのマンションを次々つくる開発は進めているではありませんか。
住宅セーフティネットの強化こそ地方自治体の使命であり、都営住宅の新規建設に踏み出すべきです。答弁を求めます。
Q9 小池知事は、都庁などに映像を映すプロジェクションマッピングに、2年間で48億円もの予算をつけています。うち都庁で映像を流す約4百日間、毎日4百万円以上使っています。
一方、都庁の足元で行われている食料支援には、先月、過去最高の800人もの方が並びました。都民の暮らしが深刻な時に、「光を当てるところが違う」と厳しい批判の声があがっていることを、知事はどう受け止めていますか。
Q10 知事は、都庁の足元で行われている食料支援の現場を、訪ねたことがありますか。
Q11 4月の消費者物価指数は、調査対象の8割を超える品目が前年同月より上昇し、キャベツや調理パン、ガソリンなど、よく利用するものほど大きく値上がりしました。
実質賃金は過去最長の24カ月連続マイナスで、暮らし向きが「苦しくなった」という都民は、小池都政2期目で急増しました。都内の企業倒産は20カ月連続で前年同月を上回っています。
都の巨大な財政力を都民のために使い、物価高騰から都民生活と中小企業を守り抜くための緊急補正予算を編成することを求めます。知事いかがですか。
3、経済政策について
都民の暮らしを守り、経済の好循環を生み出すカギは、物価高騰を上回る賃上げです。そのためには、中小企業が賃上げできるようにする支援と環境整備が重要です。
「賃金は労使で決めるもの」という小池知事の姿勢では、賃上げは進みません。
Q1 昨年12月に東京商工会議所が実施した調査では、人件費やエネルギー費等について、4割以上の中小企業が「まったく転嫁できていない」と回答しています。
都は昨年度から、価格交渉アドバイザーによる支援を実施していますが、事業の成果、実績を伺います。
大事な取り組みですが、都内約42万社の中小企業に対して、アドバイザーはわずか2人です。抜本的に増やすことが必要ではありませんか。
Q2 東京地評の調査によると、北区で一人暮らしの男性が1か月生活するために必要な費用「最低生計費」は、5年前でさえ約25万円、時給に直すと1664円です。一方、都の最低賃金は時給1113円にすぎません。
最低賃金では生活できないことを、知事はどう考えていますか。
Q3 知事の附属機関である雇用就業対策審議会に、都内の「最低生計費調査」の実施について諮問すること、中小企業振興対策審議会に、都内中小企業の賃上げの方策について諮問することを求めます。いかがですか。
Q4 都の公契約、公共発注による工事や委託事業で働く人の賃上げは、大きな効果があります。都発注の年間契約実績と、その金額について伺います。
また、都の入札参加資格を持つ事業者の数と、そのうち中小事業者の割合をお答え下さい。
Q5 都が新たに「社会的責任調達指針」を定めることは重要です。発表されている素案では、最低賃金の支払いは「義務的事項」ですが、それを上回る、「生活に必要なものを賄う水準の賃金・報酬の支払い」は、「推奨事項」とされています。
「推奨」ではなく、当然のこととして保障すべきではありませんか。
杉並区は時給1231円、世田谷区は時給1330円など、最低賃金を上回る賃金等を、自治体独自に保障する公契約条例が広がっています。
実効性のある賃金条項をもつ公契約条例の制定に、都として踏み出すことを求めます。
小池知事は、伸びる企業しか支援しない石原都政以来の政策を継承し、スタートアップ企業への支援に、今年度516億円もの予算をつけています。
知事が自画自賛したスタートアップイベントには、森ビルや三井不動産など多くの大企業が参加していました。実行委員会は財界団体まるがかえです。
このようなやり方で、東京の経済を立て直すことはできません。都内の事業所の9割、雇用の7割を担う中小企業、町工場や商店街が、地域の中で豊かに発展していける経済政策への転換が、都知事選挙の大事な争点です。
4、都市政策について
財界ファーストの大型開発から、都民の声を大事にするまちづくりへの転換も、都知事選挙で問われます。
財界ファーストの再開発の象徴が、神宮外苑再開発です。
3棟の高層ビルを建て、いちょう並木を危機にさらし、大量の樹木を伐採する計画に対し、多くの都民が、神宮外苑の緑や文化、都心の貴重な、伝統あるスポーツ施設を守れと声をあげています。亡くなった坂本龍一さんをはじめ多くの著名人も声をあげました。
ところが小池知事は聞く耳をもたず、ネガティブキャンペーンだと切って捨てました。
先月には国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が、市民の声を広くふまえることの不十分さなどを理由に、神宮外苑再開発に対し「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」との懸念を表明しています。
昨年9月には、ユネスコの諮問機関である国際イコモスから、文化遺産の破壊につながる行為に対する究極の勧告であるヘリテージアラートが、世界150カ国の賛同のもとに発出されました。
約40人の各国代表委員の委員長は、「世界の主要都市で公園の土地を再開発に回すことは聞いたことがない。全員がショックを受けた」と述べています。
東京都は、森喜朗氏や萩生田光一氏など自民党政治家の意を受けてこの計画を進め、都市計画公園を削り、風致地区の高さ制限を緩和するなど、都市計画を歪めてきました。そして、自民党に多額の政治献金をしている三井不動産が、地権者でもないのに当初から計画に深くかかわっています。
Q1 神宮外苑再開発は、都知事選挙の大きな争点です。知事、あくまで進めるつもりですか。逃げずにお答え下さい。
Q2 都は、三井不動産らを築地再開発の事業者に決めました。都が選定した計画は、大企業が超高層ビルや巨大イベントホールをつくる内容です。
このような大企業の目先の利益のために、なぜ貴重な都有地を提供しなければならないのですか。
Q3 「築地は守る」「市場機能を確保する」という小池知事の約束、公約は、都が選んだ計画に、影も形もありません。知事、公約違反の責任を、政治家としてどう考えているのですか。
Q4 築地再開発の検討経過は、都民共有の財産である都有地なのに非公開でした。情報公開は知事の公約です。審査のすべての過程や計画の情報を、都民の前に全面的に明らかにすべきではありませんか。
Q5 知事は所信表明で、「経済性と効率性を優先するまちづくりは過去のもの」と言いましたが、「過去のもの」どころか拡大しています。
私の地元、池袋駅西口地区でも、国家戦略特区や都有地を活用して3棟の超高層ビルが建つ巨大計画が進行中です。
オフィスの供給過剰が懸念される一方、小規模なテナントからは高額な賃料などで行き場を失うのではないかと心配の声があがっています。貴重なヒマラヤ杉の大木が伐採される懸念もあります。
開発で2万2千トンものCO2が排出されます。これを吸収するには豊島区2つ分の面積の杉林が必要です。
こうした「持続不可能」なまちづくりは、やめるべきです。知事いかがですか。
5、環境政策について
小池知事が「環境に熱心」というのは、事実とまったく異なる虚像です。
Q1 小池都政のもとで、神宮外苑、葛西臨海公園、日比谷公園、明治公園など都立公園や都市計画公園で、樹木の大量伐採や再開発が進められようとしています。
知事が述べた東京グリーンビズ・ムーブメントとは、要するに公園の樹木伐採と再開発のことではありませんか。
Q2 気候危機やヒートアイランド対策として、CO2を吸収し気温を下げる樹木の役割が注目されています。
ロサンゼルスでは、面積の4割を樹木で覆い、屋根を白く塗るなどし、熱の反射量を増やして地域の気温を下げれば、猛暑による死者を減らせる、緊急搬送を最大7割減らせるという研究も発表されています。市は、最も弱い立場の人々の居住地域に重点的に木陰を増やしています。
知事は、樹木の環境に与える効果、とりわけ気候危機やヒートアイランドを緩和する効果について、どう認識していますか。
世界では、樹木の枝葉で覆われる面積である、樹冠被覆率の目標を持ち、樹木を増やしています。
Q3 国会でわが党の田村智子委員長が、東京の緑を守るために、緑被率と合わせて樹冠被覆率の目標を持つことを求めました。国交大臣は、自治体・専門家の意見を踏まえて指標について検討したいと答えました。
都は、樹冠被覆率の重要性をどう認識していますか。目標を持つべきです。答弁を求めます。
Q4 気候変動対策として知事は、2030年カーボンハーフの目標を掲げています。最新の温室効果ガス削減率は何%ですか。
Q5 4月に開催されたG7の気候・エネルギー・環境大臣会合は、G7として初めて「2030年代前半」と期限を明示して、石炭火力の廃止を共同声明に盛り込みました。
遅きに失したとは言え、これまで温室効果ガスを大量に排出してきた国々が期限を切って石炭火力の廃止を明言したことは重要です。知事はどのように受け止めていますか。
Q6 都は東京電力に株主提案を行いましたが、肝心の石炭火力の廃止を求めていません。提案すべきです。いかがですか。
Q7 知事は会見で原発について、「国策」であり地元の理解を得て「しっかり対応いただきたい」と述べました。「原発ゼロ」のかつての公約は、投げ捨てたのですか。
Q8 知事は海外から受け入れるグリーン水素を活用すると述べましたが、水素の供給で合意したニューサウスウェルズ州は、現在生産している水素のうち、再生可能エネルギー由来のグリーン水素の割合は、どのくらいだと説明していますか。
カーボンハーフ達成に向け、あらゆるポテンシャルを生かして、再エネ・省エネの対策を強力に進めることが必要です。
Q9 都は、大島町と国が行う浮体式洋上風力の実証事業を支援していますが、島しょ地域には、洋上風力発電の大きな可能性があることを、どう認識していますか。都として浮体式洋上風力のポテンシャルを算出し、推進すべきではありませんか。
Q10 進める際は、住民参加で、地域の力を生かし、利益も地域に還元されることが大切です。認識を伺います。
Q11 断熱改修は熱中症対策に大きな効果があり、省エネにつながります。葛飾区の小学校では空調の効きが良くなり、32度から27度まで冷えるのが1時間早くなったそうです。
大規模改修や建て替えのタイミング待ちでは遅すぎます。学校の断熱改修を進めるため区市町村を支援すること、都立学校は計画を持ち期限を決めて取り組むことが必要です。見解を伺います。
6、教育政策について
東京の子どもたちの人権は重大事態です。
子どもの人権を尊重する教育への転換が、切実に求められています。
Q1 子どもの行動を細かく管理する決まりや、詰め込みの授業、多すぎる宿題などで、学校が窮屈で子どもが疲れ果てています。
そうしたなか都内公立小中学校の不登校児童生徒数は、小池知事が就任した2016年度は約1万1千人だったのが、22年度には過去最多の約2万7千人と2倍以上に激増しています。知事は、どう受け止めていますか。
居場所の確保などの充実とともに、競争と管理の見直しをはじめ、学校のあり方を見直していくことが必要ではありませんか。
Q2 先生たちは、子どもにていねいに向き合う時間や、よくわかる授業のための準備時間を増やしたいと思っています。
そのためには、教職員組合や校長会、保護者さらに子どもたちが、何回も求めてきたように、正規教職員の増員、教員の授業時数を減らすこと、少人数学級の拡充、学力テストの押し付けをやめることなどが必要です。
ところが知事は、こうした要望に耳を貸さず、必要な予算を付けて来ませんでした。その責任を、どう考えているのですか。
Q3 とくに要望の強い少人数学級は、ほとんどの道府県が知事の決断で、35人学級の国に先駆けた学年の拡大や、30人学級などさらなる少人数化を進めています。
知事、子どもたちのことを思うなら、少人数学級の拡大に踏み出すべきではありませんか。
財界が求めるグローバル人材育成と、公教育への民間企業参入を進める中学校英語スピーキングテスト、ESAT-Jを、知事が都民の声に耳を貸すことなく、今年度43億円、6年間で210億円もの巨額を投じて進めていることも重大です。
Q4 中学3年で、都立高校入試としてESAT―Jを受けた生徒の保護者は、ずさんなテストにより、本人の力の及ばないところで結果が出されてしまうかもしれないことに怒りと恐怖を感じたと語っています。
1、2年生のテストに立ち会った教員は、大声で間違った答えを言った生徒につられ、多くの生徒が同じように間違って答え、明らかに音が漏れていたと述べています。
また中学生からは、前後の席が近く、後ろの生徒の回答が聞こえたなどの声が届いています。
さらに「ESAT-Jの結果は進学した高校で活用するというが、実際にはされていない」「テスト時間はたった9分。何十億円もかけてやる内容ではない」との声も上がっています。
中学生、保護者、教員らのこうした声に耳を傾けるべきです。知事いかがですか。
Q5 英語スピーキングテストは、どこから見ても破たんしています。公平・公正な環境で公立中学生全員に行うのは不可能であり、即刻中止すべきです。知事の答弁を求めます。
都立学校の給食費が4月から無償となり、喜びの声が上がっています。
夜間定時制高校では、給食を食べる生徒がのきなみ2倍、3倍に増え、ある先生は「これまでは食事をしない子、カップラーメンで済ませる子もいた。もっと早くやってほしかったと思うくらいだ」と嬉しそうに語っていました。
特別支援学校でも、保護者の私費負担が半額以下になりました。都民の世論と運動が大きく広がり、議会でも繰り返し求め、条例提案も行ってきた成果です。
一方、小中学校では課題も生じています。
Q6 知事が区市町村への半額補助とした小中学校の給食は、多摩地域で無償化できない市町村が十以上あり、多摩格差が生まれています。
無償化に踏み出せない要因のひとつが、都の補助が来年度以降も継続される保障がないことです。知事はどのように考えているのですか。
Q7 半額補助では財政的に厳しいと悩む市町村も少なくありません。都内すべての子どもたちの給食費を無償にするには、都が全額補助することが重要です。知事、さらなる財政支援が必要ではありませんか。
7、ジェンダー平等について
ジェンダー平等への姿勢も、都知事選挙で問われます。
先月、ほぼ全員が男性の総合職にだけ社宅制度を認めるのは女性への間接差別だとする判決が、確定しました。総合職には賃貸住宅を社宅扱いにして家賃の8割を補助する一方、女性が大半の一般職の住宅手当は3千円でした。
働く場での男女の格差は厳然と存在し、とくに非正規という雇用形態を通じた差別が女性を苦しめています。
非正規労働者の多くは女性です。都の会計年度任用職員の女性比率は53%と公表されていますが、これは都庁を定年退職後に再任用された職員も含んだ数字です。私たちが調査したところ、61歳未満の現役世代では、女性が67%、約7割を占めることがわかりました。都としても調査し、公表することを求めます。
賃金格差はもとより、非正規雇用であるために、女性が安心して妊娠・出産・子育てを選べない事例が、都庁でも発生しています。
子どもの慣らし保育の相談をしたら採用はなかったことにしてほしいと言われた、継続して働いてきたのに落とされたのは妊娠したからではないか、などの相談が私たちに寄せられています。
Q1 働く場での妊娠・出産・子育てによる差別は、あってはならないことです。認識を伺います。
3月末で250人も雇い止めにして大問題になったスクールカウンセラーには、数年前まで都教委が、「妊娠したら辞めていただきます」と繰り返し指示していたと報道され、今回の採否にも影響したのではと疑念の声が上がっています。
Q2 都の会計年度任用職員の採用は、各局の各部署がそれぞれ行います。妊娠・出産した人、しそうな人の採用・契約更新をしないのは、あってはならないマタニティハラスメントです。都はどう認識していますか。また各局に、妊娠・出産・子育てによる差別の禁止を徹底することを求めます。いかがですか。
Q3 知事は「女性活躍」という言葉を好んで使いますが、必要なのはジェンダー不平等な社会を変えることです。「ジェンダー平等」となぜ言わないのですか。
婚活支援にも疑問の声があがっています。
都が婚活支援を始めたのは、国会議員時代に婚活・ブライダル議連の会長だった小池知事の、知事就任直後です。
Q4 知事は所信表明で「人口は国力そのもの」「子どもを持つ、それが一つの幸せな生き方に繋がると確信を持てるかどうか」だと述べ、そのために出会いから結婚、妊娠・出産、子育てまで切れ目のない支援すると言いました。
これは異性婚が前提なのですか。結婚して子どもを産む生き方だけ支援するのですか。「国力」のために子どもを産んでもらうということになるのではありませんか。
また知事は、「結婚を身近にポジティブに捉えていただく」ために、結婚気運醸成キャンペーンに取り組むと表明しました。
「結婚してこそ一人前」「結婚や出産は早いほうがいい」というプレッシャーが少なくない人たちを追い詰めています。その中で、都がキャンペーンをすることは、どれだけ社会に影響を与えるのか、知事は分かっているのですか。
「結婚しなければ半人前、結婚すれば仕事も家のことも満点を求められる。絶対満点なんて取れないのに」という、朝ドラ「虎に翼」のセリフに共感の声があふれましたが、それはこの価値観が現代社会にもあるからです。
婚活支援はやめるべきです。
Q5 国連が「世界人口白書」で、女性の身体を統制する人口操作から脱却し、女性が自己決定できること、個人の生活の質を上げることが大切だと各国に強く呼びかけていることを、どう受け止めていますか。
Q6 個人の生活の質を上げるためにも、性と生殖にかかわる権利・リプロダクティブ・ヘルスライツや包括的性教育こそ必要ではありませんか。
8、保健医療政策について
都民の命、健康、安全、平和を守り抜く都政への転換も、都知事選挙の争点です。
Q1 知事は所信表明で、都民の命と健康を守り抜くために、新型コロナウイルスとの闘いに全身全霊を傾けたと述べました。
しかし、小池知事は新型コロナ感染拡大のさなかに、都民の命と健康を守る最後の砦である都立病院の地方独立行政法人化を強行しました。
その結果、バラ色に描いた当初の約束とまったく違って、危ぐされたとおり経営効率が優先され、独法化後1年半余りで、都立病院の休止病床は629床に拡大しています。これは小規模な病院なら6カ所分に相当します。
私の地元にある大塚病院では、改修によって病床95床が、休止ではなく削減されました。
都民の命と健康を守り抜くために必要な都立病院の行政的医療を大幅に後退させた責任を、知事はどう考えているのですか。
Q2 都立病院は直営に戻して拡充することを求めます。知事いかがですか。
都民の命と健康を守り抜くと言いながら、コロナ対応で、あれだけぜい弱さがあらわになった保健所の増設に、小池知事は背を向けています。保健所の増設にお金を使いたくないのでしょうか。
Q3 23区はすべてに保健所がありますが、多摩地域は町田と八王子に市の保健所があるほか、24市3町1村に都の保健所が5カ所しかありません。知事、保健所の多摩格差ゼロに取り組まないのですか。
多摩地域の保健所の増設・拡充を強く求めます。
コロナが5類に移行されて以降のコロナ関連死亡数は、3万人を超えています。
Q4 コロナは終わっていません。
ある障害者施設では、職員と利用者が次々感染する事態になっています。重い症状であっても「治療薬は高額なので断った」というケースも出ています。
最低限、福祉施設での定期検査、治療薬への公費負担実施、都として後遺症相談窓口を復活させることが必要です。いかがですか。
9、PFAS汚染対策について
知事は所信表明で、PFAS汚染にふれませんでした。「都民の不安に無関心」な姿勢は許されません。
Q1 新たな公害と言うべきPFAS汚染は、都民の健康にかかわる重大問題です。知事、その認識はありますか。
Q2 都が3月末に公表した都内260カ所の水質調査の結果、調査カ所の約1割を超える17区市・28カ所で、国の暫定指針値を超過しました。
立川市や渋谷区では、暫定指針値の約6倍から12倍が検出され、多摩地域だけでなく23区内にも複数の汚染源があることが明らかになりました。知事はこの調査結果をどう受け止め、対応するのですか。
汚染源が大企業であっても米軍であっても、都民の健康を守る立場から、東京都が汚染者負担原則で対策を求めることが必要です。
Q3 専門家は、PFOSは米軍横田基地などの泡消火薬剤に含まれているもので、発がん性があるPFOAは、産業利用や産業廃棄物による汚染の主たるものだと言います。
しかし都は水質調査の結果について、2つを合わせた数値しか公表していません。実態を正確につかみ、汚染源を明らかにするうえでも数値を別々に公表すべきです。いかがですか。
Q4 また、PFASを製造・輸入・利用している企業の実態について、都として調べることが必要ではありませんか。
Q5 EUは、1万種以上のPFAS全般を対象とする規制案の検討が進められています。
驚くことに日本の財界と政府は、これを妨害しています。日本では、PFOS、PFOAなど3つの物質しか禁止されていません。知事、国に規制強化を迫るべきです。答弁を求めます。
10、防災対策について
能登半島地震で、住宅倒壊の甚大な被害により多くの方が亡くなったにもかかわらず、小池知事は今年度予算で、住宅耐震化の予算を減らしました。その姿勢が厳しく問われます。
Q1 都は1981年基準の住宅耐震化率92%だと言いますが、これはマンションも含めた数字です。木造戸建て住宅に限れば86%です。
木造戸建て住宅は、阪神淡路大震災を受けて引き上げた2000年基準が重要です。その耐震化率をお答え下さい。また、この基準を満たしていない住宅は何戸ですか。
自己責任優先ではなく、地方自治体が責任をもって住民の生命・財産を守り抜く防災対策への転換が必要です。
Q2 住宅耐震に関する区市町村の補助の状況を見ると、2000年基準の耐震化助成があるのは、23区が82%に対し、多摩地域は26%と、大きな多摩格差があります。
「耐震化・不燃化を加速する」というのは知事の公約です。倒壊ゼロをめざして木造戸建て住宅の耐震化の目標を定め、一気に進めることが必要ではありませんか。また、すべての自治体で耐震化が進むよう都として支援を強化すべきですが、いかがですか。
マンションの防災対策も重要です。
Q3 都が作成した被害想定によれば、マンションでは、エレベーターは電力が復旧しても点検が終了するまで使用できず復旧が長期化する可能性があります。トイレは配管の点検が終わるまで使えません。これでは、在宅避難はできません。どう対応するのですか。正確な現状把握が必要ではありませんか。
Q1 4月の日米首脳会談で岸田首相は、自衛隊を事実上、米軍の指揮下へ統合していくことを打ち出しました。あわせて在日米軍の戦時の指揮権をもつインド太平洋司令部の機能を横田基地に移転する可能性まで報道されています。
知事、東京が標的になる危険が、いっそう強まるのではありませんか。
Q2 横田基地の「友好祭」で、横田基地司令官のラダン大佐は「陸上自衛隊のオスプレイと米軍横田のオスプレイは必要な航空機であり、任務において安全に飛行できると認識している」との考えを示しました。
航空自衛隊の横田基地指令空佐は、「日々、米空軍との連携の強化に努めている。非常に良い関係で任務を遂行できている」と、一緒に会見を開きました。
米軍横田基地と自衛隊のオスプレイを一体運用することを示す重大な発言だと思いますが、知事の認識を伺います。
Q3 横田基地は、たんなる輸送基地ではなく、戦時の司令基地、特殊作戦部隊の基地に変質しています。知事、見過ごせないと思いませんか。
アメリカの要求に応じて自民党政府が進める戦争できる国づくりは、きわめて危険な段階を迎えています。「安全保障は国の専管事項」などと言って黙認している場合ではありません。
しかも小池知事は、政府の姿勢と同様、戦争の不安をあおり、ミサイル攻撃を受けることを前提にした「地下シェルター」整備の予算まで計上しています。
世界に平和を発信する都政への転換が、都知事選挙で問われます。
Q4 来年は戦後80年、東京空襲80年です。空襲を体験された方々が、年々少なくなる中、節目の年にふさわしい一年にしていくことが重要です。
東京都平和の日企画検討委員会の意見を尊重して、体験者の話を聞くことをはじめ、平和の日の式典や空襲資料展などの行事を抜本的に充実させることが欠かせません。どう対応するのですか。
証言ビデオや都民のみなさんから提供していただいた戦災資料などを展示・公開するための常設の場所が、いよいよ必要です。
東京空襲80年の年に、平和の発信拠点となる平和祈念館の建設に再び踏み出すことを、理事者や、すべての議員、都民のみなさんに心から呼びかけるものです。
Q5 沖縄県では、国際平和の創造やアジア太平洋諸国の相互発展に向け積極的に取り組むことによって国際社会に貢献する沖縄県を作ることを目指して地域外交を進めています。
知事、都として平和を作っていくことに貢献するため、自治体としての外交を進めることが必要ではありませんか。
Q6 すでに42道府県が非核平和都市宣言をしています。東京都も宣言をするべきです。知事いかがですか。
12、知事の学歴詐称疑惑について
知事のカイロ大学卒業をめぐり、学歴詐称疑惑が再燃しています。
駐日エジプト大使館のフェイスブックに掲載されたカイロ大学長の声明文は、前回の都知事選挙直前に小池氏側からエジプトに頼んで発表してもらった作文だと、元側近の小島敏朗氏が月刊誌に書きました。
都民にウソをつき、そのうえエジプト駐日大使館を疑惑隠しに巻き込んだとしたら外交問題にもなる深刻な問題です。
Q1 学歴問題への対応について、2020年6月に、知事が小島氏に相談したことはあったのですか。また、カイロ大学から声明文を出してもらえばよいのではないですかと小島氏から助言を受けたのは事実ですか。
13、政治資金について
国政では、自民党の裏金問題に国民の怒りが広がっています。
都政においても、贈収賄や政治資金の公私混同などで、猪瀬知事、舛添知事、2代続けて辞職する前代未聞の事態が起きました。「政治とカネ」をめぐる問題は、都知事選挙でも厳しく問われます。
Q1 政治資金のあり方について知事は、3月の予算特別委員会で、現行法に基づいて対応すればよいとの答弁を繰り返し、法改正が必要だという認識を示しませんでした。
知事、パーティー券の購入を含め企業・団体献金が政治を歪めているという認識はないのですか。
Q2 パーティー券の購入を含め企業・団体献金の禁止を言わないのは、知事も受け取ってきたからではありませんか。答弁を求めます。
最後に改めて、新しい都知事を誕生させて都民の希望がかなう都政をつくるために全力をつくすことを表明し、再質問を留保して質問を終わります。
【答弁】
○知事(小池百合子君) 米倉春奈議員の代表質問にお答えいたします。
まず、都政運営についてのご質問がございました。
未来は人がつくるものでございます。だからこそ、一人一人が輝ける舞台を次の世代に引き継いでいかなければならない。
これまで、チルドレンファーストな社会、誰もが自分らしく輝ける社会、いかなる危機にも揺るがぬ安全・安心な社会の実現に、大胆な発想で挑んで国をも動かしてまいりました。
都民ファースト、都民が第一、全ては都民のため、明るい東京の未来を切り開く政策を練り上げまして、いかにして実行に移すか、これこそが都政のかじ取りを担う者の使命と考えております。そして、こうした考えの下で、都政運営に集中をいたしているところでございます。
国民健康保険の保険料についてのお尋ねがございました。
国民健康保険の財源は、保険料が二分の一、公費二分の一が基本とされております。
保険料、税の賦課方式、料率は、住民の様々な暮らし向きを踏まえながら、区市町村が自ら定めるものでございまして、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されているものでございます。
高齢者への支援についてのお尋ねがございました。
高齢者の暮らし向きは様々であって、暮らしに余裕がないと感じている方がおられると認識しています。
都は、都民の生活を守るため、経済的に厳しい環境に置かれた方への支援に取り組んでおります。
エネルギー政策についてであります。
G7気候・エネルギー・環境大臣会合におきまして、排出削減対策を取らない石炭火力発電の段階的廃止に合意したことは承知をいたしております。
こうしたことを踏まえまして、電源構成等のエネルギー政策の在り方につきましては、国レベルで議論、検討がなされるべきものでございます。
少人数学級についてであります。
義務教育におけます学級の在り方は、法により定められておりまして、教育の機会均等や全国的な水準の維持の観点から、国の責任におきまして行われるべき、このように考えております。
都におきましては、子供たちの意欲を引き出す少人数などによる学びを着実に進め、教育の充実を図っております。
ジェンダー平等の社会に向けた取組についてであります。
全ての都民が性別に関わりなく個人として尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要です。
そのため、都は、働く場における男女平等や家事、育児等の役割分担意識の変革などに向けまして、様々な施策を展開いたしております。
誰もが多様な生き方を選択できる社会を実現するため、引き続いて取り組んでまいります。
次に、平和に関する二問、ご質問、まとめてお答えいたします。
戦争はあってはならないことであり、平和の尊さについて改めて胸に刻んでおります。
昨年も、国際情勢を踏まえまして、九都県市の首脳と連携しまして緊急人道アピールを発出いたしました。
核廃絶に向けました取組は、国の安全保障に関わる問題でございまして、核の脅威に対する都民、国民の不安を踏まえ、国にしっかりと対応していただきたいと考えております。
経歴についてのご質問です。
カイロ大学による声明文に関するご質問だと存じますが、あくまで大学の声明文であり、大学当局の意思に基づき公表されたものでございます。
なお、経歴につきましては、これまでも様々な提案、多くの方々からいただいているところでございます。
次に、政治資金に関する二問の質問にまとめてお答えをいたします。
法に基づいて適切に対応するべきであることはいうまでもございません。法の在り方につきましては、国会において、まさに議論がなされていると認識をいたしております。
重要なのは、現場の最前線で活躍する企業や団体としがらみのない政治活動を行うことであります。私自身、こうした考えの下で都政に邁進してきたところでございます。
なお、その他の質問につきましては、教育長、東京都技監及び関係局長から答弁をいたします。
○教育長(浜佳葉子君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、学校の断熱改修についてでございますが、公立小中学校の施設整備の経費は、設置者である区市町村が負担することとされており、都教育委員会は、断熱性向上のための改修について、区市町村が国の補助制度を活用できるよう支援しています。
また、都立学校においては、空調設備の利用により適切な教育環境を確保しており、断熱性の向上についても、改築等の際に、エネルギー使用の合理化を図ることを目的とする省エネ・再エネ東京仕様に基づき計画的に進めております。
次に、不登校の子供への対応についてでございますが、公立小中学校において不登校となる要因や背景は複雑化、多様化しております。
このため、都教育委員会は、子供が充実感を持って安心して学べる魅力ある学校づくりを推進するとともに、学校と家庭、その他の教育機関と連携した対応を充実させ、不登校の子供一人一人の状況に応じた多様な学びの場の確保を図っております。
次に、教育施策の充実についてでございますが、都教育委員会は、教員が子供たちと向き合うための時間や授業準備の時間を十分に確保できるようにするため、学校における働き方改革を進めるなど、教育施策の充実を図ってまいりました。
引き続き、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び育つ教育の実現に向けて取り組んでいるところでございます。
次に、スピーキングテストの実施状況等についてでございますが、スピーキングテストは学ぶ意欲の向上と指導の改善を目的としており、一、二年生は在籍する中学校の教室等で実施しています。
一方、三年生は、より集中した環境で受験できるよう、外部会場で教室や机の位置を工夫するなど配慮して実施をしています。
大勢が一斉に発語するスピーキングテストの性質上、周りの声が聞こえることはあり得ますが、試験は適切に実施されております。
スピーキングテストの実施についてでございますが、テストは適切に実施されており、学校における様々な指導とその学習成果を確認するスピーキングテストの双方を実施することが、生徒の英語力を伸ばすことにつながるため、引き続きスピーキングテストを実施してまいります。
次に、学校給食費についてでございますが、学校給食費については、国がその責任と財源において無償化を実現すべきものと考えており、引き続き国に対して要望してまいります。
次に、学校給食費の区市町村への財政支援についてでございますが、学校給食費については、国がその責任と財源において無償化を実現すべきものであり、都として国に先行し、区市町村が学校給食費の保護者負担軽減に取り組む場合、その費用の二分の一を都が支援することといたしました。
○東京都技監(谷崎馨一君) 十点のご質問にお答えいたします。
まず、神宮外苑再開発についてでございます。
今回の開発は、明治神宮などの民間事業者が自らの所有地において実施するものでございます。
都は、都市計画や再開発事業の認可などについて、法令等に基づき適切に対応しております。
次に、築地地区のまちづくりについてでございます。
都心の大規模な土地や地域のポテンシャルを生かしながら、東京や日本の持続的な成長につなげるため、民間の創意工夫を最大限に活用してまちづくりを進めていくこととしております。
次に、選定された計画についてでございます。
平成二十九年六月の基本方針で示された豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性は一貫しており、変わってはおりません。
次に、築地まちづくりの検討経緯についてでございます。
審査経過及び結果につきましては、既に都のホームページにおいて、審査委員会の議事概要や事業予定者の提案概要、審査委員の評価などを公表しております。
次に、都市開発についてでございます。
東京が持続的に発展していくためには、都市の活力やにぎわいの創出、地域の防災性の向上、緑あふれる都市空間の形成、先端技術の活用による環境負荷の低減などを進めていく必要がございます。
今後とも、質の高い民間プロジェクトを適切に誘導し、都市機能と自然環境が調和した持続可能な都市を実現してまいります。
次に、木造戸建て住宅の耐震化率等についてでございます。
耐震改修促進計画において、平成十二年の耐震基準、いわゆる二〇〇〇年基準の耐震化率は、令和元年度末現在で七七・七%となっております。
また、二〇〇〇年基準を満たしていない木造戸建て住宅の戸数は、約三十七万戸と推計しております。
次に、木造戸建て住宅の耐震化の取組についてでございます。
耐震改修促進計画に基づき、昨年度から新耐震基準への耐震化助成を開始するとともに、今年度からは耐震改修等の補助限度額を引き上げております。
今後も地元自治体と連携し、取組を進めてまいります。
次に、横田基地についてでございます。
安全保障に関することは、国の専管事項でございます。
なお、国からは、横田基地に置かれている在日米軍司令部の機能強化について、現時点で何ら決まっているものはないと承知していると聞いております。
オスプレイの運用についてでございます。
都はこれまでも、地元自治体と共に、安全対策の徹底等について、国や米軍に繰り返し要請を行っております。
なお、安全保障に関することは、国の専管事項でございます。
最後に、横田基地の役割についてでございます。
国からは、横田基地の基本的役割は空輸拠点であり、また、在日米軍の司令部としての機能及び輸送拠点としての機能を果たしていると聞いており、都といたしましては、横田基地の空輸基地としての役割は変わらないものと認識しております。
○保健医療局長(雲田孝司君) 五点のご質問にお答えいたします。
まず、国民健康保険の負担軽減についてでございますが、国民健康保険は、法に基づく全国統一の制度であり、その制度上の課題は、制度設計者である国が責任を持って対応すべきものでございます。
都はこれまで、国に対し、構造的な問題の抜本的な解決を図るよう強く求めてまいりました。
また、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運営を図るため、法令等に基づく財政支援を行っております。
次に、都立病院の運営状況についてでございますが、都立病院では、妊婦や透析患者など特別な配慮を要するコロナ患者を積極的に受け入れてきたほか、大塚病院では、周産期医療を拡充するなど、行政的医療を充実させております。
国の調査によりますと、都内医療機関における病床利用率はコロナ禍で低下いたしましたが、現在、緩やかな回復傾向にあり、都立病院では、患者動向に応じて病床等の医療資源を有効活用して運営を行っております。
次に、都立病院の経営形態についてでございますが、都立病院は、独法化のメリットを生かした柔軟な人材確保や機動的な運営により、行政的医療をはじめとする質の高い医療を提供しており、その役割を着実に果たしております。
次に、都保健所についてでございますが、地域保健法において、保健所は、都道府県、政令指定都市、中核市、保健所政令市または特別区が設置することとされております。
また、住民に身近な保健サービスは、市町村の保健センター等が行い、都道府県の保健所は、より専門的なサービスを実施するという地域保健法の考え方に基づき、多摩地域の都保健所については、二次保健医療圏に一か所設置しております。
最後に、新型コロナ対策についてでございますが、より多くの医療機関でコロナ患者に対応できる体制が構築されたことや、通常の医療提供体制に完全移行するという国の方針を踏まえ、新型コロナに対する検査など特別の体制は、本年三月末で終了してございます。
都は、通常の体制に移行した後も、施設等への感染対策支援チームの派遣や後遺症対応医療機関マップの公開など、必要な取組は継続しております。
○福祉局長(山口真君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、高齢者施策についてでございますが、高齢者の医療費負担の在り方につきましては、社会保障制度全体の中で、国の責任において対応すべきものでございます。
シルバーパスにつきましては、現在、多くの高齢者がパスの発行を受けまして、社会参加と生きがいの活動に活用されております。
また、都は、区市町村が高齢者への補聴器支給等事業を実施できるよう支援しております。
次に、電気料金の負担軽減についてでございますが、熱中症対策の一つとして、エアコンの適切な利用は有効であり、都は、生活保護世帯等におけるエアコンの使い方について区市町村に周知をしております。
電気料金等に対する支援につきましては、全国的な課題であり、国の責任において実施すべきものでございます。
都は、物価高騰の影響により、経済的に厳しい環境に置かれている方への様々な支援に取り組んでおります。
次に、ひとり親家庭や障害者への支援についてでございますが、都では、就業支援や相談支援、子供の学習支援など、ひとり親家庭に対し様々な支援を行っております。
また、重度障害者に対しては、医療費を助成しております。
障害者の所得保障は、基本的に国の役割であり、毎年、障害基礎年金や手当等の充実を国に要望しております。
最後に、低所得者等への支援についてでございますが、これまでも様々な機会を通じ、生活に困窮されている方の状況を把握しており、経済的に厳しい環境に置かれている方への支援に取り組んでおります。
○住宅政策本部長(小笠原雄一君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、家賃動向及び家賃補助制度についてでございますが、民間企業におきまして、家賃動向に関する様々な調査が行われていることは承知をしております。
家賃補助制度につきましては、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しております。
次に、都営住宅の新規建設についてでございますが、住宅ストック全体が量的に充足している中で、今後、人口が減少する見込みであることから、都営住宅は、現在のストックを最大限に活用し、住宅セーフティーネットの中核としての機能を果たしてまいります。
都民の居住の安定確保につきましては、都営住宅に加え、民間賃貸住宅ストックを活用し、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図ってまいります。
最後に、マンションの防災対策についてでございます。
東京都地域防災計画では、エレベーターが使用不可となることを踏まえた日常備蓄の実施や、トイレが使用不可となることを踏まえた携帯トイレ等の準備といった自助、共助の備えに向けた普及啓発のほか、震災時におけるエレベーター復旧を円滑に行う体制の構築などを実施することとしております。
○産業労働局長(田中慎一君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、プロジェクションマッピングについてでございますが、プロジェクションマッピングは、高い芸術性と世界をリードする技術によって、都市の価値を高める日本のキラーコンテンツでありまして、都内各地で行うことで、東京の夜間観光の振興に向けて活用することは極めて重要でございます。
都庁舎に投影するプロジェクションマッピングでは、観覧者数が開始から三か月で二十万人を超えており、観光事業者がプロジェクションマッピングを鑑賞する旅行商品を販売する取組も出ているなど、経済面での効果も見られております。
続きまして、中小企業の取引価格の適正化についてでございます。
中小企業が適正な価格で取引を行えるよう、価格交渉アドバイザーは重要でございます。
都では、専門家が年間一千八百を超える企業に個別巡回して、取引適正化に関する相談等を行っております。こうした企業を含め、昨年度は、要望のありました三十五社に価格交渉のアドバイザーが交渉の手法等について助言をしております。
続きまして、最低賃金についてでございます。
最低賃金は、法に基づき、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議し、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して国が決めております。
都は、この制度が国において、労働や企業の実態、生計費を踏まえ、適切に運用されるべきものと考えております。
続きまして、雇用就業や中小企業に係る支援についてでございます。
都は、中小企業の働き手や業界の実情に詳しい団体、経営者や研究者等の有識者から意見を聞く場などを設け、施策に反映しております。
次に、東京電力への株主提案についてでございます。
電源構成等のエネルギー政策の在り方については、国レベルで議論、検討がなされるべきものであります。
都としましては、東京電力に対し、電力価格の高騰抑制や再生可能エネルギーの活用促進等について、株主提案を実施したところです。
次に、エネルギー問題への対応についてでございますが、エネルギー政策の在り方については、国レベルで議論、検討がなされるべきものであります。
最後に、海外からのグリーン水素の活用についてでございますが、東京の脱炭素化を図るため、海外からのグリーン水素の供給を確保し、都内へ確実に提供する仕組みをつくり上げることは重要でございます。
なお、ニューサウスウェールズ州政府は、州における現在のグリーン水素の割合を公表しておりません。
○財務局長(山下聡君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、物価高騰に係る予算上の対応についてでございますが、都は、当初予算におきまして、物価高騰等の影響から都民生活と事業者を守るため、住宅困窮者支援や中小企業の経営の下支え等のセーフティーネット支援をはじめ、総額一千六百十九億円となる重層的な対策を講じております。
令和五年度最終補正で予算措置し、今月にも申請受付を開始する低所得世帯への緊急支援を含め、こうした取組を迅速かつ着実に実施してまいります。
次に、都発注契約の年間実績についてでございますが、公営企業局も含む令和四年度の契約件数は八万八千七百一件で、当初契約金額の合計額は、約一兆七千四百五十八億円でございます。
また、都の競争入札参加資格を有する事業者は、令和六年四月一日時点で延べ二万一千三百三十一者おり、そのうち中小事業者の割合は約九割となっております。
最後に、社会的責任調達指針についてでございますが、調達指針が求める水準につきましては、公正性等の確保を原則とした公共調達としての特徴を踏まえ、義務的事項につきましては、法令遵守を基本に設定しております。
賃金、報酬につきましては、法定の最低賃金の支払いを義務的事項にする一方で、いわゆる生活賃金の考えを企業の自主的な取組として導入する例があることを踏まえまして、これを推奨的事項として設定しております。
○政策企画局長(坂本雅彦君) 東京グリーンビズについてのご質問にお答えいたします。
東京を緑あふれる都市とするため、都は東京グリーンビスを掲げ、緑を守り、育て、生かす観点から取組の強化を進めておりまして、ご指摘は当たりません。
○環境局長(松本明子君) 十点のご質問にお答えいたします。
まず、樹木の効果についてでございますが、樹木をはじめとする緑地は、ヒートアイランド現象や暑熱環境の緩和など、調整機能を持っております。
次に、緑の指標についてでございますが、都はこれまでも、日差しを遮る緑陰を確保するため、街路樹の計画的な剪定による樹冠の拡大に取り組んでおります。緑の多様な機能に着目したみどり率を用いて、緑地等の現状や推移を把握しております。
次に、気候変動対策についてでございますが、二〇二一年度実績の速報値としまして、二〇〇〇年度比で温室効果ガス排出量については二・三%削減、エネルギー消費量は二七%削減と昨年公表しております。
都は、二〇三〇年カーボンハーフの実現に向けまして、来年度から施行する新たな条例制度をはじめ、各種施策の拡充を図っております。
次に、島しょ地域の洋上風力についてでございますが、昨年開催した専門家会議では、伊豆諸島の海域は好風況で、洋上風力のポテンシャルがあるとの意見をいただいております。
次に、洋上風力発電の進め方についてでございますが、導入に当たっては、地元の理解を得ることは大切でございます。
次に、PFOS等についてでございますが、都は、都民の不安払拭を図るため、国に先んじて水道水における都独自の水質検査を実施し、一部の水源井戸からの取水を停止しております。
また、地下水等を調査しており、暫定指針値を超える地下水を飲用しない取組を実施しております。
さらに、国に対し、健康影響及び環境に関する評価について、科学的根拠に基づいた知見を示すよう要望しております。
次に、PFOS等の調査についてでございますが、都はこれまでも、国に先んじて、水道水の安全性を確保するとともに、地下水のきめ細かい調査や継続的なモニタリングを実施してきております。
次に、PFOS等の測定値についてでございますが、水質汚濁防止法では、PFOSとPFOAの合計値を要監視項目として定めております。
都は、法に基づき調査し、その測定値を公表しております。
次に、PFOS等の利用などについてでございますが、PFOS等は既に国際条約及び法律により、製造、輸入等が禁止されておりまして、国において対応しております。
最後に、PFOS等に関する規制についてでございますが、都はこれまでも、最新の科学的知見等を踏まえ、健康影響及び環境に関する評価を明確にし、対策等を併せて検討するよう、関係局が連携して国に求めております。
○総務局長(佐藤智秀君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、妊娠、出産、子育てによる差別についてのご質問でございます。
妊娠、出産、育業等に関するハラスメントは、人権上の課題であり、都は、こうしたハラスメントが行われることのない勤務環境づくりを推進しております。
次に、会計年度任用職員の採用についてのご質問でございます。
地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき、各局等において、募集及び採用を適切に行っております。
また、妊娠、出産、育業等に関するハラスメントの防止のため、意識啓発を目的とした研修や、相談窓口の整備などを行っております。
○生活文化スポーツ局長(古屋留美君) 四点のご質問にお答えいたします。
結婚機運醸成キャンペーンについてでございますが、都は、結婚を希望しながら一歩を踏み出せない方を後押しするため、個人の価値観に十分配慮しながら結婚支援に取り組んでおります。
次に、国連の世界人口白書についてでございますが、人口の問題や、女性が自分の体や人生を自分で決めることの意義について述べていると承知してございます。
次に、リプロダクティブ・ヘルス・ライツ等についてでございますが、男女平等参画推進総合計画では、心身の健康について正しい知識や情報を入手し、適切に自己管理ができることが重要としており、都は様々な取組を進めております。
最後に、東京都平和の日の記念行事についてでございますが、先月開催された企画検討委員会における空襲資料展の実施箇所の増や体験談の重要性などの意見を踏まえ、内容の充実を図ることとしております。
【再質問】
○八十二番(米倉春奈君) 都民の切実な課題である国民健康保険料について、知事に再質問します。
知事は、国保料の財源負担の制度解説をし、保険料を決めるのは区市町村だという答弁をしました。かみ合わない答弁はやめてください。
私が聞いたのは、保険料の検討に当たり、物価高騰などで市民の生活は大変苦しい状況なので、考慮してほしいという旨の発言をした自治体の長の姿勢を、知事がどう受け止めるのかということです。大事な姿勢だと思わないのですか。知事、きちんとお答えください。
二問目です。都庁の足元で行われている食料支援の現場を知事は訪ねましたかという質問に局長が答弁しましたが、知事が訪ねたという答弁はありませんでした。行っていないなら行っていないと、はっきりお答えください。
知事は、定例会に集中して取り組むと述べてきました。ところが、神宮外苑再開発、都立病院独法化、保健所増設、英語スピーキングテスト、PFAS汚染など、重要課題にまたしても答弁しませんでした。
築地は守る、情報公開、多摩格差ゼロ、原発ゼロなど、知事の公約についても局長が答弁しました。
公約を誠実に実行する姿勢が小池知事には見られません。知事としての資格が問われることを厳しく指摘をし、再質問を終わります。(拍手)
○知事(小池百合子君) 再質問にお答えいたします。
幾つかの再質問いただきましたけれども、先ほどお答えしたとおりでございます。
○福祉局長(山口真君) 低所得者等への食料支援についてでございますが、繰り返しになりますが、これまでも様々な機会を通じ、生活に困窮されている方の状況を把握しておりまして、経済的に厳しい環境に置かれている方への支援に取り組んでおります。